KISARAGI

KISARAGI vol.941


カテゴリー: 2017年12月03日
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K I S A R A G I vol.941                              2017/12/03
                                       編集/発行:みやこたまち
                       E-mail:tamachim@yahoo.co.jp
                                 http://mmkisaragi.blogspot.jp/

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今週のお話

◆ "古典へのいざない" [711]
    伽婢子《おとぎぼうこ》[20] 竜宮の棟上げ [10]
    作者 たまさん

◆ 大学ノート狂詩曲 宇祖田都子の話
    第五回 手藻蔓空也 2
    作者 宇祖田都子

● KISARAGIについて

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古典へのいざない [711]
伽婢子《おとぎぼうこ》[20] 竜宮の棟上げ [10]
作者:たまさん

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 その次に玄《げん》先生と名乗る亀の精が現れた。袖を返して拍子を取り、
尾を伸ばし、首を動かしながら歌を歌った。

「わたしは蓍萩《めどはぎ》の草むらに隠れ、蓮《はす》の葉で遊び、書を
背負って水に浮かび、網を被って夢を示します。甲羅は人の吉凶を現し、胸
につわものの気を含みます。世の宝となって道の教えとなります。六つ(頭・
尾・手足)を蔵《かく》し、伏したまま千年の寿命を保ちます。気を吐けば
糸の如く、尾を引きずって楽しみを極めます。青海波《せいかいは》を舞い
ましょう」

 頭を動かし首を縮め、目を瞬きし、足を上げ、しばらく舞った後に玄先生
は引き下がった。座の者たちは声を上げて腹を抱え、起き伏して笑い、大い
に盛り上がった。
 その他に海老《えび》・蛤《はまぐり》・木霊《こだま》・山彦《やまび
こ》・様々な魚たちが、それぞれ得意な芸を尽くした。
(続く)
                                  ★

 竜宮城での宴会芸が続きます。
 ちなみに、文中に「六つ(頭・尾・手足)を蔵《かくす》す」とあります
が、この「蔵六《ぞうろく》」とは亀の異称です。ご参考まで。
 続きは次回にお届けします。それではまた。


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HP
「かたかご」http://yamanekoya.jp/
 趣味で読んでいる古典文学の現代語訳と参考文献を主に掲載しています

「山猫屋本舗」http://yamanekoya.net/
 写真日記を綴っています

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大学ノート狂詩曲 -宇祖田都子のはなし
第五回 手藻蔓空也 2
作者:宇祖田都子

コココココココココココココココココココココココココココココココココココ

 結局、私達は並木さんの忘れ物について話すことなどすっかり失念し、コサ
カさんの美術学校時代の武勇伝や、お仲間の近況などを、クルミのケーキとロ
シアンティーとで話し続けました。

 お客様がひと段落して、マスターが思いついたようにタブレットを持ってき
たのは、夜7時を過ぎたころでしょうか。私達はマスターの声に周りを見渡し、
窓の外にすっかり夜が来ているをみて、なんだか、映画館から出たらまだ昼間
だったときと真逆な気分になったね、などと笑いあっていました。

 「昨日のお客様が昨日の閉店近くを撮った写真がありました。このお店の雰
囲気がとてもよく伝えられる写真なので、いづれかの機会に使わせていただき
たいとお願いしていたのです」
 そう言って、マスターは、画面をスルスルを動かしました。
 「その方は、とても革新的な写真スタジオと先鋭的な写真集を販売する書店
を併設したお店を、アガタビルにもっていらっしゃいます。ここにZINEを置い
ていかれる、いわば同人仲間なんですよ」

 私達は、コップに残った水に口をつけながら、フンフンと、タイムラインに
現われる素敵な写真に見入っていました。どれも、この喫茶店を写したもので、
お客様の顔はみんなピースマークで隠されていますが、どなたの服装も、持ち
物も、「粋人」といったテイストがかもし出されているのです。私達は、来た
のが昨日でなくてよかったね、などと小声で話していました。

「ああ、この写真です」
 マスターの手が止まり、驚くほど長くて細い人差し指と、中指の間で、その
写真は画面に一杯のサイズに引き伸ばされました。
「あ、これ……」
 その写真は、正装を着崩した集団が、この大きなテーブルの周囲に集まって、
思い思いのZINEを指差したり、評論しあったりする、まさに大正の文芸サ
ロンのような雰囲気のもので、粒子を荒らした白黒写真に、天上から吊り下げ
られたシャンデリアの複雑な陰影が、写真の表面に、非現実的なまでの奥行き
というか、そこここに空いたワームホールとでもいうような、輻輳的風景を写
し取っていたのです。

「手藻蔓さん?」
 コサカさんが、その写真の一隅を指差しました。画像はその指さした場所を
中心に移動しました。そこに映っているピースマークの主は、ダークブルーの
ロングコートの襟を立て、黒いハットを目深にかぶって、濃い色の革の手袋を
した一人の男性が、テーブルの輪を離れていくところでした。
「コサカさん。手藻蔓さんの顔、知らないんじゃなかった?」
 私がそういうと、コサカさんは、「そんなことは問題じゃないの」とでもい
うように、大きく首を縦に振って、「違うの」と言いました。
「顔は、知らない。でも、これは見覚えがある!」
 コサカさんがあわてて拡大した画像の一部、それは拡大しすぎてボケボケに
なってしまいましたが、どうやら、銀色に耀くスーツケースのようでした。

「マスター。このカバン!」
 というと、いつの間にかカウンターにもどってグラスを磨いていたマスター
が顔をあげて、
「ええ。手藻蔓くん。素敵なスーツケースを引いているでしょ。それにZINEを
入れてきたんですよ。なんでも、ごく最近新調したんだとか。たいへん気に
入っていたようです」
 今日、図書館で見たゼロハリバートンのスーツケースは特徴的だったので、
不鮮明な写真からも同じものである可能性が高いと、私達は思いました。
「こんなすごいカバン、こんなに身近に、続けて三回も見るってことは、みん
な同じカバンなんじゃないかしら」
「とすると、今日、並木さんは、手藻蔓さんのこのカバンを引いていらっ
しゃったってことになるわね」

「お役に立ちましたか?」
 マスターは肩越しにタブレットを見下ろしました。シャンデリアに照らされ
たマスターの影が、私達とタブレットの辺りに落ちかかりました。
「はい。おかげさまで。」
「ところで」
 と私はふと思い立ってマスターに尋ねてみました。
「並木喜寿郎さんという方をご存知じゃないですか?」
 マスターはタブレットを小脇にかかえて、同じ手を顎にあてて少し考えてい
ました。
「さあ。お店にいらしたことはないようですね」
「そうですか。ありがとうございました」
 
 こうして、思わぬところで並木さんのスーツケースの出所が明らかになり、
その結果、カバンの処遇については、もう少し考えてみたほうがよさそうでし
た。

「ミヤチャン。私明日休みなんだ」
 店を出て、コサカさんが、暗い顔をして言いました。
「だからね、何か動きがあったら、メールして。ラインでもいいから。ね。ね」
「う、うん。分った。でも対応は主幹がするみたいだから。私はあんまり……」
「と・に・か・く。気になるんだ。ね。お願い。この通り」

 コサカさんは両手を強く握って深々と頭を下げました。通りを歩く婦人と、
てくてくと歩いているトイプードルとが、怪訝そうな顔で私達を見て通り過ぎ
ました。
「う、うん。そうだね。並木さんか、手藻蔓さんが、来るかもしれないしね。
なにかあったら、メールするね」
「ありがとう。恩にきるわ」

 コサカさんはようやく頭を上げました。それから腕時計に目をやると、あっと
その場で飛び上がりました。
「大変。遅刻しちゃう。それじゃ、ミヤコさん。お願いね。今日ありがとね。そ
れじゃね」
 私の手を取っておおきく前後にふって、「それじゃーまた明後日ねー」
坂を駆け下りていきました。

 私はくるりと振り向いて、坂の上にある自宅のマンションを見上げます。
「なんださっか、こんなさっか」
 そうつぶやきながら、私はほてった頬を夜風に冷ましながら、坂道を上ってい
きました。(20171203)

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星空文庫 過去作品上げていきます https://slib.net/a/20077/

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