KISARAGI

KISARAGI vol.984

カテゴリー: 2018年09月30日
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

K I S A R A G I vol.984                              2018/09/30
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

 配信システム
KISARAGIは「まぐまぐ」で配信しています
「まぐまぐ」:http://www.mag2.com/

登録解除の方法
KISARAGIを解除するには、次のアドレスへアクセスして
『購読及び解除はこちら』のフォームをご利用いただくか、
まぐまぐHPへアクセスして下さい。
解除できない場合は、メールして下さい。
--> http://mmkisaragi.blogspot.jp/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

通信欄:台風24と25。十分な警戒を。

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

今週のお話

◆ "古典へのいざない" [754]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[63]  妻の夢を夫面に見る [4]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第四十八回 切子の土鈴 8 
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

古典へのいざない [754]
伽婢子《おとぎぼうこ》[63] 妻の夢を夫面に見る [4]
作者:たまさん

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ


 やがて、上座の男が与兵衛《よへえ》の妻に向かって言った。
「今宵の月は誠に残念である。情け知らずのこの雲で一首詠んでくださらぬ
か」
 固辞したものの、人々がどうしてもと勧めるので歌を詠んだ。

  きりぎりすこゑもかれ野のくさむらに
  月さへくらしこと更になけ
 (こおろぎよ、このように月の暗い夜ですから、
  せめて枯れ野の草むらで鳴いてくれませんか)

 柳の陰で隠れて聞いていた与兵衛はしみじみと涙を流し、座の人々もさら
に興じて杯《さかずき》を巡らした。
 十七、八歳と思《おぼ》しきある少年の前に杯が置いてあったが、一向に
口にしようとしないので人々が無理に勧めると、少年は「先の女性の歌があ
れば飲みましょう」と言った。
「先ほどは一首だけという話だったので詠んだのです。どうかお許しくださ
いませ」
 妻は断ろうとしたが、いくら言っても聞き入られないため、仕方なくもう
一首詠んだ。

  ゆく水のかへらぬけふをおしめただ
  わかきも年はとまらぬものを
 (流れゆく水は決して元には戻りません。
  時は止まらないものですから、
  若いといってもどうか今日という日を無駄にしないでください)

 杯が巡り、再び「また詠《うた》ってもらえぬだろうか」と頼まれると、
今度は今様《いまよう》を一節歌った。

  さびしき閨《ねや》の独《ひとり》ねは、
  風ぞ身にしむ荻《おぎ》はらや、
  そよぐにつけて音づれの、
  絶《たえ》ても君に恨《うらみ》はなしに、
  恋しき空にとぶ雁《かり》に、
  せめてたよりをつけてやらまし
 (あなたのいない寝床での独り寝は風が身に染みます。
  野で荻《おぎ》が風にそよぐように逢瀬《おうせ》が途絶えても、
  わたしはあなたを恨みません。
  空を飛ぶ雁《かり》に、せめてこの気持ちを託したいと思うだけです)

(続く)
                                  ★

 主人公の妻は、宴に参加している人々に頼まれて和歌を詠み、今様を歌い
ます。

 ちなみに、古語の「きりぎりす」は「コオロギ」を指します。一方で「キ
リギリス」は古語で「はたおり」と呼ばれました。実は「こほろぎ」という
古語もありますが、こちらは「コオロギ」「キリギリス」「秋の虫の総称」
などと諸説があってはっきりしません。ちょっとややこしいですね。

 続きは次回にお届けします。それではまた。


ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第四十八回 切子の土鈴 8 
作者:宇祖田都子

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ


第四十八回 切子の土鈴 8

「私、土鈴の会に入ったっていうはなしはしたっけ?」

 小坂さんがコーヒーカップから香り立つ湯気をクンクン嗅いで、たずねます。
私はそんな話を聞いていたような気がしました。

「あの、主任も所属しているっていう、郷土史のサークルだったかしら?」

 That's right!
 と小坂さん。「これ酸っぱいよ、マスター」と叫んで、ニヤニヤしています。

 「で、これが最新の会報」

 いつの間に引き寄せていたのか、小坂さんが手元からB6でわりと分厚い
zineを私に手渡しました。

 ―土鈴の会 ××支部 vol.524―
 表紙は、解像度の荒い白黒の網点写真でした。発掘現場のようです。

「今号の目玉は、主任の研究記事なんだよ」

 私はそれを聞いて吃驚しました。今回の企画展の準備が立て込んでいる最中、
いつそんな研究時間を作っていたというのでしょう。

「都子ちゃんさ。主任って真面目堅物コチンコチンだと思ってるでしょ。チッ、
チッ、チッ。主任が、あの銀縁眼鏡をキラリと光らせて、プライヴァシー対応
フィルムを貼ったパソコンで、なにしてると思う? コレよコレ」
「え~そうなの? 私てっきり今回の企画展の資料の貸し出しの件で、たいへ
んなのだとばかり思ってた。ふぅ~ん。そうかぁ。そうだったのかぁ」

 私は主任に、親近感を覚えました。真面目な顔して一体どんな研究をしてい
たのだろう。zineをペラペラとめくります。

「魂振り。って聞いたことない?」

 小坂さんに聞かれて、私は首を傾げました。

「お葬式の儀式? だったかしら。荒御霊と、和御霊とか、そんな記憶がかす
かにあるような…」

 小坂さんは、ミルクをドボドボと追加しながらため息をつきました。

 (20180930)


ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ショートショートガーデン https://short-short.garden/author/808354
(400文字以内のショートショートばかりです)

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

投稿随時募集中
    http://mmkisaragi.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html

このメールマガジンは、投稿によって全てが成り立っています。
ぜひ、あなたの小説を投稿して下さい。

投稿はkisaragi HP の投稿要綱
 http://mmkisaragi.blogspot.jp/2013/10/blog-post_6740.html

または、直接のメールでも結構です。

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

作者情報が必要ですので、以下の内容をお送り下さい。

タイトル(必須):
種別:ショートショート/短編/中編/長編/エッセイ
ジャンル:(時代、現代、SF、冒険、推理、ファンタジー、など……)
作者名(ハンドル可;必須):
メールアドレス(必須):
HPアドレス&名前:
一行コメント:

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

なお、発行の都合上、一行の最大文字数は全角で35文字(原則)までです。
それを超えるものはこちらで修正させていただきますのでご了承下さい。
投稿作品の著作権は各作者にあります。

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

<運営よりお知らせ>
メルマガの配信ドメインが変更になります。
全てのメルマガが受信できるよう、以下のドメイン全ての受信設定をお願いい
たします。
・mag2.com
・mag2official.com
・mag2-tayori.com
・mag2tegami.com
・mag2premium.com

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

発行者について

編集者 みやこたまち

E-mail :tamachim@yahoo.co.jp

WebPage:http://mgkisaragi.web.fc2.com/index.html

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

KISARAGI

発行周期: 週刊 最新号:  2018/12/16 部数:  49部

ついでに読みたい

KISARAGI

発行周期:  週刊 最新号:  2018/12/16 部数:  49部

他のメルマガを読む