KISARAGI

KISARAGI vol.998

カテゴリー: 2019年01月06日
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K I S A R A G I vol.998                              2019/1/6
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいた
します。小説、エッセイ、知恵袋、短歌、俳句、都々逸、論文。皆様からの
ご投稿、日々お待ちしております。

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今週のお話

◆  古典へのいざない  [767]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[76]  梅花屏風 [3]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第六十二回 小坂頼藻 6 
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [767]
伽婢子《おとぎぼうこ》[76] 梅花屏風 [3]
作者:たまさん

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 一行は安芸《あき》国に入ったが、風が強かったので高砂《たかさご》の
忠海《ただのうみ》で一時停泊することになった。
 北の方は泣きながら歌を詠んだ。

  忠海《ただのうみ》いかに浮きたる舟の上
  さのみに荒き浪枕《なみまくら》かな
 (どうして忠海で浮いている船の上にいるのでしょう。このように荒れて
  いる海で寝るのはつらいことです)

 夜が更け、月が傾いた時分に権中納言は酒を取り出して北の方と一緒に少
しずつ飲み、破子《わりご》(折り詰め)を開けて船頭にも食べさせた。
 この船頭はここから一里《り》ほど東にある能地《のうち》の者だったが、
船に積んである金銀を散《ち》りばめた道具や財宝の数々、多くの絹や小袖
《こそで》に目がくらんで悪心《あくしん》を起こした。
「今宵、この者たちを殺し、財宝を奪い取って一儲《もう》けしよう。この
乱世でとがめる者もおるまい」
 すっかり夜が更けて月が沈み、暗くなった頃合いに、船頭は闇に紛れて家
人《けにん》たち男女三人を海に投げ入れた。続いて、物音に気づいた権中
納言が起き上がろうとするところを後ろに回り、跳ね上げて海に投げ込んだ。
「これはいったいどういうことですか」
 狼狽《ろうばい》した北の方が声を上げると、船頭は取り押さえて言った。
「安心しろ。お前は殺さない。――俺には二人の息子がいて、長男は新婚だ
が次男にはまだ嫁がいない。お前を次男と結婚させる」
 船頭は船を出して能地の家に帰り、財宝や小袖などを売り払った。
 北の方は船頭に言った。
「少し体調が悪いので治るまでお待ちください。その後に次男殿と夫婦《め
おと》になりましょう」
 その言葉に船頭は喜んだ。
(続く)
                                  ★

 新年、明けましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願い申し上げます。

 辛くも山口城から逃げ出した権中納言たち一行ですが、都に向かう途中で
船頭に裏切られます。北の方以外は海に投げ出され、残った北の方も船頭の
息子と結婚させられることになりました。この場合、「船頭」ではなく「海
賊」と言った方が正しいかもしれません。

 続きは次回にお届けします。それではまた。


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ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子の話
第六十二回 古坂頼藻 6 
作者:宇祖田都子

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第六十二回 古坂頼藻 6

 小坂さんは、白黒のボーダーのタンクトップに、だぼっとした半そでの綿
シャツをおなかのところで結び、ジーンズのショートパンツに真っ赤な太いベ
ルトをギュッと締めた姿で、野球帽を振りながら、大きくて丸い帆布製の
リュックをゆさゆさ揺らして、坂を駆け上ってきた。元気だ…

「あ、また髪、切ったんだね」
 前髪がほとんどなくなり、耳も顕わなその髪型は、小坂さんの整った輪郭を
際立たせていた。
「暑っついからね」
 と私の前で、絆創膏を貼った膝に手をおいて、ゼイゼイ息を弾ませている。
リュックがいびつな形で背中から、だらりと垂れ下がりそう。
「ずいぶん、大きなリュックだね。あ、中入ろう。暑いもんね」
「賛成賛成」
 小坂さんは、上目遣いで私にウインクした。それは、とてもチャーミング
だった。

 店内に入った途端に、思考と感情がよみがえってくる気がした。
 私自身はさほど「暑い」とは感じてはいなかったのだが、こうして、適温の
空間に入ってくると、外に立っていた数分が、心身にどれほどのストレスを与
えていたのかを思い知らされる。
 「環境は心身を支配する」私はぼんやりとそんな言葉を反芻していた。

 小坂さんは、バルテスの豊富なメニューの検討に余念がなかった。
 終わってしまったモーニングメニューから、ランチタイムメニューはもちろ
んのこと、日替わりランチ全ての詳細な検討から、グランメニューの全て、デ
ザート喫茶メニューや、お持ち帰りメニューのまで、比較検討しているらしい。
その間に、両手でも重たいと感じるタンブラーに、ペパーミントを浮かせたお
冷を2杯お替りし、熱いお絞りと、冷たいお絞りを交互に、もらって、顔や首
筋をぬぐっていた。

「ミヤコちゃんは?」
 不意に、尋ねられる。
 私はメニューを見ずに、ひたすら小坂さんを見ていただけだったが、常連の
余裕感をただよわせて、「今日のランチにする」と応えた。
 小坂さんは、「ん~」と腕を組む。
「私は、ナポリタンと、四種のチーズとはちみつのピザと、レモンライムのバ
ニラアイス」
 私は吃驚して、小坂さんにささやいた。
「このお店、かなりボリュームあるから、パスタとピザのコンボはきついと思
うよ」
「ミヤコちゃん。私の空腹を甞めないでよね」

 結果的に、小坂さんは、私のセットデザートの、抹茶プリンまで平らげるこ
とになる。若いって素敵… (20190106)


ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ショートショートガーデン https://short-short.garden/author/808354
(400文字以内のショートショートばかりです)

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

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編集者 みやこたまち

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発行周期: 週刊 最新号:  2019/02/17 部数:  50部

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