車で移動中、CDを交換しようとディスクから取り出した時に偶然FMから聴こえてきたのは、
本日のゲストは、プロボディーボーダーの・・・


溢れる涙が止まりませんでした。
路肩に車を停め、彼女の声に、言葉に、耳を心を澄まして聞き入っていました。

 


私には、アーノルド・キアリ症という小脳奇形があり、普段は健常者と全くかわりのない生活を過ごせますが、体調が悪くなったりして一度この症状が出てしまうと、三半規管がおかしくなり、平衡感覚が取れ難くなってしまいます。
将来、奇形を起こしている小脳が脊髄に癒着してしまうとそこで人としての意識・存在が消えるらしいのです。

 

彼女の話す声は、スポーツ選手のイメージとは違い、
まるで文学少女が木陰で熱心に本を読み、
ふと見上げた小鳥達のさえずりに、思わず囁くように声を掛けるような、
自然で力みが無く、笑顔にきらめいて、心がそのまま声に乗っているような、
とても静かに緩やかで優しく、しかし、しっかりとしたものでした。

 

私は、調子がおかしくなると、後頭下部の左側だけに大汗を掻き、なぜなのかそこに触れると、エッって云う程の熱を持ってしまうことがあります。
ある冬の日の打ち合わせ席上では、本当に頭から湯気が立ち上げていたそうです(笑)

 


彼女は幼い時から聴覚障害を持っていました。
そんなある時、海とボディーボードに出会います。
その海の中で、自然に包まれながら自分の存在と意味に出逢います。
偏見も差別も孤独も無意味なことを、自分が自分らしくいられる場所を知ります。
自分が自分らしく「いま・ここ」を知ることにより、解き放たれたように全てを受容れられるようになっていきます

 


人に誰にも訪れる寿命。
その長さを知ることなく過ごすことが普通なのかと思います。
40歳半ばを過ぎ、生き方よりも死に方を自然に思うようになってきましたが、後頭部が熱く、目の前が揺らぎ始めると、自分の身体を受容れていた筈なのに「死」が怖くて仕方がありません。
命を授かったものには、自然に寿命があるのだ」と何度も心に念じ、そんな自分を受容れ、ここまで過ごしてきたつもりでしたが、無意識にどこかに無理があったのでしょう。
知らぬ間に閉鎖恐怖症にもなってしまっていました。

 


ラジオから聴こえてきた声の主。

プロボディーボーダー 「 甲地 由美恵 Yumie Kouchi 」 さん。

それが彼女の名前です。

 

 


聞こえる人生か、聞こえないけど、波乗りのある人生か。

医者から判断を求められ、

20歳のときに甲地さんは、海を選びました。

彼女は、「波乗りのある人生」を選びました。 

 


いつやって来るかわからない音の無い自分の世界と人生を見つめながらも、
甲地さんは、一番「自分らしく生きる」ことの判断をしました。

 


路肩に駐車した横を何台もの車が通り過ぎて行きました。
ハンドルを強く握りしめたまま、止め処なく涙が溢れて止まりませんでした。
甲地さんの生き様と自分自身の生き様がシンクロしていました。

 


DJのある言葉に突然思わず涙した甲地さん。

 迷って当たり前。不安があって当たり前。
 ●時に襲ってくる自分への猜疑心を感じて当たり前。
 ●
押し潰されそうな感情に壊れそうになって当たり前。

それでも甲地さんの涙声の言葉には、ご自身のお身体を以って「個性」だと話され、
笑顔で全ての自分を受容れて歩むと決めた、揺ぎ無い凛とした清々しい意思がありました。
無理矢理に搾り出したようなモノを微塵も感じることのない声。
シンプルでストレートな自分自身の人生・生きることに対しての答え。

 


いつ訪れるかも知れない「死」。
迷い・悩むことが悪いのではなく、迷い・悩みに捕われてしまうことが誤りなのだと頭で理解しつつ、心のどこかで受容れられていなかった自分。
恐怖を振り払うように、仕事に没頭するしか平穏を取り戻すことができないでいた自分。
「いま・ここ」の思いのなかで、そんな自分の嘘を目の当たりに知らされました。

 


甲地さんのゆっくりと噛みしめるような透き通った声と言葉。

自分が導いた判断が正しいとか、間違いとか考えることが必要なのではなく、
「いま・ここ」を大切にして導いた思いを決して裏切らないように、昨日までの日々を振り返り「正しかった」と言えるように、今日を全身全霊をかけて精一杯に歩みを続けることが「自分らしく生きる」ということ。

 


悲壮や努力・根性物語などの感動秘話でも、身障者であることへの哀れみなどでも結してありません。

甲地さんご自身の

 生きることへの覚悟
 ●自分らしく生きることへの決意
 ●夢と笑顔の力を信じて生きること
 ●
命の息吹を、まだ見ぬ自分に胸躍らせること

その言葉と人生に触れることで、自分自身を振り返ることが出来ました。

 


いま甲地さんは、ノースの巨大な波にチューブに挑んでいらっしゃるのでしょうか。
それともその挑戦への思いを抱えて、海でのトレーニングをしていらっしゃるのでしょうか。

 いま・ここにいなければ出会うことのない瞬間。
 求めなければ得ることは出来ない瞬間。
 死の恐怖も生の躍動も表裏一体のその瞬間。
 ビルの2Fか3F位の高さで押し寄せてくる水の壁。
 波のトンネル部屋に入った瞬間のフワッとした雑音が全くない真空状態のような一瞬。
 閉ざされていくトンネル(チューブ)の出口の先に見える光の世界。

永遠の時間のような部屋から走り抜けられた時
身体の細胞のひとつひとつが命の躍動に叫び・弾け出すようなその瞬間


「 GO FOR IT 


挑むからこそ人生の幸せの意味があるのでしょう。

 


甲地さんは、精一杯にいまを謳歌して、明日に向かっているはずです。
人はみな「何かのため・誰かのため」に、そして「自分らしく」それを生きるもの。
命の瑞々しい息吹を、自分らしく生きるとは何かをもう一度教えてくれた甲地さん。

甲地さんに出会えたことをこの場をお借りして、心より深く感謝いたします。


ありがとう。

Dream in your hand

 


 書籍 「虹を見上げて

甲地さんの歩みが、散文詩の物語として綴られています。
キャリアカウンセラー諸氏にも、一般の方々にも、
多くの方々にこの一冊をお届けさせて頂きたい思いに包まれています。
ぜひ本書のプロローグだけでも目にしてみて下さい。

◇◇◆ 「 虹を見上げて 公式HP ◆◇◇

 


 いろいろな思いを抱えて悩んでいらっしゃる方に

 何かの比較ではない生き方。
 ●自分自身をあるがままに受容れて歩む生き方。
 ●悩みも不安も全て抱えながら、それでも明日の笑顔を信じて歩む生き方。

きっと悩みに対して、光が差し込むヒントを掴み取ることが出来ると思います。
ぜひ甲地さんが書かれた書籍「虹を見上げて」を読んで欲しいと思います。


 キャリアカウンセラーの方に

自己一致とは何か、ロジャーズの言う「いま・ここ」とは何か。
理論や技術ではなく、そのままの瑞々しいリアリティがここに溢れています。
きっとカウンセラーとして必須である様々な視点を感じることが出来るはずです。
甲地さんの言葉に私自身は、カウンセラーマインドをも感じました。
本書をクライエントに読んで頂くことで、カウンセリングの延長としても活かすことが必ず出来る素晴らしい書籍として推薦させて頂きます。
キャリアカウンセラーにとって十分な手ごたえのある一冊の書籍です。

 


Career wing    tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリア・カウンセラー

 


● 甲地由美恵さん(Yumie Kochi)

1973年10月4日東京都生まれ。千葉県在住。
2歳のとき、感音声難聴にかかり両耳の聴力をほとんど失う。
18歳の時にボディーボードと出逢い、
28歳でプロテスト合格。
2006年の世界ツアーでは、1年目にして日本人最高位という快挙を成し遂げた。

戦歴

2005年 世界初のWDSA(世界聾者サーフィン大会)
  オーストラリア大会にて優勝
2006年 T&C surf women's pipeline pro 9位入賞
ハワイチョロズウーメンパイプラインプロ5位入賞


                         ※書籍 虹を見上げてより転記

 ● PRO BODYBOADER  YUMIE  OFFICIAL WEB SITE

 今後、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 

 


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