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言葉の森新聞2018年10月1週号■作文が得意なのに、模試の点数が悪かったというケース■意欲に比例する作文力

カテゴリー: 2018年10月01日
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■■作文が好きで得意なのに、模試の点数が悪かったというケース 
 作文を書くのが好きで得意なはずなのに、受験用の模試を受けたら、ひどく点数が悪かった、という話がときどきあります。 

 しかし、これまで、そういう子がしっかり合格しているのです。 
 それは、なぜかというと、大きく分けて二つ理由があります。 

 第一は、作文小論文の模試の採点は、結構いいかげんだということです(笑)。 
 ○×で点数が決まる試験と違って、記述や作文は、採点する人の主観がかなり入ります。 
 そして、採点する人は、文章を書く力がない人も多く、そういう人がかなり曖昧な基準で採点しているのです。 
 そういう採点で高得点を出すコツは、結びの5行の感想や意見の部分に力を入れていくことですが、子供はまだそこまでは考えません。 
 だから、よく書けたはずなのに点数が低いということが起きてくるのです。 

 第二の理由は、子供が見当違いのところで表現の工夫をしてしまうことがあることです。 
 特に、小学生の場合は、それまで書いていた作文が、生活作文的なものなので、会話やたとえのような出来事の表現に力を入れてしまうことがあります。 
 書き出しの工夫や、動作情景の結びの工夫なども、もともとは出来事中心の作文で練習したものですから、主題の方が中心になる受験作文とは重点が違います。 
 だから、表現を工夫して書くほど、かえって受験作文として点数が低くなるということも起きてくるのです。 

 では、そういう子は、今後どういう勉強をしたらいいのでしょうか。 
 答えは簡単です。 
 受験作文用の練習をすればいいのです。 

 それまでの作文の練習は、表現項目を工夫することが目的でしたが、受験作文は、合格する作文を書くことが目的です。 
 作文力がある生徒は、目的の違いに応じてすぐに受験作文に合った作文を書くことができるようになります。  
 これは、何度も書いたことですが、実力をつけることと勝負に勝つことは違います。 
 受験作文の目的は、実力をつけることではなく、合格する作文を書くことです。 
 目的を切り替えて勉強していけばいいのです。 

 しかし、それでも、模試の作文で悪い点数を取ることがあります。 
 そういうときは、「模試の作文の採点をしている人って、あなたの作文のよさがわからないんだね」と言っていればいいのです。 

 さて、この模試の作文の点数とやや似た話で、学校では勉強がよくできているはずなのに、塾の模試を受けたらひどい点数だったということもよく聞きます。 
 これは、受験の勉強のための訓練をしていないからです。 

 受験の問題は、パズルと同じようなもので、解き方を教わったことがあれば解けるが、解き方を教わっていないと実力では時間内に解ける人はまずいないという性質があります。 
 だから、点数は参考にしてもいいのですが、いちばん確実なのは、お母さんが見るその子の普段の言動から感じるのが本当の実力だと考えておくといいと思います。 
 実力のある子は、受験のための勉強を始めればすぐにできるようになるからです。 

 もうひとつの似た話で、小学校低中学年のお母さんが、周囲の子と比較して自分の子が遅れているのではないかと焦るということもよくあります。 
 小学校低学年のころは何でも素直に吸収できる時期なので、英語をやれば英語ができるようになり、算数に力を入れれば何学年も先の算数もできるようになるということが普通にあります。 

 しかし、それがそのままずっと続くかというとそういうことはまずありません。
 中学生になり、高校生になるころには、小学校低学年で先取りした学力は、意味のなかったものになっていることが多いのです。 
 低学年のときに苦労して勉強したということは、その苦労と引き換えに、自由な遊びの時間や読書の時間を抑制したということですから、長い目で見ると、小さいうちの勉強面での苦労はしない方がいいとさえ言えるのです。 

 小学1年生から4年生までの勉強では、基本的に難しいものは何もありません。 
 だから、4年生までの勉強で高得点を取る努力をするというのは、あまり意味がありません。 
 その時期は、苦手なものを作らないでおくということを基準に勉強していけばいいのです。 
 そして、その分、本当の実力につながる読書と対話と作文に力を入れていくのです。 

 お母さんが、子供の勉強について迷ったら、自分がその子と同じ年齢のときにどんなことをしていたか思い出してみるといいと思います。 
 たぶん、大して勉強していないのに、普通に小学校を卒業し、中学、高校へと進み、高校生のときはちょっとがんばって勉強して、やがて今の大人になった自分がいて、小学校のときの勉強が何の役に立ったのかということはもうわからないぐらいと思います。 
 そのかわり、小学生のときに楽しく遊んだ思い出や熱中して読んだ本が、今の自分を形成しているかけがえのないものだったと感じることが多いと思います。 
 そういう自然な子育てをしていればいいのです。 

 つまり、勉強に力を入れるのは、本人が自覚して勉強したいと思う年齢になってからで十分で、まだ勉強以外のことに関心がある時期は、勉強は苦手にならないぐらいでよく、そのかわり、本当の実力につながる読書、対話、作文に力を入れていくといいのです。

 受験というのは勝負の世界ですから、勝負に勝つための勉強をしなければなりません。 
 いずれ今のような受験という制度そのものがなくなると思いますが、とりあえず今のところはそういうものがあるので、受検をするときは、勝つための勉強だと割り切ってやっていく必要があります。 
 しかし、そういうときでも、勝つことがすべてだとは思わないことです。 
 いちばんの目的は、子供が幸せに暮らすことだからです。  

■■毎回の作文が日に日に上達する作文クラス――時間よりも意欲に比例する作文力 
 作文は、他の教科の勉強と違って、○や×がつくような正解がありません。 
 だから、よく書けたとか、面白いものが書けたとか、頑張って書けたとか、そういう評価が中心になります。 

 確かに、言葉の森の作文指導の場合は、項目ができたかどうかで生徒が自分で○×をつけられることと、森リン点で点数が出るという違いはあります。 
 しかし、基本は○×がつく性質のものでなく、内容がよく書けたかどうかというところが作文の評価の中心になります。 

 すると、作文がよく書けるようになるためには、材料を準備してくるとか、意欲的に書くとかいう、作文以前の心構えのようなものが大事になってきます。 

 作文を初めて書くときは、誰でも頑張って書くので上達もしやすくなります。 
 しかし、評価に具体的な○×がつかないために、だんだんと書くことに慣れてマンネリ化してくることがあります。 
 だから、本人の意欲をいかに持続させるかということが、作文指導で重要なことになってくるのです。 

 言葉の森のこれまでの指導は、担任の先生が毎週の電話で個別に話をする中で、子供たちの意欲を持続させるという指導法が中心でした。 

 しかし、寺子屋オンラインで複数の生徒が作文を発表し合う形で勉強していると、子供たちの作文を書く際の意欲が更に持続するようになってきました。 
 その結果、作文が苦手だった子もどんどん上手になり、作文がもともと好きだった子は更に高度な作文に挑戦するということが起きてきました。 

 これからの勉強は、作文に限らずどの分野でも、先生にただ教わるだけのものではなく、子供どうしが互いに発表し感想を述べ合うようなものになってくると思います。

 読書も作文も苦手な子の場合、上達にはかなり時間がかかります。 
 先生が、「毎日、本を読むんだよ」と言っても、「はい」と返事だけするものの、実際には家で読んだ気配がないという子もときどきいます。 
 これまでのマンツーマン指導では、そういう子に本を読ませることはかなり難しいことでした。 
 しかし、寺子屋オンエアの少人数クラスになると、毎回の「読んでいる本の紹介」があるので、どの子も必ず本を読んでくるようになります。
 そして、だんだん本の内容も、レベルが上がってきます。 
 小中学生の場合、勉強を進める上で友達の力というのは、かなり大きいということがわかりました。 

 少人数クラスのいいところは、参加者全員に、発表と質問と感想を述べる機会があることです。 
 すると、普段、学校などでは発言しない子も、自然と発言するようになります。 
 また、みんなの読書紹介の司会なども、ほとんどの子が持ち回りでできるようになります。 

 聞くだけの勉強であれば、居眠りしながらでも受けることができますが、自分が司会をしたり、また司会でなくてもいつでも自分が何か言わなければならなかったりする勉強だと、自然に集中するようになります。 
 同じ時間の勉強でも、受け身の勉強と参加的な勉強では、密度が何倍も違うのです。 

 そして、更によいことは、自分が発言したり、ほかの人が発言するのを聞いたりしているうちに、コミュニケーション力がついてくることです。 
 コミュニケーションは慣れですから、コミュニケーションの本をいくら読んでも身につきません。 
 実際に、必要に迫られてコミュニケーションをとる中で、自然に身についてくるものです。  
 寺子屋オンラインのクラスは、当初、学力、発表力、創造力をつけることを目的として始めましたが、それらに加えてコミュニケーション力がつくという意外な副産物があるいことがわかってきました。 
 特に感心するのは、教えたわけではないのに、どの子も、ほかの人の発表のよいところを中心に質問や感想を言うことです。

 今はまだ参加者が限られているので、複数の学年が混在していますが、今後は寺子屋オンライン作文クラスに参加する生徒を増やし、学年別に分けた指導にもっと時間がとれるようにする予定です。 
 ただし、異なる学年の生徒の作文を読むことも参考になるので、それは毎月の発表交流会でカバーしていきたいと思います。  

■■遊びと同じように子供たちが熱中できる勉強 
 なぜ、子供たちにとって、遊びが勉強よりも楽しいのでしょうか。 
 それは、自分が主人公として参加できるからです。 
 自分が、大きな背景の一人ではなく、ちゃんと名前を持った主人公として登場できるからです。 

 では、なぜ遊びでは主人公として参加できるのに、勉強では背景の一人になってしまうのでしょうか。 
 一つは、勉強の中身が、自分の興味や関心によってではなく、外側からの枠組みとして与えられるからです。 
 その枠組みを速すぎも遅すぎもせず、決められた速度で進まなければならないからです。
 もう一つは、参加者の人数が多すぎるからです。勉強のほとんどは、教わる人数が多すぎるのです。 

 授業というものは、ほとんどの場合、楽しいのは教える人だけで、教わる人の多くは眠さを我慢しています。 
 だから、長い時間授業を聞いていても、頭にはほんのわずかしか残りません。 
 それで、仕方ないから、頭の残り具合をテストしなければならなくなるのです。 

 確かに、「銀の匙」を教えた橋本先生のように、みんなが熱中する授業もあります。 
 しかし、それは、子供たちのレベルが均質で、全員に教えることが、それぞれの生徒に個人的に教えることと一致するような恵まれたケースの場合です。 
 普通の学校の普通の授業で、日常的にそういう熱中できる授業をすることは、不可能とは言わないまでも、かなり困難です。 

 では、遊びのように子供たちが主体的に参加できる勉強をするには、どうしたらいいのでしょうか。 
 それは、第一に、勉強の内容が、それぞれの生徒の創意工夫ができるものになっていることです。 
 そして、第二に、全員が主人公として参加できるぐらいの、遊びと同じ少人数で勉強ができることです。 

 実は、これが、寺子屋オンラインの作文コースと発表学習コースです。 
 もちろん、寺子屋オンラインの勉強はまだ始めて間もないので、すべてのクラスが理想的にできているわけではありません。 
 参加者がまだ少ないために、同じ学年の子供どうしの交流が限られてしまうクラスもあります。 
 しかし、これはいずれ時間が解決していくと思います。 

 長く続けているクラスでは、学校はインフルエンザで休んだが、寺子屋オンラインだけには参加するという子もいます。 
 風邪を引いて休んではいるが、みんなの話を聞きたいので、授業だけは録画しておくという子もいます。 
 それらの子供たちが、北は北海道から南はシンガポールまで(2018年9月現在)、たまたま偶然寺子屋オンラインで会っただけの子供たちなのです。 

 寺子屋オンラインは、5、6人のメンバーが、互いの顔が見えるZoomの会場で、自分で工夫した勉強を発表するという、通学でも通信でもない、また単なる勉強でも遊びでもない、新しい勉強をするクラスです。 
 森林プロジェクトの作文講師資格を持つ先生などの協力を得て、これからこの寺子屋オンラインの勉強を世界中に広げていきたいと思っています。 

▽寺子屋オンラインクラスの体験学習を希望される方は、ひとこと欄にその旨をご記入ください。別途資料をお送りします。 
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