KISARAGI

KISARAGI vol.981

カテゴリー: 2018年09月09日
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K I S A R A G I vol.981                              2018/09/09
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:たまさんの新しいお話は、不思議な夢のお話ですよ。

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [751]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[60]  妻の夢を夫面に見る [1]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第四十五回 切子の土鈴4 
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [751]
伽婢子《おとぎぼうこ》[60] 妻の夢を夫面に見る [1]
作者:たまさん

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 周防《すおう》国山口の城主・大内義隆《よしたか》の家人《けにん》に、
浜田与兵衛《よへえ》という者がいた。彼の妻はもともと室津《むろつ》の
遊女だったが、与兵衛が見初めて以来、この上なく思い続けて深い仲になり、
ついに正妻として迎えることができた。美しい容姿の上に風流で情も深く、
歌道《かどう》に通じ、手跡《しゅせき》も見事だった。しかるべき前世か
らの契りだったのか、与兵衛の妻となった後も互いに深く愛し合い、来世ま
でもと約束し合う仲だった。
(続く)
                                  ★

 今回から新しいエピソードで、タイトルは「妻の夢を夫《おっと》面《ま
のあたり》に見る」と読みます。原作は中国の『五朝小説』に掲載されてい
る「張生」(夢遊録)で、器量よしの遊女を妻として迎えた主人公が体験す
る少し不思議な物語です。

 補足すると、主人公が仕えている大内義隆は周防国(山口県)の戦国大名
で、文化振興に熱心だったことで知られる人物です。(後に家臣に殺されて
しまいますが、今回の話とは直接関係ありません)
 また、室津(現・兵庫県たつの市)はかつて栄えた遊女町です。井原西鶴
が『好色一代男』で「遊女発祥の地」と謳ったことで知られ、伝説的な遊女
「宮木」の出身地という説もあります。この宮木は、以前にお届けした『春
雨物語』(上田秋成作)では神崎(兵庫県尼崎市)出身ということになって
いましたが、そもそも実在したか分からない人物ですので定説はありません。

 続きは次回にお届けします。それではまた。

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第四十五回 切子の土鈴 4 
作者:宇祖田都子

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第四十五回 切子の土鈴 5

 「へえ。そんなことになってんのかぁ。へえ~。おもしろいねぇ」

 小坂さんは、私の肩に額をぴったりと寄せて、ウンウンと頷きながら聴いて
いました。私は小阪さんの髪が少しくすぐったくて、フッっと息を吐きました。
 自分で意識していないで歌っていた鼻歌を、他人にじっくりと聞かれるとい
うのは、存外恥ずかしいものです。私がそういうと、小阪さんはイヤホンをは
ずして、私を見上げていいました。

「他人にノートを見せるっていうのも存外、恥ずかしいもんじゃないですかね」

 私は「はっ」としました。
 並木さんは、なぜあのノートを手藻蔓さんに託したのでしょう。そして、手
藻蔓さんは、どうして並木さんから預かったノートを、私にすべて貸してくれ
たのでしょう?

「もしかしたら、並木さんも、誰かから、あのノートを託された? そして何
かに気づいて旅に出た……」
「ミヤコちゃん。それ、あんまりおもしろくない」

 小坂さんは、素っ気無くそう言うと、いつの間にか手にしていたメロンク
リームソーダをチューッと吸いました。

「マスター。ディナーメニュープリーズ!」

 小坂さんが、大きな声でそう叫ぶと、周りのテーブルの視線が一斉にこちら
に集まりました。いえ、店内は薄暗がりになっていて、この大テーブルの上に
だけ、ペンダント照明が下がっているので、実質、私たちから、周囲のボック
ス席の様子は見えないのでした。
 それでも、薄闇が漣のようにうごめく様子を感じとることはでき、それが、
ボックス席に向かい合う人々の視線がこちらに投げかけられたときの波動に、
感じられたのだということなのでしょう。そして、おそらく、ここだけが明る
い大テーブルは、スポットライトに照らされたステージのように目立っていた
はずなのでした。

 マスターがグランドメニューを二冊手渡してくれました。A3サイズの大き
なメニューで、中には地中海風の料理がおいしそうな写真で紹介されていまし
た。

「そういえば、初めて手藻蔓さんとここに来たとき、私たちは夕食を食べたん
だっけ? それとも、食べなかったんだっけ?」

 私は、そこのところを思いだそうと、メニューをにらみました。写真を見れ
ば、舌先には味が、鼻先には香りが、立ち上るものです。そして、それらは私
の記憶を刺激してくれるはずでした。

 オリーブオイル、ワイン、バジル。カレー。カレー。カレー。
 厨房から、欧州カレーの香りが漂ってきました。

「私は、カツカレー」

 と小坂さんがメニューを受け取ると同時にマスターに伝えていたのです。

「長い夜にはカツカレーが必要なの。絶対に」
「じゃ、じゃあ、私も同じもので……」
「マスター! カツカレーもう一丁!」
「あ、私ちょっとお手洗いに……」

 私は、薄暗がりからの無言の視線の集中砲火に耐え切れなくなって、いった
ん戦線離脱することに決めました。
 そして、席をたって、店内を歩いてみて、今夜、ここ鸚鵡には、私たち以外
に誰一人お客さんがいないのだということがわかりました。だからこそ、小坂
さんは、人目をはばからず、マスターと会話をし、大声でオーダーをしていた
のでしょう。

 では、私が終始感じていた視線は一体なんだったのでしょうか?

 私は、ソワソワしたままお手洗いに入り、あまり鏡をみないようにして、店
内に戻りました。

「ミヤコちゃん。また歌ってるよ」

 席に戻る直前、小坂さんが手藻蔓さんのzineを読みながら、そう言いました。
私は、おもわず口を塞ぎ、静かに席に座りました。(20180909)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ショートショートガーデン https://short-short.garden/author/808354
(400文字以内のショートショートばかりです)

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

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発行周期: 週刊 最新号:  2019/01/20 部数:  50部

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