2009.2.18

キャリア・コンサルタントの今日〜明日を見つめる

本日、これを書いているのは、2月14日のバレンタインデーです。
組織勤務を終えてからは、チョコレートを頂く機会も少なくなりましたが、 毎年、この日に取引先から自宅に届けられる、名付けて「郵送義理チョコ」は、種々、トラブル?のネタになるので止めて欲しいなぁと思う日でもあります。
人の感情は、論理を超えたところに芽生える」なんてことをいつかご担当者にお伝えしなくてはと思うのですが・・・

そんな中で、クライエントだった今春卒業予定の大学生の男女カップルが、
今日は居ますか?」と連絡をくれ、オフィスを訪ねてくれました。
ヨシダさん・はいこれ・バレンタインデーのチョコレート
リボンの付いた綺麗な小箱を手渡してくれたのは彼氏の方で、彼女は隣でニヤニヤと笑っていました。 「こら!」と思う気持ちよりも、意味も無く妙に凹む思いのなか、近況や4月以降の仕事への思いや夢についてしばらく歓談をし、 映画の上映時間に合わせて横浜の街に繰り出していきました。

癖になってしまっているのか、しばしの彼等との会話もそうでしたが、クライエントとの雑談のなかで、キャリア・コンサルタントとの関係機会の状況や 印象を含め
で・どうだったの?」と尋ね・聞くことが日常化しています。

資格取得を目指される方々からも、キャリア・コンサルタントの方々は、実際はどんなところで・どのようなお仕事に就いているのですか?とお尋ね頂く事も多く、 キャリア・コンサルタントと関係を持った様々な方からお聞きした所感に私見(定数データ等によるものではありません)を付け加え、 もう一度、活動現場毎にキャリア・コンサルタント自身の姿を見つめることから、新たな活動課題の発見のヒントを見つめてみたいと思いました。


■□□ キャリアセンター(教育現場)

現在では、ほぼ全ての大学にキャリアセンター(就職支援室)等が併設されているかと思います。
学生諸子とのやり取りにおいては、キャリア・コンサルタントの職務役割や立場による関係性よりも、 これをベースとした上での個人 対 個人としてのヒューマンリレーションのあり方を深層に望んでいるように感じます。
「キャリアセンターに行けば、同じ方と会え、お話しが出来る」とのある種、安定的な人間関係が生み出す「安心・信頼感」を求め・感じ取っているのかと思います。

ガイダンス〜メンタルケア〜職業指導のキャリア形成全般に渡る支援(機能)のなかで、 1人/1回に係わる時間は、約30分前後(諸状況によるでしょうが)が多いとお聞きしており、 学生数 対 キャリア・コンサルタントの数的なバランスの問題は一番大きく悩ましい実情なのかと思いますが、 もう少し長く時間を掛けて向き合って欲しい。とのクライエント・ニーズも多くあるように思われます(対人関係を深めたい欲求)

キャリアセンターの活用実態においては、積極的な活用を図る人 全く活用をしない人 との差が大きくあるように感じます。 有効活用している者は、先述の個人のリレーションが上手く機能している場合、効果結果の面でもプラスが現れていると感じます。 ここには、一期一会ではない機能構造的な対人の関係性がより良く作用しているのではないでしょうか。

成長過程の一定期間の都度、関係関与が可能であること
基本属性は、自校の学生となり、ロイヤルティを共有しやすい
支援の対応域の幅広さ
社会人との触れ合い機会として大きな影響力を持つ
個人 対 個人 の関係構造(パーソナルカラーの出易さ) etc.

逆に捕らえるならば、クライエントとの相性を含めたキャリア・コンサルタント個人の人格や特性が大きく問われる環境だとも言えるのかと思います。

大学に於いては、全入制時代の到来・淘汰の渦中にあり、昨今の大型不況〜内定切り等々のことから、 インターンシップの低下や就職先そのものの開拓が大変な状況だと思います。
しかし、多くの学生諸子との会話からは、過去のイメージである就職先斡旋機能から、就職〜社会人としての大きなキャリアチェンジを迎える 自分自身をブラッシュアップ・支援をしてくれる機能・人達(キャリア形成支援者)としての認知が確実に出来上がりつつあるのだなぁとも感じます。

「教育現場での活動には、学びの舎としての種々の制約が大きい」と実際の勤務者からお聞きもし、各校毎の温度差的な部分もかなりあると感じています。 それでも今後の高校以下のキャリア教育の導入・実施推進に、教育現場におけるキャリア形成支援の先行事例として、 種々の経験が大きく活かされる事になるのではないでしょうか。


■□□ ハローワーク・ジョブカフェ(公的支援機関)

ハローワークは、キャリア・コンサルタントが活躍されている国内最大組織だと思います。 公的機関がゆえの多くの活動・機能制約を背景にしたなかで、キャリア・コンサルタント自身は、雇用条件的(圧倒的な数の非正規の有期雇用)にも ・活動制約的にも正直かなり厳しい環境のなかで、クライエントへの思いを糧にしてご活躍されていると認識しています。

ハローワークの機能のなかで、クライエントの目的や意識を基にしたキャリア・コンサルタントとの関係性は、 多くの場合が一期一会の関係にならざるを得ないのかと思います。
スキーム上致し方ないと思いつつも個人的に残念なのは、思いがなければ出来ないであろう勤務諸状況に対して、 クライエントからはヒューマンタッチな関係を望まれていない点 キャリア・コンサルタントのアイデンティティが希薄な存在に感じてしまうことに、 複雑な思いを抱きます。

マッチング成果の数値目標が明確に設定され、結果を問われるなかで、1人/1回に係わる時間は、約20分前後(諸状況によるでしょうが)が多いとお聞きしますが、 地域密着型のセーフティネットがゆえにヒューマンタッチな係わりがもっと々大切なのではないかと思えてしまうのは、現場実態を知らぬ者の綺麗毎なのでしょうか。

支援の継続性は短い
クライエントニーズは、就職先の確定の点で共通(ジョブカード関連を除き)
企業(求人)情報を抱えている
年齢・性別・経験等の属性別特性は、縦横・全方向に渡る
個人 対 機能 の関係構造(パーソナルカラーの出難さ) etc.

ハローワークに勤務(非正規)する方とお話しをするなかで、就職が決まった・問題解決が上手くいった等のなかで、 クライエントがお礼に訪れてくれた時の喜びは何にも換え難いとのお話しもお聞きします。

労働環境・条件・支援活動の制約等々を考えた時に本当に頭が下がる思いなのですが、キャリア・コンサルタントへの目線や更なる支援機能の活性・強化を求めるためには、 ハローワークそのものの機能や社会イメージが大きく変化しない限り難しいのでしょうか(行政改革の次なる課題ともお聞きするところもありますが)


公的機関には、もうひとつ大きな全国展開組織としてジョブカフェがありますが、 多くが民間委託の縦割り的な運営であることもあってか、ハローワークでの対人関係性よりは、ヒューマンタッチな感覚とニーズを持っているようですが、 全国各地の活動実施の状況・キャリア・コンサルタント各人の諸状況に大きな開きがあり、組織としてのひと括りでの判断はし難いものがあります。
キャリアセンターとハローワークの中間的な諸事特性があるといえるのかと思いますが、クライエント目線においても個人差が出やすいかと感じています。


技能士検定の論述・面接と受けてみて、 キャリア・コンサルタントに係わる国の施策の大きな柱の一つにハローワークの実態モデル(スキーム)が大きく影響し、考慮されていると痛感しました。
職業支援のなかで、個人の職業適性・適職等のマッチング成果を導く諸理論は発展しつつあるも、企業特性・評価としての知識・理論体系は未整備かと思われる中、 ハローワークをはじめとした公的機関でのキャリア・コンサルタントの活動機能・支援スキーム・勤務状況等々が、 今後の業界形成のビジネスモデルのひとつとして大きく作用していくのだと強く感じるに至っています。
未来に向かいより良い変貌を遂げて欲しいとの願いを切に抱きます。

<添付:参考資料>
実効ある雇用対策にむけて〜ハローワークの現場から 自治労国費評議会・労働部会連絡協議会


■□□ 経営者・人事担当者(企業組織現場)

企業内に於けるキャリアコンサルティングの必要・重要性の認識は確実に高まっているとの実感を得ながらも、 キャリア・コンサルタント自身の評価は、どうしてこんなにも低いのか。と思える最たるところでしょうか。
キャリア・コンサルタントは、「使えない・何が出来るのか良く分からない・個人の力量〜経営効果が不明 等」・・・幾度となく経営者の方々から聞かされた言葉です。

民間資格ながらも新しい資格として国の5万人計画の後押しを受ける形で登場し、経営効果を導く上での何らかの過剰期待があったのかと思います。
過日、キャリアコンサルティングそのものに対する認識が低い状況のなかで、キャリア・コンサルタントの活用を実施してみたところ、 描いていた期待効果に繋がらなかった。との経験がそのまま今現在に至っても風評被害的に、経営者ネットワーク間において、 ダメとの評価が回ってしまっているような感を強く感じます(・・・と聞いたよ的な感覚。結して、キャリア・コンサルタント先輩諸氏に対して云々ではありません)

「有資格者=企業が抱える問題解決が出来る能力保有者」との期待の公式が、実際の経営期待効果を導くためには、経営全般をもとにした、 人事・労務・実務推進の専門的な知識・経験等がなくては、組織活動の部分機能としてはあり得ても、その主体・中心的な実施者には なり得ない。との評価を受けた結果なのかと思います。

民間・国家を含めた資格は、実際に企業が求める実務推進に於いては、ベーシックスキルであり、相応の専門知識・経験が加えて必要になることの 最大の一例なのだと思います。

キャリア・コンサルタントのビジネスモデルを考えた場合、B to C の最たるものは、ハローワーク(含むジョブカフェ)の機能かと思いますが、 B to B のモデル形成は、まだ々未開発であり、その対象は企業となります。
経団連もキャリアコンサルティング協議会の賛助会員でいらっしゃいます。
経営者の方々への意識改革や企業内でのキャリアコンサルティングの積極推進(キャリア・コンサルタント活用)の継続的な働き掛けは、 業界形成の上でも今後に強く望み・期待したいところです。


経営者の認識状況に比べ人事ご担当者においては、CSR(corporate social responsibility :企業の社会的責任)の観点を含め、 非常に高い認識として、キャリアコンサルティングを捕らえているように感じます。 が、企業内において経営目的を達成するためには、キャリア・コンサルタントに委ねなくとも、 他の代替者でも十分に求める機能を果たすことは出来る。との意識も強いように感じます。 また、人事担当者ご自身の自己啓発や実務スキルの向上のために資格取得を目指されることも相当に加速されているとの感触もあります。

キャリア・コンサルタントが経営機能として「何が出来る存在なのか」「経営機能にどう活かすことが出来るのか」。 この多くの事例と有効性の検証・認知が、キャリア・コンサルタントの自活を考える上ではマスト事項なのだと思います。


また、これとは別に音楽・スポーツ・研究者等々のセカンドキャリアを支援する機能組織も多く出始めていることは、嬉しい流れのひとつです。


■□□ 最後に

キャリア・コンサルタントの活躍現場が持つ様々な「特性・機能」とクライエントへの以下の3点を見つめる(マーケティングの王道ながら)ことにより、 新たに見えてくる活動課題があると思います。
そして、その新たな発見を繰り返し、具体策が積み重なれば、それはきっと業界形成への礎となり、 大きな社会認知のムーブメントへと繋がることになると思います(自明の理でしょうが)

ウォンツ(潜在的な欲求:期待を超える)    こういうものが欲しかった!
ニーズ (顕在化している欲求:期待に応える)   こういうものが欲しい!
シーズ (保有化している資源:期待を探す) こういうものが欲しいはずだ!


キャリア・コンサルタントひとり々の思いが形となり、
より良い前進への歩みに繋がること。


これこそが「とても必要で、とても大切なこと」なのだと思います。




career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

本文に繋がる思いを込め、今後、キャリアウィングの視点に基づき、具体策の開示もしていきたいと存じます。 また、そのためのナレッジの環境や機会提供等も予定に描いていきたいと思っています。

前回のメルマガでお尋ねした「電車内での出来事」については、「言わぬことの気遣い・マナー」を改めて知りました。
まだ、ここでの気付きをカウンセリング場面でどう捕らえ・考えていったら良いのかは分からないままなのですが、 きっと何かが掴めるかと思います。多くのご連絡ありがとうございました。

今月末に金沢に行く予定です。
全国はかなり周ったのですが、金沢は初めての地なので、許される時間一杯、ローカリズムを感じ取ってきたいと思います。



「まぐまぐ」から発行中のメルマガ【「個の時代」の、キャリアカウンセラー&人事 】が携帯でもご覧になれるようになりました!
通勤やお出掛けの合間に、ふとお暇になってしまった時に、もっと手軽にいつでもメルマガを読んで頂ければと思います。

ミニまぐ(携帯版メルマガ)の登録は、下記のフォームよりお願い致します!


 





Career wing  tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

Copyright(c) キャリアウィング all right reserved.