2009.2.4

キャリア形成のパラダイムシフトの訪れ

最近、自分の中で何かの変化が起き始めているのか、単純に機軸ブレを起しているのか、 健康上の問題なのか、経営状況に対してなのか、迷いなのか、性格か・・・ 兎も角、姿の見えないモノへの苛立ちに近いモヤモヤ感に捕われている自分を強く感じています。

「ため息が零れ落ちそうになる」ことも、「ひと筋の光明に救われた思いに駆られる」ことも、その全てが日常なのですが、 社会全体の中でキャリア形成のパラダイムシフトを迎えたのだと強く感じる今日この頃、今回は、最近の出来事のいくつかを綴ってみました。


■■□ 共通事項を持った、お2人のクライエント

オフィスに訪れて頂くクライエントの方々との出会いのなかで、「本当に人生は色々だよなぁ」「人それぞれに価値観は全く違うものだよなぁ」と 実感を深める事が多くあります。

時を同じくして、年齢も性別も当然にビジネスの経験背景も全く違う、お2人のクライエントとの出会いがありました。いみじくもお2人に共通していたのは、

現在の勤務先に対する痛烈(過剰気味)な経営批判
自己能力に対する会社評価(待遇の低さ)への不満と自己アピール
転職支援としての情報提供          etc.

でした。

ここでは、クライエントとの詳細のやり取りは省きたいと思いますが、転職を考える上の検討の足掛りとして、

自然を相手にし「恨み」や「責任」を求めることは出来ないであろう、農林水産業の世界で働くことへの意思の確認
転職の選択肢として「起業」への意思の確認
評価とは、他者が行うことであり、生き方は自分で決めるべきものであることの認識確認 etc.

をお2人に尋ねてみました。


みなさんは、上記の言葉を投げ掛けた時のクライエントの反応をどのように推察されますか?
また、ご自身に同じ質問を投げ掛けた時には、どんな答えを導かれますでしょうか?


余談になりますが・・・
完全に私見ながら、転職相談の際、完全な自己責任として人生を歩む「起業」への可能性判断を投げ掛けた時に、 クライエントの内部で「ハッ」と気が付かれることが多いかと、経験的な感触を得ています。



■■□ 新鮮な学びを与えられた、大学生のクライエント

ある会社の新卒者採用のグループディスカッション(最終募集)でアセッサーを勤めた時に初めて出会った今春卒業予定の大学生がいました。
その彼女の見た目は、いわゆる「ギャル系」そのもので、およそ着慣れぬビジネスーツとご本人のキャラクターが完全にミスマッチな第一印象を受けました。

ディスカッションの開始前にスクール形式の机の配置のまま、簡単なアンケートとミニレポート作成の時間がありました。
時間を目一杯に使い懸命に書類に向き合っている全員に向かい、「終了時間の5分前です」とアナウンスを行い、全体を見回し何気なく彼女に目をやると、 まるでそれが普段のことでもあるかのような自然な動作で、自分が書き損じて消した、消しゴムのカスを手の平で集め、 何事も無い様子で、それを真新しく見えるスーツのポケットに入れたのでした。


プラスもマイナスも気になる人物がいる時には、休憩時間に人事担当者に申し伝えを行い、2名体制でファシリテーターを勤めるのですが、 その後のディスカッションでも、彼女の姿勢・目線・座る足の表情(セクハラ的な意味ではない)・発言内容ともに、ハロー効果を差し引いたとしても プラスポイントへの際立ちが確実にありました。

ディスカッション終了後は、暫定評価の低い順に名前が呼ばれ、簡単に人事と個別のお話しを行い終了となりますが、 彼女は一番最後に呼ばれることとなりました。
人事との面談応答のなかで「今日、参加をしてみて何か感じましたか?」の問いに、「大学院への進学予定があるなかで 中途半端な思いのまま参加をして失礼をしてしまった」と、素直に詫びられました(詳細の理由は省きます)

そして、人事担当より「今後、進む予定を決めていたとしても、1週間後に正式な面接を行いたいので、それまでにもう一度、意向を詰めて考えてみて下さい」と伝えられ、 検討に必要ならば相談してみて下さいと、外部のキャリア・コンサルタントとして私が紹介をされ、名刺を渡す事になりました。

その日の夜遅くにメールが入り、2日後に横浜のオフィスに尋ねてきてくれた彼女を出迎え、ドアを開けたそこには、 長かった髪をバッサリと切り、ナチュラルメイクの彼女が笑顔で立っていました。

「容姿を変えたってことは、入社意思を持ったっていうこと?」と尋ねると、「まだどうするべきなのかは決めていませんが、前回のディスカッションの参加では失礼をし、 今日は、自分の将来を相談させて貰うのに今までのままでは失礼を繰り返すと思って・・・」と。

人は、年齢や見た目では判断出来ない等といった通り一遍のことではなく、対人関係に於いて、より良い自己犠牲の姿勢や相手や物事に対して、 リスペクトの精神を抱くことの出来る彼女の心に年齢を超えて、ひととしての尊敬の念さえ抱く思いが胸を包みました。


■■□ 何を失い・何を得たのか、そして今後は

社会全体のなかに「組織で働く事への覚悟・労働意識の変化〜他者への依存心の強さ」が、世代を超えて顕在化しつつあるのではないか。
経営に於いては、 「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」 の先人の教えをもう一度、見直す必要があるのではないのか。
といった皮膚感覚を強く感じています。

新自由主義・改革への御旗の下で、個人の忍耐力や行動力の変化のみならず、企業や社会全体としても「恥」の感覚さえも変化しつつあるのではないかと、 モラル・ハザード(保険の意味の使用ではない)を強く意識させられます。
労使共に、権利と義務の間で、「義務を果たすからこそ権利の主張が許される」との観点さえも崩れ初めているのではないかと思えることも増えたような気がします。

企業においては、もう一度、正規・非正規を問わず、社員間のコミュニケーションのあり方を見直し、社員の帰属意識の強化やモチベーションUPの施策に対して検討を深め、 労使の価値観や経営具現の目的のために社員との一体感を確実に取り戻さなくてはならないのではないかと思います。
また、企業別労働組合も企業の対応変化と同じく、もう一度、新たな労使関係のバランスを見直し、 その存在意義や機能を問い直す必要があるのではないのかと愚見を抱きます(労組批判ではありません)

いま・この時代だからこそ、個と全体との「共生」のバランス感覚が強く求められているのではないでしょうか。 また、社会全体が大きな変化を迎えていると感じるがゆえに、キャリア教育の重要性を痛切に感じています。

企業にとっても社会にとっても「最大の資産は人」である筈です。
規模を問わない企業存亡の危機と、個人生活の不安が増大する社会全体の中で「キャリア形成のパラダイムシフト」が確実に訪れたのではないかと感じます。


■■□ その後・・・

先述のお2人の内、お一人の方は、ご自身が被害者意識に大きく片寄っていたと気付かれ、その後、社内募集があった組織改革プロジェクトのメンバーに 立候補をし・専任され、「必要な事は、不満を口にするだけではなく「解」を導くことだ」と、より良い組織作りに向けて、ご自身のキャリア形成を描き直し歩まれています。
もう一人の方は、ご結婚の前に奥さんと夢のように語り合った「将来は2人で小さいながらも飲食店をやりたい」との夢(?)を思い出され、 その後、家族会議を何度も繰り返された結果、5年先のビジョンとして起業を目指すことを奥さんとお2人の間で決められました。
また、開設資金の準備・確保を考えた時に、転職よりも現在のまま勤務を行うことの方が得策だとの答えに辿り着き、 働くことの意味を新たにして、転職はせずに今までの会社で営業として歩み続けられています。

大学生の彼女は、当初、入社意思を持たずにディスカッションに参加した会社への入社が正式に決まり、 現在は、小社にて入社前研修の一環として、ビジネスマナーからビジネス概要までの研修を実施中です。
毎回、仲間の友達と一緒に研修の実施をしていますが、明確な将来目標が定まり、目標に集中して歩んでいるため、 ひとつの教えが、いくつもの気付きとなり、「あ!そうなのか!」と反応が現れる姿に、毎回々こちらの方がプチ感動?に近い、モチベーションを引き出して貰っています。


3人のクライエントの方々が歩みはじめられた各々の道。
自分の人生の軌跡を振り返った時に心から良かったと言える様に頑張って欲しいと願っています。



「飽食の時代」のせいなどと冷め切った感傷に浸り、嘆くことばかりなどしたくもありません。
良くも悪くも諸状況を受容れて、新たな・次なる変化へ向けて歩みださなければならないのだと思います。


キャリア形成のパラダイムシフト



その場に於いて、キャリア・コンサルタントは、何をし得る者なのか、何をしなければならないのか。
クライエントからの多くの気付きを貰いながら、悩み・考え続け・行動に移さねばならいとの思いを募らせています。

早くこの見えぬモヤモヤから抜け出して、3人の方々の煌きを自分にも・・・などと思いながら・・・



career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

プチ入院の調整に向った病院で、併せてメタボ対策も・・・と言われ、かなり凹んでおります。
これがモヤモヤの原因?・・・ではないと祈りつつ・・・



「まぐまぐ」から発行中のメルマガ【「個の時代」の、キャリアカウンセラー&人事 】が携帯でもご覧になれるようになりました!
通勤やお出掛けの合間に、ふとお暇になってしまった時に、もっと手軽にいつでもメルマガを読んで頂ければと思います。

ミニまぐ(携帯版メルマガ)の登録は、下記のフォームよりお願い致します!


 





Career wing  tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

Copyright(c) キャリアウィング all right reserved.