2008.9.17

キャリア・コンサルタントとして独立を目指す方々へ
「後半:事業化の策定ポイント」

前回の前半のテーマは、

  事業活動の形態について
  集客(広報宣伝)について
  専門性(差別化)について
  ターゲットについて

とのことで、綴らせて頂きました。
これをご覧頂き、キャリア・コンサルタント有資格者でいらっしゃる、ある主婦の方からご連絡を頂戴致しました。

現在、お子さんの育児もあり、旦那さんとのお話し合いの結果から、外で正規雇用として勤める事は出来ないが、 それまでの人事や教育関係のご経験と本資格を活かして、ボランティア以上、大袈裟な事業活動未満で、家庭を優先する中で対人支援業務の活動へ向けて 行動を起こしてみたいのだがどうだろうか。とのご相談内容でした。

これぞワークライフバランス!と、もう・・大賛成!であることをお伝えさせて頂き、
以後への協力を惜しまない事をお伝えさせて頂きました。

マーケット情況その他を踏まえた時に、気負うことなくこんな形でのワーキングマザー層の有資格者の方々の積極的な市場参入が、 業界形成に大きな影響力をもたらすのではないかと、個人的に予測しております。
前回も今回も、あーだこーだと、とやかく申しておりますが、このご相談者の方のようなシュチュエーションの方々には、 ある意味、最善とも言える資格(サービス提供)内容なのではないかとも感じています(こちらも頑張らなくては・・・)。


さて、そんな前置きの後・・・今回の後半のテーマは、

  金額設定について
  実施場所・環境について
  収支計画について
  活動の継続性について
  経営管理について
  その他

として、綴っていきたいと思います。



■□□ 金額設定について

サービス・労務提供に対する報酬単価を決めることは、算定基準(機軸)をどこに置くかとの判断により、大きく金額に開きが生れるため、設定の難しさがあります。

経営維持の観点
純粋なサービス対価
同種サービス比較(弁護士相談・占い?) etc

また、一度、設定した金額を悪戯に動かす事は、値上げにしても値下げにしても、あまり好ましい事ではないと云えます。
金額は、クライエント(顧客)満足度の判断の中心事項になりますので、サービス・労務提供の価値を良く見極め、他者・他社の比較検討も行ないながら、 設定する事が望ましいかと思います。

WEB上でデータを集めてみると、50〜60分/1回:8.000円前後の時間/金額設定をされていらっしゃるところが多いかと思います。
またその中でも、初回相談は、無料や、支援時間を90〜120分で対応等々と、各々の特徴付けをされていたり、カウンセリング実施の回数券を用意されていたりと、 他との差別化を積極的に打ち出していらっしゃることが分かります。



■□□ 実施場所・環境について

クライエントとの守秘義務に伴う、環境への配慮が出来るのは、カウンセラー側になります。

独立を目指す方々とのお話しの中で、カウンセリングを喫茶店等で実施するとのことを耳にすることもありますが、 果たして上記の観点で考えた時にそれで良いのか?との思いが生れます。
「クライエントが安心して、胸中を開放してお話しをして頂ける環境とは」 「ラポール形成を行い、カウンセリング効果を最大限に発揮するための最善の環境とは」、どういう場所・環境が望ましいのか熟考が必要なのではないでしょうか。

また、カウンセリング場所をご自宅にされる方もたまにいらっしゃいますが、個人的には確実にお勧め致しません。
多くの場合、カウンセリングは、クライエントとカウンセラー2名の密室の行為となることに意識を持つ必要があるといえます。

突然の発作症状や感情の激高もあり得る
クライエントがストーカー的になってしまう場合もあり得る
カウンセラーのON/OFFの切り替えがし難い etc


ちなみに小社においてカウンセリングブースのレンタルシェアを行なう時には、必ず別の者がブース外に待機しており、 何かの不測の事体が起きた時に直ぐに対応を図れるようにしてもいます。
また、然る厚労省認定の資格試験実施団体においては、クライエント対応するカウンセラーのデスク付近の手元に非常用ブザーを設置して備えてもあります。

余談になるかも知れませんが、私自身がオフィス(カウンセリング)環境を整える迄の間は、レンタルオフィスの会議室・カラオケボックス・ホテルのティーラウンジetc を利用してカウンセリングの実施をしていた時もありました。
カラオケボックスにしてもティーラウンジにしても、事前のリサーチを何箇所も・何度も行い(部屋の情況や隣席情況等)、 当然、事前にクライエントへの了解を仰ぎ、対面式カウンセリングの実施前迄にある程度のやり取りをメール・電話・webカメラ等を利用して、 可能な限りの良好な関係構築をインテーク面談前に図ることを目的として、無理矢理に対応していたこともありました。

上記のの各項目や斯様な経験からも、環境がクライエントに与える影響力については、本当に重要な要素だと思うに至っています。
現在、小社にて、セミナー・カウンセリングのルームシェアを行っているのも、こんな背景があってのことです。

   小社のリビングオフィスのレンタルシェアについてはこちらをご覧下さい。



■□□ 収支計画について

私が知り得る限りで、民間で有料の対面式カウンセリングの実施のみで、経営(個人・法人)が成り立っている先を存じ上げません。
正確なデータを示す事が出来ず恐縮ですが、ジョブカード制度関連の報告書で見かけたデータによれば、 民間の有料によるカウンセリングの月間平均実施回数は、「約10回/1ヶ月」以下だったと記憶しています(記憶マターのため正確でなくスミマセン)。 単純にこの数字では、事業化は至難になることは必至です。
生計を成り立たせるための何か別のファクターが必須になることがお分かり頂けるかと思います。

また、前回のメルマガで記した「集客(営業)活動」により、収支計画の内容は大きく変わってきます。

集客活動による、実施回数×設定金額=売上

となる訳ですので、両者の各項目がどれ程重要な要素であるかが分かります。
収支計画はこの両者の適正値により計画がなされなければ、全てが机上の空論になってしまい、 経営活動の先詰まりが訪れてしまう事がお分かり頂けるかと思います。

対人支援援助業務に於ける経費項目の大きなモノは、オフィス等の環境関係の固定費を除けば、

仕入れ=集客経費(広告宣伝費)
支払い=人件費

となります。

特に法人化した場合は、社会保険の兼ね合いもあり、給与(報酬)を売上変動支給型にする場合は、就業規則(賃金規定)によりその旨を明記しなければ成りませんし、 固定支給する場合は、例え売上が無くてもこれを実施しなければならず、支払が出来ない場合は、未払い金として会社の負債となることも念頭に置く必要があります。

法人化とは、法人格を持ち、その活動の全ては決算書により明示されることになります。 収支計画は、その一番の根幹を成す事ですので、売上・支払いの2点については熟考に熟考を重ね、種々の活動計画を行うようにする必要があります(釈迦に説法ですよね)。

個人の場合も、収支がハッキリしていないと確定申告の際に税務署から相当に指導が入る事となります。



■□□ 活動の継続性について

事業活動において、「継続は力なり」との言葉の意味を本当に深く実感する機会が多くあります。
マーケットへの認知向上も社会的信用力においても、どれ位の活動歴を持っているのかが問われますし、事業継続を果たしていること事体が十分な実績ともいえます。 これは、クライエントである求職者の勤務と同じく、短期離職を繰り返していたのでは、スキルも付きませんし、 本質的な仕事を成す事も難しいとの事に通じるかと思います。

時に歩み続けるために勇気ある撤退を強いられることもあるかと思います。が、 事業活動は、多くの取引先や関係者によって成り立っていることを踏まえるならば、 事業の継続的な活動を行う事で、社会的な対外貢献を果たしていることが、紛れもない事実となります。

活動する事も、止める事も、その判断・権利は、各自に委ねられていますので、思いと経営計画を上手く整合させて、活動の継続性を描く事はとても大切なことだといえます。
起業後1年以内の廃業率は30%とも40%とも言われていますし、10年間継続して経営維持がなされているのは、コンマ数%であったと記憶しています。

思いだけでは事業は出来ぬ。
思いが無ければ事業は出来ぬ。


「事業活動の継続は、両者が成り立った成果の証し」といえるのかと思います。

継続性のあり得る計画と実行を目指す必要がありますよね。



■□□ 経営管理について

法人なら決算書。個人なら確定申告の書類が1年間の事業成果を示すモノとなるのかと思います。
日次・月次・年次・期次での活動管理を数値的に掌握していなくては、先述の事業活動の継続の可能性を見誤ってしまう恐れがあります。

心の底からクライエントに対する対人支援援助を行いたいと思ったのに・・・殊の外、経営管理には時間と手間が取られる事は念頭に置くべきかと思います。

個人にしても法人にしても小規模展開を行うなら、必要最小限、多少の経費は掛かりますが、税理士だけは顧問契約を行い財務面の確実な押さえを行なう事をお勧めいたします。
しかし、税理士の方々も当然に色々で、契約金額やサポート内容にも開きがあるのが実態です。 最高の税理士に出会えることは、それだけでも経営効果(守り)を高める事に必ず繋がりますので、納得行くまでご自身に合った方を探し・出会って欲しいと思います。

営業や広報宣伝等の攻めのためには、ご自身の提供サービスを良く見つめ、関係協力先を見つけることが必須にもなります。

経営管理と少し反れてしまいましたが、活動の攻守を見誤り無く進め、適正な判断が下せるようにするためにも、 種々の経営管理がマスト事項になることを踏まえたいものです。



■□□ その他

キャリアウィングと云えば・・・「本物の思い」を大切にして欲しいと心から思います。
結して楽ではない諸状況のなかで、自分自身にモチベートを掛け続け、苦しくても前に歩みを続けるための原動力はここだと思います。

結して驕る事ない自負と想い。
仲間を人をリスペクトする魂。
自ら切り開き歩み続ける行動。


「ひと・モノ・金・情報」といった、貴重な経営資源を活かすも殺すも「想い」次第なのではないでしょうか。

ポジティブに・・・なんて難しい?事ではなく、全ての出来事を笑顔で悩んで楽しんじゃう位の気概が必要なのかも知れません。



前後半で何項目かに分け、ポイントを記して参りましたが、今更のことであり釈迦に説法の事ばかりで、 特段、目新しい事などなかったかも知れません。

それでも多くの、思いを抱えたままで事前の準備無く参入しては、消えてしまう方々を目の当たりにするなかで、 ひと言でも伝えられる何かを残したいと2回に渡って綴らせて頂きました。


みなさんの本物の思いが形になり、
思いが遂げられますよう、お祈り申し上げます。




career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

キャリア・コンサルティング協議会が、キャリア・コンサルティング技能検定(国家資格)の指定試験機関として指定され、 試験の詳細については、9月中旬以降に告知の予定とのことです。

  ※キャリア・コンサルティング技能検定HP


第57回 東京労働大学講座総合講座の結果発表がありました。

通学中におきましては、各方面にご理解を頂戴して、種々の調整を図っりながらの勉強となりましたが、 何とか無事に「修了・努力賞」を頂戴する事が出来ました。
この間、ご協力をお願いしておりました皆様にこの場をお借りし、 ご報告を兼ね、心よりお礼申し上げます。

本当にありがとうございました。

受講内容の詳細は、こちらからご覧いただけます。


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Career wing ○ tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

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