ローマから吹く風

ローマから吹く風・第13号イルポスティーノのプロチダ島/トマトの季節


カテゴリー: 2016年05月05日
目 次
1.はじめに イタリアの公共工事
2. イルポスティーノの島、プロチダ島
3. トマトの季節
4. 旅の情報 ジェラート・フェスティバル
5.あとがき

1.はじめに イタリアの公共工事
 ローマでガイドの山根さんはプロチダ島の景勝の地「ビバラの島」に行こうとしました。「ビバラの島」は、自然公園になっていて、本島と橋でつながっているのに、鉄柵が閉まっていて入れなかったのです。ナポリから来た女の子に進入方法を聞いて、無事進入。橋は完成していて、ゴミ箱まである。なぜ開放しないのかは謎です。
 イタリアにはあちこち謎の建造物があるので、あまり不思議でもないのだけど。要するに、公共事業をでっち上げ、EUや国へ補助金を申請し、とりあえず形ばかり建設し、食べるだけ食べたら「予算がなくなりました」と言って放置するのです。途中で止まってる高速道路をナポリとシチリアで見たことがあります。テレビの告発番組で、小さな市に不釣合いの巨大な立派な劇場が建築途中で放置されて破損中とか、同じように大きな病院や駐車場が放置、というのをやっています。
 こういうメンタリティが無くならないと、少なくも、減って行かないと、イタリアはこのまま沈没していくんじゃないかと山根さんは思っています。。。。

2. イル・ポスティーノの島、プロチダ島
<イタリア映画:イル・ポスティーノ。1994年制作>
 イタリアの小さな島に住む郵便配達をする内気な青年マリオは、チリから亡命してきた詩人パブロ・ネルーダと交流することで、文学や芸術に目覚め、奇妙な友情が生まれる。マリオはパブロの協力もあって島のパブで出会ったベアトリーチェと結婚し、やがて共産主義活動に傾倒してゆく。数年後、島を訪れたパブロは、マリオがデモで命を落としていたことを知る。
 実在のノーベル賞詩人のパブロ・ネルーダがイタリアに亡命しナポリ湾のカプリ島に身を寄せた史実に基づく作品。主演のマリオを演じたナポリの英雄マッシモ・トロイージは、この作品を取り終えた12時間後に亡くなったことでも、知られています。この撮影が行われたのが、同じナポリ湾のプロチダ島です。
 プロチダは4平方キロくらいにすぎないのに1万人以上の島民がいる。カプリやイスキアと大きく違うのは、観光が産業の中心ではないこと。海で生活の糧を得ている。漁業の他に(近海、遠海から新鮮な魚が毎日届き、ナポリ、カプリ、イスキアへ運ばれる)国立の航海技術高校があり、世界中の船籍の船でこの学校を出た人々が働いている。
 可愛くパステルカラーで彩りされた建物が出迎えてくれる。大型船こそ就航してないけど、フェリーがいくつも出入りする港で活気があるけれど、特にこれといった観光資源はない島で、温泉で有名なイスキアと目と鼻の先なのでイスキアの観光客が、ちょっと見物にくる程度。この島を一躍有名にしたのが、1994年制作の映画イル・ポスティーノでした。
 火山起源の島で当然坂道だらけ。内部の道は狭い狭い。だから一方通行だらけ。道を間違えても、歩き続ければ行きたいところへたどり着くけどね。ミニ市バスで移動する。車内でも切符が買える。20セント増しで1,40ユーロ。運転手さんが小銭のお釣りを用意してないのはイタリアだね
 朝の目的地は「Pozzo Vecchio」、古い井戸という名の海岸。海岸に出るとすぐにBARがあった。「Well come to Postino Beach」と書いてある。プロチダを一躍有名にした映画「Il Postino・郵便配達夫」はここでロケされたのだ。写真の立て札があって、「ここでトロイージは撮影をした」と書いてある。主演のマリオを演じたマッシモ・トロイージはナポリの英雄なのだ。だから、この立て札にパブロを演じたフィリップ・ノワレの名前はない。通りの名前にもなってます。「ポスティーノの海岸通り」
 もう一つ「イル・ポスティーノ」絡みの場所、「Marina Corricella」。小さな漁港で、スペイン風の建物が独特の異国情緒を出している所。はい、ここも名前が変わりました。「マッシモ・トロイージ広場」ここにちょこっと出てくる建物。この港に郵便局と郵便配達夫が恋するベアトリーチェの店がある、ことになっている。
 この観光的には地味なナポリ湾の島は、土産物だらけの街ではなく、イル・ポスティーノがらみを除けば、普通に市民の生活がある土地を見ることができる希有な島でした。
プロチダ島訪問は→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/262.html

3. トマトの季節
 自然に恵まれたイタリアでは、4月の終わり頃からTond a grappolo(房状の丸いトマト)が市場に出回り始めます。そして夏の終わりに出回り始めて10月位まで収穫されるトマトソース作りには欠かせないサンマルツァーノでトマトの季節が終わります。半年近くにわたって、それぞれのおいしいトマトをイタリア人は楽しんでいます。
 半年近くにわたって、それぞれのおいしいトマトをイタリア人は楽しんでいます。その主なものをまとめてみました。もちろん名前は俗称で、厳密にはそれぞれ亜種が沢山あります。もちろん、そのトマトに合わせた料理もあると言うことです。
<Tond a grappolo(房状の丸いトマト)>
 トマトソース用で、直径10cmほどのサイズのトマト。市場では茎につながって売っているトマト。形が均等で、丸くて赤い。春の終わり頃から出回る。山根家では、これを使ってイタリア料理のごはん入りトマトを作るのが、春の終わりの定番料理です。総菜屋さんや、トラットリアのごはん入りトマトはもっとお大きいトマトを使います。トマトソース用ではあるが、生でサラダにも使用します
<CILIEGINO(さくらんぼ)>
 大きめのサクランボくらいのトマト。日本ではプチトマト。シチリアのパキーノで作られるプチトマトはそのまま「パキーノ」と呼ばれ、香りと味が深い。砂分の多い土と海水による散水で味が違ってくるそう。サラダと料理の双方に使います。
 肉類やパスタのトマトソースだとトマトの味で魚介類のデリケートな味が隠れてしまうので、特に魚介類の味付けにこれを数個割って一緒に煮込みます。
<カボチャ・トマト>
 かぼちゃのように実に切れ目が入って言うのが特徴。比較的皮が厚い。味が濃いのでトマトソースにも美味しい。
<Cuore di Bue(雄牛の心臓)>
 雄牛の心臓に形が似ている。皮が薄く、酸味、甘み共に薄い。サラダに適しているがトマトソースにも併用できます。
<サン・マルツァーノ>
 サン・マルツァーノは、他のトマトに遅れて、夏の比較的終わりに近い頃から熟し始める。今はハウス栽培が多いので早くから市場に出回るが、夏の終わりのものに比べると味は落ちる。まだ青みが残るものはサラダにも使う。
 熟したものは、湯がくか、潰してガラス容器に入れ、煮沸消毒した後暗所にいれて保存食にする。トマトソース用。市販のトマト水煮の缶詰より味が良い。ただし、作るのが大変。

イタリアのトマトの種類→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/255.html

4.旅の情報 ジェラート・フェスティバル
 ジェラートはルネサンスの時代にメディチ家お抱えの建築家、彫刻家、画家、軍事エンジニア、演劇デザイナーであったベルナルド・ブォンタレンティによって発明されたと言われています。
 記録によるとブォンタレンティは、メディチ家とフランス王家の婚礼の際に、考案したクリームのジェラートを提供したと言われています。木製の桶に氷と塩を入れて氷点下にし、ジェラートの材料を入れた熱伝導率の良い銅の容器をその中に入れて、手動式で攪拌するジェラート製造機を作ったのだそうです。電気のない時代にこのような食べ物を発想したとは、非常な驚きで、ルネサンスの多才人の面目躍如と言ったところです。
 このベルナルド・ブォンタレンティを記念して開催されているのがフィレンツェのジェラート・フェスティバルです。各種のジェラートが試食できる他、ジェラートの講習会やレッスン教室などがあります。
 2016年はフィレンツェだけでなく、イタリア各地やロンドン、ベルリン、バレンシアでも開催されます。なお、婚礼の際に提供された砂糖、牛乳、卵、クリームを組み合わせたジェラートは『ブォンタレンティ(Gelato Buontalenti)』または『クレーマ・フィオレンティーナ(Crema Fiorentina)』という名前で、今日でもイタリアのジェラート屋で食べることができるので、イタリアにお越しの節は是非試してみてください。
<2016年のジェラート・フェスティバル>
フィレンツェ(4月21日〜4月25日)
パルマ(4月28日〜5月1日)
ローマ(5月5日〜5月15日)
ナポリ(5月19日〜5月22日)
トリノ(5月26日〜5月29日)
ミラノ(6月2日〜6月12日)
ロンドン(6月24日〜7月3日)
ベルリン(7月7日〜7月10日)
バレンシア(7月14日〜7月24日)
(ファイナル) フィレンツェ (9月1日〜4日)

クチーナ・イタリアーナ(ジェラート・フェスティバル)
→https://www.facebook.com/cucina.italiana.jp/

5.あとがき 
 プロチダ島は漁業が盛んで、近海、遠海から新鮮な魚がこの島に毎日届き、ナポリ、カプリ、イスキアへ運ばれています。山根さんはここで思いがけない、海鮮料理の見事なハーモニーを味わうことになります。プロチダ島で食事をするなら、レストランLa Conchiglia (ラ・コンキリア、貝)を逃してはいけない。新鮮な魚介類を使ったオリジナル料理。イタリア中探してもこんな店には滅多にお目にかかれないと、山根さんは意気込んでいます。
 次回はローマにあるカエサルゆかりの観光スポットと、ローマで春と秋に開催されるコミックスフェアーROMICSを紹介します。

レストランLa Conchigliaは→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/263.html
山根さんのページは→http://www.ivc-net.co.jp/trans/yamane/index.html

ご意見・お問合せ・旅行のご相談は→info@ivc-net.co.jp

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最新号 2017/01/05
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