KISARAGI

KISARAGI vol.975


カテゴリー: 2018年07月29日
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K I S A R A G I vol.975                              2018/07/29
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:台風、水害。ご無事でしたでしょうか?

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [745]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[54]  狐の妖怪 [2]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第三十九回 博士 6
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [745]
伽婢子《おとぎぼうこ》[54] 狐の妖怪 [2]
作者:たまさん

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
 小弥太《こやた》は元から大胆不敵な性格だったため、恐れることなく女
に近づいて尋ねた。
「どうしましたか。あなたは誰で、どういった事情で日暮れに一人で悲しげ
に泣き叫び、どこに向かおうとしていたのですか」
 女は泣く泣く答えた。
「わたしはここから北にある余五《よご》郡の者です。先に、山本山《やま
もとやま》城を攻略するために木下《きのした》藤吉郎《とうきちろう》と
いう大将がやって来て陣を構え、退却時に余五・木下《きのした》の辺りを
すべて焼き払いましたが、その際に父と兄弟は山本山で討ち死にしました。
母は心労のあまり病に倒れ、その後、家に押し入った軍兵《ぐんぴょう》が
財宝を余すところなく奪い取ろうとするところを、声を上げて抗議したため
に斬り殺されてしまいました。わたしはあまりの恐ろしさに草むらの中に隠
れていたため、何とか命が助かりましたが、今や両親も兄弟もおりません。
拠《よ》り所のない孤児《みなしご》となって行く当てもなく、今はただ身
を投げて死のうと思い、悲しさに耐え切れず、人目もはばからずに泣いてい
ました」
 一部始終を聞いた小弥太は考えた。
「これはまさしく、狐が化けてわたしをたぶらかすつもりのようだ。それな
らば、逆にわたしがこの化け狐を騙して一儲けしてやろう」
 小弥太は女に向かって言った。
「親兄弟と死に別れて頼るべき者もいないとは、何とも気の毒な話です。我
が家は極めて貧しいとはいうものの、幸いなことに一人を養うくらいは何と
でもなります。家事を覚えて励んでくれるのなら、あなたを信用し、面倒を
見て差し上げましょう」
 これを聞いて、女は大いに喜んだ。
「わたしのことを憐《あわ》れんで養っていただけるのなら、我がためにも
父母の生まれ変わりと思ってご奉仕します」
 小弥太は女を連れて武佐宿《むさのしゅく》に帰り、妻に引き合わせた。
女が泣きながら先ほど事情を訴えると妻も不憫に思い、また器量がよかった
ため、大切にしてかわいがったが、小弥太は狐が化けていることを露ほども
妻に語らなかった。
(続く)
                                  ★

 人に化けて騙そうとする狐と、それを知りつつ逆に利用してやろうと考え
る主人公の生活が始まりました。
 続きは次回にお届けします。それではまた

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ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第三十九回 博士6
作者:宇祖田都子

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第三十九回 博士6

 並んで後片付けをして、食器も乾燥機に並べ終えて、見たことのないコー
ヒーメーカーが、湯気をたてるのを眺めるうちに、日が暮れました。

「それにしても、ミヤコ。なにかいいことあった?」
「べつにぃ。いつだって楽しいけど、特にコレがってのはね……」
「だって、ずっと鼻歌歌ってるからさ」
「へ?」

 なんということでしょう。鼻歌は、まだ続いていたのです。図書館を出て、
ここまでの道すがらもおそらくずっと、私は一人、鼻歌を歌いながら歩いてき
たのかもしれません。すれ違う人がみんな笑っていたのは、もしかしたら私の
鼻歌を聞いたからだったのでしょうか……

「いやだな。ぜんぜん意識してないのよ。っていうか、その鼻歌、私以外の人
にしか聞こえないんじゃないかしら」

 市子はコーヒーを入れながら、笑いました。

「ま、鼻歌とかって、癖みたいなものだからね。指摘されるととたんに居心地
悪くなったりするものよ。いいわよ私は。ぜんぜん気にならないっていうか、
聞いていてすごく楽しい気分になる……」

 突然、市子が黙り込みました。なんだか難しい顔になって、コーヒーを二つ
テーブルにおくと、隣室へ入っていき、すぐに小さなラップトップを携えてき
たのです。

「あなた、自分の鼻歌、意識してないっていってたよね」
「え、ええ。全く」
「それね。こういうの」

 市子はキーを操作して、一連の電子合成音を流し、そこにビブラートや強弱
をつけていきました。やがて、すべての調整が終わったという顔をして、私を
見たのです。

「聞き覚え、ある?」

 私は首を振りかけました。しかし、鼓膜のくすぐったいような感じと、足裏
がぶかぶかするような奇妙な身体感覚が呼び覚まされると、即座に、この音こ
そが、昨日の夜電話で市子に求めていた「音」だったと確信したのでした。

 私は大きくうなずいて、この音に出会った昨日のトンネルまでの話を、手藻
蔓さんの部分は適当に端折って、話しました。
 なので、私がそのノートを持っている理由については、市子は納得できな
かったと思います。でも、市子はすべてを知らされなければ我慢できない、と
いうタイプの人ではありません。

 そう。私はそこにつけこんで、一部を隠匿したのです。
 なぜ、隠したかったのかについては、今は放っておいてください。

(20180729)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

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