「個の時代」のキャリアカウンセラー&人事
2008.7.23

キャリアコンサルタント試験合格への「Ready & Go!」その3

前2回に渡り、

 1.カウンセリング効果を高める印象管理
 2.クライエントの本当の内面を感じ取れるためのスキル
「心構え・気構え・姿勢」のカウンセラーマインド


と、見つめてきました。
カウンセリングの開始から時系列を踏まえての順序で言うならば、 今回は、いよいよカウンセリングとしてのお話しの場面になります。

傾聴スキルのポイントについて、メールでリクエストを頂戴もしたのですが、 その前に先ずは、試験を踏まえたインテーク面談についての考察を深めるべきかと思い、 今回は、ここをポイントにして綴ってみたいと思います。


■□□ インテーク面談を見つめる

カウンセリングでは、お互いに知らぬ者通しが、 「クライエント:ご相談者」「カウンセラー:ご相談受け者」としての関係によって、顔を合わせます。
クライエントは、自分が抱えた悩みについて、何らかの解決の糸口を求めて相談にいらっしゃる訳です。 クライエントの周りに相談が出来る方がいた場合、ひょっとしたらカウンセラーの元を訪れる事は 少なくなるのか、全く無くなるのかも知れません。

そのため、お越し頂いたクライエントは、カウンセラーに対して、また問題解決に対して「期待と不安」の両方を強く持っていらっしゃるのが、 お会いした直後の感情だといえます。
インテーク面談が開始された後も、この「期待と不安」は、しばらく続き、ラポール形成によってカウンセラーに対する信頼感を得られる事により、 当初の不安が消え始め、問題解決への期待感が増してくることから、お話しがどんどんと進み、これに伴い内省が深まっていくと言えます。
つまりインテーク面談時におけるラポール形成の重要性は、その先のカウンセリング効果を左右するくらいに大切なものであることが見えてきます。

他方、カウンセラーにとっても、クライエントとお会いした直後は、クライエントの人物もご相談内容も深刻度等々についても事前に窺い知る事は、 出来ない訳ですので、ある意味、不安感が湧き上がってしまっても、人としての感情としては、尤もなものだと言えます。

しかし、カウンセラーとしての職務を考えた場合、このような感情が表立ってしまっては、 クライエントの「期待と不安」の不安を増長させる結果となってしまい、 それだけでもカウンセリング効果を求める事が出来難くなる事が分かるかと思います。


■□□ カウンセリングの主役はクライエント

前2回で説明してきた内容の機軸と全く同じ、 「カウンセリングにおける主役は、クライエントである」との観点を常に持ちながら、 自分自身の振り返りを行ってみることが、試験対策・訓練における重要な観点になるといえます。
全ての観点において、「クライエントから見た時にカウンセラーとして最善であったのか」を判断軸にして、振り返ってみることで、 ご自身の特徴・癖が発見しやすくなると言えます。


■□□ カール・ロジャーズ 「クライエント中心療法」

      無条件の肯定的尊重
      共感的理解
      自己一致

「人は、自己実現をする力が自然に備わっている。  人としての成長と可能性の実現を行うのは、人そのものの性質であり、本能である」

「カウンセリングの使命は、この成長と可能性の実現を促す環境を創る事にある」

これは、ロジャーズの言葉になりますが、先述のカウンセラーの「不安」を考えるならば、 カウンセラーが、クライエントの自己実現に向けた、自己効力感の存在を心から信じられているならば、 カウンセラー自身が「不安」を感じる必要も意味も何もないことが分かります。
逆に「問題解決に向かって一緒に考えていきましょうね。大丈夫ですよ。」というような、 受容の空気に溢れている事こそが、クライエント目線で見た時に望ましいカウンセラー像になるかと思います。


「自分自身を受容したとき、人には変化と成長が起こる」

「カウンセラーは、クライエントを無条件に受容し、尊重することによって、
 クライエントが自分自身を受容し、尊重することを促すのである」


このカウンセラーの感覚を言葉に表すなら「友愛」に近いのかと感じています。
友人が何らかの相談を求めに来た時に、「不安」などの感情は生れないでしょうし、 「どうしたの? 何かあったの?」とお相手に向かって、自然に気持ちが向いて行くのではないでしょうか。
初めてお会いするクライエントの方に対して、常にこの気持ちを持って向き合えるような姿勢のスイッチの入れ方を カウンセラーとして身に付けなければならない訳です。
それこそが、カウンセラーマインド・スタンスのひとつとなると言えます。


■□□ クライエント中心療法を具体的にブレイクダウンするなら

  受容  ありのままを受容れる事/適切な表情・肯定的にうなずく(身体表現)
  敬意・尊重 ひとりの人間として尊重し、積極的な敬意を払うこと
  共感  クライエントと同じ枠組みで物事を捉えようとし、感じようとすること
  信頼  心から安心して頼ることが出来る存在であること
  誠実さ  自己一致をしており、自然体であること(自己開示)

カウンセラーに求められるこのようなポイントについても、その意味を徹底して理解をし、 カウンセラー目線で見つめるのではなく、クライエントから見た時にどうであったのかと いった視点を持って自身を振り返って見る事が大切になると思います。

傾聴スキルの発揮によるラポール(信頼関係の構築)の形成は当然に必須となりますが、 長時間に渡るカウンセリングを実施した場合には、カウンセラーとしてのこれらの前提事項が 土台にしっかり形付けられていないと、クライエントとの信頼関係がより深まることは少なくなり、 つまりはクライエントの内省が深まることなくカウンセリングの時間が流れて行ってしまいます。


  受容  ありのままを受容れること
  反射  再述:内容・感情の2つに対応する
  要約  内容・感情の重要な部分を短縮し、繰り返し、具体化して提示する
  質問  クローズドクエスチョン ・ オープンクエスチョン
  さぐり クライエントに発言を依頼する(依頼技法)
  提案  (インテークの段階ではあまり少ないかと思われるが)

先述のような、カウンセラーマインド・スタンスが完成された上で、傾聴スキルが有効的に作用することにより、 はじめて、クライエントとの信頼関係が深まり、クライエントの内省を深めることに繋がるわけです。


■□□ インテーク面談でのポイント・ヒント

前置きが長くなりましたが、これらの基本事項を念頭に置きながらインテーク面談の試験(7分・10分)を考えると、 クライエントの不安を可能な限り取り除き、主訴のポイントと種々の背景や感情の全てをお話しして頂きやすいように 対応することが必要になります。

ひと言でいうならば、「クライエントにたくさんお話しして頂くこと」と言えます。

どうしても緊張のあまり、ここを忘れてクライエントを質問責めにしてしまう事がありますが、 一例として、大まかなフローを頭に入れて置くことで、ここに意識しやすくなりますので、参考として記しておきます。

 1.クライエントの初期不安を払拭する(受容の空気を溢れさせ)
 2.ご相談内容を可能な限り深く・広くお話し頂く(聴く・感じる)
 3.主訴を見誤り無くつかみ・感じ取る(共感・感情:意味の反射)
 4.要約により相談のポイントをまとめる(相互理解が深まり信頼感が増す)
 5.まとめた要約のブロック毎に更に深くお話しして頂く(見立てによる整理)

二度とない時間のリアルな場であるカウンセリング情況を考えるなら、上記はひとつの形にしかならないのですが、 「クライエントのお悩みを可能な限りお聴きする」と考えた場合のひとつの捕らえ方として踏まえて置く事によって、 余計な力を抜いてクライエントに集中する事がしやすくなるのかとも思います。


クライエントのお気持ちの深いところに質問の焦点を当てるためには、 多くの言葉をクライエントに語って頂くようにした方が、主訴の見誤りも少なく、見誤りが少なければ、自然とラポール形成に結びつくものです。
試験では、僅か10分弱の時間しか許されていないのですから、焦ることなく、目一杯にクライエントのご相談内容・お気持ちをお話し頂くことこそが、 クライエントにとっての満足を満たすものであり、カウンセリング効果上も絶対必要条件となり、傾聴の目的に通じ、試験のポイントにも繋がる事になるのだと思います。


得てして「ご相談の問題解決に向かいたい」との思いから、主訴を限定してしまうような絞り込んだ質問を投げ掛け気味となってしまいます。 が、たかが10分弱で問題解決になどに至らないのが当たり前のことなのです。
そんなことはどこからも求められていませんし、カウンセリングの目的・本質からも反れるものになります。
主訴を見誤らないためにも、思いの全てを語って頂くように心掛けて、傾聴スキルを使ってここに至って欲しいと思います。

もしも会話の最中において、適時の感情・意味の反射がし難いならば、 要約をお伝えをする際に、それまでに感じたクライエントの感情を意味の反射として併せてお伝えして下さい。

 要約+感情:意味の反射を付け加えて、クライエントに返す


クライエントのお話しのなかで感情の反射が可能な言葉ばかりに気を取られて、 肝心な主訴の全体像を感じ取る事が出来なかったり、クライエントの感じている世界観を共感し難くなってしまうなら、 要約の際にそれまでに感じ取ったクライエントの感情を意味の反射として噛みしめて、投げ掛けをすることでも、 反射としての効果を十分に得る事が出来、内省を深める事に繋げる事が可能になります。


ロジャーズのクライエント中心療法の教えをカウンセラーの機軸として持ち続け、具体的にブレイクダウンしたカウンセリングスキルを使い、 クライエントを主役として向き合い・寄り添って、クライエントとカウンセラーの2人の間の「いま・ここ」を活き々と過ごしていく。

この全てが一本に繋がっていることが、とても大切なことなのだとお分かり頂けると思います。


試験とのことでカウンセリングスキルの発揮に目を奪われがちになりますが、 カウンセラーマインド・スタンスに基づいたなかで、じっくりとクライエントのご相談をお話し頂く(傾聴)ことで、 十分に試験の目的は達するはずだと思います。
結して傾聴スキルの発揮について何もしなくて良いと言っているのではなく、これらが自然に湧き上がる位に訓練を重ねて欲しいと思うのです。
例えば、反射の効果を体現して自分のモノにしていなければ、反射スキルにのみ拘っていてみても、全く自己一致していない姿になってしまうのです。

カウンセリングスキルの発揮の評価のための試験と考えるならば、これも一考の余地がありますが、 果たしてそうなのかどうかは、もう一度、試験概要を読んで見て欲しいと思います。

そして、あなた自身の資格取得の目的をもう一度じっくり見つめてみて下さい。

本物のキャリアカウンセラーになる」きっと目的はここにある筈だと思います。


やるなら本物目指して、努力を重ねたいですよね!


career wing
仕事を通じて、“自分「らしさ」の実現”を追求する
キャリア形成支援のトータル・ソリューション・サービス
ヨシダの徒然〔編集後記〕

仕事を休むわけにもいかず(イラショナルビリーフ?)、かと言って体調も優れず、 対処療法しか取れぬ我が身体のことや、プライベートで深く考えさせられることがあったり・・・
こんな事の中から、相手を理解するとの事がどれ程、重要な意味を持つ事なのか実感を深めています。

陽射しに揺らぐ陽炎のように「理解と納得」の2文字がこの数ヶ月間のテーマになっていました。
ヒートアップには、クールダウン。
腑に落ちる答えを探し歩む事が人生なのかと、妙に哲学気分です。

オフィスにお越し頂いた方から頂戴したスイカ。
シンクに水をためて冷やした真似を・・・
小さな冷蔵庫には入らず、真夜中に空手チョップ(ストレス?)で真っ二つに割って食べました。
やっぱりスイカは冷えてる方が美味しいよなぁと思いつつ、顔中を押し当ててガブついてたら、 妙に子供時代を思い出し、何か気持ちがフゥっと優しくなっていきました。

真夜中のオフィスのベランダで冷えていないスイカに武者振りついている中年? しかも笑顔でお皿に向かって種を「ピュッ」と飛ばし・・・

・・・振り返れば、誰にも見せられない姿でした・・・嗚呼赤面。


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Career wing tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリアカウンセラー

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