2008.3.15、東京にて実施された、主催:特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)、共催:株式会社日本マンパワーの『キャリアカウンセリング・シンポジウム』日本のキャリアカウンセリングは、CDAが担うに参加して参りました。

JCDA会員総数約7000名に対して、東京:670名・大阪(20日実施):350名の参加者総計約1000名との事で、約14%のJCDA会員の方々が参加されることになります。


今回は、同日のレポと併せて、雑感を記します(懇親会には不参加です)

 


【プログラム:当日配布のレジュメより】

第1部テーマ 特別ビデオ講演 ジョン・クルンボルツ博士

 同氏の下で学ぶ大学院生キャサリンとのカウンセリング場面の映像
 クライエントへのインタビュー
 ジョン・クルンボルツ博士へのインタビュー

       ※主訴は、大学院卒業後の自分の進路選択について
       ※撮影は、クライエントへ事前確認済み

第2部テーマ パネルディスカッション(パネラー5名:各界より)

 フリーディスカッション(テーマ未設定)

       ※主には、キャリアカウンセリングとは何なのか


第3部テーマ 今後の展開

 CDAの国際標準化に向けて(上海大学藩氏:中国の現状・予定等について:映像)
 キャリアカウンセリングを中心としたビジネスモデルの紹介
   a.マイ・キャリアドックについて        ※テスト実施体験者からの感想発表
 CDAの育成制度〜キャリアガイダンスシステム〜
   a.キャリアガイダンスセミナー
      b.WEBキャリアガイダンス                              以上

 

【付記事項】

既にHP上で同会の告知案内文が削除されているため、正確なことを申し上げられませんが、当初の告知には、「日本における“CDAの立場と役割確立”をする為の具体的な施策を発表」を開催目的とされていたと記憶しています。
この一文をもとに下記のメルマガを書きましたので間違いはないと思われます。

キャリア・コンサルタント国家資格化への戯言
                  ・職業キャリアの過程は、『恋愛』進行過程に良く似ている!?

 


参加雑感

総論として

当初、掲げられた「日本における“CDAの立場と役割確立”をする為の具体的な施策を発表」との点において、誠に残念ながら、ある意味、JCDAに対して深い失望の念を抱きました。

テーマに対するJCDA側からの所信表明・具体策等にあたるアンサーは何も表明されなかったと自己解釈をしています。
これは、民間の対人援助(キャリア形成支援)事業者である、私自身の立場・現状・価値観・JCDAへの個別期待感等々からくるものだとも思っています。同様な立場の方は少ないかと思いますので、一握りの若しくは私だけの思いなのかも知れません。

逆を返せば、公的機関や教育機関・私企業にご勤務のご参加者諸氏からしてみたら、その立場・価値観等々により、十分な手応えを得たとお感じになられた方々もいらっしゃるのではないかと思います。

 

愚見ながら私自身が、同日に期待していたことは、

A. キャリア・コンサルタントの国家資格化の流れを受け、

現在までのテキスト内容が国家資格化へ一本に繋がるように、変更・追加・削除等の諸事改訂がなされるのか

現ホルダーに対して、国家資格取得のためのサポート体制や機能の拡充をされるのか


今後におけるテキスト内容は、民間資格から国家資格への一直線上の流れを描くのか


B. 国家資格化の背景として、マクロ的にキャリア・コンサルタントの民間資格が乱立し、現在のホルダーの能力的に疑問が残ると公的に称された中にあり、厚労省の指定の認定試験実施団体及び更新管理機能との旧メイン機能?を刷新し、上記の風評に対する協会としての見解・対応策をはじめとした、今後に向けての所信表明を協会運営指針の再提示をもとに、

同協会への所属意義をCDAとしての独自性の観点から見直し、新たな方向性を打ち出し確立して行くのか

国家資格化の流れを含め、他の認定試験団体との差別化をどのように位置付け・特徴付けしていくのか

キャリア・コンサルティング協議会とのポジショニング・活動すみ分け等の説明         etc

 

協会より配信されたテーマ・案内を拝読し、国家資格化の発表経緯からしても、また試験の実施時期が発表されたタイミング的にも、少なからずも上記に触れる内容の見解発表がなされるであろうとの期待を強く抱いておりました。
が、ここに触れられることは皆無でした(大阪では、どのようになるのか分かりません)

上記各項は、定時総会の事案とすべき内容かも知れませんし、国家資格化に関しては、会員が錯綜するような情報提供・発表は、時期尚早とのことだったのかも知れません。

しかしながら、レベルは別としても、キャリアカウンセラーとしての同一内容の資格が、民間・国家と2本立てで存在することが確定されている現状のなかで、協会として新たなステージを迎えることが明確になった今、ここに至る時間を振り返るならば、あまりにも協会としての立場において正式な見解発表が足りていないのではないかとの思いと、今回、掲げられたテーマと実際の内容を踏まえた時に、あまりにも大きなギャップを感じ、迷走状態なのではないのかと、将来におけるJCDAの協会機能に対する危惧と自身の所属意義に対して、少なからずの疑問が浮かんだのが素直な気持ちでした。

 


以下は、各部毎の所感になります。

第1部

クライエントへの守秘義務やその性質のため、密室行為とも云えるカウンセリングが、映像により目前に開かれることは、カウンセラーにとって、とても意義のあることだと思います。
ロジャーズ等の映像もありますが、映像そのものにやはり古さを感じ得ないのと、金額がとても高いことからなかなか斯様な機会を得ることは出来ないかと思います。
プランド・ハプンスタンス・セオリーで著名なスタンフォード大学のジョン・クルンボルツ博士の姿を見ることは初めてですが、約1時間弱のなかで、同理論により親近感を覚えることも出来ましたし、自己の内省を客観・比較的に見ることが出来たことは大きな収穫でした。
1部において、参加者の満足度は確実に高いのではないかと思いました。


第2部

ディスカッションのテーマを決めずに、各界の方々とファシリテーター(JCDA理事長)とのやり取りの中から、参加者が個々に感じ・何かをつかみ取って欲しいとの趣旨発言がありましたが、実験的?機会としても、内容の掘り下げに乏しく、時間最後の個々のお話しのまとめとしての発言も拡散してしまい、あまり成功したとはいえない時間であったかと感じました。
パネラーのご発言のそのもののなかでは、ピンポイントで興味を惹かれるお話もあったことが唯一の救いでした。


第3部

上海大学藩氏によるビデオレターが流され、同地に対してJCDAがレクチャー等を実施し、今後も良いパートナーシップを構築していくとのことでしたが、その活動が、国内状況にどのようにプラスの影響があり、会員各位・自分自身にとって歓迎すべきことなのかどうか理解に至らぬ自分がいました。
キャリアコンサルティングのマクロ的な発展のプラス効果はあると思います。
同地の状況を知ることにより、国内状況を振り返り・考えるためのモノとするならば、同活動に対して補填される情報や解説があまりに少なく、かなり唐突な感じを受けました。

マイ・キャリアドック/キャリアガイダンスセミナー/WEBキャリアガイダンス等

共催:株式会社日本マンパワーとなっていますし、JCDAの各役員の方々の在籍も同社ですのである種、致し方ないのかと思いますが、特定非営利活動法人としての法人格・協会の独立性は果たして適正に維持されているのか、強い違和感を感じずにはいられませんでした。
(この場では避けますが、他の事に関しても、同様に感じることが多々あることも斯様に感じる背景にあります)
また、掲げられた今回の開催テーマに対する、JCDAのアンサー部分を個別の内容的に振り返るなら、全てがここに集約されているのだと判断をいたしましたが、同社におけるサービス開始の告知及び案内に始終し、これでは、協会としての公平性・アンサーに欠けるのではないかとも思いました。

附記ながら、今後、同サービスの推進のなかでキャリアカウンセラーの活動機会が増え・認知の向上にもつながることを期待しているとのご説明はありました。
また、WEBキャリアガイダンスにおいては、ボランティアにてカウンセラーを募るとのことでした。

 


非営利法人としても当然に収入源の確保と永続的な発展を描かねばならぬことは事実です。
綺麗ごとだけでは難しいことは百も承知しているつもりですし、これを間引いての判断もしているつもりですが、1部〜3部の内容でテーマに対するアンサーがあったと感じることは出来ず、諸事の背景を踏まえるなら、多少なりともバランスを欠いた内容・対応ではなかったかと思いました。


度重ねて申し上げますが、以上は、あくまでも個人の所感であり、これが正論・正解などとは微塵も思っていません。

今回の内容が各方面にご活躍の立場から考察して、十分な満足を満たすものであったのかと何度も振り返るのですが、私自身の拙い頭では理解し難いものだったとのことです。


私個人が知り得る限りにおける、JCDAとしての諸活動・情報提供等は、他の団体よりも秀でていると思っています。他の認定団体で資格取得をされた方々からは、アフターケアのないことに対して羨ましい限りだとの声も多々お聞きします。
斯様な意味において、キャリアコンサルティングの普及にJCDAとしてのマクロの力が必要だとの思いに変わりはありません。

 

 


キャリアコンサルティングの有効性・必要性は、確かなものだと心に思うのですが、
キャリア形成支援は、公的な支援策としてクライエントに対してあるべきものなのでしょうか。
それが本当に社会のインフラとして根付くための鍵なのでしょうか。

民間のキャリア形成支援事業の成功こそが上記の答えと思い、
2年間我武者羅に走り続けて来ましたが、これまで問いかけ続けている自身の命題です。

 


大きな壁があるであろう、ジョブ・カード制度・国家資格化・・・斯様な変化に基づいた大きな結果も1・2年後には確かな形として判断が出来る状況になるのかと思います。

これを見て・経営判断するまでは、悩みながらも笑顔を忘れずに歩み続けようと思います。

 


Career wing    tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリア・カウンセラー

 


【後記】

協会に対する批判をするつもりもなく、感情を廃して綴ったつもりではいますが、表現において適切でないとお感じになられた向きにおきましては、悪しからずお詫び申し上げます。