2011.4.18

キャリア形成業界への小さくて静かな「怒り」

3月11日14:46 国内観測史上最大級のM9.0という未曾有の巨大地震に東北・関東地方が見舞われました。震源地から遠く離れた神奈川県茅ヶ崎市にいても、その瞬間に只事ではないことが起きてしまったと理解出来る程の揺れを感じました。 急いで付けたTVに映し出された、東北沿岸部を襲った津波の映像が、未だに鮮明に頭にこびり付いて離れることがありません。

1ヶ月前のあの日、この被災の復興支援にキャリア・コンサルタントが適正な関与を果たしていかなければ、社会から完全に淘汰されるだろうと思いました。

被災状況がニュースで流れる都度、命の安全確保は当然の事ながら、その次に待ち受けている、生きる意味でもある職業(キャリア)支援は必然の流れになるも、 第一次産業を中心に第二次産業が多い土地柄のなかで、所謂、資格・教科書にあるような机上論のキャリア形成支援などが出来る筈もないことは自明の理でした。

自然災害と云う、ぶつけ様のない憤りと図り知れない喪失感を前にして、それでも復興(社会・個人)に向けて、 自己効力への後押しをしていかなければならないだろうことは、同じ日本人として・人としての自然な感情として直ぐに浮かびました。


被災時(非常時)においては、被災(被害)者との一過性の関係ではなく、継続的な繋がりを持ち続けることの大切さが問われることから、 キャリア・コンサルタントとしての傾聴姿勢を以って、被災者の方々に何をおいても繋がり(お話しを聞き)、メンター的な対人関係の絆を創り上げ、 行政との橋渡し役を担い、長期に渡る支援が必要であろう相談受け者として、総括窓口的なインテーカー機能・役割を担うとするなら、 十分な支援効果を果たせるだろうと思いました。

※これらは、個人的な経験と過去に別の被災者の方からお聞きした話しに拠るもので、学術的な裏付けはありません。

キャリア形成支援者として被災地に入るのではなく(入るのであっても)、避難地域で求められる種々の労務対応を当初の基本として考え、 先ずは、何でも必要に応じた活動を行うことを前提とした人材として、社会的な接点を持つことにより対人関係の絆を築くこと。 その後(その裏)にキャリア形成支援・キャリア形成支援者であることが、より良く生きてくるだろう、はじめの一歩としての活動なのだと思いました。

関係各所への調整や専門家へのリファーを積極的に果たすための第一次の総合的な情報収集者としてであれば、 初期のメンタルケアへの対応を含め、汎用的な内容を資格基準としているキャリア・コンサルタント有資格者が適任とさえ思いました。


過去の被災経験を活かされたのか、被災者受入れの各地での対応は、思いの他早かったため、被災地に直接的に入ることは難しさがあるも、 避難先での孤立を排除し、より良い形で復興の流れへと繋いで行くための支援は、早急に実施する必要があると思いました。

私が住む地域でも被災地を故郷とする知人がいたこともあり、近隣の避難先に来られた被災者の方のケア対応の実施を開始しました。

※詳細は、下記のブログの記事をご覧ください。

被災地で暮らしていたキャリア・コンサルタント仲間の方々の安否確認が出来ぬなか、時間の経過とともに諸状況も少しづつ掴めるようになってきました。
残念な事ながらそこには訃報もありました。
どうしてキャリア形成関連諸団体は、全くの他人事なんだ」やっと安否の無事が確認できた仲間の小さく呟いた声は、静かな怒りに打ち震えていました。


この一ヶ月間、地震の揺れで再発してしまった小脳の持病をごまかしながら、小さな頭で考え続けています。



国の非常事態において、キャリア・対人支援者に係わる日常活動を行うのにも係わらず、HPにおいて何の告知活動等々さえ行わない民間諸団体の姿勢とは何なのか。 IT/広報リテラシーの問題なのか・経営感覚の問題か・社会的使命感の欠如か・当事者意識の欠如か・人として正しい姿なのか・そこに良心はあるのか etc.
※一部、被災地での炊き出し・メンタル対応・募金活動への情報配信をした先はある(応援の言葉を集めたという先も)。
※産業カウンセラー協会は、厚労省の委託による電話相談事業の受託~対応実施。


キャリア・コンサルティング協議会においては、上記に同じく、HPでの被災者への見舞いの言葉さえ掛ける事無く、且つ、自らの諸事見解を一切示すこともなく、 一人の被災者の方からの個人見解のメール(被災地での支援を止まる意味の内容)を会員にメール配信し、参考にとリンクが貼られた先は、 キャリア・コンサルタントとしてのモノではない、心理カウンセリング(メンタル)を機軸としている先の情報であり、 これもまた、早計な支援を止まるようにと解釈できる内容の情報が記されたものだった。

資格の括りはあるもキャリア形成支援者の職能団体であろう、キャリア・コンサルティング技能士会のHP等においても同様に何の情報配信はなかった。

この間、然るSNSのキャリア・コンサルタント関連コミュニティでは、被災者支援の話題など微塵もなく、 2級技能士により、1級技能士試験のことのみのやり取りを何度も繰り返していたような者までいた有様であった。
※個人の行動・コミュニティとしての活動主旨等々は当然に尊重する前提だが、諸状況的に強い違和感を感じる行為のため敢えて記載した。

被災地域での公的支援先の機能不全により、対応を移管された先の対応者募集等では、キャリア・コンサルタント等の資格要件等は何も問われないものだった。
※伝聞によるもののため正式な情報確認は未実施(新聞報道で同様のものは確認済み)。



国(厚労省)・関連ステークホルダーの行動を見る限り、
キャリア形成支援とは、飽食の時代の産物でしかない、限定された状況にのみ存在するものなのでしょうか。
被災のような非常時には、キャリアコンサルタントの対応・活動領域などは、本当ないのでしょうか。

キャリアコンサルタント個々人は、果たしてこのような業界全体のあり方を望んでいるのでしょうか。
アウトリーチの対応は、机上で学ばぬ限り不可能なものなのでしょうか。

ワーク&ライフキャリア形成に対する支援者と云いつつ、正にこの2つの問題に直面している多くの方々に対して、本当に出来ることは何ひとつないと考えるべきなのでしょうか。
業界として無言を貫く姿勢に強い違和感を感じる方々がいる中においては、人災とも云える無意識の加害行為に通じてはいないのでしょうか。

出来ない理由を探し、鈍感力と自己弁解を行うことより、ひとつでも対応可能なものを探し求めていくことが、人として・職業倫理として当然のことではないのでしょうか。



養成講座・資格試験のみを実施している先は別としても、会費徴収を行いキャリアコンサルタント・キャリアカウンセラーを会員組織としている団体の 社会における公的な使命とは何なのか・果たしてそこに存在意義があるといえるのか。

個人の能力を促進させるための一定の役割はあるにしても、本来の意とは別に資格制度そのものが、社会的なキャリア形成の浸透を阻む一策に通じているのではないのか。

社会的な問題に対して役立たぬものならば、標準レベル・熟練レベルと区切られた資格とは、机上論のものであり、資格要綱の表記変更を行うか、 内容そのものを大幅に見直すか、撤廃も検討する必要があるのではないのか。

平成22年度「キャリア・コンサルティング研究会」報告書の取りまとめ
 ~キャリア・コンサルタントの活動状況、求められる能力などを調査・研究~


国・関係団体においては、対人支援資格と標榜するも、業界としての無反応な状態は、キャリア形成・キャリアコンサルタントに対して、 自らが自らの社会的な存在価値を貶めたことへの責任に通じる類の行為ではないのか。
それは、公的な立場を踏まえた時に、キャリア・コンサルタント有資格者(個人)に対して愚弄している状況といえるのではないのか。

キャリア・コンサルティング協議会の設立主旨に記されている各内容に行動結果は抵触しないのか(含む、キャリア・コンサルティング技能会)

キャリアコンサルタントによる支援は、このタイミング・支援対象の内容ではないと考えての傍観的な対応ならば、その旨の明確な告知広報が必須ではないのか。 例えそのような考えであっても、問題解決に於いては、問題発生の初期の段階で対応を図ることが、問題のレベルを低くすることへの配慮や、調整検討等はしないのか。

今後においても起こり得るだろう、被災時におけるキャリア形成支援・キャリア形成支援者の基本的な対応メソッドを確立するつもりはないのか。

被災地での支援ではなく、避難地域でのケア対応においても、キャリアコンサルタントの機能・役割は本当に無いと考えているのか。



職業倫理や机上論の前に、ひとが人であることの基本を忘れて、果たして対人支援など出来るのでしょうか。 非常事態のなかで必要かつ重要なことは、ひとと人・ひとと社会とが「繋がる」ことではないのかと思います。
キャリア形成を学んだものだからこそ出来る諸事があると私見を抱きます。
斯様な惨憺たる業界状況のなかで一筋の光明は、キャリア・コンサルタント個人として出来る何かを見つめ続け・行動している方々がいる事実のみかと思います。

業界全体が今のままの姿勢を続けるのなら、小さく・静かな怒りは、社会的に巨大なものとなり、必ず自らに降り掛かってくるものだと思います。

本気で国内にキャリア形成の必要性があるとの信念を持って、キャリアコンサルタント養成を行われているなら、 自らの姿勢を正し、社会に真っ直ぐに向き合うことが必要ではないかと思います。

今日に至るキャリア形成関係各所の対応は、正直、酷いものだと感じています。 が、それでも今からの対応でも遅くは無いのではないのか、まだ々、挽回できる機会は多いと思います。

(主に厚労省)・ステークホルダー各位・関係者の方々におかれては、 無意識の加害行為の実行者にならぬよう、もう一度、自らの行動の再考を社会的な期待を込めて促したいと思います。

関係者諸氏の良心へ思いが届くよう祈念いたしたく存じます。



末筆になりますが、 今回の東日本大震災により被害を受けられた皆様へお見舞い申し上げますと共に、 心ならずも天に召されることとなった多くの方々のご冥福をお祈り申し上げます。



*** キャリアの翼 ***「笑顔の行方を見つめる」キャリア*ノート*
「テーマ:東北地方太平洋沖地震キャリア支援 」より

安否連絡・神奈川茅ヶ崎・地震状況
お願い!  神奈川茅ヶ崎・地震状況2.
注意を促して! 神奈川茅ヶ崎・地震状況3.
【地震・津波】 神奈川県茅ヶ崎市の状況4.
3.13. キャリア・コンサルタントが出来る復興支援・素案
被災地域外のブロガーの方へ・・・愚考のご提案
被災地域以外のキャリア・コンサルタントの方々へのお願い

【被災地外】キャリア・コンサルタントが出来る復興支援
3.14. 神奈川県茅ヶ崎市の状況5.
復興支援 * 愛情で繋がる輪を!
【被災地以外の対応】 災害時ストレス対処法
3.15. 神奈川県茅ヶ崎市の状況6.
【復興支援:ログまとめ】キャリア・コンサルタントへのお願い
【復興支援】キャリア形成関連団体の諸状況の一部

3.16. 神奈川県茅ヶ崎市の状況7.
【復興支援】キャリアコンサルタント募集 & A wonderful feeling.
被災関係者の方へのキャリア形成相談の実施案内(無料)
【復興支援】 キャリア支援実施先(無償)・一覧リスト
【復興支援】 キャリア形成支援者の方々へ
ひと時の休息日・フォーメーションを思う
【復興支援】 キャリア形成支援*徒然のひとり言

【復興支援】 災害後の心のケアについて
【ひと息閑話】 2人のメモリアル・キャンドル
絆の死角を見つめながら
小さなミュージシャンの「奏」
違和感の正体
計画停電・・・類は友を呼ぶのか
【徒然閑話】 小さな子供達の大きな想い

A sleep to fight.
桜*春の訪れを想い
もうひとつの街の姿・・・Turning point.
【愚考閑話】 自己否定の「恥」を見つめて
【ひと息閑話】 誤変換のほっこり*リラックス・タイム
【ひと息閑話】 大切な区切りと*ゴルゴ記念日
Greensleeves * 緑の袖 ・・・

【復興支援】 植樹 * シンボルツリーの想い出とともに
【私的備忘録】亡き友へのRequiem.
【徒然閑話】 凛として生きる
【徒然閑話】 クリオネに似た男
【復興支援】 メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」*他
A yell to parting and oneself. * 魂を羅針盤として
【復興支援】 希望の灯を消さない

【徒然閑話】 あなた *あなたとわたし *わたし
【復興支援】 星守る犬
【復興支援】 辛さと・幸せと 「一」の意味
【徒然閑話】 青い空を見上げながら
~ 言葉とともに ~ 時の流れに変わるもの*変わらぬもの
春爛漫 * 季節を愛でる心の・・・
【徒然閑話】 そして、「男と女」 と 「神と愛」

【復興支援】 優しさ・ぬくもりへの原点回帰
キャベツ畑で・・・いや・・・それは・・・違うのですと*


<追 記>
誤解は避けるため敢えて記しますが、キャリア・コンサルタント諸氏の個々人に対して、悪戯に復興支援に参加しろと叫んでいるのではありません。
職業支援を考えた場合、行政とのリンクが重要なことにもなり、また段階的な対応も求められ、単独で活動することの限界があります。
より多くの方々を支えるために何が出来るのかを課題にして、社会的な使命に基づき真摯に課題に向き合うことの必要性を訴えているだけです。





笑顔の行方を見つめて




【ディスカッション・ペーパー】キャリア・コンサルティング業界形成に向けて
* 笑顔の溢れる社会に向けた*キャリア形成支援の業界形成のための提言 *

 A. キャリア形成支援の全体像から見た課題形成(192 KB)
 B. キャリア形成支援の業界形成に向けた具体的な検討諸案(132 KB)
    キャリア・コンサルタント技能士会に関わる課題形成



career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、
キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

未だ揺れ続ける大地・原発問題の行く末を見ていると、震災は確実に継続中なのだと云えます。
この震災により、国内に芽生え始めた「キャリア形成の灯」が消えることが無い対応・行動を祈念して止みません。 ひとりでも多くの被災者が救われるように心から願っています。
被災者の方々の自己効力感をキャリア・コンサルタント関係先の良心を信じたいと思います。


一日一膳?の思いで書き綴っているブログ* キャリアの翼 *「笑顔の行方を見つめる」キャリア*ノート*あんなことも・こんなことも・・・


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Career wing  tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

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