「個の時代」のキャリアカウンセラー&人事
2008.8.20

大切なある夏の日の徒然

仲間内から「たまには普段のアホアホを出せ!」と妙なリクエスト?が寄せられるのですが・・・ たまには趣向を替えて?今回は、ある忘れられない大切な夏の日の想い出を綴ります。


■□□ 2人との夏の日

2人は、大学4年生の本当に仲の良い恋人同士でした。
3年生の1月より就職活動支援を行い、春先に希望する企業の内定も無事に貰い、その後は、 入社前研修の一環としてビジネスマナーや組織論を含めたビジネス概要の全般をレクチャーする関係となっていました。
後輩にも年長者にも、男女問わず誰からも好かれるような、とても好感度の高い2人でした。

海のない地方都市から東京に出てきていた彼からの希望で、然る夏の日、茅ヶ崎で波乗りの手解きをする事になりました。
前日の仕事が終わらず、横浜オフィスに半徹夜の状態だったため、始発近くの電車に乗って、いつものように彼女と2人で仲良くオフィスに尋ねて来てくれました。

空いていれば横浜〜茅ヶ崎まで約30分の道程の車中、海のこと・社会に出てからのこと・2人の将来のこと etc
朝日のキラメキのような初々しい会話に妙に心が和んでいました。

自宅に到着し、早々に着替えを済ませ、水とタオルとボードを抱え、ビーチを目指します。
自分は自転車のキャリアにボードを挟み、みんなの荷物をハンドルに引っ掛けて、彼らは長い1本のロングボードを前と後ろに並んで抱えて歩きます。
それは、とても優しい懐かしさに包まれたような、笑顔以外に何もないような時間でした。

平日のビーチとは云え、夏の湘南は、休日の賑わいを見せていました。

波乗りが初めての2人には手頃なサイズの波。
ビーチを見渡し、出来る限り人が少ないポイントを探し、一通りの遊び方を教え、準備体操をして、いざ海へ。



■□□ 意味もなく、無性に込み上げてくる感情に

2人に1枚づつボードを渡し、押し寄せてくる波に後ろからボードを手で押して滑らせます。 何度も々もボードから転び、ビックリしたような顔を水面に突き出しては、大きく笑い転げ・・・

「波乗りって、海ってこんなにハードだったんですねぇ・・・」と。

一頻り遊んだ後、「一度、上がって休もうか」と、浜に向かいました。
1枚のボードを自分が持ち、来た時と同じように、もう1枚のボードを彼ら2人が前後になって運びました。
彼の少し後ろを歩いていた自分の目に入ったのは、彼の足首に入ったタトゥでした。


荷物を置いた場所にボードを下ろし、頭から水を掛け、口にも含み、砂浜に腰を下しました。

「ヨシダさん 黙っていてスミマセンでした」
「うん」

「やっぱり不味いですよね」
「うん。そうだよなぁ」

言い様も無い裏切られ感のような寂しさと、行き場のない怒りのような感情に包まれつつ、 お互い水平線を見つめながら、途切れ々の言葉が風に舞います。

心配そうな表情で彼を見つめる彼女。

さっきまでの笑顔溢れる時間が、突然に訪れた祭りの後の寂しさのように、何とも言えない空気が3人に流れました。



「ごめんなさい。わたしがいけないんです」

波のざわめきと、ビーチに遊ぶ子供達の声だけが響くような、何とも居たたまれない空気を打ち壊すように彼女が口を開きました。

聞けば、2人が付き合い始めた当初、軽い雑談のなかで、彼の気持ちの証しを求めるように話した言葉を、 実際に彼がしてしまったというものでした。
彼女は何度も彼に詫び、消して欲しいと哀願したのですが、頑としていままで彼はそれを拒み続けたといったものでした。

膝を抱え、頭を垂れた砂浜の上に、彼の頭から零れ落ちた水なのか、涙のせいなのか分からない水跡が広がります。


「実は、2人に内定が貰えた月から、一緒に貯金をはじめたんです」

「ヨシダさんがいつも話している、何があっても3年間はやり続けること。
 ってことを彼とも良く話していて、3年後に結婚式を挙げるための貯金なんです」

「それまでは、お互いに精一杯に仕事に打ち込んでみようって話しているんです」


精一杯に明るく振舞おうと話しをする彼女。
うつむき続けたままの彼。



■□□ きらめく水面のなかに

「彼女を思う自分の気持ちに嘘はないんだろう?」
「彼女のことを心の底から信じているんだろう?」と、
至って単純な言葉を彼に掛ける切っ掛けを見失い、 ジリジリと背中を照付ける熱い太陽の陽射しに負け、「チョッと海に入ってくるよ」と、小さな笑顔で彼女に声を掛け、腰を上げました。


彼女に対する気持ちの証しをと勢いで身体に彫り物をし、就職を前にして消さなければいけないと分かっているのに、 彼女への誓いを自らが破るようで出来ないと、自ら嵌めてしまった心の足枷の狭間に入り込んで悩んでいた 彼の気持ちが痛いほどに良く分かりました。


彼にしっかりと言葉を掛けて上げられなかった、ダメな自分を振り切るように沖に出ては波を捕まえ、岸まで乗っては全力で沖に向かいと何度も繰り返しました。
疲れでもう肩も上がり難くなっていた沖での波待ちの時、背中に向かって声が掛かりました。

岸を振り返ると初心者の彼が必死にパドルをして沖に向かって来ていました。
水面に光る陽射しの眩しい反射のなかに、ボードから落ちそうになりながらも、必死な形相でこちらに向ってくる彼の顔が見えました。

やっと隣に辿り着いた時に両腕は上がらず、ボードに座る事さえ間々ならない彼。
「ス・イ・マ・セ・ン・・・」息が上がって言葉も出せません。

もうそれだけで十分でした。
心のなかで「馬鹿野郎。謝るのは俺だよ」と思いました。
胸の内から夏の陽射しより熱い何かが込み上げてきました。

「初心者が沖にいちゃぁ危ないから、次の波が来たら後ろから押し出すから、上手く乗ってインサイドまで行けよ」

自分のボードを沖に流し、ボードに伏せている彼の後ろで、立ち泳ぎのままで波が来るのを待ちました。
うねりが近づき、「押し出すから、思いっきりパドルしろよ!」と声を掛け、うねりに合わせて、テールを前に押し出します。
ボードが波の力に押されて岸に向かって滑り出します。

・・・と思った瞬間にボードから身体が弾け落ち、しばらくして、水面にブファッっと浮かび上がり顔を出したそこには、 いつもの素直な彼の顔がありました。


「し・死んじゃいますよ・・・マジに・・・」

「ボ○ェ・・・仕事も遊びも命掛けなんじゃ!」

「早くボードに捕まりな」


もう必死な彼の姿を見て、不謹慎ながらも妙に腹の底から笑いが込み上げてきました。


やっとボードの上に身体を横たえることが出来た彼。
息が上がり切った激しい鼓動のままに、


「彼女に謝ってきました。・・・もう、直ぐに消してきます」

「隠していて、スミマセンでした」

「・・・で、ヨシダさん結婚式に来てくださいよ」


うねりが来るたびにボードから落ちそうになる身体のバランスを取りながら、 必死な形相で途切れ々に言葉を伝える彼。


振り返えるビーチには、波打ち際で心配そうにこちらを見続けている彼女。



「彼女が心配して見てるから、一本乗って上がるぞ」






彼と彼女と2人揃った笑顔の写真の暑中見舞いも今年で2枚目。




過ちは、それに気が付き、正せば良い。
そしてそれを上回る何かを行動として自分に課して歩むならば、
傷を消す事は出来なくても、傷を心を癒す事は出来るはず。




GO FOR IT




この時期、ひとりで茅ヶ崎のビーチに立った時にふと思い出す、
大切な想い出のひとつです。

 ※今回、2人の笑顔の了解に基づき、これを綴りました。


career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する、キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然 < 編集後記 >

普段のアホアホはmixi専門?に・・・
メルマガを通じてマイミクのお付き合いを頂く方々も増えましたが、 あまりの落差?にウゲェとのお言葉を頂戴した事も何度か・・・
・・・どちらも自分ってことで・・・はい。
社名で検索でHitすると思いますので、アホアホ気分が欲しい方は、いつでもどうぞ(メルマガからとぜひお伝え下さいね!)。


先週末はCDAの2次試験でした。
2次対策のサポートを通じて今回も何人かの方々が試験を受けましたが、 終了後に頂戴する一喜一憂のご連絡の情況で、報われたり・新たな課題がまた生れたりと、この時は、こちらも試験を受けてるドキドキ感が止まりません。
やり切った受験者の方々に朗報が届きますようお祈り申し上げます。

2次試験サポートご希望の方は遠慮なくお声掛け下さい。


ちびっ子会社も決算対策の準備の時期になりました。
財務処理はあるがままを目指していますが、事業計画については、色々と調整検討しています。
またこんな事もお伝え出来る機会があればと思っています。


最近、各企業からのお問合せを多く頂戴するようになりました。
みなさん何故か一様に「〜的な話なのですが、どうなのでしょう?」とかなり遠慮気味にお伝え頂きます。
ご協力できる事については、全身全霊を込めて対応させて頂きます。
どんなシナジーが生れるか、楽しみにしておりますので、遠慮されることなく、忌憚の無いご連絡をいつでもお待ち申し上げております。

・・・必ずお会いした後に、イメージと違います!・・・と微妙なコメントを常に頂きもするのですが・・・ハァ。


Career wing tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリアカウンセラー

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