2013.10.31

親子関係と愛情の変化

知人が主催の子育てを考えるお母さん方の集いにオブザーバーとしての参加を促され、「報酬は出せないけど晩飯に寿司をご馳走するから」の言葉に、「泰然自若で動くことの無いカウンターの寿司なら参加するけど、人生の縮図のような動くカウンターの店なら参加しない・・・」と、駄々っ子のような言葉を返すと、「普通の寿司屋でデザートを食べることは出来ないけど、手作りプリンが美味いんだよなぁ・・・」と言われ、思わず「参加させて頂きます!」と言葉を返していました。


座席を埋めるだけでプリンをご馳走して貰うことも気が引けるため「何か話すなら準備をしておくけど」と尋ねると、「中学生位の子供を持った40歳前後の年齢の方々の参加が多く、子供の将来と親としての関与の在り方がテーマなので、事前の準備というよりも、仕事の説明の後、質問の受け答えのようなコーナーの時間を用意するので、その対応をして欲しい」のだとリクエストを受けました。


各々が抱えている問題・課題に対して状況を述べ、参加者からの意見を貰うナレッジ&シェアのグループカウンセリング形式の展開で時間が過ぎていき、参加者のお話しが一巡したところで、当初の通りに紹介をされ、キャリア形成支援者・人事・組織経営経験者等々の立場と経験に基づく、愚見をお伝えするような時間が過ぎていきました。


※ここでのお話しは、新たな気付きに富んだ多くのモノでとても書き切れぬため、ブログに綴らせて頂いたりしていますが、良し悪しは別のこととして、参加者全員がハッとされたように感じたなかから、掻い摘んでご紹介させて頂こうと思います。


終身雇用制をはじめとした日本型の労働・雇用慣行が崩壊し、人生設計の成功・成長モデルを喪失した社会状況のなかにおいて、過去、親自身が子供のキャリアモデルとして強い影響力を持っていたものが、現在は、親の人生そのものが、子供のキャリア形成(職業面)にとって、直接的な参考モデルにならなくなっている。

この大きな状況変化を踏まえた上で、親としての子供との向き合い方が必要となるのではないかとの投げ掛けには、カウンセリングでクライエントが自己変容する時に見せる「あっ」と云うような身体表情を浮かべていらっしゃいました。


旧態依然の親のあるべき姿としての捉え方のなかで対応をすると、外的なキャリアモデル形成にはミスマッチを起こしやすい状況が窺い知れ、時代の変遷を背景にしていうならば、内的なキャリアモデル形成の一助を成すような親子の関係性の方が、より良い関係を築き上げることが出来るのではないかとお伝えをさせて頂きました(言葉表現は別ですし、個々の家庭での違いは当然にある前提のなかで)。

もっと云うならば、社会・時代変化の端境期のなかに40歳前後の年齢の方々がいるともいえ、新しい親としてのあり方・子供との関係性を確立していくような立場にいらっしゃるように思いますとお伝えすると、自分達の両親と子供との間に挟まれ、何が正解なのかが見えずに揺れ動いて苦しんでおられた、幾つものお話しが飛び交いました。


ひとりっ子の子供の年齢が15歳なら、親としての年齢も15歳。
子供は親を親としてのみ意識しやすいモノであり、親としての完璧ささえもある意味求めるモノなのかと思います。
それでも実際は、子供の年齢と同じ年月を親としてのはじめての経験と成長を遂げていくものであり、社会・親子の関係性が歪んでしまうと、過干渉や過保護の結果、共依存の罠に陥ってしまいやすくなるのかも知れないと愚見をお伝えさせて頂きました。


質問に答えるというよりも、経験則のそのままをお伝えするような時間が過ぎるなかで、ひとりのお母さんから、親子の関係性のみならず、子供との世代間ギャップを強く感じるとのお話しのなかで「愛情の捉え方が違うのかと思う時がある」とドキッとした発言を受け、PCに入っていた「The Best Surprise Military Homecomings: PART FOUR」という Youtube の動画を見て頂くことにしました。

※ご参考(動画添付)愛することの覚悟 * The love of the returned soldier.


この席の参加者全員が戦争体験は無い者達でしたが、この動画のなかに描かれている真実の愛情の姿に誰も皆、疑うものはいませんでした。

そして、もしも機会があるならお子さんにも同じ動画を見せて、どんな感情や思考が芽生えるのか、動画を一緒に眺めて気軽に話し合ってみるのも一考の価値はあるのではないかとお伝えをさせて頂きました。



殊の外、参加者の方々が新たな気付きを得て、また自分自身も軽い興奮のなか、移動し続けるカウンターで別腹の美味しんプリンを頂戴し、ご機嫌モードで数日が経った時、参加者のお母さんからメールを頂戴しました。


ご紹介させて頂いた動画を一緒に見るとのシチュエーションが取り難かったため、子供に URL を伝え、お母さんの勉強のために見終ったら感想を教えてと伝えたところ、その翌朝、腫れぼったい目をした顔付に「どうしたの?」と尋ねてみると、気紛れのままに見た動画に、何かが突き動かされ、朝方まで、戦争・命・愛情・平和・人生・親子・近隣諸国との関係・自衛隊 etc. ネットサーフを繰り返し、気が付けばデスクで寝ていたのだと伝えられ、その日の夜、何の気取りや気負いなどもなく、人生にとっての根幹を成すような諸々について、親子で話しを交わしたのだと教えて下さいました。

そして、その時の会話のなかで、子供の口を通して語られる一般論としての同級生の倫理・道徳・価値観 etc. ~愛情の捉え方の変化を言葉ではなく皮膚感覚として感じ、親としてすべきことの重要・大切なことに気が付いたのだと綴られていました。



キャリア形成支援・・・経営・人事畑の経験則から必要を感じ、社会に根付いて欲しいと真に思い、そのための業界形成がマストだと思い続けてきました。それでも業界のマクロの動きにへっ?・・・と思えることが多くあるように感じるのは、不出来な頭のボク個人の問題ではありますが、今も変わらずにその思いはあります。

それでも、う~ん・・・となりながら思うのは、支援の前(同時)に予防なんちゃうの?との思いです。

病気が流行しそうだとした場合、一大事だ・・・医者を用意しろ!は当然のことながら、でもね病気に掛からないようにするためにはこうして!との予防措置が同時に必要なことであり、キャリア教育の推進はここに繋がるモノであっても、それだけで良いの?・・・と思えてしまうのです。

時代が流れて往き、内的・外的キャリア形成の概念の認知が得られ、カウンセリング(コンサルティング)リテラシーが正しく育まれた時に、本物のキャリアカウンセラー・キャリアコンサルタントが生まれていくのかなぁと思ったりもします。

キャリア形成の予防的観点での情報提供・社会啓蒙等々 ビジネスに繋がらぬそんな奇特なことは、必要もなく・誰もアプローチしないことなんですかね・・・



お・も・て・な・し・・・日本人のアイデンティのひとつだとした場合、その最たる根幹である愛情についてじっくりと見つめ・活かすことが、そのための足元をもう一度、見つめ直してみることが必要に感じた今日この頃なのでした。

※ご参考:親の気持ちと子供の人生 * one man one wave.





この一か月間で気になったニュースのトピックスです。
駄文が長くなってしまったので、コメントは差し控え・・・リンク切れの際は、タイトル・概要で検索をお願い申し上げます。

安倍政権下の動きの中で、キャリア形成支援業界?自体のあり方も、より良く変化する速度が加速することを願いながら・・・チョッと不安を感ずることも正直多いのですが・・・



FBで「内定者」公開状態…採用担当が設定ミス
読売新聞 10月2日

交流サイト「フェイスブック(FB)」に、来年4月に企業に採用される「内定者」として少なくとも約1600人の氏名や顔写真が誰でも閲覧可能な状態で公開されていたことがわかった。



初任給が「残業代込み」だったら気をつけろ!若者が「ブラック企業」を見抜くポイント
弁護士ドットコム 10月13日

現代日本の重要な課題として大きな注目をあびている「ブラック企業」は、就職活動中の若者にとって「恐怖の対象」となっている。



<困窮者支援法案>賛否の声 臨時国会で論戦に
毎日新聞 10月13日
政府が秋の臨時国会で成立を目指す生活困窮者自立支援法案に対し、「生活保護が必要な人をさらに申請から遠ざけかねない」と懸念する声が出始めている。
自治体が申請を窓口で門前払いするなどして受けさせない「水際作戦」が強化されるというのだ。一方で「支援の幅が広がる」との声も少なくなく、臨時国会で改めて論議を呼びそうだ。



孤立無業者(SNEP)の現状と課題
玄田 有史(東京大学社会科学研究所)

ニートとも引きこもりとも違う、新しいタイプの孤立無業者、通称「SNEP」が日本に162万人もいるという驚くべき報告が出た。名付け親はニート研究の第一人者でもある東京大学社会科学研究所教授の玄田有史氏。



センター試験廃止へ…2段階「達成度テスト」に
読売新聞 10月22日

大学入試改革を検討している政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は21日、大学入試センター試験を廃止し、新たに「達成度テスト(仮称)」の創設を提言する方針を固めた。



モンスターペアレント対応、教員内定者にも研修
読売新聞 10月24日

理不尽な要求を繰り返す「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者への対応や学級運営に悩む教員が増えていることを受け、東京都教育委員会は、教員として採用されることが決まった内定者に、保護者との接し方などを学ぶ研修を実施する方針を固めた。



義務教育、5歳からに引き下げ検討…再生会議
読売新聞 10月26日

政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が、現行の学制のあり方を見直し、小中一貫教育を行う「義務教育学校」の創設や、就学年齢の5歳への引き下げなどについて、今月末にも検討を始めることがわかった。



「若手は出世願望がない?」の謎を解く
東洋経済オンライン2013/10/28

出世という言葉を、最近、口に出したことはありますか?「出世して、親を喜ばせたい」「いい家を買って、子供を大学に行かせる」自分だけでなく、家族も望んでいる希望……出世には、昔も今も変わらず、そういう響きがあります。



就職難世代の大卒就職者、31%が3年以内離職
読売新聞 10月29日

厚生労働省は29日、2010年3月に大学を卒業して就職した人のうち、今年3月末までに離職した人の割合は前年同期比2・2ポイント増の31・0%だったと発表した。
リーマン・ショックの影響を本格的に受けた就職難の世代で、同省は「就職環境が厳しく、志望通りの就職ができなかった人が比較的多かったことが、離職率の増加につながった」と分析している。



警察や病院などない世の中が望むべき世の中であることは間違いなくも、それこそは綺麗ごとの理想論。キャリア形成支援事業とは、マイナスを0以上に・プラスをよりプラスに・・・どこに帰着していくのでしょうか。

それともキャリア形成支援の社会機能・事業など必要としない世の中が訪れるのでしょうか?



笑顔の行方を見つめて




【ディスカッション・ペーパー】キャリア・コンサルティング業界形成に向けて
* 笑顔の溢れる社会に向けた*キャリア形成支援の業界形成のための提言 *
 A. キャリア形成支援の全体像から見た課題形成(192 KB)
 B. キャリア形成支援の業界形成に向けた具体的な検討諸案(132 KB)
キャリア・コンサルタント技能士会に関わる課題形成




career wing

仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、
キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

食品誤表示・偽装表示の問題が露見し、次々と謝罪会見が開かれています。
便乗謝罪なるものがあるのかどうかは分かりませんが、なかには、いやいやそれは過剰反応なのでは?と思うものがあったり・・・

問題そのものは然ることながら、ブラック企業の問題と併せて、「個立」の時代が訪れたことを痛感いたします。

自分自身が見い出す価値を基軸とした生き様。
営業販路的な意味だけのグローバル化ではなく、人格&キャリア形成上の真のグローバル化がすぐそこに来ているのかも知れませんね。

招致が決定したオリンピックの開催時に此の点の国民力も問われるのかなぁと思っています。
大阪のホテルの領収書を眺めながら、良き想い出はそのままに・・・と、武士は食わねどのような状況に・・・ふぅ



一日一膳?の思いで書き綴っているブログ* キャリアの翼 *「笑顔の行方を見つめる」キャリア*ノート*あんなことも・こんなことも・・・


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Career wing  tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

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