ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」

【嶌信彦】時代をよむ 社会主義現代化強国への道とは?


カテゴリー: 2017年12月29日
2017年 12月 29日 vol.203

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社会主義現代化強国への道とは?
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 習近平政権二期目に入る中国共産党大会が終えてほぼ2ヵ月。集団指導体制時代だった江沢民、胡錦濤政権時代に比べ、習近平氏の一強体制を強くうかがわせる大会だったようだ。演説時間は3時間半に及び、30年以上かけて「社会主義現代化強国」になると宣言した。前半の15年で基礎を固め、後半の15年で本格的な強国になるというのだ。これまで中国は社会主義国を建設した毛沢東思想の後、トウ小平(※)氏による改革開放路線により中国の成長・発展を遂げてきた。
習近平氏は改革開放の思想を否定したわけでなく、中国本来の社会主義という原点の思想を忘れずに強国化を図るという点を強調したかったのだろう。改革開放を続けるとしても、その思想の基本には"社会主義"という中国本来の思想をきちんと守り、単にGDPの量や成長率でアメリカなどと競争しているのではないという相違を示したのだ。

 いまや豊かさや成長速度、技術革新などではアメリカと肩を並べる大国として世界で認められるようになった。となれば、習近平氏の今後の目標は単にアメリカを追い抜くことではなく、社会主義の旗を降ろさず発展することだ、と考えたのだろう。それこそがアメリカと対峙する中国の最大の特色となり、世界をリードする習近平思想になるというわけだ。

 この政策を実現するのは、単なる経済競争に勝てばよいということにはならない。第一期で進めてきた腐敗汚職の追及をさらに維持強化し、堕落した資本主義国の豊かさとは違うところを見せる。と同時に格差の是正を図り、いわゆる中間層をぶ厚く育てることで社会の安定を図りたいという狙いもあるとみるべきだろう。

 もう一つは軍事的にも強国になるという目標だ。中国は古来から陸軍国だった。広い中国大陸を統治するには強い陸軍があればよかった。しかし今後世界の統治、強国を目指すには陸軍だけでなく海軍、空軍、宇宙、サイバー空間などにも目を配らなければならない。アメリカと”太平洋を統治しよう”と呼びかけたのも海・空・サイバーなどの分野でもアメリカと肩を並べる必要があるとみているのだ。

 さらに海と陸の”一帯一路”構想の実現にも海洋国家を目指すことが必然なのだろう。30年かけて実現したいとするのは、その位の年月を必要とする大構想戦略ということなのだ。

 一期目の習近平政権は腐敗追及などが話題になったが、二期目に入りこれまでの構想、戦略が一つの形になって現れてきた。日本は南シナ海の海洋進出ばかりに気をとられているが、中国の習近平政権の二期目の構想、場合によったら三期目の背景についてもじっくりと分析し対応戦略を考えるべきではないか。
【財界 2018新春特別号 第462回】

今回で本年の配信は終了となります。
これまで購読いただきまして誠にありがとうございました。
皆様にとって佳き年を迎えられますことを祈念しております。

(※)機種によって表示されない文字のため、カタカナで記載しております。

◆お知らせ
・31日 TBSラジオ『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』(21:30~)
 ゲスト:酒場詩人として知られるエッセイストで俳人の吉田類様 二夜目
 各地の酒場を放浪する人気番組のナビゲーターとして知られるようになるまでや、画家になる夢を携えてパリへ行った当時の旅の話しなどにつきお伺いする予定です。

 前回の酒場のカリスマに大人飲みの美学や、ハンチング帽をかぶり全身黒ずくめのスタイルへの拘り、酒の楽しみ方や健康法、独自の酒の肴の調達方法までお伺いした放送音源は番組サイトにて期間限定で公開中です。お聞き逃しの方は合わせてご利用下さい。
 http://nobuhiko-shima.hatenablog.com/entry/20171229

・1月20日(土)14時からプレスセンターで日本ウズベキスタン協会新年会を開催
 ~ゲストにアラル海を舞台とした冒険エンタメ小説の新鋭作家 宮内悠介氏をお迎え~
 宮内様は今年度下期の芥川賞候補作としてノミネートされています。
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 http://nobuhiko-shima.hatenablog.com/entry/201712271

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