「ラポールrapport」とは、フランス語で「関係・関連・類似・架け橋・疎通性・接触」等といった意味がありますが、端的には、『信頼関係』といえます。

心理学やカウンセリングで良く使われるこの言葉ですが、日常生活・組織活動に『ラポールの状態』を意識し活用することが、より良いコミュニケーションを生み出すヒントに繋がるといえます。

 

キャリアカウンセリングの初回のご相談のシーンを想定してみます。

 ・様々な悩みを抱えて来社されるご相談者
 ・悩みの解消への期待と効果に対する不安と緊張が入り混じった思いで押す入口のベル
 ・しばらくの間があり開かれたドアの向こうに見える部屋の風景・対応者の雰囲気
 ・案内を受けて着座し、やって来たカウンセラーとのはじめての対面
 ・挨拶の言葉とキャリアカウンセリングの開始
 ・打ち明ける悩み事の内容


期待と不安(相反する感情)・緊張感・閉塞感・警戒心・羞恥心・猜疑心・・・
訪問から本題に至るまでの過程を追ってみても、様々な感情が交差し重なりあう事が伺い知れます。


ひと・動物が命を守るために自己防衛本能として備えている「テリトリー」の存在。
カウンセリング(コミュニケーション)が期待効果として成立するためには、敵対関係(外敵)となり得るものを可能な限り排除していかなければなりません。

そのためにカウンセラーが「あなたとの友好的な協力関係を築いていきたい」と自らのテリトリーを解放し、クライエントがそれを認め・受容れてくれる環境・情況を創ることによってはじめて、ご相談者自身のテリトリーが解放され、その内にある主訴(内敵)に至ることが可能となります。そして、そこに存在するものが「ラポール:信頼関係」なのです。

 □ 同じ価値観を共有する事・仲間としての存在
 □ 安心と温かい信頼に支えられている関係
 □ 和やかな心の通い合った状態に満ちている関係

 


ラポール形成のために

カウンセリング場面にお話しを戻してみます。

通常カウンセラーは、クライエントとの具体的なお話しの前に「アイスブレイク」と云われる前段階のお話しを通じて、ご相談者の緊張感を解き解しながらラポール形成へと向かいます。

アイスブレイクとは、その名の通り、「氷を溶かす」ための、はじめの抵抗感を払拭させるための言葉掛けです。

 ・場所は直ぐにお分かりになりましたか?
 ・風邪が流行っているみたいですが、大丈夫ですか?
 ・緊張感って伝染しちゃうのではじめにリラックスしたお話しを少ししましょうか? etc


カウンセリングの詳細なテクニカルスキルのお話しは避けますが、氷の中心にあるご相談のコアポイントに向かう際、冷たい氷に息を吹きかけ、温かい手の平で氷を包み、氷を溶かすための準備の切っ掛けを創ります。
Ready & Go」の「Ready」若しくはそのチョッと前の情況といえるかも知れません。

ラポール形成の前提として「私はあなたの外敵ではなく、味方ですよ!」「あなたの事をもっと知りたい・教えて下さい」の表明に近いのかも知れません。
これが伝わればご相談者自身が氷を溶かす姿勢に切り替わっていきます。


氷が早く・確実に解けるには、中心が熱くなる事が一番肝心ですよね。

 


ラポールの形成には当然に段階があります。

ラポールが、かかる(生まれる)> 深まる> 確立される 〜(繰り返される)

 

ではこのラポール:信頼関係が成り立ったと、どんな事から感じ取れるのでしょうか?

外観上のことで云うならば、

 ・お話しに合わせてボディーランゲージが増え始めてきた(より深い理解促進のため)
 ・緊張感が取れて肩口の力みがなくなり、柔らかな姿勢になってきた
 ・集中している話しの中でも自然な笑顔が零れるようになってきた   etc

会話上のことで云うならば、

 ・お話しのテンポが良くなってきた(言葉数が増える・スピードが上がる)
 ・「そうそう。そうなんですよ・・・」
 ・「何だか妙に喋り過ぎてしまいました・・・」   etc


一概に言えない部分もありますが、比喩表現でいうなら「何かギアが変わった」と感じる瞬間があるものです。

 

ポイントとして言えることは、

段階ごとにラポールの深さがあること。
継続したラポール形成が必要であること
ラポールの状態を振り返ってみることが大切であること
  と云えるかと思います。


コミュニケーションをより良く成り立たせる前提条件=ラポール形成だといえます。

 


キャリアカウンセラーを目指している方へ

2次試験対策においては、7分間でクライエントとの間にラポールを形成し、主訴をキャッチすることが求められます。
ぜひ、「ラポールがかかった」「これが・あれがラポールなのだ」と実際の経験から、ラポールそのものを感じ取ってみて欲しいと思います。


人事ご担当者の方へ

人事には、面接を通じた広報活動といった一側面があります。
求職者との間にラポールを構築できるシステムフローや機会の設定は整っているでしょうか?
ラポール形成の流れのなかで求職者自身の本質に触れ、誤りの少ない評価を導く事が可能にもなります。

・個人と組織・マネージとの間に、ラポールはありますか?ラポール形成を前提とした対応有無はいかがですか?
生産性の向上のための、ロイヤルティ・モチベーション向上施策には、ラポールの情況有無を見つめる事が必須です。
強い組織の必須条件は何かを描いて欲しいと思います。


日常生活において

後輩・先輩・友人・同僚・上司・恋人・相方・子供・・・様々な立場や役割のなかで、ラポールの状態を相手の目線で見つめ直してみませんか?

 


信頼関係』が人間関係において大切な事は、誰もが概念的に理解しているものです。
がゆえに、もう一度、ここに強く意識をしてみると、意外と見失いがちになっていた課題の発見につながるものです。

ラポール」の言葉と意味をキーワードに周りを見渡してみることも必要かも知れませんね。

 


それは、『 』 を見つめることに通じます。

 


Career wing    tadashi yoshida
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)所属
厚生労働省指定キャリア・コンサルタント能力評価試験合格 キャリア・カウンセラー

 


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