言葉の森 オンラインマガジン

言葉の森新聞2018年4月4週号■発表教育という名の新しい教育■部活のノリで勉強する子供たち

カテゴリー: 2018年04月26日
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■■発表教育という名の新しい教育 
 オンラインの少人数で行う教育を、「発表教育」という名で呼びたいと思います。 
 発表教育は、発表自体に意味があるのではありません。 

 発表ということを契機として、学習面での交流ができ、学習を媒介とした親子の協力が生まれ、創造的な学習ができるというところに意味があります。 
 なぜ発表が創造的学習につながるかというと、少人数のグループの中では、創造的な発表こそが最も価値あるものになるからです。 

 その反対に、誰でもできるものを人より上手に行うというのは、それがよほど優れたものでないかぎり、少人数のグループの中ではあまり評価されません。 
 誰でもできるものとは、要するに既に答えがあるものです。 

 今の教育の主流は、誰でもできる答えのある問題を子供たちに取り組ませ、薄い輪切りの点数の差を拡大し、そこに競争という要素を加味して学習の意欲を持たせる仕組みになっています。 
 それは、誤解を恐れずに言えば、勉強だけでなく、スポーツも、音楽も、芸術も、進学も、就職も、ビジネスも、社会全体がそういう答えのある世界で小さな差を競い合うような仕組みになっているからです。 
 しかし、そういう世界での勉強は、本質的に面白いものではありません。 

 子供たちにとって、勉強よりも遊びが面白いのは、勉強には答えがあり、その答えの道筋さえ決められていることが多いのに対して、遊びには答えがなく、また答えに近いものがあったとしてもその答えに至る道筋は自由だからです。 
 この自由が創造性を生む土台になっています。 

 これからの教育に求められるものは創造性だということはよく言われています。 
 しかし、その創造性の教育を具体的に実践しているとほとんどないと思います。 

 2020年度からの入試改革は、そういう新しい学力を目指していますが、問題作成自体に非常に手間がかかり、しかもその評価が多くの人の納得できるものになっていません。 
 だから、こういう新しい学力を日常的な教育として行うことは更に難しく、現状では、ゆとり教育のやり直しと、その反省から来る詰め込み教育の間を行き来するだけのものになるのではないかと思います。 

 ところが、言葉の森がこれまで行っていた「思考発表クラブ」という少人数のクラスの勉強では、特に小学4年生以上の生徒のグループで、この1年間、毎回きわめてレベルの高い発表と交流が行なわれていました。 
 点数も、評価も、競争もない中で、毎週そのグループの中だけで見るのではもったいないぐらいの、高度な発表学習と交流があったのです。 
 それは、この思考発表クラブに参加していた生徒が、学力的にもレベルが高かったことと、保護者の理解と協力があったことが大きかったと思います。 

 しかし、学力に関して言えば、創造性には、これまでの学力よりも、これから取り組む姿勢の方に意味があります。
 例えば、算数・数学の問題を解くだけの勉強では点数の差が出るだけですが、似た問題を作るという勉強の仕方をすれば、誰でも創造的なものが作れます。  
 それは作文に関しても同様で、これまでの作文力が表れる、結果としての作文を発表するだけでは、交流はあまり面白いものにはなりません。 
 その反対に、作文の準備としての構想図作りであれば、取り組み次第で誰でも創造的なものができます。 

 そういう創造的な学習を日常的に行っていく場として、これまでの思考発表クラブで行っていたスタイルを、作文にも、教科の勉強にも生かしていきたいと思いました。 
 それが、「寺子屋オンライン」という名称で行う発表教育です。 

 ただし、その説明の動画を作っていたところ、動画が4本で合計1時間以上になってしまいましたので、それらの動画は時間のあるときに見ていただくことにして、いちばんのエッセンスを「5月から寺子屋オンラインの概要説明」というタイトルで12分にまとめました。 

▼5月からの寺子屋オンラインの概要説明 
https://www.mori7.net/izumi/gazou/2018/4150732470.jpg

 言葉の森は、これまでの教育にはなかった新しい教育を始めます。 
 新しい教育ですから、わかりにくいところが多いと思います。
 学習塾と同じような感覚で勉強しても、あまり身につきません。 
 そのかわり、新しい教育として取り組めば、大きな成果があります。 
 自分の子供が小さかったら取り組ませたかったところです(笑)。 
 いつでもコミュニケーションがとれるというオンラインの利点を生かして運営していきたいと思います。  

■■部活のノリで勉強する子供たち 
 オンライン学習クラスは、説明会や懇談会を行う関係で、授業時間を15分ほど早めて行うことがあります。 
 そのため、子供たちの読んでいる本の紹介などができないので、懇談会のあとにブレイクアウトルームに残って生徒どうしで自由に話してもいいということにしました。 
 すると、いつも一緒に勉強している子供たちが、30分近く何やらいろいろ話し合いをしていたようです。 

 昔、港南台の通学教室で土曜日の午後のクラスがあったとき、中学生や高校生が毎週来ていましたが、そのときの雰囲気がちょうど部活で集まっているような感じだったことを思い出しました。 

 オンラインの生徒どうしですから、そのクラスに参加するまではお互いに 会ったことも見たこともない子供たちどうしでした。 
 住んでいる場所も遠く離れている子どうしでしたが、それがわずか数か月から一年の間に、これほど親しくなるというのは、やはりオンラインの Web 会議室を利用したやり取りの成果だと思います。
 これから、このオンラインの少人数クラスの学習というスタイルを、あらゆる面で広げていきたいと思っています。  

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