KISARAGI

KISARAGI vol.985


カテゴリー: 2018年10月07日
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K I S A R A G I vol.985                              2018/10/07
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:たまさんの「妻の夢を夫面に見る」最終回! 好きだなこういう話。

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [755]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[64]  妻の夢を夫面に見る [5]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第四十九回 切子の土鈴9 
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [755]
伽婢子《おとぎぼうこ》[64] 妻の夢を夫面に見る [5]
作者:たまさん

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 何か感じたところがあったのか、座にいる儒学者と思《おぼ》しき男が涙
ぐみながら漢詩を詠んだ。

  蛍火《けいか》白楊《はくやう》を穿《うが》ち
  悲風《ひふう》荒草《くはさう》に入《い》る
  疑《うたが》ふらくに是《これ》は夢中《むちゅう》の遊《あそび》
  愁《うれ》ひて一盃《いつぱい》の酒《さけ》を斟《く》む
 (蛍の明かりが柳の木を穿《うが》ち、
  もの悲しい風が草むらを通り抜ける。
  これは夢の中での宴《うたげ》ではないかと疑い、
  嘆きながら一杯の酒を酌《く》む)

「どうして今宵限りの夢がありましょう。人の世はすべてが夢なのです」
 そう言って与兵衛《よへえ》の妻が涙を流すと、上座の男が腹を立てた。
「この場で涙を流すとは、何ともいまいましい奴め」
 男が投げた杯は妻の額に当たった。怒った妻が座の下から石を取り出して
投げ返すと、相手の頭に当たって血がほとばしり、滝のように流れた。驚い
た座の人々が騒ぎ始めた次の瞬間、灯火《ともしび》が消えて人も消え去り、
ただ草むらには虫の音だけが残った。
 与兵衛は驚き怪しんだ。
「ひょっとして我が妻は死去し、幽霊として現れたのだろうか」
 嘆き悲しみつつ帰宅すると妻が横になっていた。慌てて呼び掛けながら身
体を揺り動かすと、妻は起き上がって与兵衛の帰宅を喜んだ。
「あまりにも待ちわびて、少しまどろんでいました。夢の中で、草むらで開
かれている十人ほどの酒宴に加わり、皆にせがまれて、あなたの恋しさを歌
に詠みました。わたしが涙を流したことに怒った上座の男が杯を投げてきた
ので、石を取って投げ返し、場が騒然とし始めたところで目が覚めました。
夢の中で投げつけられた杯が額に当たりましたが、目が覚めた今もその辺り
が痛みます」
 妻が夢で見たという歌や詩は、自分が見聞きした内容とまったく同じだっ
た。
「それでは、柳の陰で隠れて見たのは、妻の夢の中の出来事だったのか」
 与兵衛はつくづくと感慨にふけったという。
(了)
                                  ★

 今回で「妻の夢を夫《おっと》面《まのあたり》に見る」は終わりです。
特にオチのない、ちょっと不思議な感じの短編でした。
 次回から新しいエピソードをお届けします。それではまた。

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ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第四十九回 切子の土鈴 9 
作者:宇祖田都子

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第四十九回 切子の土鈴 9

「なんでもよく知ってるよね。都子ちゃんて。魂鎮めと、魂振りの両方をあわ
せてそう呼んだりするみたい。でもこれは真逆の効き目があるんだ。荒ぶる魂
を鎮めるのと、弱っている魂に活力を与えるの。どっちも、葉っぱや紙切れを
バッサバッサ振るんだよ。で、その時に先っぽにつけるのが、振鈴なんだ。
 鈴には神を呼ぶ働きがあって、そこから清めの力があるとされているの。そ
の原始的な形式が土鈴で、土を練って模様を施して、こう、女陰(キャッ)型
の切れ込みの中に魂なる魂を入れる」

 よどみない説明です。が、私はこれが小坂さんの言葉ではないような気がし
ていました。

「では、この写真をご覧ください」

 小坂さんがzineのあるページを開いて、私の前におきました。それは、見開
きで、二つに割れた土鈴が大写しになったカラー写真です。赤土を固めたよう
な色の鈴の表面に刻まれた模様が……

「小坂さん。この模様っ!」

 それは、カタカナの「ボイ~ンボイ~ン」と読めたのです。
 小坂さんは、慌てることなくうなずいて、さらに露出した玉を指差しました。
私は勢い込んで、その玉を食い入るように見つめました。
 が、それはただのうすい茶色の丸い玉にしか見えません。

「?」
「この玉は、人骨でした」
「!」
「この土鈴は、お城の近くの沼で発掘されたものです。その現場に私も立ち会っ
ていて、森の中のスタバの工事に気を取られて落としちゃってね」
「え? じゃこの割れた土鈴って…」
「そうです。私が落として割りました。ごめんなさい。それはともかく、その
結果、玉が骨だという実証実験が進んだというケガの功名」

 私は、舌を出す小坂さんと、土鈴の写真を交互に眺めました。

 それにしても、ここでまた「ボイ~ン」が現れるとは。やはり何かの呪文な
のだということは間違いのないところです。市子の見立てではそれは「お経」
の楽譜であるところ「博士」です。そして小坂さんのケガの功名からすれば、
あの文句は古代儀式の呪術の文句なのです。そしてこれらはいずれも、「死」
にかかわりがあるようです。(20181007)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ショートショートガーデン https://short-short.garden/author/808354
(400文字以内のショートショートばかりです)

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

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