2009.6.30

企業内キャリア形成支援の推進〜CC業界形成を考える

「メルマガは、もう書かないんですか?」最近お会いしたキャリアコンサルタント&人事の方々から言われた言葉でした(書きます!有難い...心から感謝です)
気が付けば前回の『企業内CC(キャリアカウンセラー)への警笛』 の発行から早くも一ヶ月が経っており、自分でも驚きを隠せずにいました。
この間、関西で2回・関東で1回のキャリアコンサルタント*ラボラトリー* を通じたオフ会に参加させて頂き、合計20数名のキャリアコンサルタントの方々と 自分自身のメインテーマでもある『企業内:キャリア形成支援』のあり方について喧々諤々を重ねさせて頂いておりました。

 関西オフ会レポ(VOL1・2)
 関東オフ会レポ(VOL1)

また、業界形成やキャリア形成支援室等の開設と云ったテーマについてキャリアコンサルタント*ラボラトリー* 内でかなり突っ込んでナレッジしていたため、 気が付けば、メルマガの発行がついつい疎かに・・・スミマセン
フェイスtoもキャリコン*ラボ* でも、手法は全く違えど、まるでグループエンカウンターの効力に近いような環境のなかで過ごしていた日々でした。

今回は、この一ヶ月間に感じた表題テーマについて綴ってみたいと思います。


■■□やっと気が付くことが出来た整理点

私自身のメインテーマのひとつに「企業内のキャリア形成支援の推進」があります。 小社のコンサルテーション業務のなかで、組織内のキャリア形成支援推進サポートのご相談を受けることがありますが、 以下の3点を常々感じるに至っています。

経営のパラダイムシフトに応じた対応・改善策のひとつとして「キャリア形成支援の推進」を位置付ける観点が弱いのではないか。
何らかのカウンセリング資格を持つ者が、資格の発揮をしたいがゆえに(深層的に)、社内のキャリア形成の推進に向かうケースが多少なりとも散見される。
カウンセリングの概念や形式に強い拘り(縛り)を持つ反面、経営効果(マネージメント)に関する協調観点が薄いと感じる。

自分自身の中でも、組織内の推進に関しては「これなのだ」と言い切れる明確な言語化が出来ていないもどかしさが続いていたのですが、 多くのカウンセラー諸氏とのやり取りの中でやっと腑に落ちる言葉が見え始めました。

キャリアカウンセリングとは、「生き方を見つめること:心理」
マネージメントとは、「正しさを見つめること:実存」
この2つの融合こそが、企業内のキャリア形成支援の推進の鍵である

※マネージメントをコンサルティングと置き換えることもあり得る。

完全に私見となりますが、企業内のキャリア形成支援の推進のためには、カウンセリング的なアプローチからではなく、マネージメントサイドからのアプローチにより、 セクション機能(職掌・職責・職権)と組織内部フロー等々を経営課題に即して構築し、瞬間的な実施ではなく、継続的な実施が為されるように 周到な事前準備を行う必要があると考えるに至っています。
また、ここに於いては、アウトソーシングを含めたCC及び環境活用の視点も必要が生まれるものと考えています。


カウンセリングを少しだけでも学んだ者として、また個人的に組織内でのキャリア形成支援の思い入れがある者として、なんとか経営の納得・理解を得て、 組織内へのキャリア形成支援の導入促進を加速させていきたいと思っているのが本音ですが、ここが遅々として進まないのは、 「キャリアコンサルタント・キャリアカウンセラーとは、一体何が出来る者なのか(経営効果が不明)」と問われていることに通じると考えています。
またお叱りを受ける発言かも知れませんが、CC資格は、技能士検定の1級で描かれている「専門性」が問われ・着目されていかない限りは、先述の問いに答えることが出来ず、 キャリア形成の概念に理解は出来ても、納得・認知を得た社会の根付きは難しいとの私見を抱き続けていることを余談として付け加えたいと思います。


■■□企業内のキャリア形成支援の促進のために

利潤追求のための現実問題を直視し続ける存在とも云える経営の現実に対して、企業内のキャリア形成支援の経営承認を得ようとした場合、 組織内における「カウンセリング:心理」の観点からのアプローチでは、

経営効果を明確に描き説明することが難しく(数値化的にも)
対象機能がどのような「責任(職責)」を経営的に担うのかが不明確である

と云え、このような状況下では、経営の決済承認を得ることは至難であると云わざるを得ないのではないでしょうか。

非難の言葉を恐れずに申し上げるなら「全ての答えは、あなたの中にあります」では、カウンセリングの概念のみであり、経営視点に立っているとは言い切れません。
経営的には、キャリア形成のための支援機能を活用することにより、究極的には生産性が向上し、利潤追求に際してプラス効果を導くことが出来る。 とのロジックに至る具体的な明示が必至と云えるかと思います。
そして、そのための具体的な実践活動の詳細こそが、経営承認を得るための具体的なポイントになると考えます(=専門性・対象組織機能・職掌)

純粋にカウンセラーとして鍛錬を積み重ねられご活躍されていらっしゃる方ほど、斯様な提言に対しては、拒絶反応と非難の言葉を頂戴することになります。
良し悪しではなく当たり前の反応だとも思っていますが、CCの有効性を信じるがゆえに、レトリックではなく理想と現実を融合させるためには、 「キャリアコンサルタントの既設の概念もメソッドも倫理のあり方さえも再度見つめ直す必要があるのではないか」と愚考を問題提起したいと思います。


「キャリアカウンセリングの密室からの開放」

ここを打開しない限り、組織内の推進を図ることはなかなか難しいのではないかと思います。
密室からの開放とは、部分的には、守秘義務に近いことかも知れませんし(ex.全社的な課題の発見〜改善提言や、個別問題の社内調整等)、 効果測定としての実績データの開示は、予算編成や継続的な実施のためにはマスト事項にもなろうかと思います。
さらに云うなら、非指示的関係性が、場合によっては、完全な指示的関係性が発生することもあろうかと思います。
CCがマクロ形成を遂げ社会認知を得るためには、企業内でのキャリア形成支援の推進を加速させるのが一番だとも考えています。

純粋に「個人支援」のための1対1の関係性を保てるような組織機能や環境・職責等々が用意出来るなら、それはそれで素晴らしいことだと思います。
しかし、言葉表現の問題はあるにしても、今までの経営に存在した「経営第一主義的な価値観」から、個人を見つめる必要性(キャリア形成)があるのだとの 新たな視点を経営に理解・承認して頂くためには、180°違う価値観を示す訳ですから並大抵のことでは承認を得ることは出来ません。

「マネージ視点の中からの企業内キャリア形成支援推進のあり方を見つめ、個人と経営の両者に利益があるための具体的な活動を積み上げる」 こんな一歩々が、キャリア形成の社会認知〜業界形成に繋がる最短の道なのではないかとも思っています。


余談として・・・
企業内のキャリア形成支援の促進のためには、 「生き方」と「正しさ」の2点を個人と組織の環境・関係の中から見つめる必要性が生まれるはずだと思います。

組織から見た時に、その社員が必要・必然である存在
社員から見た時に、その会社が必要・必然である存在

お互いが求める最大公約数がどこで交わるのか・客観性を持って見つめ・調整し・必要・必然のレベルとボリュームを高め・深めることが出来る存在こそが、 企業内におけるCCの果たすミッションなのではないかと愚見を持ちます(人事との違いは・・・また後日・・・一部後述)

※専門性とは、企業の歴史や経営・職務に精通していることも当てはまるものであると考えます。


■■□マネージの一環としてCCの機能化を一例として見つめる

今後の経営には、組織も個人も、相互依存傾向を排除した、自立型経営推進の骨格を構築し、維持・運営・管理を行うことが求められるのかと思います。
ただし、昨今の若者動向の分析結果にあった「終身雇用制度」を求める声の高さを鑑みると、企業内のキャリア形成支援の形は、 汎用性のあるベーシック・メソッドは、基準として必要だと思いますが、 それは決して一律的なモノではなく、各経営組織毎の課題に即したなかで体制構築され運用されるモノであり、そこには「経営バランス」が重要だと云えるのかと思います。

※相関関係図のX軸・Y軸分析で云うなら
 ○X軸:個人:組織
 ○Y軸:各企業毎に規定
   ex. マネージメント:メンタルヘルス
     人材育成:個別キャリア形成
     経営課題:個人課題
      エンプロ:自社状況    etc.



企業に於けるキャリア形成支援機能とは、 「経営企画・人事・労務等の全社的な問題/課題点を「人」を機軸に発見し・改善していくことをミッションとした機能・役割を担うこと」と定義出来るのではないでしょうか。
個人・組織の両者の視点から個人支援を行い、ここから満足・充足度をキャッチUPして組織活動に繋げていくことがCCに求められることなのかと思います。

ランダムながら・・・
カウンセリング/スキル・マインドをマネージメントに活かす事により、対人コミュニケーション力が向上する
・階層別マネージメント研修(傾聴・焦点付け・自己内省方法・アサーションetc)
・パラカウンセラーの社内養成の推進

ダイバーシティとしての考え方を経営組織内部に浸透させ、パラダイムシフトに応じた個と全体の関係性を構築する
・経営イズムも含めた労使の新たな関係のあり方を体制・諸制度・労働条件等々の観点から再構築を進める
・エンプロイアビリティの視点活用(CCの役割として)

新卒者の入社前研修の段階よりCCがメンターとしての機能を果たし、人材育成の基礎を創る
・CCの経営効果を明確にしやすく、入社後の活用促進にも効果が期待できる
・若年者の人間力の低下が否めない状況に於けるレベル向上施策の一環

縦割り組織の歪み部分の調整弁として、横割り型(リベロ)的なマネージのサポート実践
・守秘義務の枠を超え、全社課題の発見〜調整・改善への発言・実行権を持っての活動
・少子高齢化を切っ掛けとした生産性向上施策(マネージ力の低下)としての補填機能 etc.


非正規雇用問題・WLB・次世代法・ジェンダー・育児休暇・時短等々が組織内で形式論以上に進まない現状を見るならば、 企業内のキャリア形成支援の推進のハードルは、まだまだ高く・大きいのかと思います。

極論ですが、導入促進において一番手っ取り早い方法は、キャリア形成支援の推進者が経営権を担うことでしょうし、 経営を担った後にも、自身の考えを本当に実現するのか!・・・なのかも知れませんよね!?


これまでこの一ヶ月間の間の考えのまとめを綴らせて頂きましたが、企業内のキャリア形成支援の推進と併せ、 キャリアコンサルティングが社会認知を得るための課題として描いている20の課題を自分自身の整理も含め、私見として最後に記します。 これも何かの切っ掛けのひとつになれば・・・

Myテーマ
「密室からの開放」
「臨床心理・疾病からの脱却」
「既存概念・価値観のスクラップ&ビルド」

詳細事項
1.支援対象別の専門性の確立(スタンダード・メソッド)
2.CCの有効性検証(多事例が必至)
3.CCのオープンDBの構築
4.CCの実施評価システム(専門性認定)
5.カウンセラー・レポートの推進・定着化
6.親(対象支援)のコンテンツ・アプローチ化
7.企業内CCの実態取りまとめ〜情報開示
8.HWに対する、サブ支援者(機能)の行政提案
9.教育現場でのキャリア形成(スクールカウンセラー)
10. CCロールモデルのプッシュUP
11. 職業支援メソッドの確立
12. ネットワーク形成(3.DBとの兼ね合い)
13. 汎用事例の集積(1.スタンダード・メソッドの確立)
14. 業界ステークホルダーの見極め
15. キャリア行政動向の一元集約
16. 書籍・コンテンツライブラリーの確立(一般広報)
17. 告知広報・マスコミ戦略・戦術化
18. 対行政戦略・戦術化
19. 経済・産業界との関係化・戦略・戦術化
20. コア集中のためのブランディング戦略・戦術化 etc.


私自身は、キャリア形成の言葉も情報もなかった前社での10年間、人事の責任者としておぼろげながらもキャリア形成の概念に基づき社内体制の構築・推進を実行して参りました。
全てが手探り状態のなかで、時が過ぎCC資格の諸事を学び、当時にこれらのメソッド等があればどれほど社員に対する支援効果を安定的に高められ・経営効果を導くことが 出来たのかと思うことがあります。
時が過ぎた今も「キャリア形成支援は、必要なことである」と、その思いはさらに強く・大きく心を占めています。

キャリア形成支援推進のご相談を頂戴する、各社のご担当者の方々の思い。

もう一度、キャリアコンサルタントの常識という足元を疑って見ることで、切り開ける「何か」の道があるのだと思います。
異端児@ヨシダ目の愚見は極論かも知れません・・・多視点を得ることによって見誤りのない「道」が見えるかと思います。


抱える思いを信じて、経営に対する障壁を乗り越えていきましょう!



<追記>
本テーマをお考えのキャリアコンサルタントの方は、ぜひ・ぜひ・ぜひ・・・キャリアコンサルタント*ラボラトリー* (CCL)へご参加下さい!
また、キャリアコンサルタント資格を保有されていないキャリア形成支援を考える企業人事の方につきましては、「GUEST」扱いで、 CCLのナレッジにご参加頂ける様にしたいと存じます。
その際は、吉田宛までお気軽にご連絡をお願いいたします。




career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

沖縄の梅雨明け宣言を受けたこの数日間、横浜では梅雨入り本番っていう感じです。 体調管理に留意され、眩しい夏に向かってご自愛下さい。

今後も・・・書きます・書いちゃうぞ〜っと!


キャリアコンサルタント*ラボラトリー* 概要
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Career wing  tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

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