労働者(人材)派遣 / 偽装請負  ・Temp to Perm(紹介予定派遣)/ 日雇い派遣  ・ネットカフェ難民・ニート/フリーター対策 ・外国人労働者の受け入れ ・二極化現象  etc
連日のように新聞・ニュースを駆け巡る労働問題。
正直、労使双方の虚々実々の本音を見るたびに複雑な思いに駆られます。


欧米諸国の契約(訴訟)文化と違う国内においては、労働者派遣事業は、ポジティブリスト方式からネガティブリスト方式に規制緩和が進みましたが、法制定の根幹を成していたのは「労働者保護」の観点そのものだったはずでした。

短期の業務請負事業は、労働者供給事業との関連・法規制のなかで、無理矢理に労働者派遣事業の枠にねじ込められた感が否めませんし、
労働者派遣事業は、経営の立場と働く側の立場のなかで、強者優位の利益至上主義が罷り通り、労働者保護の観点は、相当に低かった現状があったと感じています。


決して差別ではなく、ホワイトカラーとブルーカラーの職質差や有期雇用契約の短期・長期のあり方に対応する法規制の在り方を既存の法律に当て込むのではなく、多様化する働き方(契約)と実態に即して、ここで一度、抜本的に見直す必要があるのではないかと私見を抱きます。

例えが適切ではないかも知れませんが、過日のキヤノン:御手洗経団連会長の発言からも伺えるように、労働関連法と労働市場の実態の表と裏:本音と建前が浮き彫りになりつつある現状は、諸整備を進めるジャスト・タイミングなのではないかと思うのです。


人材ビジネス経営の売上は、その多くが「労務費」を基準として算定されるのが一般的です。
経営の固定コスト調整には自ずと限界がありますので、物販と違い、契約先企業との単純な値引き交渉は、必ず労働者にしわ寄せが来ます。
適正な法律・規制は、労働者のみならず、事業者の適正な経営を守ることにもつながると信じて止みません。


少子高齢化やニート/フリーター増加の影響としてある、労働力人口の低下は、労働生産性の変化が必須で、企業力=国力の低下を生みますし、税収確保が揺らぐ状況下では、国民生活の根幹である社会保障制度をも脅かす大きな問題といえます。


キャリア・コンサルタント5万人計画も国家資格化も「労働需給調整」の一端をキャリア・コンサルタントも担うことを求められている訳ですが、「キャリア」という超現実的な問題解決の答えと、カウンセリングという画一的でない問題解決の答えの狭間のなかで、キャリアカウンセラー個人としてのアイデンティティをどのように持ち続けるのかを真剣に考え、基軸ブレが無いようにクライエントに向き合わなければならないと思う今日この頃です。

 


労働契約法について

労働契約法が平成20年3月1日から施行され、労働契約についての基本的なルールが明らかにされました。
キャリアカウンセラーとしても、労働契約法の趣旨や内容を踏まえ、使用者と労働者のお互いの十分な理解と協力の下に、安心・納得して働けるよう法理解を進める必要があるかと思います。

  「労働契約法について」ポイント概要・条文・裁判例等々の関係一覧はこちらへ。
  厚生労働省ホームページでも最新情報を提供しています。

 


書籍のご紹介  『ロジャーズのカウンセリング(個人セラピー)の実際』

最近は、逐語録を掲載する書籍も随分と増えてきたと感じていますが、本書は、ロジャーズが実際に行ったカウンセリング(ミス・マンとの面接)の場面の逐語録だけで構成されています。
PHPのような厚さの一冊ではありますが、「自己一致・無条件の肯定的尊重・共感的理解」の具体的な理解が出来る、素晴らしい一冊だと思います。
30分あれば読み終えてしまう長さではありましたが、読後、正直言って震えました。
個人的にはロジャリアンではありませんし、先述のように「キャリア」の現実的な答えを導く役目としては、カウンセリングのバランスにおいて考えてしまうことも多々ありますが、それを以ってしてもこの内容は凄いと感じました。

民間のキャリアコンサルタント資格試験を受験される方々においても、カウンセリングとは何ぞやと思われている方々にも一読を勧めたい一冊です。

  書籍の詳細はこちらへ。

 


能力開発情報システム(ADDS):キャリア形成推進マガジンより

キャリア形成推進マガジンは、企業の職業能力開発担当者やキャリア形成に関心を持つ方々に、キャリア形成、人材育成、職業能力開発、自己啓発などに役立つさまざまな情報を提供するポータルサイトです。

本サイト内に 『キャリアカウンセリングの活用 「キャリア」が意味すること』タイトルの筑波大学特任教授・キャリア支援室長 渡辺三枝子氏の表題のコラムが掲載されています。
自分自身の胸の中にあったモヤモヤが幾分とスッキリした内容でしたので、ぜひにと思い、ご紹介させていただきます。

また、同じコーナーに、立正大学理学部教授・臨床心理士 宮城まり子氏のコラムも掲載があります。こちらも一読の価値ありです!

 


Career wing    tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリア・カウンセラー

 


【後記】

私は、人材業フルキャストで創業期から一部上場までの10年間を人事・労務・育成等の間接部門の責任者として勤務しました。結果、力及ばずではありましたが、「国内の労働事情や多様化する就業ニーズに応じた、新たなワークスタイルの確立を労働者保護の観点を踏まえたビジネスモデルとして構築する」との経営ビジョンが当初はありました。

レンタルレコード業界が著作権法の壁を破り、消費者ニーズにより法改正を成し遂げたように、同業界もこれに習うことが出来ると、信念を持ってこれに挑んでいました。が、企業の成長過程において、当初の信念は、種々の利害関係者の利益確保の名の下に脆くも崩れ去りました。

折しも3月11日、グッドウィルの折口氏が退任とのニュースが流れましたが、業界を離れ幾ばくかの時間が経ち、改めて「本物の経営とは何か」を考えさせられました。