KISARAGI

KISARAGI vol.950


カテゴリー: 2018年02月04日
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K I S A R A G I vol.950                              2018/02/04
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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通信欄:今日からの季語は春

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [720]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[29] 黄金百両 [6]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第十四回 スライドショー 1
    作者 宇祖田都子

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古典へのいざない [720]
伽婢子《おとぎぼうこ》[29] 黄金百両 [6]
作者:たまさん

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 正月を迎える用意として銭や米を忙しげに運ぶ者たちを引き留めては尋ね
たが、いずれも源内《げんない》の屋敷から運ばれているものではなかった。
兵次《へいじ》は一日中、外で待ち受け、辺りに人影が見えなくなってから
中に戻った。
 油がないので灯火《ともしび》をつけることもできず、暗闇に包まれた一
間で妻子と向かい合った。米や薪《まき》を手に入れる当てもなく、一家は
絶望に打ちひしがれ、夜もすがら眠ることもできずに泣き明かした。
(続く)
                                  ★

 結局、友人の口約束は守られず、借金は返済されませんでした。
 続きは次回にお届けします。それではまた。

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

HP
「かたかご」http://yamanekoya.jp/
 趣味で読んでいる古典文学の現代語訳と参考文献を主に掲載しています

「山猫屋本舗」http://yamanekoya.net/
 写真日記を綴っています

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第十四回 スライドショー 1
作者:宇祖田都子

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第十四回 スライドショー 1

 初夏の夕暮れは黒雲に隠されていました。明日からはまた梅雨空の予報です。
私は「せめて今日中は降らないでもらいたいものだ」と思いながら、手藻蔓さ
んの後をついて歩いていました。

 スタジオ&ブックストアに入ると、正面のカウンターで俯いていた女性が慌
てて顔を上げるのが見えました。

「いらっしゃい…… あ。先生……」

 痩せて背の高い女性でした。後ろ髪は肩の上あたりで、前髪は眉のすぐ上辺
りで、まっすぐに切りそろえられたオカッパ頭の、そうですね、私よりもすこ
し若いかな…… という肌つやの。化粧気のない白い顔に、大きな瞳が印象的
です。薄い唇、涼やかな単の眼差し。尖った鼻。つまり、私とは正反対……。
白いワイシャツをラフに着ていて、ボトムは多分、スキニージーンズなんだろ
うな。靴はごく普通の形のローファーかしら。

「ああ。敷島さん。今日はもういいよ、ありがとう。あ、伝言あったら聞いて
おくけど何かあったかな?」

 そういって、手藻蔓さんはカウンター越しに「敷島」と呼んだ女性に、備え
付けのメモパッドをペラペラと捲りながら、うなずいたり、顔を寄せて質問し
たり、首をかしげたり、腕を組んだりしたりしていました。その影になった敷
島という人の表情は、私からは見えませんでした。

 西側のショウウインドウはロールカーテンが引き下げられていました。濃い
ブラウンのシンプルなスクリーンです。その隙間から湿り気を帯びた夜の気配
が覗いています。
 カウンターは、以前に見たものと全く変わっていませんでした。重厚な本物
の木のカウンター。洋酒のラベルや、かつてのメニューをはめ込んだ額縁や、
造り付けのイスのすこしくたびれたビロードも、足を載せる真鍮色のバーも。

 扉と、カウンター。しかし、痕跡はその二つのみでした。低い天井も、アメ
リカンコロニアルスタイルの木の手すりのついた階段も、鎧戸も、店をぼんや
りとともしていたオレンジ色のランプも、壁面にところせましと書かれていた
落書きや、撞球場も。穴だらけだったダーツの的も。何一つ残っていません。

 扉とカウンターの他にあるのは、一部ロフトとなった二層分の吹きぬけ空間
だけでした。

 カウンターに続く北面には、撮影スタジオとして必要なさまざまなスクリー
ンや、照明機材を備えた撮影スタジオです。
 南側には、写真集を中心とした本が陳列されています。そのほとんどは、輸
入ものの写真集や、画集でした。もうなくなってしまった百貨店にあった「リ
ブロポート」という本屋さんが、私は好きでした。ここで売られている本は、
その本屋の趣味を彷彿させました。私は何となく棚の間をうろついて、聞いた
ことの無い写真家の、みたことのない写真をついばんでいました。棚の間には、
様々な意匠のイスや、テーブルが、無造作(を計算された配置)に置かれてい
ます。多分、撮影の際の小道具になったりもするのでしょう。

「じゃ、おつかれ」
「はい。先生。お先に失礼します」

 どれくらいの時間放っておかれたのか。私はほとんどカルトンくらいある写
真集の、冷徹な意志につきうごかされた染みの生涯、としか言い表しようのな
いモノクロ写真にのめりこんでいました。
 慌てて立ち上がろうとして、膝の上の写真集に突き飛ばされるような感じに
なって、両手で本を抱えてニ三歩よろめき出て、すぐ前にあったバルセロナ
チェアのオットマンに脚をとられて、危ういところで体を半回転させた結果、
そのオットマンに勢い良く腰を下ろす、という動作を、二人に披露する羽目に
陥ったのでした。

「あ、すいません」
「大丈夫ですか?」

 敷島さんが駆け寄ってきてくれました。踝まで隠れるデニムのスカートを翻
して。赤いヒールをチラチラと覗かせながら。勾玉のようなイアリングが震え
ています。この時、手藻蔓さんは、私達のほうは見向きもせずに、鉄製の階段
をカンカンと昇っていくところでした。

「あ、待って…」と半ば本気で手を伸ばしそうになっている自分に愕然とした
ことなんて、おくびにも出すものですか。

「ええ。ちょっと立ちくらみが……」
体弱いアピールで、バリアを張って。
「水、飲みますか?」
「あ、大丈夫です。どうもご心配をおかけしました」
親切な人じゃないか、と思いました。が、次の瞬間には、
「宇祖田さん。ですか?」
 とても低い声で、敷島さんがいいました。
「はい。宇祖田です」

 と私も、とても小さな声で答えました。
 この後の言葉って、たいてい決まってます。私は、つまらないような、面倒
くさいような、生あくびが出てしまいそうなほど、つまり、緊張を自覚しない
ようにしていたのでした。人という字を書いて飲んでしまいたい。そんな感じ
で。

(20180204)

ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ

星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ

ノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノノ

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