2013.06.30

「茹でガエル現象」に陥ることなきように踏まえて

※以下、クライエントの了解済みであること明記します。

然る教育機関で学生時代に「キャリア」について学び(カウンセリングを含み)、今現在は、社会人として1年を過ぎたという、まだ若いクライエントからご連絡を受け、お会いすることになりました。

彼の抱えてしまった悩みの根幹にあるのは、「ギャップ」でした。

要約すれば、学生時代にキャリア形成について学び、働くことに対して大きな期待感を持って社会・組織に入ったのだが、時が経てば経つほど、キャリア形成の学びと現実との開きを感じ、理想と現実の違いと言うよりも、真理と現実との合い入れぬような違いに、身動きが取り難くなっているのだとのことでした。

働く・生きることのある種の「解」を学んだがゆえに、解は見えているのに現実をそこに結び付けられないことのもどかしさに苦しんでいました。

木を見て森を見ずでは意味もありませんが、致し方なくも机上論先行で進んでいる感のある、キャリア教育推進の影を見た思いになっていました。



働く・生きる・・・人生そのものに対して、皮膚感覚の経験のなかから育むべきことと、座学として論理的に学び育むことの両輪のバランスを見失った時、知るがゆえの苦しみから逃れられなくなる可能性が潜んでいることへの注意が足りていないのではないかと思うことがあります。

現状で云うならば、インターンシップを含めた体験的な職業理解の機会が圧倒的に少ない状態なのではないかとも思います。

学び舎としての機能・役割や学力低下を懸念し、産学の密接な連携・関係性には明確な区切りを持った方が良いとする向きもありますが、急激な時代変化のなかで、学びと活用が分断された状況のなかでは、種々のロスの発生に繋がってしまうのではないかとも思っています。

個人的には、キャリア教育の推進の流れのなかで、もっと々、産学協同の連携を地域と共に強めて行くことが必要になるのではないかと考えています。

概ね学問を学ぶとは、基礎を学ぶことであり、学びの活用とは応用の連続であろうと思います。
働く・生きる・・・その答えが机上の学びで完結出来る筈もなく、実生活のなかでの礎とならなければ意味もないことは自明の理とも云えます。



彼とのやり取りは、今後も長く続くと思います。
キャリアコンサルティングとしてのフレーム対応ではなく、メンターとしてのフレームワーク対応が必要かとも考えています。後述しますが、形を変えて被災者支援の際の若者からも、同じような悩みに向き合うことがありました。

キャリア・コンサルティングなるものが制度化され10年以上の歳月を経たのに、未だにキャリアコンサルティングとは何ぞやといった「そもそも論」が溢れ続け(適正な改変は良いと思うが)、専門性に係わる諸整備などは手付かずのような状態のままでもあります。

民間資格から、技能検定の流れを受け、さらにヒエラルキーが生まれ、キャリア教育の実践が当初計画にあった小学校からも始められ・・・これらを以ってして、キャリア形成(支援)業界の大きな進捗・発展等とするなら、個人的には大きな違和感を感じ得ません。



極論、世の中で、社長と一般社員には、誰でもなれます。
他者に認められた役職者の方々の素晴らしさとはそこにあるのだとも思います(社長などは、法人設立すれば誰でもなれますので)。

はじめに提言して生み落すことの労力や賞賛は、当然に素晴らしいものながら、新しいものを産み出すこと・変化を生むことなどは、「やる」だけのことなのですから、考え様によては、然して難しくもありません。
産み出したものをどうやって育み続けるかが、最も力の掛かることであり、重要なことのひとつであろうかと思います。

現状を眺め見れば、まだまだ「拡散」状態・・・ひとづつ集中して丁寧に育て上げることが今、何よりも大切なのではないかと思います。



キャリアコンサルタント・キャリアカウンセラー・・・キャリア形成支援の前面に立ち、クライエントに向き合う者。

「熱湯にカエルを入れようとすれば直ぐに飛び出す。しかし、水の中にカエルを入れて水を沸かしていくと、カエルは水温の変化に気づかず、やがて茹であがって死ぬ」といった、ビジネスでぬるま湯に浸っていると、最後に致命的な状態に陥る、茹でガエル現象の比喩話に支援者が陥るようなことだけは無きようにと同時に思います。

そのためにも、現状の振り返りと、今後におけるビジョン形成と戦略化が必要に思えます。


少なくとも、学ぶことによっての不幸など創ってしまってはならぬことを肝に銘じていかなければならぬだろうと思い至ります。



※リンク切れの際は、お手数ですがキーワード検索にて詳細のご確認を願います。


「ブラック企業大賞」候補発表~ワタミなど8社

ブラック企業大賞


※活動趣旨は理解するも、日本の風土に馴染むかどうかはまた別なのかも知れませんが・・・



「限定正社員」広める狙いは Yahoo!みんなの政治

正社員と非正規労働者の中間といわれる「限定正社員」の制度を広げようとする議論が進んでいます。「限定正社員」は働く側と企業にどのようなメリット・デメリットがあり、どのような雇用環境をもたらすのでしょうか。

「短時間勤務」企業の実態 web R25 6月9日

働き方の価値観が多様化する昨今。その流れを受けて、従来は利用者のほとんどが育児期の女性社員だった「短時間勤務制度」を、男性社員が活用できるよう取り組む企業が増えてきた。


※試験的に色々な就業形態が生まれて来てはいますが、もっと加速するかと思った短時間労働制の勢いがなく・・・



<パワハラ>労働相談で最多 「バカ」など中傷、暴言 毎日新聞 5月31日

全国にある労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談内容のうち、2012年度は「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」が5万1670件に上り、11年度までトップの「解雇」を抜いて初めて最多となった。厚生労働省が31日発表した。
同省は「パワハラは労働問題、との意識が広がった」とみるが、短期間での成果や効率を求める企業の姿勢が強まり、働きづらい職場の現状が浮き彫りになった形だ。


※パラダイムシフト・グローバル化・少子高齢化において、過去よりも1人当たりの生産性を高く上げる必要があるなかで、旧態依然の成功事例からは、ドラスティックに種々の改善出来ずなのかと、経営の価値観等が一番対応に出遅れがあるのかとも思います。
逆を帰せば、新しい成功事例が描けていない過渡期であるともいえますが、陰湿さが増している状況のなかで・・・




復興予算、雇用でも流用 被災地以外に1千億円 朝日新聞デジタル 6月3日

東日本大震災の復興予算で2千億円がついた雇用対策事業のうち、約1千億円が被災地以外で使われていることがわかった。被災地以外の38都道府県で雇われた約6万5千人のうち被災者は3%しかおらず、被災者以外が97%を占める。


※言い訳も含み、怒りも諦めも通り過ぎ、欧米諸国との比較のなかで、カウンセリング・リテラシーにおける国内状況をずっと思い続けていました。
「恥」の感覚を忘れてしまった、日本人のアイデンティティの変化を物凄く感じ続け、この状況下「支援」の環境・リテラシーなど根付かぬのではないかとさえ感じました。
日本全体のなかで、3.11は、もう過去のことなのでしょうか。




大学、5年でクビ? 非常勤講師、雇い止めの動き 朝日新聞デジタル 6月15日

有力大学の間で、1年契約などを更新しながら働いてきた非常勤講師を、原則5年で雇い止めにする動きがあることがわかった。4月に労働契約法(労契法)が改正され、5年を超えて雇うと無期契約にする必要が出てきたからだ。


※キャリア形成支援者の求人は、表面的には増えて来たと思います。
ただし、その多くは名前が変わっただけのことであり、社会機能としてどれ位増えたのかは微妙ではないのか(雇用対策案件・費用と、募集諸事の比較において)、そして労働条件は、相当に低い現状と言わざるを得ないのではないか・・・誰が・どのように地位及び労働条件保全の動きを公的に掛けるのか・その必要もないのか・・・




大学生の就活時期、どう変わる? THE PAGE 6月17日

安倍晋三首相は4月、経団連の米倉弘昌会長ら経済界トップとの意見交換会で、大学生の就職活動の解禁時期を現在より3カ月遅らせ、「大学3年生の3月から」とするよう要請しました。大学生の就職活動はこれからどう変わるのでしょうか。


※学者ではなく、キャリア形成支援者の現場的な観点が政治に反映されるには、政治家を擁立しない限り無理なのでしょうか・・・
一部各企業の活動実態を見る限り、机上論の悪戯な変化にしか感じないのですが、インターンシップと採用選考活動を関連づけることをなぜ禁じるのでしょうか・・・



ニート、過去最多の2.3%=若者白書 時事通信 6月18日

政府は18日午前の閣議で、2013年版「子ども・若者白書」を決定した。15~34歳の若者を対象に12年の雇用状況などを調べたところ、職に就かず学校にも行っていない「ニート」の割合は11年比0.1ポイント増の2.3%で、統計を開始した1995年以降、最も多かった。
内閣府は「社会での能力発揮を支援する対策が必要」と分析している。


※この10年間の対策を眺めていましたが、効果のあった対策とはなんだったのでしょうか。
統計は重要なことですが、ただの分析に意味はなく、成功事例をどのように積み重ねていくか、物凄く単純なPDCAの連鎖が見えてこないのですが・・・




有効求人倍率はリーマン後初の0.9倍回復、失業率は横ばい ロイター 6月28日

6月28日、総務省が発表した労働力調査によると、5月の完全失業率(季節調整値)は4.1%で、4月(4.1%)から横ばいだった。
完全失業者の内訳は、勤め先や事業の都合による離職が同5万人増加し、自発的な離職は同2万人減少。非自発的な離職は減少傾向が続いていたが、5カ月ぶりに増加した。
総務省では5月の内容について、就業者が増加する一方、完全失業者は減少しており、持ち直しの動きが続いているとみている。


※皮膚感覚的には、少し持ち直してきているかなぁと感じてもいます・・・が・・・う~ん



自殺者15年ぶりに3万人下回る うつ病、多重債務対策など奏功 産経新聞 6月18日

政府は18日、平成25年版「自殺対策白書」を閣議決定した。24年の全国の自殺者数は前年比2793人減の2万7858人となり、9年以来、15年ぶりに3万人を下回った。
内閣府自殺対策推進室は「国や自治体などで進められてきた鬱病患者や多重債務者らへの自殺予防策が一定の成果をあげた」と分析。一方、20歳代の自殺死亡率(10万人あたり)は高まる傾向にあり、若年層への効果的対策を急ぐ必要性も指摘した。


※キャリア形成支援者の対象となっているクライエントの平均年齢がどうなのかは分かりませんが、その多くは若年者が対象となっているのではないかと思います。
支援者に対する情報ナレッジ&シェアとして、支援の際の注意点やリファー先情報、組織・家族への介入方法等々、職能対応に対する環境整備は、全く出来ていないことに複雑な思いを抱え続けています。




初産平均年齢 初めて30歳超える、少子化社会対策白書 TBS系(JNN) 6月25日

今年の少子化白書がまとまり、第1子を出産した母親の平均年齢が初めて30歳を超えるなど、「晩婚化」や出産の高齢化があらためて指摘されました。25日に政府が閣議決定した今年の少子化社会対策白書によりますと、2011年の平均初婚年齢は夫が30.7歳、妻が29.0歳と、それぞれ前の年より0.2歳上昇しました。


※結婚・出産・育休取得のタイミングと組織内のキャリア形成を考えあわせた時、晩婚化の傾向は、組織実態にプラスにはなり難いような気がします(組織内の能力発揮・女性のキャリア形成の観点で)。
内外両面のキャリアプランの描き方の重要度がさらに増していくような気がします。




笑顔の行方を見つめて




【ディスカッション・ペーパー】キャリア・コンサルティング業界形成に向けて
* 笑顔の溢れる社会に向けた*キャリア形成支援の業界形成のための提言 *
 A. キャリア形成支援の全体像から見た課題形成(192 KB)
 B. キャリア形成支援の業界形成に向けた具体的な検討諸案(132 KB)
キャリア・コンサルタント技能士会に関わる課題形成




career wing

仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、
キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

日本の四季が変わってきてしまっているような気がしています。

茅ヶ崎では、梅雨って感じも少なく・・・このままだと夏本番は、どんな風になってしまうのか・・・

それでも楽しい夏休みを思い描きながらGO!・・・季節の変わり目ゆえ、どうかご自愛ください。


一日一膳?の思いで書き綴っているブログ* キャリアの翼 *「笑顔の行方を見つめる」キャリア*ノート*あんなことも・こんなことも・・・


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Career wing  tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

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