生への執着と死への恐怖」 体調が優れぬ日々が続いてるせいか、最近、妙にリアリティをもって考えるようになってきたテーマのひとつです。


     漂流したボートで最後に残った一口分の水。
     この水さえあれば辛うじて命を繋ぐことが出来る。
     ボートには、自分と惚れた相手と知らぬ人の3人だけ。
     水を持っているのは自分だけ。

果たしてその時、己はどうするのだろうか。

 

私自身の愚考のなかでは、
惚れた相手に飲ませたい」のが一番であることは間違ありません。
ただし本当にそれが出来るのかは、皆目分からないのです。

綺麗毎ではなく、その場に及んでは、自分が飲んでしまうのか。
それとも、己の事は、惚れたヤツなら分かってくれると、知らぬ人に差し出すのか。

 

自分の生に直面した時に果たして導かれる判断は如何様なものなのか・・・

立場や役割」と「責任と義務」から解き放たれた時にそこにある「人としての自分」の意思と判断は何になるのか。


こんな映画のワンシーンのようなシチュエーションをもとにあーでもない・こーでもないとパラドックスのような答えを見つめていました。
そして、逆に「立場や役割」と「責任と義務」を背負って見た時にはどうなのかと思いました。


   父親と母親と子供だったら
   社長と部下と取引先だったら
   全員が見ず知らずの人達だったら 
   キャリアカウンセラーとクライエントだったら
     etc


ひとたびここに「立場や役割」と「責任と義務」を付け加えて情況を背負ってみた瞬間から、揺るがずに導けていた、ひととしての自分の意思・判断の答えが、ウルトラQのようにグニョグニョとなり、悩ましい想像の旅路が始ったのでした。


なぜ人としての判断と「立場や役割」と「責任と義務」を背負った時の判断において、差異や悩みが生まれてしまうのでしょうか?
この悩ましきストレスの元凶ともいえる「立場や役割」と「責任と義務」の正体とは一体なんなんでしょうか。


フムフムと小さな頭を捻り・悩ましていた時に「あっ!」と辿り着いたのは、米国のキャリア研究者、ドナルド・E・スーパー(Donald・E・Super)のライフステージ:職業的・発達課題)」と「ライフロール:役割」の考え方でした。


人はキャリアを通じて、「自分らしさ(自己概念)」を発揮しようとする。

自分らしさは、人生の中でのさまざまな役割(ライフロール)を演じる中で形成されていく。

自分らしさを発揮するというのは、日々の生活のなかで「自分は何を大切にするか」ということを基準に、どのように行動するかということ。

人は、仕事をする職業人として、あるいは、ほかの役割を通じて、自分が重要と考える価値観を達成しようとする。


自分らしさ(自己概念)とは、「自分は何者か?」「自分は一体どういう存在なのか?」「他人は自分をどう見ているか?」という、自分に対する自分自身と他人が見た自分のイメージでもあります。そして、自分らしさとは、自分唯一のもの。

 


ライフロール:役割」として、●●と背負ったモノに対して「こうあるべき」「こうでなければならない」といった、作り上げてしまった虚像の概念に自分自身を縛り付けてしまうため、本来の自分自身のための「」に対して差異が生まれ、自分らしさを見失い、悩みが生じ、ストレスを感じるのだと。そして、それこそが自己不一致なのだと。


本来の自分自身と役割をパラレルに考えるのではなく、自分らしさの価値観に応じて、いかに自然にそれを受容出来るかによって自己一致を果たすことが出来、何物にも捕われない生き方が出来るし、自分らしく過ごすことによって、死への恐怖さえもある意味当たり前に受容れることが出来るのではないかと思い至りました。


そのためには「自己の内省・内観を深める」こと、そのひとつの方法としてキャリアカウンセリングがあるのだとも思いました。


「ライフステージ」と「ライフロール」の「立場や役割」と「責任と義務」を演じることで、自分の存在意義を明らかにしていこうとするのではなく、これを迎えた時間の自然な流れのなかで、その歩みの中から生まれる自分なりの価値観を見つめることが、自分らしさを成熟させ、人としての本来の自分に繋がっていくのだと、今更ながら気がつかされました(遅いって話しもありますが・・・)


スーパーの「ライフステージ」は、職業的発達課題を「成長・探索・確立・維持・下降」の5段階に分けたものですが、もっと単純に生命そのもの段階と捕らえて、ロジックに当てはめてみれば、良いだけだったんですね。

 


不確実性」という大きなキーワードが現実になり、キャリア開発のポイントである、「ワーク・ライフ・バランス」においても、「ワークワークバランス」の時代が終焉したのだといったところから、新たな、自分らしい「ライフステージ」と「ライフロール」を見つめることにより、ワークとライフのより良いバランスの捕らえ方のヒントが見出せるのだとも思いました。

 


変化を受容れ、自分らしく歩む


我が意を得たりの気分になり、GWの最終日。
冬物を片付け、夏物を引っ張り出して、去年買ったお気に入りのズボンを穿いてみたら・・・
思わずデスクに放り出してあったメタボ検診のパンフレットを手に取り読み返したのでした。


論者 論に溺れるなかれ

はぁ・・・毎年・何度もつぶやく・・・「 夏までには・・・ 」

 


Career wing    tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリア・カウンセラー