KISARAGI

KISARAGI vol.972


カテゴリー: 2018年07月08日
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K I S A R A G I vol.972                              2018/07/08
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:たまさんの「伽婢子」が、意外な展開に!

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [742]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[51] 真紅撃帯 [6]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第三十六回 博士 3
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [742]
伽婢子《おとぎぼうこ》[51] 真紅撃帯 [6]
作者:たまさん

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

 ある日、妹娘《いもうとむすめ》が言った。
「両親の罰が恐ろしく、あなたと一緒にこの地に逃げて、既に一年の月日が
経ちました。きっと二人ともわたしを心配していることでしょう。今なら罪
を許してくれるはずですので、故郷に戻りましょう」
 平次もその通りだと考え、一緒に敦賀に帰った。
 妹娘を船に置き留め、一人で屋敷に赴いて案内を請い、長八と対面して詫
びを入れた。
「あれほど親身になって世話をしてもらいながら、お許しもないまま道理に
外れた不義な行為に及んでしまいました。その罪は決して軽くはありません。
しかしながら、あれから時を重ね、今はお怒りも多少落ち着いたのではない
かと考え、すぐ近くまで連れて帰ってきています。どうか、わたしたちの罪
をお許しください」
 話を聞いた長八は怪訝な顔をした。
「それはどういうことですか。まったく理解できないのですが」
 平次は事の次第を語り、真紅《しんく》の撃帯《うちおび》を取り出して
見せると、長八は非常に驚いた。
「その帯は、上の娘が婚約したときにあなたの家からもらったもので、死去
したときに棺《ひつぎ》に収めて埋めたはずです。それに、下の娘は重い病
で床に伏せったままですので、あなたと一緒に他国に行くことはあり得ませ
ん」
 人を遣わし、船に残してきたという妹娘を確認させたところ、その船には
船頭以外に誰も乗っていなかった。
(続く)
                                  ★

 妹娘との駆け落ちから一年後、ほとぼりが冷めたはずと見込んで故郷に戻
ってきましたが、主人公は意外な話を聞かされます。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第三十六回 博士 3
作者:宇祖田都子

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

第三十六回 博士3

 ま、それはさておき、エプロンを片付けて、まさに麦茶を飲み干さんとして
いるロッカールームに、今日は互いにバタバタしていてゆっくり顔を突き合わ
せている暇がなかったタモっちゃんこと古坂頼藻さんが、駆け寄ってきました。
顔が真っ赤です。

「あ、古坂さんお疲れさま~」

 私はそう声をかけて、ロッカーからリュックタイプの鞄を取り出しました。

「あ~ ミヤコちゃんお疲れさま~」

 古坂さんはもう帰り支度を済ませていて、私を待っているかのように立ち止
まってニコニコしていました。

「どうしたの? 何かあった?」

 私は体をまっすぐにして古坂さんに向き合いました。すると古坂さんは顔を
ますます赤くして「ねえねえ」と私の二の腕をつまみました。

「これから、鸚鵡寄っていかない? ほら。梅雨もあけたことだしさ。zin
eの新刊もそろっているころだし。ね?」

 その声の調子は、私がそれまで古坂さんの口からはあまり聞いたことのない
響きを持っていました。センテンス内の抑揚というか、言葉と言葉の高低とか、
微妙なビブラート加減とかが、いつもの古坂さんではないなと、そんな風に感
じたのです

 私はたぶん、つきあったほうがよいのだろうなと、思ったのです。

 古坂には珍しいトーンでしたが、世間一般的には実にありふれた情緒を含む
響きだったからです。
 私の二の腕をぎゅっとつかんでいる古坂さんの両手を、そっとほどき両手を
つないだまま、私は彼女の瞳を見ました。一日の労働をおえた気だるさの内に
揺れ動く乙女心が透けていました。

「ごめんなさい。今日は先約が入っているの」

 そんな時は、気をもたせたりしないで、きっぱりと、簡潔に、断らねば後を
引いてしまいそうです。古坂さんは「あぇ~」といって、私の両手をニギニギ
してきました。

「それじゃしょーがないや。私も鸚鵡はこの次にするよ」
「そうなの? ごめんなさいね。明日は何もないから、というか今日予定があ
るってことが私には珍しいことなんだけどね」

 あっさり引き下がられると、なんとなく言い訳したくなるものですね。いわ
ずもがなのことを……

「もしかして、手藻蔓さん関係、と、か……」

 ほら。やっぱり勘繰られた。

「ううん。そっち方面ではなくて、秋のグループ展の打ち合わせがね。あるの」

 これは半分嘘だが半分本当だ。

「そっか。なんか、今日ミヤコちゃん。のりのりでずっと鼻歌歌ってたから。
もしかしたらデートかも、って思ってたんだけどな。でも、ミヤコちゃん達の
展示おもしろいよね。私も混ぜてもらいたいな。あ今度ね。また今度」

 鼻歌?

 私は今日、古坂さんとは数回すれ違う程度しかあっていませんでした。もし
そのたびに私が鼻歌を歌っていたのだとすれば、私はおそらくずっと、鼻歌を
歌っていたかもしれないと思いました。しかもノリノリの…… 自覚ない、全
く…… 主任にも聞かれているかもしれない。
「今日図書館のお姉さん、ずっと鼻歌うたっていて、ちょっとうるさかった」
なんていわれているかもしれないし、そういう投書がくるかもしれない。でも
自覚ないし…… わぁ。どんな鼻歌だったのか、たずねてみたい。聞きたくな
いからたずねてみたいわぁ。というような動揺はおくびにも出さずに、スルー
してっと。

「古坂さんのzineおもしろいし。こうして同じ職場にいるのもご縁だから、
コラボ企画暖めようね」
「絶対だよ」

 そして、古坂さんは、じゃあなっ! とぶっきらぼうな男の子みたいに背中
越しにブンブン手を振って階段室へいきました。彼女は若いのでエレベーター
を使わないのです。(20180708)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

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