厚労省認定「キャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)」認定資格:実技(2次)試験を目指す方々へ向けて、トレーニング形式として一番多いであろう、ロールプレイングによる、カウンセリング訓練実施の際の主要ポイントをまとめてみました。

それまでの学科試験に至る過程で、下記の内容は、「既に論理的な知識として熟知しており、釈迦に説法で何を今更のように」と言われるかも知れませんが、カウンセリング実施の際の基本のまとめ〜チェック項目の一覧として、活用をして頂ければ幸いです。


  キャリアカウンセラーとしての適用理論&基本姿勢・スタンス
  クライエント支援のための肯定的な関係を築く・基本姿勢&対応条件
  クライエント支援の技法・スキル (かかわり技法)
  ロープレ終了後のレビュー(振り返り)
  
その他

 


1.キャリアカウンセラーとしての適用理論&基本姿勢・スタンス

  ☆クライエント中心(非指示的)療法 【 by カール・ロジャーズ     

     無条件の肯定的尊重
     共感的理解  
     自己一致   

上記に関しては、論理的な理解も勿論必要ですが、言動対応に具体的に置き換えた時にどのようなものになるのか、「体験的な理解」を行なう事が重要かつ大切かと思います。

短くまとめられたこの3つの概念的な言葉を実際に実施してみると、かなり難しさを感じるのではないかと思います。
ここで感じた難しさを論理的にも実践的にも何度も繰り返し、振り返りながら理解を深め、キャリアカウンセラーとしての基本姿勢を身体に沁み込ませて欲しいと思います。

ロープレ訓練の実施時にも、先ずはこの基本姿勢を保てたのか、振り返り時のチェックを確実に行ってみて欲しいと思います。
また、人によっては、ロジャーズ理論に対して「人間の本性は善であり、仁義の徳の端緒をはじめから備えている」とする、「性善説」への傾向が強過ぎてと、抵抗感を覚えることがあるかもしれませんが、その際には、クライエントが自分の「自己効力感」を信じ、クライエント自身が自らの行動・判断の答えを導くことが重要な事である点に着目して、理解を深めてみて欲しいと思います。

 


2.クライエント支援のための肯定的な関係を築く・基本姿勢&対応条件         

     受容      ありのままを感じ・理解し・受容れること
     敬意・尊重  ひとりの人間として尊重し、積極的な敬意を払うこと          
     共感          クライエントと同じ枠組みで物事を捉えようとし、感じようとすること
          信頼          心から安心して頼ることが出来る存在であること      
          誠実さ        自己一致をしており、自然体であること


上記は、ロジャーズ理論の基本3原則をブレイクダウンして、より具体的に置き換えたものになります。言葉を換えるなら「ラポール形成」のための必須条件と言えるかと思います。

クライエントがご相談にいらっしゃって、キャリアカウンセラーに信頼感や好感が持てなければ、真実の胸の内の全てを語って頂けるはずもなく、クライエントの来談目的を有効的に且つ、効率的に解決を果たすことが出来なくなるのは自明の理です。
つまり、クライエントとキャリアカウンセラーが相互を信頼し合い、安心して自由に振る舞ったり、素直な感情の交流を行える関係が成立している状態」が築かれていること(=ラポール形成/自己開示)が、カウンセリングの前提条件となる訳です。上記の各項は、そのために必須な対応事項であると踏まえて欲しいと思います。

はじめてクライエントにお会いする時、クライエントには、抱えてしまった問題への悩みや不安と一緒に、キャリアカウンセラーに対する問題解決への期待感も含まれており、両者の相反する感情が渾然としている心情背景があるのが一般的な普通の状態だといえます。

この自己防衛的なガードが掛かっている状態が、ラポールの形成が出来ることにより、ガードを柔らかく解き解され、肯定的な支援関係の前提を築くことによって、ご相談内容をはじめとした様々な感情を偽ることなくお話しして頂けることから、望ましいキャリアカウンセリングの実施〜問題解決への期待が描けるようになります。

実技試験の際も、インテーク面談時における上記の「ラポール形成」のあり方(=1対1の相談・支援が的確に出来ること)が評価されますので、「ラポールとは何か・ラポールが掛かった状態とは具体的にどんな状態か・逆にラポール形成が出来ていないとどうなるのか」等々、ロープレ訓練のなかで実際に体感して、カウンセリングの前提条件である、ラポールを感じ取って欲しいと思います。

注意:「自己開示」は、クライエントだけのモノではなく、カウンセラーも同じ状態であることが必要不可欠となります。

 


3.クライエント支援の技法・スキル (かかわり技法) 

     注意を払う       アイコンタクト・うなずき・身振り・声の調子・表情
     傾 聴   目的 クライエントを「理解」するためのもの       
               <要点> 内容(意味)・感情の2つの要素がある

                                      非言語的行動への注意       

                                             一般的な外見 ・身体的特徴 ・顔の表情・姿勢      
                                             身体の動き・ジャスチャー・生理学的反応  

      【 傾聴技法 (かかわり技法) 】  

          受容    ありのままを感じ・理解し・受容れること        
     反射    再述:内容(意味)・感情の2つに対応する        
     要約    内容・感情の重要な部分を短縮し、繰り返し、具体化して提示する
     質問    クローズドクエスチョン ・ オープンクエスチョン        
     さぐり    クライエントに発言を依頼する(依頼技法)        
     提案    全ての判断は、クライエントに委ねられる   

               
実技試験の判定ポイントは、「傾聴スキル(=支援スキル)を使い、信頼関係の構築(ラポール形成)を図るとともに、クライエントのニーズや状況を確認すること」となります。
上記に掲げた各項は、先述の1.および2.をクライエント支援でより具体的に実践するための技法・スキルとなります。

ロープレ訓練の実施時においては、的確に上記スキルの活用が出来ているのかのチェックが必要となります。
また、無意識に出がちな自分の癖を理解し、場合によっては意識的に修正することも必要になるかと思います。

実施訓練のはじめのうちは、意識的に反射や要約等の各スキルの発揮が適正に出来るかどうかに着目して対応することで構いませんが、あまりにもこの点にのみ意識が行き過ぎると、形だけの対応となり、クライエントのお話しの内容そのものに集中することが出来ずに、クライエントに寄り添いながら歩むことが出来難くなってしまいます。

理想的には、これらのスキル発揮が自然と出来るようになることになりますが、どれかに違和感(自己不一致状態)を感じる時には、自分なりの対応方法・手段を見つけて実践することも十分に検討出来ますし、これも価値あることかと思います。

形を覚え実践する事はもちろん大事なことですが、形だけの対応では、時に共感的理解に反する事になってしまうことにも着目して欲しいと思います。

 


4.ロープレ終了後のレビュー (振り返り) 

    クライエントの主訴は何だったのでしょうか?
    クライエントの感情はどのような状態であったでしょうか?
    カウンセリングを通じて「出来たこと」「出来なかったこと」は何でしょうか?
    今後のカウンセリングの見立てについてお話しください。
    資格取得後は、どのようにしていく予定でしょうか?          etc


上記は、実技試験において、試験官である臨床心理士の方々とのレビューで問い掛けられる主な項目になります。

「カウンセリングに終わりなし」「クライエントに寄り添いつつ、クライエントの一歩先をカウンセラーは歩む」といった言葉もありますが、ロープレ訓練の実施時においては、必ず、客観的な振り返りを行い、上記の1.〜3.の実践情況がどうであったのかを、上記の各点を踏まえながら見つめてみて欲しいと思います。

 


5.その他

訓練といえど、明確な目的を持って、一回々、緊張感を持って対応して下さい。

想定出来るクライエントの様々なシーンの一覧等を作成し、自分に置き換えた時の感情の沸き上がり方を想像してみるのも価値があるかと思います。

苦手意識を払拭するためにも、色々なケーススタディの実施を心掛けるようにした方が良いかと思います。

試験の合否判定は、短い時間で判断をされますので、多少也とも時間感覚も身に付けた方が良いかと思います。

逐語録に起こしてみたり、録音や録画をしてカウンセリングを客観的に振り返ってみることも重要です。

机上論ではなく、体現し経験から感じ・学び取ることにも着目してみて下さい。

その他・・・まだまだお伝えしたいことが山ほどあるのですが・・・このへんで。

 


キャリアコンサルタント資格取得を目指す目的は様々だと思います。
キャリアカウンセラーを目指すあなたの思いの丈に等しい努力に繋がるはずだとも思います。

ぜひとも胸に抱く思いを形に変え、朗報を手に出来ますようにお祈り申し上げます。


報われぬ歩みなど結してないはずですよね!

 


Career wing    tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリア・カウンセラー

 


後記

今回は、ロープレによる訓練ケースを想定して綴りましたが、日常的に1人でも出来る、カウンセリング訓練方法についての詳細はブログに綴って行く予定です。
よろしければ、お手隙の時にこちらの方も覗いてみて下さい!

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