KISARAGI

KISARAGI vol.969

カテゴリー: 2018年06月17日
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K I S A R A G I vol.969                              2018/06/17
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:梅雨の晴れ間にフワフワカキ氷

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [739]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[48] 真紅撃帯 [3]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第三十三回 律動 3
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [739]
伽婢子《おとぎぼうこ》[48] 真紅撃帯 [3]
作者:たまさん

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およそ一ヶ月後、平次《へいじ》が戻ってきた。
 驚いた長八《ちょうはち》は屋敷に招いて事情を尋ねた。
「若林長門守《ながとのかみ》が河野《こうの》の城に立て籠もり、信長公
が八万余騎でこの敦賀に攻め込んできた際、若林一族ということで詮議され
るのを恐れ、取るものも取りあえず京都に上り、知り合いの家でしばらく居
候していました。しかし、両親が相次いで死去したため、昔の婚約が忘れが
たく、敦賀に舞い戻って参りました」
 話を聞いた長八夫婦は、涙ながらに語った。
「姉娘《あねむすめ》はあなたに思い焦がれた末に病に倒れ、先月の初めに
ついに帰らぬ人となってしまいましたが、久しく便りがなかったのを恨んで
いたようです。これをご覧ください。硯《すずり》の蓋《ふた》に歌が書き
残してありました」
 泣く泣く取り出して平次に見せた。

  せめてやは香《か》をだににほへむめのはな
  しらぬ山ぢのおくにさくとも
 (見知らぬ山奥に咲いている梅の花だとしても、
  せめて香りだけでもわたしのもとに届けてください)

 平次はいまさらながら我が身の薄情さを思い知らされ、大いに悲しんだ。
 仏間に足を運び、位牌《いはい》の前に香花《こうか》を手向《たむ》け
て念仏を唱えていると、長八夫婦が背後にやって来た。
「これはお前が恋した平次がくれた花だから、あの世でしっかりと受け取り
なさい」
 その場に伏して嘆き悲しむと、平次をはじめ家にいる者は皆一同に声を上
げて泣いた。
「両親が亡くなって独り身では、さぞかし心細いことでしょう。姉娘が死ん
だからといって、あなたは赤の他人ではありません。この家にいて、とにか
く仕事を見つけなさい」
 長八は屋敷の裏に新たに家を建て、平次を住まわせた。
(続く)
                                  ★

 姉娘の死去後、程なく元婚約者が戻って来ました。
 姉娘の両親は嘆き悲しみつつも、元婚約者に家を与えて暮らすように諭し
ました。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

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ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第三十三回 律動 3
作者:宇祖田都子

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

 全て均一に書かれているかに見えた「ぼい~~ん」でしたが、手書きである
がゆえの揺らぎは当然にあります。この揺らぎは、例えば、罫線内での上下
だったり、字間だったり、長音記号の波の山谷の間隔などです。
 私の眼は、その揺らぎを、音の高低や、長さ。速度、ビブラートに、無意識
のうちに変換して発語していたのだと思います。

 「楽譜というより、まるでレコード盤だわ」

 その時は私は、蓄音機なのだと思いました。薄暮に刻まれた紫の襞を読み
取って音に戻す機械。

 一体、音楽はなぜ、人間の心を動かすことができるのでしょうか?
 なぜ、時として言語に変換することが可能なほどの普遍性を獲得できるので
しょう?

 「私達は『意味』が『言葉』であることに、慣れすぎている……」

 雨上がりのペイブメントは、少し苔むしてコンバースのスニーカーをもって
しても、完全に無意識で歩くことはできませんでした。体重移動する靴底の感
覚を予測し、苔によるスリップがもたらす時として致命的なズレを不随意に立
て直すときに感じる「あっぶなかった!」感が、私が歩いているという自覚を
促すからです。
 そして「私は歩いている」「滑りやすいところを歩いている」「だから気を
つけて歩かなければならない」「慎重に体重移動しなければならない」「不用
意に足を動かしてはならない」「なるべく苔の密生していないところを踏まな
ければならない」「歩幅に注意しなければならない」「後ろ加重は危険」など
の警告文を生成するでしょう。

 ですが、こうした「意味づけ」はすべて「あとづけ」です。

 滑りやすい路面を歩くのに「言葉」は不要です。自分自身がくりかえし、こ
のような路面を歩くのである限り、この動作に言葉は必要ありません。ただし、
他人にこの道路が滑るのだということを伝えようとするとき、そのような意思
そのものが「言葉」を必要とするのです。危険度を具体的に示そうとうすれば、
それだけ多くの言葉と文法とを駆使しなければなりません。
 一方、共通の言語をもたない相手に、それを伝えたようとするのであれば、
「サイン」が用いられるでしょう。ピクトグラムが滑っているイラストを見る
者が、それぞれに言語化するのです。このとき、一枚の簡素なサインは、様々
に翻案され、膨大な言葉や文書の源泉となることでしょう。

 しかし、サインには、それらの多言語的要素は一切含まれてはいません。ま
た、それだからこそ、「落石注意」のサインが、

「道路の穴からは何か飛び出すから、気をつけて!」

 という文書を生成することを阻止する手段もないのです。(こうした勘違い
は、このサインのある場所に、落石が起こるのを見て、ようやく、サイン作成
者の意図を知ることとなるでしょう)

 坂の上から小石が転げてきました。子供が石を投げているのかもしれません。
私はその小石をひょいとよけて、長い階段を登りつめました。真っ黒な積乱雲
が急速に流れていきます。マンションは久しぶりに広がる夕焼けの只中に灼か
れたかのようにありました。 (20180617)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

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ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

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