黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編

黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編 Vol.041 近代の文学と美術


カテゴリー: 2017年01月18日
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    黒田裕樹の歴史講座・メルマガ編
      Vol.041  H29.01.18

        http://rocky96.blog10.fc2.com/

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こんにちは!黒田裕樹です。
通史でたどる歴史講座の「明治編」、今回は「近代の文学と美術」です
。文学も美術も、それぞれが西洋の文化と融合して、我が国独自の発展
を遂げていきました。

(※文章中の「◎」は、教科書において太字などで強調された重要語句
です。文末にもまとめて掲載しています)

「近代の文学」
http://rocky96.blog10.fc2.com/blog-category-509.html
「近代の美術」
http://rocky96.blog10.fc2.com/blog-category-510.html

明治初期の文学は、江戸時代以来の◎戯作(げさく)文学の流れをくむ
仮名垣魯文(かながきろぶん)の「西洋道中膝栗毛(せいようどうちゅ
うひざくりげ)」「安愚楽鍋(あぐらなべ)」や、自由民権運動を題材
とした矢野龍渓(やのりゅうけい)の「経国美談(けいこくびだん)」
などの政治小説が中心でした。

これらに対し、坪内逍遥(つぼうちしょうよう)が明治18(1885
)年に「小説神髄(しょうせつしんずい)」を発表して、それまでの勧
善懲悪(かんぜんちょうあく)主義を批判したほか、人情や世相をあり
のままに描いた写実主義を唱えました。

その後、二葉亭四迷(ふたばていしめい)がそれまでの文語体から口語
体で文章表現を行った◎言文一致体(げんぶんいっちたい)で「浮雲(
うきぐも)」を発表して知識人の内面を描き、坪内逍遥の提唱した写実
主義に相応(ふさわ)しい文学作品となりました。

なお、坪内逍遥の他の有名な作品としては「当世書生気質(とうせいし
ょせいかたぎ)」があり、また二葉亭四迷はロシア文学の翻訳(ほんや
く)も行っており、ツルゲーネフの「あひゞき」「めぐりあひ」が有名
です。

明治18(1885)年に結成された硯友社(けんゆうしゃ)は「我楽
多文庫(がらくたぶんこ)」を発刊し、坪内逍遥の写実主義を目指しな
がらも、文芸小説の大衆化を進めました。

硯友社を結成した作家とその作品では、尾崎紅葉(おざきこうよう)の
「金色夜叉(こんじきやしゃ)」や、山田美妙(やまだびみょう)の「
夏木立(なつこだち)」などが有名です。

その後、尾崎紅葉の弟子である泉鏡花(いずみきょうか)が「高野聖(
こうやひじり)」などを発表し、幻想的な独特の世界を華麗(かれい)
な文体で表現しました。

また、幸田露伴(こうだろはん)は「五重塔(ごじゅうのとう)」など
の作品で理想主義的な作風を打ち立てました。なお、尾崎紅葉と幸田露
伴の二人が主導的立場にあった明治20年代の近代文学史上の一時期を
、今日では「紅露(こうろ)時代」といいます。

日清戦争の前後には、感情や個性を尊(たっと)ぶ◎ロマン主義文学が
次々と発表されました。例えば、森鴎外(もりおうがい)は「舞姫(ま
いひめ)」を発表したり、アンデルセンの「即興詩人(そっきょうしじ
ん)」を翻訳したりしました。

また、北村透谷(きたむらとうこく)が雑誌「文学界」を創刊したほか
、我が国の現在の五千円札の肖像画(しょうぞうが)で有名な女流作家
の樋口一葉(ひぐちいちよう)が「たけくらべ」や「にごりえ」を発表
し、下町に住む女性の悲哀を描きました。

詩の分野では、従来の漢詩にかわって七五調などの文語定型詩である新
体詩(しんたいし)が現れ、島崎藤村(しまざきとうそん)が「若菜集
(わかなしゅう)」を刊行しました。

短歌の世界では、与謝野鉄幹(よさのてっかん)・晶子(あきこ)夫妻
らが雑誌「明星(みょうじょう)」を創刊し、明星派の短歌がロマン主
義の中心となったほか、与謝野晶子の歌集「みだれ髪」が、女性の奔放
(ほんぽう)な情熱をうたったものとして有名になりました。

万葉調の和歌の復興を目指した正岡子規(まさおかしき)は、一方で俳
句の雑誌「ホトトギス」を創刊し、その門下からは高浜虚子(たかはま
きょし)が出ました。また、短歌における門下からは伊藤左千夫(いと
うさちお)が出て、明治41(1908)年に雑誌「アララギ」を創刊
しました。

日露戦争の頃になると、ロシアやフランスの◎自然主義文学の影響を我
が国も受けて、人間社会の現実をありのままに描写する風潮が主流とな
りました。

当時の自然主義の作家としては、「牛肉と馬鈴薯(ばれいしょ)」の国
木田独歩(くにきだどっぽ)・「蒲団(ふとん)」の田山花袋(たやま
かたい)・「破戒(はかい)」の島崎藤村(しまざきとうそん)・「黴
(かび)」の徳田秋声(とくだしゅうせい)などが挙げられます。

また、明星派の影響を受けていた石川啄木(いしかわたくぼく)が「一
握(いちあく)の砂」を発表して、社会主義思想を盛り込んだ生活詩を
うたいあげました。

一方、こうした自然主義の流れに対立するかたちで、夏目漱石(なつめ
そうせき)が「吾輩(わがはい)は猫である」などの作品を発表して、
知識人の内面を国家や社会との関係で表現したほか、森鴎外が反自然主
義的な思想小説を次々と発表しました。

殖産興業(しょくさんこうぎょう)の観点から西洋美術教育の必要性を
考えた政府は、明治9(1876)年に◎工部(こうぶ)美術学校を開
設しましたが、その後に起きた美術界における伝統回帰の風潮もあって
、明治16(1883)年に廃止されました。

一方、哲学のアメリカ人教師として来日した、「お雇(やと)い外国人
」のフェノロサは、我が国の伝統芸術を高く評価してその保存を訴え、
助手の岡倉天心(おかくらてんしん)とともに、明治20(1887)
年に開設された◎東京美術学校の設立に尽力しました。

このように、政府と民間とが一体となって伝統芸術を支えたことにより
、狩野芳崖(かのうほうがい)の「悲母観音(ひぼかんのん)」や橋本
雅邦(はしもとがほう)の「竜虎図(りゅうこず)」などの優れた日本
画が描かれたほか、明治31(1898)年には◎日本美術院が設立さ
れました。

日本美術の再評価の気運が高まったことで、政府は明治30(1897
)年に古社寺(こしゃじ)保存法を制定し、いわゆる国宝の指定や保護
に関する法的な根拠が定められました。

なお、東京美術学校は、現在の東京芸術大学の前身にあたります。

一方、西洋画は、工部美術学校の閉鎖もあって一時的に衰退(すいたい
)を余儀(よぎ)なくされましたが、やがて「収穫」を描いた浅井忠(
あさいちゅう)や、「鮭(さけ)」を描いた高橋由一(たかはしゆいち
)らによって、明治22(1889)年に我が国最初の西洋画の団体で
ある◎明治美術会が設立されました。

その後、明治29(1896)年に、東京美術学校に洋画科が新設され
たほか、同年には、フランス印象派の画風を学んだ「読書」や「湖畔(
こはん)」で有名な黒田清輝(くろだせいき)が◎白馬会(はくばかい
)を創立しました。

彫刻では、フランスのロダンに学んだ荻原守衛(おぎわらもりえ)が「
女(おんな)」などの西洋風の彫塑(ちょうそ)を発達させた一方で、
高村光雲(たかむらこううん)は「老猿(ろうえん)」などの伝統的な
木彫(もくちょう)による作品を残しました。また、建築では優れた洋
風建築が建てられましたが、なかでもイギリス人コンドルの「ニコライ
堂」や、辰野金吾(たつのきんご)による「日本銀行本店」は有名です
。

以上のように、明治期には伝統美術と西洋美術とがそれぞれ発展しまし
たが、両者の共栄共存を考えた文部省は、第一次西園寺公望(さいおん
じきんもち)内閣の文部大臣であった牧野伸顕(まきののぶあき)の尽
力もあって、明治40(1907)年に◎文部省美術展覧会(=文展、
ぶんてん)を設けました。

なお、文展はその後大正8(1919)年には帝国美術院展覧会(=帝
展、ていてん)へと引き継がれ、現在の日本美術展覧会(=日展、にっ
てん)につながっています。

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  今回の重要語句(教科書において太字などで強調されたもの)

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◎戯作文学
◎言文一致体
◎ロマン主義文学
◎自然主義文学
◎工部美術学校
◎東京美術学校
◎日本美術院
◎明治美術会
◎白馬会
◎文部省美術展覧会(=文展)

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  最後までお読みいただき、有難うございました。
  次回(Vol.042)は1月25日に発行します。
  「明治期の演劇・音楽と文化事業の推進」

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