「個の時代」のキャリアカウンセラー&人事
2008.7.30

キャリアコンサルタント試験合格への「Ready & Go!」最終章4.

■□□ 関連参考情報

カウンセリングスキルUPのための訓練ポイント

 キャリアコンサルタント認定資格:「実技試験」の訓練ポイント
 キャリアコンサルタント「実技試験」に向けた訓練方法 【実施編まとめ】

キャリアコンサルタント試験合格へのベーシック・ポイント

 1.カウンセリング効果を高める印象管理
 2.「心構え・気構え・姿勢」のカウンセラーマインド
 3.インテーク面談でのポイント・ヒント



■□□ キャリアコンサルタント試験合格に向けた 最終章「まとめ」

いままで数回に分けて、キャリアコンサルタント資格試験の合格に向けて
「準備〜発進」のポイントを綴ってきました。

 不安と期待を胸に抱えて訪れるクライエント
 カウンセラーの受容の空気に出会い・包まれ・対話する時間
 不安が払拭され、反比例して生れていく「いま・ここ」の時間への期待感

 そのためのインテーク面談時におけるラポール形成の重要性
 ラポール形成がしやすくなるための傾聴関係スキルの発揮
 カウンセラーがカウンセラーであるためのスタンス・マインド・スキル

カウンセリングスキルに関しては、実際にクライエントに向き合う現場からの体験的な視点を元に、もっと詳細を色々とお伝えしたい事がありました。
しかし、お伝えしたい種々のポイントは、詳細になり過ぎるかと思われ、これに関しては、個別レクチャー等でお伝えをするに留めたいと思いました。


今回は、クライエントとの「対話」に着目しつつ、最終章としてのまとめをしてみたいと思います。


■□□ 自分の家族に対するカウンセリングは、成立するのか?

<結論> 出来ないとは言い切れませんが、相当に難しいモノだと思います。

 この場合、ラポール(信頼関係の構築)は、どうなるんでしょうか?
 「あなたの事がもっと知りたい」「もっと々あなたの胸の内をお話して下さい」
   素直な気持ち(ロジャーズの原則)で向き合えるでしょうか?
 無条件の肯定的尊重は? 共感的理解は? 自己一致は? 自己開示は?

・・・如何でしょうか?

ご家族の方をクライエントとした場合、
身体表現の特徴・性格・価値観・人生観・人生の歩み・ライフロールやライフステージ等々の その方のバックグラウンドや個人そのもの、またその世界観等々について、 自分なりの評価・判断・理解等が形成済みの関係となります。
信頼関係の構築が出来上がった以上の存在として既に認識されており且つ、
お相手であるクライエントとの間には何らかの関係性(親子・兄弟 等)が存在し、
場合によっては「利害」の発生もあり得る訳です。


カウンセリング場面において「利害」の存在・関係などはあり得ない場になりますので、 日常のなかで利害関係が存在する場合、ロジャーズの3つの原理・原則に基づき、クライエントに「寄り添い」「向き合う」事が、 とても難しいものになる(カウンセリングとしての対話・効果の関係)と考えられるのです。

 ※<人事の方へ>
  上記に伴い、社内に於けるキャリアカウンセリング機能の導入について、
  下段に附記を致しました。


逆を返せば、初めてお会いするクライエントとのインテーク面談(試験)の段階では、 クライエントご自身・ご相談内容や深刻度等々が当然の事ながら全く何も分からぬ真っ白な状態な訳です。
興味本位では意味を為しませんが、目の前にお座りになっているクライエントは何らかのお悩みを抱えている訳ですから、 兎にも角にもクライエントの胸の内にあることの可能な限りをお話し頂くことが、また、お話しして頂けるようにすることが、 傾聴の姿勢として大切なことであり、主訴を見誤らないためにも重要であることがお分かり頂けるかと思います。
特にクライエントに集中して向き合い、感じていかなければ、クライエントの世界観に共感したなかでの主訴の捕らえ方が難しいといえるのかと思います。


カウンセリングの経過時間の中でも特にインテーク面談時は、クライエントに対する情報が何もないに等しい時間帯な訳です。
ゆえに「無から有」へ情報が溢れ出してくるこの時にこそ、溢れる受容の姿勢・態度で、 大きく・深く「いま・ここ・この時」のクライエントを全身で感じ、クライエントの世界を「共有」することが大切なのです。

また、インテークの段階でクライエントに感じ取る事が出来た印象(抱えたお悩みの深さ・深刻度合い・感情の状態・表情・言葉の重さ・気付きの情況・その他) がある意味、以後の進捗を迎えた際の見立ての状況判断のひとつの基準値として捕らえることも出来ます。


少し能書きが長くなってしまいました。


■□□ カウンセラーとしての理想的な「対話」について

では、カウンセリングにおける理想的な「対話」とは一体どんなものになるのでしょうか。
概念論はさておき、いままでにお伝えしてきた事を具体的なカウンセリング事例として見つめてみたいと思います。
そこで、1冊の書籍をご紹介させて頂きます。


ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際

著者:カール・ロジャーズ   監修:畠瀬 稔
発行:コスモス・ライブラリー 価格:600円

本書は、ロジャーズが実際に行ったカウンセリング(ミス・マンとの面接)場面の逐語録(解説等は別:約40ページ)だけで構成されています。
PHPのような厚さの一冊ではありますが、ロジャーズが提唱する「自己一致・無条件の肯定的尊重・共感的理解」のカウンセリング場面での具体的な理解が出来る、 本当に素晴らしい一冊だと思います。
カウンセリングにおけるクライエントとカウンセラーの会話がこんなにも活き々としたものなのか、 信頼関係とは、受容とは、反射とは、クライエントの自己変容とは・・・と、読後、「なるほどこういうことだったのか」と正直言って感激に震えたことを思い出します。
流し読み?なら30分もあれば読み終えてしまう長さではありますが、 民間のキャリアコンサルタント資格試験を受験される方々においても、カウンセリングとは何ぞや?と思われている方々にも一読を是非とも勧めたい一冊です。


きっとこの逐語録から、いままでお伝え続けていた「何か」を感じ取って頂けることと思います。
このロジャーズの逐語録をご紹介することが、全てのまとめになってしまうのも「どうなんだ?」と思う自分もいるのですが、 百の能書きを重ねるよりも、この一冊を熟読することをお勧めしたいと心から思っています。

「カウンセリングにおける対話」とは、「ロジャーズ理論」とは、「その具体的な実践とは」 いままでにお伝えさせて頂いたことを元にして、じっくりとお読み頂ければ、必ず何らかのヒントが見えてくると信じています。


■□□ お勧めトレーニング方法のご紹介

最後になりますが、カウンセリングのプラスの変化が迎えられる効果があるとして、 弊社で実施している「対話」のヒントが掴みやすいトレーニング方法をお伝えして、 前4回に渡る、キャリアコンサルタント試験合格への「Ready & Go!」を閉じたいと思います。


ロープレトレーニングの際に

1.クライエントとカウンセラーが正面を向き合うのではなく、
            背中同士の位置で座りカウンセリングを実施します。

2.クライエントとカウンセラーが正面を向き合いますが、
            カウンセラーは目を瞑ったままでカウンセリングを実施します。


この状態で、目一杯に全身で「クライエントに集中」して通常通りのカウンセリングの実施を行います。

 実施は、1.2.の順に行います。
 ポイントは、クライエントへの集中のみです。
 1.と2.の違いを、十分に感じ取ってみて下さい。
 カウンセリング終了後、自分の中に生れた感覚をじっくり見つめ
  「なぜ」そうなったのか分析して見て下さい。
 上記を胸の内に留めながら、通常のカウンセリングを実施してみて下さい。
 何らかの変化を感じやすくなるかと思います。

詳細の解説は、また何かの機会にお伝えを出来ればと思いますが、 カウンセリングの対話の中にある、カウンセラーとしてクライエントに向ける「その心は?」が
とても自然に理解しやすくなると思われます。
一定のタイミングで実施するのでも、試験前に実施するのでも、どちらでもきっと「何か」の気付きが生れるはずです。
ぜひ、一度試してみて頂きたい、お勧めのカウンセリングトレーニング方法のひとつです。


■□□ 最後に

今迄お伝えをしてきた事は、 カウンセリングスキルにフォーカスした内容というよりは、 カウンセラーとしてのベーシックな側面にフォーカスしてお伝えをしてきました。

努力が実り、試験に合格する事は、本当に素晴らしいことだと思います。
資格取得の目的も様々だと思います。
資格取得後にキャリアカウンセラーとして実際にお悩みを抱えたクライエントに向き合うため、 この点を機軸に踏まえ、ベーシックなポイントにフォーカスしてきました。


クライエントとあなたの2人の間でしか、
カウンセリングを進めることは出来ません。
カウンセリング場面において、クライエントを受容し・受け止められるのは、
あなた以外にはいません。


「 あなたが、あなたであること 」


これが、試験対応としても・カウンセラーとしても、とても大切なことです。
あなた自身の「自己一致」を目指し、ぜひとも頑張って歩んで欲しいと思います。



貴方の本物の思いが形になりますようにお祈り申し上げます。




■□□ 附記 人事の方へ<社内に於けるキャリアカウンセリング機能の導入

社内に於けるキャリアカウンセリング(カウンセリングルーム設置等)機能の導入実施については、 先述の「利害」の存在があるが故に、自社内(社員間対応)で行う、カウンセリングの難しさがあると言えます。
社内という「利害関係」そのもののなかで、この点をどのように克服して全社的なコンセンサス化を進め、運用システムを構築するか。 また、カウンセラーとクライエントの間に介在する「利害」をどのように克服する支援体系のルール化を進めるか。
この点が、企業内でのキャリアカウンセリング実施の導入成否を分ける重要なポイントになります。

導入検討の際は、どうぞお気軽にお声掛けを下さい。


career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する
キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然〔編集後記〕

夏って・・・こんなに暑かったでした?
基本的に雨男ではないと思っていたのですが、行く場所々で雷と雨の攻撃に見舞われ続けています。

最近では、常にハンカチとタオルを数枚カバンに入れ・・・
微妙にタオルハンカチの世界?に詳しい自分が愛おしくなってしまう今日この頃でした。

業界?情況に反発?して、実技対策支援を再開し始めてから、幾ばくかの時間が経ちましたが、気付きを得た時の変化が嬉しく感じ始めている自分がいます。

本物の心を持ったキャリアカウンセラー


・・・やっぱり、ここだよなぁと思ってしまうのでした。


Career wing tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリアカウンセラー

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