公益法人の運営はこうする!

公益法人の理事・監事及び評議員(3)


カテゴリー: 2015年02月04日
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        公益法人の運営はこうする!
 
 
                 ■第3号 2015/ 2/ 4
                       
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 今回は、前号に引き続き、理事・監事及び評議員の解説ですが「任期」「
報酬等」をテーマに解説します。
 これらテーマにおいて、法令の趣旨と法人運営においてはどのように対応し
ていくのか解説させていただきます。
  
  
  
       ■■ 公益法人の理事・監事及び評議員(3)■■


■任期
 理事・監事及び評議員の就任に任期制を採用した趣旨は、定期的に社員総会
・評議員会によるチェックを受けることにより、法人運営の民主制の確保を図
ろうということからです。
 また、任期の最終を「定時社員総会・定時評議員会の終結の時まで」とした
のは、定時社員総会・定時評議員会において通常選任されることから、欠員状
態を防止するためです。

 理事・監事及び評議員の資格は就任を承諾した時に生じますが、一般法人法
では任期の起算点を選任(就任承諾を前提)の決議がされた時としています。

<理事>
 「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総
会(定時評議員会)の終結の時まで」(一般法人法66条、177条)

 定款又は社員総会(評議員会)の決議により短縮は可能ですが、会社法のよ
うに任期の伸長は認められていません。

<監事>
 「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総
会(定時評議員会)の終結の時まで」(一般法人法67条、177条)
 
 定款により2年までとすることを限度に短縮が可能です。
 理事の任期よりも長期となることを原則とされているのは、理事の職務の執
行を監査する監事の地位を強化するとともに、その独立性を担保する趣旨です。

 実務上は、監事の任期を2年に短縮し、理事と同任期にしている法人が多く
なっていますが、事務手続の簡素化を図るということが理由です。

<評議員>
 「選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員
会の終結の時まで」(一般法人法174条1項)

 定款により6年まで伸長が可能です。
 監事の任期よりも長期とすることを可能とする趣旨です。


【就任】
 任期満了に伴い、理事・監事及び評議員を定時社員総会・定時評議員会で選
任する場合は、前任者は定時社員総会・定時評議員会の終結をもって職を離す
ることとなりますので、実務的には新任者からは事前に就任承諾書をいただい
ておくか、再任者が出席している場合は、その場で承諾をいただくと、終結と
同時に新たな理事・監事及び評議員がスムーズに就任することができます。

 また、増員の時等で、ただちに審議に参加してもらいたいときは、その場で
就任に同意いただき、直ちに理事として就任することに問題ありません。

 定時社員総会・定時評議員会に出席している再任者がその場で就任したこと
を議事録に記載した時は、登記の際、添付書類となる就任承諾書は省略するこ
とができます。


【補欠(補充)・増員の任期】
 補欠とは、補欠者をあらかじめ選任しておく場合に限ると理解されている時
期もありましたが、内閣府FAQが改められて「前任者が任期の満了前に退任
した後に、補欠者を選任する場合も該当しうると解されます。」とされている
ことから、いわゆる補充の場合も同じように扱われます。

<理事>
 一般的には理事の任期が一斉に満了するように任期を揃え、事務手続きの簡
素化を図ることができるように「補欠又は増員により選任された理事の任期は、
他の理事の残任期間とする。」という趣旨の定めを定款に規定することは有効
です。

 理事は、補欠又は増員の場合でも、定款の定めによる任期の短縮は可能とな
ります。

 なお、理事全員が辞任した場合は、その任期は残任期間ではなく、定款に定
めた任期となります。

<監事>
 任期満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期については、
定款によって前任者の残任期間までとすることができます(一般法人法67条2
項、177条)。

 しかし、増員監事については、理事の場合とは異なり、この定めをすること
はできません。

 これは、一般法人法に補欠監事の任期については、退任した監事の任期満了
する時までとすることができる旨を規定していますが、増員監事については、
そのような規定は設けられていないからです。

<評議員>
 任期満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期について
は、定款で前任者の残任期間までとすることができます(一般法人法174条2項
)。

 しかし、増員評議員については監事と同じ扱いで、理事の場合とは異なり、
この定めをすることはできません。

 これは、一般法人法に補欠評議員の任期については、退任した評議員の任期
満了する時までとすることができる旨を規定していますが、増員評議員につい
ては、そのような規定は設けられていないからです。

 監事・評議員の増員につきましては、事務手続きの簡素化を図るための任期
短縮はできませんので、実務的には、増員された監事・評議員は、他の監事・
評議員の任期満了の際、辞任により任期を合わせるようにしています。


【定款の員数を超えた理事・監事及び評議員の選任】
 理事・監事及び評議員を定款に定めた員数を超えて選任したい時は、定款の
変更が必要となります。定款の変更は社員総会・評議員会の特別決議が必要で
あり、理事・監事及び評議員の選任も社員総会・評議員会の普通決議が必要と
なります。

 このような場合は、「定款変更」と「理事・監事及び評議員の選任」を同時
に決議することができます。

 その決議の際に注意することが、以下の2点あります。
 1 議決権のある社員、評議員の出席が3分の2以上であること。
 2 先に「定款変更」議案を決議し、その後「役員選任」を決議すること。

 定款の変更は特別決議のため3分の2以上の出席が必要であり、定款の変更
により理事・監事及び評議員の員数枠を広げる決議をしてから、理事・監事及
び評議員の選任を行うことで成立します。議案の順序が後先にならないように
注意をしてください。



■報酬等
 理事・監事及び評議員と法人は委任関係にあり、民法上無報酬が原則であり
、特約がなければ報酬を請求できないことになっています。しかし、今日の重
要な影響をもたらす委任は、多くの場合は定款の定め、社員総会・評議員会の
決議による特約により有償としております。

 報酬等は、認定法5条13号において法人の理事・監事又は評議員としての職
務遂行の対価に限られます。

 また、報酬等の支給については、資金の不当流出を防ぐため認定法5条13号
及び20条(不当に高額な支給基準)の規制を受け、「役員等の報酬規程」等を
定めて行政庁へ提出するとともに、その規程を公表しなければならないことと
されています。

 無報酬の理事・監事及び評議員への費用の支払は、実費相当額となっており
ます。しかし、僅少な額の交通費等につきましては個別計算も大変で概算払い
をしていることが多いかと思います。

 税法上も習慣として一定額は認めているようですが、せいぜい3,000円が上
限のようです。これを超える場合は、報酬として取扱われます。

<理事>
 理事の報酬等の額は、定款に定められていないときは、社員総会・評議員会
の決議で定めることとされています。これは、理事会で自分たちの報酬等を決
定する「お手盛り」となることを防ぐためです。

 実務的には、報酬等の総額を定款に定めてしまうと、改訂のたびに定款変更
手続を行うことになるので、その総額については社員総会や評議員会の決議で
決定しています。

 一般法人の場合は、個々の具体的報酬額は、その総額の範囲で理事会の決議
で定めることで差し支えありませんが、公益法人においては、理事の各人別の
具体的な金額を理事会に一任することは、どのような算定課程から具体的な報
酬額が決定されるのかを第3者が理解することは困難であり、認められません
(内閣府FAQ問5-6-6-2)。

 その法人の使用人として受ける財産上の利益は報酬等に含まれません。
 使用人を兼務する理事が、常勤理事の職務分と使用人分の2人分を受けるこ
とはできません。単純に合算でなく調整が必要なことにご注意ください。

 また、ガイドラインにおいては、実費支給の交通費等は報酬等に含まれず、
使用人と並んで等しく受けるその法人の通常の福利厚生費も含まれないとされ
ています。

<監事>
 監事の報酬等の額は、監事の地位の独立性を報酬の面でも確保するために、
理事の報酬等と区別して、定款にその額を定めていないときは、社員総会・評
議員会の決議によって定めなければなりません。

 実務的には、社員総会・評議員会の決議によって定められています。監事は
、報酬等の議案については社員総会・評議員会で意見を述べることができます。

 また、監事が2人以上いる場合において個々の監事の受けるべき報酬は、総
額の範囲において監事の協議によって定めなければならず、理事会・代表理事
が関与することはできません。

 しかし、監事の協議とは、全員一致の決定をいいますので、実務的には、協
議の基礎となる原案の作成は理事・代表理事が行い、これを監事全員が了承す
るという形式が多くなっています。

 監事は法人に対し、監査に必要な費用について、事前又は事後に請求するこ
とができると定められています。

 監査費用とは、監事が善管注意義務に基づいて理事の職務執行を監査するた
めに必要な一切の費用をいい、実地調査のための費用、調査研究・セミナーの
参加費、補助者を使用して調査させるための費用も含まれます。

<評議員>
 評議員の報酬等の額については、定款で定めなければならないとされ、理事
・監事の報酬のように評議員会等の決議では定められません。これは、評議員
が理事からの独立性を確保するためです。

 定款においては、報酬の総額を定めることで足り、個々の評議員の報酬額は、
その総額の範囲内で評議員の協議等によって定めることで差し支えありません。

 なお、評議員が無報酬の場合は、定款にその旨を定めることが必要です。


 今号はこれで終わります。
 
 次号からは「理事会」について、テーマごとに法人運営において実務的には
どのように対応していくのか、事例を織り交ぜながらシリーズで解説します。

    
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