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言葉の森新聞2018年9月4週号■国語のテストはなぜ100点が取りにくいか■暗唱力のある子は何でもできる

カテゴリー: 2018年09月22日
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■■国語のテストはなぜ100点が取りにくいか。それは答えが間違っていることがあるから 
「読解問題の解き方」という原稿を書いていて、ここ数日、中学入試の国語の問題をまとめて読んでいました。
 すると、問題の中には、「これでは正解が違うだろう」というものが意外といくつもあったのです。 

 入試という重要な試験ですから、問題作成者は何度も問題を見直しているはずです。 
 それにもかかわらず、答えが違っているものが出てくるというのは、それぐらい読解問題の作成は難しいということなのです。 

 もちろん易しい読解問題を作るのは、きわめて簡単です。 
 そのかわり、難しい読解問題を作るのは、問題を解く力の何倍もの思考力と時間が要るのです。 

 センター試験のような全国規模の試験では、作成する問題の見直しがもっと厳密に行われています。 
 だから、センター試験では満点を取ることはできるのです。 
 しかし、それ以外の入試、模試、さらには学校の定期試験などになると、答えの方が合っていないというものが出てきます。 

 読解の問題もそうですが、記述の問題では、このことはさらにはっきりと言えます。 
 数年前、小6の受験生から「僕の記述問題の解答が、その学校で出されている模範解答とかなり違う。どうしたらいいでしょうか」という相談がありました。 

 その学校のホームページに掲載されている記述問題の模範解答というものを見ると、その生徒の解答の方がずっとレベルが高く、むしろ学校で出されている模範解答自体が模範となっていないどころか、減点の対象ともなるような解答だったのです。 
 こういう記述問題が出されているのですから、学習塾などで行われる記述問題対策もかなり適当なものではないかと思います。 

 先日も、記述問題の解き方というある塾の先生が書かれている解説のページを見ましたが、「記述問題の解き方は、要するに書き慣れることだ」ぐらいのことしか載っていないのです。 
 記述問題を出す側が、問題に対する厳密な正解というものを用意しないまま問題作成をしているようなのですから、対策を立てる側も似たり寄ったりです。
 それぐらいですから、今後、大学入試のセンター試験で記述問題を採点するなどということは到底できるわけがありません。  
 AIの活用などといっても、50字から60字程度の短い記述問題では、かえってAIの力が発揮できないのです。 

 では、国語力はどう評価したらよいかというと、それは作文力によってです。 
 作文力であれば、AIによる採点はかなり信頼性の置けるものになります。 
 AI評価の上位の作文だけ、その作文の内容面の評価を人間が行うようにすれば、国語力(作文力)の評価は、かなり短時間でしかも信頼性の高い結果を出せると思います。 

 国語のテストは、解き方のコツがわかると、急に成績が上がります。 
 これは、算数数学のテストも似ています。 
 算数も、解法のパターンを覚えると急に成績が上がります。
 ということは、逆に言えば、今行われている国語や算数の試験の成績は、国語や算数の実力よりも、解き方のテクニックに慣れているかどうかだけなのです。 
 だから、受験直前でない限り、家庭学習の基本は、国語や算数の問題集よりも、むしろ読書と対話と作文に力を入れていくことなのです。

 国語の読解力を上げる方法は簡単です。
 言葉の森の生徒の場合は、課題フォルダに一部載せている「読解問題」を、必ず満点を取ることを目標に解いてみることです。そして、もし×だったら、なぜ合っていなかったのか、納得できるまでのその理由を見つけることです。 
 この方法だけで、中学生、高校生の国語のテスト成績は必ずよくなります。 
 それぐらい、この問題は良い問題で、それを作るのは時間がかかって大変だったのです(笑)。  

■■森リンの作文評価の基準は語彙の多様性とバランス 
 森リンの評価の基準は、語彙の多様性とバランスです。 
 語彙の多様性とは、同じことを表すのに同じ表現を使わずに書くことができるということです。 
 バランスが必要なのは、多様なだけでは、文章が冗長になったり、重くなりすぎたりすることがあるからです。 

 ところで、作文の表現に多様性があるということは、語彙力があるということです。 
 語彙力があるということは、そのような多様な語彙の含まれている文章をよく読んでいるということです。 
 それはつまり、問題集読書も含めた広い意味での読書力があるということです。 
「述語集」とか「類語辞典」とか「故事ことわざ辞典」とかを読んで、いろいろな語彙を知識として知っているということではありません。 

 作文力に表れるものは、その生徒の本質的な学力であり、その学力の土台となっているものは読書力です。 
 読書力と作文力のある生徒は潜在的な学力があるので、本格的に勉強を始めるとすぐに成績が上がります。 
 その逆に、時間をかけて勉強しているから成績はよいが、読書力と作文力が伴っていないという場合は、学力が途中から伸び悩むことがあります。 

 ですから、受験期に入る前の家庭での学習の中心は、勉強よりもむしろ読書と作文です。 
 読書と作文と、作文の勉強に関連する対話によって、語彙力を鍛えておくとよいのです。 

 勉強の評価は、自分で採点すればできたかどうかが本人にもわかります。 
 だから、独学でもできるのです。 
 しかし、作文は、自分では、よく書けたのかどうかわかりません。
 だから、先生や親の評価がそのまま自分の作文の評価になるのですが、先生や親は大体直すところを先に言います。 
 それで、ほとんどの子が、自分は作文が苦手なのだと思うようになってしまうのです。 

 大事なことは、子供でもわかるように評価の基準をはっきりさせ、子供が自分の作文を自己採点できるようにし、先生や親もその基準に基づいて評価をすることです。
 それが、項目指導と森リン採点なのです。  
 森リンは、言葉の森が作った作文小論文の自動採点ソフトです。 
 実は、これをAI化する見通しはあるのです。 
 ただ時間的に余裕がないので、まだ取り組んでいないだけです。 
 そういう見通しがあるということは、いずれ誰かがAIによる作文小論文採点をもっと正確にやるようになるだろうということです。 
 これを、できればアメリカより先に日本が作ってほしいと思います。 
 というのは、自動採点の仕組みにおいて言語の差というものは本質的な差ではないので、最初にAI採点に成功したところがすべての言語の自動採点もできるようになるからです。 
 かつてワープロソフトの一太郎がワードにシェアを奪われたとき、私は非常に残念に思いました。 
 それと同じようなことを、文章採点という教育の根幹にかかわるところで起こしてはならないと思います。  

■■暗唱力のある子は何でもできるようになる 
 言葉の森の暗唱検定は、現在、初段の約10,000字分に続いて、二段の10,000字分もできました。このあと、三段、四段と暗唱検定の段階を上げていく予定です。 

 最近、暗唱練習に取り組む人が増えてきたので、ほぼ毎週のようにそれぞれの級で合格者が出ています。 
 暗唱は、子供がするだけでなく、大人がしても楽しいものです。 
 家庭によっては、お母さんも一緒に暗唱しているところもあります。 

 暗唱にはコツがあり、そのコツさえわかれば、誰でも楽にできるようになります。 
 年齢による差のようなものは、ほとんどありません。何歳になってもできるのが暗唱のいいところです。 
 しかし、すぐにできるのは、暗唱の仕方を素直に受け入れる幼児から小学2年生のころです。 
 学年が上がると、音読を繰り返すという基本を忘れて、その文章を意識して覚えようとするようになるので、かえって暗唱が難しくなることがあるのです。 

 暗唱の練習を続けることによって暗唱力のついた子は、学校の勉強がすべてできるようになります。 
 これは、特に受験勉強のときなどには有利です。 
 今の入試問題は、考える問題が増えてきたとは言っても、基本は知識をベースにしたものになっています。 
 また、算数・数学のような、一見考える問題にように見えるものでも、その本質は解法の記憶です。 
 暗唱力のある子は、難しい算数・数学の問題でも、その解法を覚えてしまうので、似た問題にもすぐ応用できるようになるのです。 
 ただし、暗唱をしていれば自然に勉強ができるようになるというのではありません。 
 暗唱力のある子は、勉強をする気になればすぐにできるようになるということです。 

 ところで、この暗唱の練習は、家庭でスムーズに続けている人もいる一方、家庭ではなかなか続けられないという人もいます。 
 暗唱は、成果がはっきりわかるので、本当は続けやすいものなのですが、家庭でひとりで取り組んでいると、時には飽きてしまうということもあるようです。 

 そこで、利用できるのが、寺子屋オンラインのクラスでの毎週の暗唱発表です。 
 クラスによっては、参加している生徒が全員それぞれの暗唱の発表をするようになっている曜日もあります。すると、自然に毎日暗唱の練習をするようになります。 

 この暗唱発表のいいところは、進度は各自で決められるので、たまに練習をしなかった週があっても、それまでに覚えた分の暗唱は確実に発表できるということです。 
 毎日10分程度の暗唱練習が定着すると、家庭学習の柱ができるので、ほかの勉強にも取り組みやすくなります。 
 暗唱力をつけることは、子供たちの勉強の基本と言ってもいいと思います。

 言葉の森では、10月以降も、日曜朝のオンライン作文体験学習を行いますので、この寺子屋オンラインクラスで暗唱の練習に取り組んでいかれるとよいと思います。  

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