2008.9.03

キャリア・コンサルタント&カウンセラー「名は体を表す!」

先日、然る企業の人事部に勤務し、以後に予定されている社内のキャリア開発推進に向けて、 ご自身の自己啓発を含み、キャリア・コンサルタント資格の取得を検討されている方からのご相談がありました。
以前に何度か人事業務のコンサルテーションを通じてのやり取りがあったこともあり、掛け値のないお話しが進みました。
この中で興味深かったのが、キャリア・コンサルタント資格試験に於いて、厚労省指定の民間認定各団体の名称(呼称)に関してのご質問でした。
特に「キャリア・コンサルタント」と「キャリア・カウンセラー」とは、どんな違いがあるのかといったお尋ねは、 各方面の方々からもよく尋ねられることであったため、一度、このタイミングで整理のためにも綴る価値はあるのかと思いました。

また、偶然にも時を同じくして、特定非営利法人キャリア・コンサルティング協議会のメルマガ(インタビュー「インサイトCC」)において、 法政大学キャリアデザイン学部教授・臨床心理士「宮城まり子氏」も同様のことを語られています。
メルマガは、会員のみに開示されているのかも知れませんが、宮城さんのコメント内容には、とても同感出来るモノがありました。
ご興味のあるかたは一読する価値があるものだと思います。



■□□ コンサルタントとカウンセラーの定義と両者の違い

<Yahoo japan 辞書より>
コンサルタントとは
 企業経営などについて相談を受け、診断・助言・指導を行うことを職業としている
 専門家
カウンセラーとは
 学校・職場・医療施設・社会福祉施設などで、一身上の悩みや問題を持つ人に
 面接して相談相手になる人。助言者・相談員


コンサルタント=カウンセラーではないことは明確かと思いますが、 この2者の違いについては、如何感じられるでしょうか。

コンサルタント・・・>「集団・組織的」な問題を対象とする
カウンセラー ・・・>「個人・感情的」な問題を対象とする

コンサルティングやカウンセリングを行う実施者として、支援の対象領域の違いを表していることが明確になっているのではないかと思います。



■□□ 実施する内容に違いはあるのか?

上記の括りの場合、支援対象が違うのであれば、支援方法や内容、手法等には、当然に違いが生れるものだといえます。
ただし、実態の多くは、各団体毎に指定された、資格の使用名称(呼称・表記)を使用しているだけでのことが多く、 支援の実態に応じた明確な使い分けがなされているとは言い難く、多少也とも体外的な混乱を招いているのではないかと思うこともあります。

人事コンサルとキャリアコンサルの違いを述べると長くなるので割愛しますが、 キャリア・コンサルタント/キャリア・カウンセラーとは、基本的に 「個人を対象として、クライエントの主体性に焦点を当てて対応することを本分・機軸としている」と、言えるのではないでしょうか。
これを前提にしたなかで、キャリア・コンサルタントは、環境・集団・組織的な対応を主軸とすると解釈しています。

しかし、厚労省の定める資格名においては、「キャリア・コンサルタント」となりますが、現在の各講座内容や試験の内容を踏まえるならば、 実際上は、組織的な環境や問題改善等々の方向性が主体の内容ではなく、あくまでも個人支援に主軸を置かれた内容となっているかとも感じています。

民間各団体毎の思惑もあるでしょうが、社会認知をより得やすくし、キャリア・コンサルティングを社会の中に明確なインフラとして根付かせるためには、 少しでもコアを集中する事が必要条件として、統一名称化は国家資格化の流れと併せて、今後、十分に検討されるべきことなのではないのかと私見を抱いています。



■□□ キャリア・コンサルタント国家資格化に伴っては

厚労省指定認定機関(10団体)のキャリア・コンサルタント資格取得者に関しては、国家資格の受験に際して、 一定の条件を満たす受検者に対して、試験免除等の特例措置などの適用(特例講習の修了を前提として学科試験の免除)をさせている例があるとしています。

<2008年 06月 03日 キャリア・コンサルティング技能士に関するキャリア・コンサルティング協議会からの情報提供ブログより

特例講習とは、一定の条件を満たす者に対して行われる講習で、キャリア・コンサルティング職種において、仮に特例講習を実施する場合は、 現在、キャリア・コンサルタント養成研修の中に含まれていない「人的資源管理等」に関する内容で、1日程度の講座(確認テスト付)になると考えられます。
特例講習は通常、指定試験機関が行っています。

と明記されています。

「人的資源管理等」の参考として、

参考:東京労働大学(2008年)による、人的資源管理・能力開発部門の講義目次

人的資源管理・能力開発部門

1.人事労務管理の課題
2.能力開発管理
3.多様な働き方の展開と課題
4.パート・アルバイト社員の戦力化と均衡処遇
5.労働時間管理
6.報酬管理
7.再就職支援と人材ビジネス
8.高齢者の活躍の場の拡大
9.派遣社員・請負社員の活用
10. 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)


完全に私見となりますが、国家資格化の流れにおいては、現在の厚労省の資格名称の通り、 「コンサルティング」が可能な必要知識の取得を目指すとの方向性にあるのではないかと感じています。



■□□ 支援実施する内容に違いはあるのか


キャリア・カウンセリングの基本として、ロジャーズのクライエント中心療法(非支持的療法)を学びますが、 実際の対人支援の場においては、対象となるクライエントのニーズや属性・諸状況・許容資源(時間・お金・緊急度 etc)等々によって、 カウンセリング・スキル以外の以下のようなスキルの発揮を求められることが必須ともなります。

 1.キャリアカウンセリング
 2.コーチング
 3.ティーチング
 4.メンタリング


残念ながら、2〜4については、主にテキスト外の項目でもあり、資格取得の段階においては殆ど学ぶ機会が無いのが実態かと思います。

カウンセリングの各シーンによって、1.〜4.のスキル発揮がキャリアカウンセリングでは求められますが、基本(マスト事項)のスタンスは、1.としての 「クライエントの主体性に焦点を当てて対応する」事に尽き、これを前提にしたなかでの2.〜4.のスキル発揮が求められるものなのだと思います。
結して、カウンセラーとしてのスタンス&マインド&基本を横に置いて、クライエントの支援対応はあり得ないことなのだと思います。


キャリア・コンサルタント(カウンセラー)へのネガティブ評価的なお話しとして耳に良くするのは、

 話しを深く聞かないで、頭ごなし的な指示を出された
 否定的な意見を告げられ、評価やダメ出しをされた
 高圧的?な態度で、見下されているようだった  etc

・・・まぁ、あまり書きたくもないような内容ではありますが、これらは、上記1.のカウンセラーとしてのスタンスを前提にしたものではなく、 2.や3.のスタンスが全面に出てしまっている事の表れかと思ったりもしています。
しかし、これらは、基本である1.の欠如において誤りであることが窺い知れます。



■□□ 余談ながらも・・・

しかし、生身のクライエントに向き合った時、知識としての座学が活かされること・活かさねばならぬことは当然のことですが、 人生の歩みとして積み重ねた経験・人間性としての触れ合い等々の影響が、実は、シナジーとしてのプラス効果を生み出すことが、 キャリア系の場合、殊の他多いのではないかと感じてる自分もいます(関係者からは叱られるかも知れませんが)。


完全な私見になりますが、マネージメント経験者の場合、日常的に2〜4を実践しているケースが多いのが当然の事であり、 コミュニティ利益を追求する目的のマネージとは全く考えの機軸の違う1.を学ぶ事によって、マネージスキルへの 本当に大きな変化の築きを得る切っ掛けを得ることが可能になると考えています。
カウンセリングスキルの取得のみならず、今後の重要なキーワードである「キャリア・バランス(ワークライフバランス)」を 新たなマネージスキルの発揮の主軸に据えられるようにするための座学としても、積極的な勉強をお勧めしています。


キャリア・コンサルタント/キャリア・カウンセラーと名前が付いていても、対人支援援助者としての「人」:個人そのものに適格要件を欠いているならば、 対人支援の期待効果を導く事はし難く、逆にその他多くのキャリア支援業務従事者に迷惑を掛けることにもなりますし、 悩みを抱えたクライエント自身への傷をも与えかねない本末転倒のことになります。

個人の適格要件とは何かは、明確な規定を行う事は非常に難しいところがあり、一概に指し示す事は不可能かとは思います。
が、クライエントによる対人支援援助者の実施評価を公的評価として吸い上げ・開示するような仕組みがあれば、 包括的にでもここに繋げる事が出来るのではないかと思う自分もいます。
対人支援援助者としての活動に対する、社会的な責任を負わぬ限りは、名ばかりで体が無きに等しいのではないかと思うのです。



■□□ さらに余談は続き・・・

今更のように何を言っているのかとの声が聞こえてきそうではありますが、組織内に例えるなら、社長は社長らしい適格要件を備え、 部長は部長・課長は課長と、「名が体を表す」ことにおいて、万人が頷くだけの「何か」を確実に持っていることがマスト事項なのだと思います。

名と体が一対であること。
名に恥じることない体。
体そのものを示す名。

何が出来る人であるのか・・・何者であるのか・・・

名は、キャリア・コンサルタント/キャリア・カウンセラー
体は、・・・○○○


支援対象者への対応領域が幅広い職種がゆえに、いま一度、「名と体が一対であること」に意識を持って見つめ直すことが、 クライエントにも自分自身にも大切なことなのではないかと思います。
そして、現状においては、
●●キャリア・コンサルタント/キャリア・カウンセラーと、●●の専門領域をブラッシュアップして、名と体を一対にすることが重要なのかと、 今後への思いを馳せるのでした。


差し詰め自分自身は、「キャリア・ファシリテーター」なのかなと思ったり・・・
ファシリテーターって浸透していないよなぁ等とも考えると・・・中々イコールが難しいのですが・・・外ではキャリコンさんと呼ばれ・・・ホゲェともなり・・・

先述の人事部勤務のクライエントの方は、こんな話の最後に、「人事部・キャリア開発担当」が良いですねぇと仰り、 さらに、名ばかり社員対策?へとお話しは進み・・・



みなさんは、

キャリア・コンサルタントですか?
キャリア・カウンセラーですか?


それとも・・・?




career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記>

吹き抜ける風の芯に冷たさが含まれていることを感じる日が増えてきました。 季節はこんなに急に変わるものだったかと、不思議を感じています。


実りの秋。


日夜の寒暖の差も大きくなり、体調も崩しがちとなりますので、実りの季節満喫で旬を食し、 風邪などひかぬようパワー全開でいきましょう!


キャリア・コンサルタント2次試験対策サポートは継続的に実施中です。
少しでも時間を掛けられれば、じっくりとスキルアップに繋げられることが可能になりますので、 ご希望の方は、どうぞお気軽にご連絡を下さい!


社員のキャリア開発のコンサル実施については、初回のご相談から社内の最終決済が確定するまでの間は、 基本的に諸費用発生はありませんので、導入検討の際は、先ずご連絡を頂ければと存じます。


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Career wing ○ tadashi yoshida


特定非営利活動法人 キャリア・コンサルティング協議会 会員
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属

厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格
キャリアカウンセラー

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