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言葉の森新聞2018年12月1週号■作文力をつけるための三つの方法■子供を成長させる、楽しいけれど難しいもの

カテゴリー: 2018年12月01日
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■■作文力をつけるための三つの方法 
 作文力をつけるのは、一般にかなり時間がかかります。
 算数や英語など、主に知識の勉強は、始めてからすぐに成果が上がり、三ヶ月も一生懸命やれば見違えるほどできるようになります。 
 苦手だった科目が得意になるぐらいの大逆転の成果が出ることもあります。 

 ところが、作文の場合はそうではありません。 
 上達することは、もちろん必ず上達しますが、普通の勉強よりもずっと時間がかかります。 
 しかし、上達させる方法ははっきりしています。 

 第一は、事前の指導をしっかり行うことです。 
 何をどのように書くかという指示をもとに、目標を持って書く練習をすることです。 
 ただ漠然と作文を書いて、赤ペンの添削を受けただけでは、作文力はつきません。

 例えば、学校から日記を書く宿題が出されたときも、ただその日にあったことを書くのではなく、たとえを入れて書くとか、会話を思い出して書くとか、「どうしてかというと」という理由がわかるように書くとかいう目標を決めて書く練習をするのです。  
 この事前の目標のひとつに、身近な人への取材というものがあります。 
 作文に何かを書く場合、それと似た話を身近な両親に取材します。 
 すると、そこで生まれる親子の対話の中で、題材力、語彙力、主題力がついてくるのです。 

 第二は、音読、暗唱、読書など、生活の中で自然にできる日本語の読み取りの練習をしていくことです。 
 作文力の土台にあるのは、書く力よりもむしろ読む力です。 
 音読については、学校や塾でも取り上げられるようになってきましたが、やり方はまちまちです。 
 音読に必要な文書は、やや難しい説明文的な文章にしていく必要があります。 
 そして、2、3回読めばいいというのではなく、何度も繰り返して半ば暗唱できるぐらいまで読んでいくことが大切です。 
 この音読の練習の延長に、暗唱があります。 
 また、生活の中で、自然にできるのは読書です。 
 日常生活の中で、毎日の習慣として無理なく行える勉強が、音読、暗唱、読書なのです。 

 第三は、作文をほかの人の前で発表する機会を作ることです。 
 子供たちは、無機的なテストの点数で成長するのではなく、人間との関わりの中で成長していきます。 
 小学校低学年のうちは、親や先生の励ましによって、小学校中学年からは友達との関わりの中で、作文の勉強に対する意欲を持ち続けていくようになります。 
 だから、子供の作文を見たり聞いたりする機会があったら、親は必ずいいところを見て励ましてあげることが必要なのです。 

 作文力の本質は思考力です。 
 小学生の間は、まだ「正しい書き方を身につける」という表記の練習が中心になりますが、そういう段階はすぐに終わります。 
 中学生、高校生になると、上手な作文を書くためには、深く考える力が必要になります。 
 だから、作文力の土台は、難しい文章を読み取る力になります。 
 そのためには、小学生の間から読書に力を入れていく必要があります。

 そして、読書力は、ただ何でも読めば身につくというものではありません。 
 本人が好きなものを読むのが基本ですが、そこに、語彙と文章のレベルも考慮する必要があります。 
  
 作文力も同じです。ただ何でも書けば身につくというものではありません。 
 やはり、それなりに努力する目標が必要です。 
 そして、そういう目標があった方が、子供たちは作文に意欲的に取り組むようになるのです。  

■■創造とは、自分の好きなことに熱中して知識の横軸を広げること 
 この世の中で価値あるものは、お金でも食料でも資源でも知識でもありません。 
 真に価値あるものは、創造です。 

 創造とは、単に耳当たりのよいキャッチフレーズのようなものではありません。 
 創造とは、すでにあるものを組み合わせて、まだないものを作りだすことです。 
 この単純な定義から、子供たちの創造力というものも考えていく必要があります。 

 既存のものをただ並べるだけであれば、それは創造ではなく、単に知識を詰め込んだことにすぎません。 
 それらの既存の知識を組み合わせて新しいものを作り出したときに創造が生まれます。 

 そうした既存のものを組み合わせて新しいものを作り出す力を創造力と呼ぶとすると、創造とは、既にある知識を横軸とし、縦軸を創造力とする三角形の面積と同じように考えることができます。 

 現在、子供たちが学校で学ぶ知識の多くは、国数英理社のような主要教科の知識です。 
 これをメジャーな知識と呼ぶとすると、メジャーな知識を底辺とした創造を作り出すためには、極めて高い創造力を持つことが必要になります。  
 世の中には、既に大きな三角形が作られているので、その三角形の枠の中に収まるものは、すべて二番煎じ三番煎じの小さな三角形です。 

 プログラミングの世界では、「車輪を自分で作る必要はない」という言葉があります。 
 最初に車輪を作った人は、確かに創造者でした。 
 しかし、今新しく車輪を作ろうとする人はいません。 
 今は、既にある車輪を生かして、ほかの新しいものを作り出す時代だからです。 

 学校教育で行われていることは、既に作られたことのある車輪の作り方を学び直すことです。 
 現代の社会では、学ぶことがあまりにも多いため、学ぶこと自体が目的のようになりがちです。 
 しかし、本当に大事なことは、既存のものを学ぶことではなく、既存のものの上に新しいものを作り出すことです。 

 ほかの人と同じ知識の横軸にとどまっているかぎり、創造に参加できる人はほんのわずかで、そのほかの大多数の人は追随者の役割しか果たせません。 

 子供時代に何かに熱中することが大切だというのは、この創造の文脈で考える必要があります。 
 何かに熱中するとき、人はそれがどのように役に立つかということを度外視して熱中します。 
 何かに役立つということがわかるものは、ほとんどが既にある横軸の上に存在するものです。 
 何に役立つかわからないものに熱中することが、新しい横軸を広げることになります。 

 これからの世界の教育を考えた場合、みんなと同じことを同じようにできるというのはあまり意味がありません。 
 みんなと同じことができるというのは、ロボットでも人工知能でもできるようになることだからです。 
 大事なことは、みんなのできないことで自分にできることがあるということです。 
 そういう新しい熱中できる分野を、子供時代から作っていく必要があるのです。  

■■少人数のオンラインクラスと相性のいい個性的な勉強、読書と作文とプログラミング 
 普通、勉強というと、答えが一律に決まっているもののことを言います。 
 だから、一斉指導の形の授業が有効で、それが能率のよい勉強の仕方になっています。
 しかし、答えが決まっている勉強でも、学年が上がるにつれて内容が難しくなると、それに応じて習熟度によるクラス分けが必要になってきます。 
 特に、今のように家庭環境の差が大きくなると、低学年のうちから、読書習慣などによって勉強以前の差が生まれてきます。 
 その習熟度の差に対応した教え方が、個別指導です。 

 しかし、答えのある勉強の世界で最も能率のよいのは、一斉指導でも個別指導でもなく自学自習です。 
 子供がまだ自分で勉強を進められない年齢のときは、親が協力して親子で進める自学自習が最も能率のよい勉強法になります。 

 ただし、この家庭での自学自習の難点は、一般に親が性急に成果を求めすぎるところにあります。 
 読書習慣などは、子供本人の好きな本を、短いページ数でよいので、毎日休まずに気長に続けていくことが大切なのですが、多くの親は、子供にとって難しすぎる本を、週に1回か2回、集中して読ませて、その読んだ結果についてテストをするような濃い勉強的な読書をさせがちです。 
 そのために、力がつく前に、親子喧嘩になってしまうことが多いのです。 

 この家庭での自学自習をやりやすくするために、言葉の森では寺子屋オンラインの自主学習クラスを開いています。 
 ただし、今の自主学習クラスのやり方はまだ子供たちの交流がなく、定期的な評価などもないので、今後はこの面を改善していく予定です。 

 さて、答えのある勉強は、今後寺子屋オンラインを利用した自学自習でカバーしていけるようになりますが、これからの学力の中心は、答えのない勉強になります。  
 AI化が進む時代には、この答えのない勉強の実力をいかにつけていくかということが大事になってきます。 

 その答えのない勉強では、子供たちが、個性的で創造的な研究をし、それを友達の中で共有し、互いに交流する形の勉強が中心になります。 
 そういう勉強の代表が、読書と作文とプログラミングです。 
 これらの勉強は、初心者のころは一斉指導でもできますが、学年が上がりレベルが上がってくると、同じレベルの子どうしの発表や交流が勉強の意欲につながるようになります。 

 そして、これらの勉強は、高校3年生になったから卒業というものではなく、更に長期間、自分の力を向上させていけるものです。 
 実は、子供たちの学力が深いレベルで成長するのは、高校3年生の18歳から20代前半にかけてです。 
 もし大学生になったあとも、年に何回か、小学1年生時代から一緒に寺子屋オンライン勉強してきた友達と、読書や作文やプログラミングやさらには将来の仕事などについての交流ができれば、これはかけがえのない学習の機会になると思います。 
 今行っている、寺子屋オンラインの作文クラスと発表学習クラスは、このような長期的な勉強として進めていくつもりです。  

■■子供を成長させる、楽しいけれど難しいもの 
 子供が何かを吸収するのは、それが楽しいからです。 
 子供が興味を持たないものは、いくらすすめてもなかなか身につきません。 
 強制されてやるときの吸収力は、自分から進んでやるときの吸収力に比べてはるかに小さいのです。 

 しかし、楽しいからといって、甘いお菓子だけを食べていては体が成長しません。 
 楽しいと同時に、それによって子供が成長するようなものを吸収させる必要があります。 
 それが、楽しいけれど難しいというものです。 

 その第一のものは、子供が興味を持って読めるような説明文の読書です。 
 物語文の読書も子供の心を成長させる上で大切ですが、今の日本の読書環境では物語文の本の豊富さに比べると、説明文の本を読む環境はかなり限られています。 
 子供の興味や関心のある分野を考えながら、少し難しい説明文の読書をすすめていくというのが、子供の身近にいる大人の役割になります。 

 楽しいけれども難しいという第二のものは対話です。 
 高校生以上になれば友達との対話が中心になりますが、小学生の場合は、主に親子の対話です。 
 子供たちは、お父さんやお母さんと楽しい話をするのが好きです。 
 話の内容ももちろん大事ですが、それ以上に家族で話をするという雰囲気が好きなのです。 

 この楽しい話の中で、親が少し難しい言葉、少し難しい説明をしていくと、子供たちはその話を一生懸命に聞き取ろうとして自然に難しい言葉や難しい考え方を身につけていきます。 

 小学校低学年の間に、こういう親子の楽しい対話の習慣を身につけた子は、学年が上がっても親子の対話を続けていけます。 
 低学年のころは親もあまり準備せずに楽しく難しい話ができますが、子供が小学校高学年になり難しい作文の課題に取り組むようになると、親もその分野について勉強し直したり考えを深め直したりする必要が出てきます。 

 楽しいけれども難しいという第三のものは、子供自身が挑戦する経験です。 
 この挑戦する経験には、初めて取り組む遊びのようなものも含まれます。 
 難しそうだがやってみたいというものは、すべて子供を成長させます。 

 世の中には、楽しくて易しいものや、つまらなくて難しいものはよくあります。 
 楽しいけれども易しいことだけをやっていては成長しません。 
 しかし、難しいけれどもつまらないことだけをやっていても同じように成長しません。 
 楽しいけれども難しいものを見つけていくことが大事なのです。  

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