KISARAGI

KISARAGI vol.958

カテゴリー: 2018年04月01日
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K I S A R A G I vol.958                              2018/04/01
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:山中の異郷譚。はじまりました! 「古典へのいざない」たまさん。

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [728]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[37] 十津川の仙境 [1]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第二十二回 ノートをひも解く 1
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [728]
伽婢子《おとぎぼうこ》[37] 十津川の仙境 [1]
作者:たまさん

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 和泉国《いずみのくに》の堺《さかい》に、漢方薬を商《あきな》う長次
《ちょうじ》という男がいた。以前から梅毒に悩まされていたため、紀州
《きしゅう》の十津川《とつがわ》に赴いて湯治《とうじ》をしたところ、
病に効いたのか十四、五日ですっかり治った。
 長次はふとあることを思いついた。
「その昔、人から伝え聞いた話によると、十津川温泉の奥に人参黄精《にん
じんおうせい》(朝鮮ニンジン)というものがたくさん生えていて、探せば
すぐに見つかるらしい。気晴らしにこの辺りを探してみよう」
 下男を宿に残し、一人で山奥へ入ったが、すぐ道に迷ってしまった。
 ある谷を下っている最中に、川の上流から美しい籠が流れて来た。
「どうやらこの水上《みなかみ》に人里があるらしい」
 川沿いに上流に向かって歩くうちに日が暮れ始め、遠くの森からねぐらで
争い合う鳥の声が聞こえた。十町ほど歩くと、岩を切り抜いた門にたどり着
いた。
(続く)
                                  ★

 今回から新エピソード「十津川の仙境《せんきょう》」をお届けします。
 漢方薬を扱う男が、十津川温泉(奈良県吉野郡十津川村)の奥に生えてい
るという朝鮮ニンジンを求めて山に入り、道に迷った末に不思議な場所にた
どり着きました。
 国内の朝鮮ニンジンは、江戸時代の享保《きょうほう》年間に朝鮮半島か
ら輸入されて栽培が始まりました。十津川の辺りに自生しているという話は
聞きませんが、栽培を奨励した徳川吉宗の出身が紀州だったことから、
ひょっとしたら「元は紀州に自生していたものだ」という噂があったのかも
しれません。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

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ウェブサイト:
 かたかご http://yamanekoya.jp/
 山猫屋本舗 http://yamanekoya.net/

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第二十二回 ノートをひも解く 1
作者:宇祖田都子

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第二十二回 ノートをひも解く 1

 目覚めると、亜熱帯の朝の予感がしました。身体中が痛みました。ですがそ
の痛みは、体を使ったためにおきた痛みだったので、動くのがつらくはありま
したが、同時に、体がきちんと動いているんだ、という充実も感じることがで
きました。ゆっくりなら、なんとか動けますし……

 原因は昨日運び込んだスーツケースです。

 うんと前、ジャッキー・チェンが腕だけで砂袋を引きずる修行をしていたの
は、酔拳だったかな? 兄と一緒にテレビで見た思い出。金曜ロードショー。

 今日は休日です。心行くまで手藻蔓さんの大学ノートを研究することができ
る一日になるはずです。冷たい水にミントを浸して、身体の内からリフレッ
シュします。
 まずは、一日を始めるルーティンから。カバンを開けるのは、心身ともに活
性化してからです。

 10時。めずらしくエアコンをぶんぶん回して、室内の湿気を飛ばします。私
のとっては少々肌寒いのでカーディガンを羽織っています。ノートに湿気は禁
物だろうと考えたからです。
 大きなテーブルの上をエンプティーにして、スーツケースは足許にあります。
目の前のベランダでは、シーツがはためいています。水平線の三本柱は雲に紛
れて判然としません。夕方からは雨になりそうです。
 スティーブ・ライヒの六台のマリンバをループ再生すれば、作業の準備は完
了です。こうすると、時間を気にせず、没頭できます。

「パチン」

 手藻蔓さんから預かった鍵で小気味よく、スーツケースの留め金が弾けまし
た。凹みや擦り傷だらけになってしまった鞄でしたが、開閉機構は全く問題が
ありません。古い紙を積み重ねたような匂いが、床を這って広がっていきまし
た。

 ノートは全部で74冊だったと、手藻蔓さんは言っていました。蓋を開いた
ところから、リコーのGR2を構えて、写真に残していきます。確認後は、
ノートの重なり順も、この茶色の紙袋の皺の一本までも現状復帰して返したい
と、まあ、それは言いすぎですが、とにかく、あまりかき乱したままにしてお
きたくはないと思うからです。それに、折角高いカメラを買ったのに、ほとん
ど使わないというのは、勿体無さすぎですしね。

 ケースの中には、A3ノビの黒いスクラップファイルが一冊と、小包に使う
ような茶色の紙でできた袋が一袋入っていました。スクラップファイルは、手
藻蔓さんの調査結果が入っているのだと、手紙には書いてありました。

「君に並木さんから譲り受けたままの状態でスーツケースを託す。ただ、私が
調査した資料を添付することも許してもらいたい。このファイルが君に先入観
を与えることになるというのなら、君の調査の後で、つき合わせてみてもらい
たい。いつか、君に結論がでたら、連絡してもらいたい。ケースとノートは私
のものだが、今は手元に置いておくことが…… いやこれも先入観になってし
まうね。では。また合える日がくることを願っている。(文鳥)」

 袋の口をひらくと、積み重ねられたノートの小口が現われました。黄ばみ折
れもありませんでしたが、一ページ一ページが時代を吸い込んでぼってりとし
ているように見えます。シワシワというのでもありませんが、各ページ同士が、
磁石の同じ極同士で反発しあっているかのような膨らみのように思われました。
もちろん、袋を開いたことで空気に触れたために、嵩が増してみえたというの
が本当のところでしょうけれど。写真を撮りながら、ノートを取り出していき
ます。

 こういう資料を、私はなるべく古いものから見たいと思っています。できう
れば、それが書かれた順番に追いたいのです。
 幸い、ノートには通し番号が記されていました。というか、ノートの表紙に
はその番号しか記されていないのですが。
 そして手藻蔓さんの几帳面さが現われているなと思ったのは、ノートは逆の
順番に袋に入っていたところです。ノートは三つの山に分かれていましたが、
どの山も一番上にあるノートが、その山の一番大きな数字のノートでした。古
いものから順に積んでいけば、当然そういう風になります。並木さんの普段の
物腰から考えて、それはおそらく、最初からそのように保管してあったのだろ
うと信じられます。

 70と書いてある大学ノートが一番手前の上でした。

「70?」

 ノートは全部で74冊あると、手藻蔓さんは言っていました。70のノートの
上に69、68……と積んでいって、机の上に、10冊ごとの山を7個作りまし
た。紙袋にはまだノートが残っています。それらのノートは、現在卓上に置い
てあるものに比べると明らかに傷んでいました。ページがバラバラになってい
るのです。
 表紙の紙で挟むようにして取り出します。3冊の、バラバラのノートです。
紙袋は空になりました。

「73冊?」

 卓上には、番号のない3冊のバラバラのノートと、1から70までの番号が
振ってあるA4サイズの70冊の大学ノートがきちんと並んでいます。足りない
ノートはどこに収まるべきものだったのでしょうか?

 可能性は3つあると私は考えました。

 その1.何らかの理由で、番号が振られていない4冊目のノートとして。
 その2.番号0のノートとして、1の前に。
 その3.番号71のノートとして、70の後に。

 1と2の場合は、ごく初期のノートであり、3の場合なら直近のノートとい
うことになります。あとは、書かれている内容の前後関係から推察するしかな
いようですが、抜き取ったのは手藻蔓さんだということは確かでしょう。
 あのレクチャーの夕方、ノートは74冊あると言ったのは手藻蔓さん自身だっ
たのですから。ではなぜ、その1冊は抜き取られなければならなかったので
しょうか?

 手藻蔓さんは、鍵と一緒に入っていた手紙に、
「並木さんからうけとったままを残していく」と書いていたのです。
 では、うっかり入れ忘れたのでしょうか?

(20180401) 

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発行周期: 週刊 最新号:  2018/12/16 部数:  49部

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