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文学フリマ直前! チーム一万字メルマガの予習特集!


カテゴリー: 2014年05月01日
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╋■┛ 一万字メルマガ 第4号
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             2014.05.01
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「文学フリマ直前! チーム一万字メルマガの予習特集!」

目次 
 1.コラム「文学フリマに出ます」市村
 2.小説「聞かなくてもおシエテ」てって
 3.妄想日記「馴れ初め」ハヤト
 4.コラム「コメダ珈琲のアイスコーヒーは美味しい。あとシロノワールも美味しい」まなき
 5.小説「水に浮かぶドラゴン」てって
 6.小説「月と道」市村
 7.小説「シクラメンのディエス」てって
 
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■1.コラム「文学フリマに出ます」市村
 
 文学フリマに出ます。

 そもそもは小説を書いてみようじゃないかブームがあって。「長い物語とか、起承転結とかできないから、一場面だけで何も起こらなくてもいいじゃんか」と言って書き始めたら、それくらいならなんとか書くことができて。
 その一つ一つは1000文字いくとかいかないとかの文量ではあったのですが、それでも一つ一つの雪の結晶が降り積もって、積雪になったみたいに、いつの間にか景色を変えるような何かがそこにできていました。

 文学フリマに出るにあたって、一番最初にあったのは、文学フリマに出てみたいという単純な好奇心というか、そういう安直な思い付きが先にあっただけなので、そこからじゃあ何を出そうかと考え始めたのですが、いやはや締め切りに追われて結局今までの小説を本にするということになり、実際に自分で書いた小説を紙の上で読むとまた違うものです。

 なんというか、ディスプレイに表示された文字というのは、所詮バックスペースキーを押してしまえば消えてしまうものであるし、ファイルを右クリックして削除するか、はたまたドラック&ドロップでゴミ箱の上に持って行けば、無と返すものであるのですが、実際に紙に印字された文字たちを目にしたとき、ああ、はじめましてっていう気分になったのです。

 今回作ってできたものが優れたものである自信なんてどこにもなくて、というより優れたものを目指してもいなくて。もちろん言い訳でもあるのだけれど、それよりも先にあるのは、やはり一つの作品にするという、一つの本にするというところが到達点としてあると思っています。

 つまりは今までは小説をただ書くことがゴールだと思っていたところ、メルマガに載せることがゴールになり、そしていま本にするところがゴールになったわけで、次回からはこの新しいゴールを目指してスタートを切ることができるわけです。

 それには更なる助走が必要かもしれないし、更なる体力が、そして筋肉が必要かもしれませんが、それらはやはりこの新しいゴールが見えたことによって必要となったわけで、今までと同じゴールを目指すのであれば必要性すらも感じなかったものなのでしょう。それこそが俗に言う成長というものなのかもという期待すらありまして。

 何が言いたいかというと、特にべつに言いたいことなんてありません。でも何も考えずにぴょんぴょん飛び石を跳んできたら、なかなか遠くまで来ることができたかなというところもあり。
そして何よりこのままぴょんぴょん跳んでいければ、いつかどこかにある向こう岸に辿り着くかもしれないという希望もあり。そのいつかがずーっと向こうの話でも、それならばとぴょんぴょんぴょんぴょんただ跳び続ければいいやと、そして跳び続けることへの自信はまあなくもないというところなのであります。

ひとまず、文学フリマに出ます。

これは一歩です。
ぼくらが跳んできた、
何歩目かの一歩なのです。


●市村 @ichimura_LHF
一万字メルマガ編集長。
記事としてはコラム・小説・ネタ企画等、
一番幅広いジャンルで執筆。
ブログ「市村の感想」
http://ichimura11.seesaa.net/
ラジオ「LHFポッド"TAKEOUT"」
http://left-hand-flemings.seesaa.net/

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■2.小説「聞かなくてもおシエテ」 てって


 水辺で戯れる二匹の白鷺を眺めていた。

 会社を首になった私は、大きな田んぼの近くにある公園のベンチで人生の休息を取っていた。しばらくすると、ジャングルジムの隙間から隙間へすいすいと昇り上がる少年がふとこちらを見た。なんだろうと思い、目を合わせ続けていると、その少年は指でなにか私に向かって合図を出した。
 その瞬間、私は頭に強い衝撃を感じた。


 水辺で戯れている二匹の白鷺を眺めているおじさんを見つけた。

 学校帰りに友達と新作のゲームについて盛り上がっていると、いまでも頻繁に友達と集まって遊んでいる公園に見慣れない背中がみえた。なんだかその人はどんよりとしていて、その人の周りからゆっくりと自分たちの公園が得体の知れないなにかに汚されていく気がした。嫌だな、そう思っていると、友達が「あのおじさんを驚かせようぜ」と提案してきた。いけないことだと思ったが、もしかしたらこの公園から出てってくれるかもしれないと思い、賛成した。

 僕はおじさんの気を引くために、座っているベンチの近くにあるジャングルジムに登った。ジャングルジムは昔から大好きで、わざと危なく、難しい登り方を披露してやった。狙い通り、登りきった僕とおじさんの目が合った。おじさんの後ろ、ベンチの後ろから近づく友達に合図を送る。

 いまだ。


 おじさんの頭がぐにゃりと歪んだ!?
 友達はそんなに強く頭を棒で叩いたのだろうか!?
 友達も「うわぁ」と声を出して驚き、その場で転んでいた。
 まるで粘土を粘土ベラでつぶしたようにぐにゃりと歪んだおじさん。


 驚いたかい?
 僕の頭の上から声がする。
 驚いて危うく落ちそうだった。
 そこにはベンチに座っていたおじさんとそっくりのおじさんがいた。


 あれは、粘土で作ったんだ。驚いたろう。

 おじさんは自慢げにそう言った。
 
 
●てって @tete_LHF
一万字メルマガでは主に小説を担当。
一筆書きのように一行目から最後まで一気に書き上げる。
ラジオ「LHFポッド"TAKEOUT"」
http://left-hand-flemings.seesaa.net/

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■3.妄想日記「馴れ初め」ハヤト

前号で明かされたハヤトの妄想力。
そしてついに、ハヤトの妄想日記がスタート!
今から書くことは全て妄想です。

☆☆☆☆☆

その日は特に何をするでもない1日だった。

何もしない1日がたまにはあってもいいが、このまま今日と言う日を締めくくるのもなんだか味気ない気がしたので、雰囲気のよさそうなところにふらっと入り、食事をとる事にした。
店の規模は30人程度は入るようだが客はまばらで、薄暗い照明の手伝いもあり、今の気分にはもってこいの店に思えた。僕はカウンター席に座り、日常に背中を向けた。
ポテトをつまみジンジャエールを体内に流し込みながらぼんやりしていると、僕から2つ席を空けて女性が椅子に腰を下ろした。

気になる。僕は女性が好きだ。セミロングの緩めにパーマのかかった髪のせいで横顔は見えないが、気品を感じる。普段テーブル席に座ると周囲の奇麗な女性に視線を注ぎ食事に集中できなくなるからとカウンターにしたのに、迂闊だった。絶対綺麗だこの人。また今日も、食事に集中できなそうだ。

声をかけて上手い事話が運んでいく妄想を何パターンか繰り返していると、彼女は食事をオーダーし、彼女の右手にあるトイレへと立ち上がった。どこかで聞いた事のあるような声の気もしたが、今は思い出せなかった。
とりあえず今集中しなければならない事は、彼女がトイレから帰ってこちらへと戻ってくる時に、わざとらしくなく彼女の顔を確認することだ。僕は視線を目の前の皿に向けながら、聴力をはじめとする他の神経をトイレのドアが開く音に向けていた。チャンスは一度しかない。

少し錆びたような音を感じ取り、僕は何食わぬ顔でそちらに視線を向けた。

目を疑った。

まさか・・・いや、本当なのか?いや、でも間違いない、先ほどのオーダー時の声を組み合わせると、おそらく98%間違いない。声をかけるべきか。しかし彼女はプライベートを楽しんでいるのだ。無粋な行為がせっかくの彼女の貴重な時間を台無しにしてしまう。

しかし、いつもは引っ込み思案な僕が、この時ばかりは強い好奇心と邪な妄想にとりとかれてしまったのであった。

「あの・・・堀北・・・真希さんですか?」


●ハヤト @haccyo18
主にお菓子や文房具のコラムを担当。
その独自のこだわりと卓越した妄想力が魅力。
ブログ「ハッチョの聖域」
http://haccyo18.seesaa.net/


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■4.コラム「コメダ珈琲のアイスコーヒーは美味しい。あとシロノワールも美味しい」まなき

みなさんは珈琲を飲みますか?私は結構飲みます。適度な量の珈琲はストレスを軽減し、体に良い効果も複数あります。あと知的な雰囲気を演出してくれます。
一日12時間くらい寝ているノンストレスな生活なのにこれ以上ストレスを軽減して、僕はどうするのでしょう。わかりません。だれか教えてください。
でもごろごろ読書して一日が終える生活はとても楽しいです。ぐうたら最高です。
 
珈琲と聞いて私が最初に頭に浮かぶ小説は村山由佳さんの『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズです。村山さんは他に有名な著書として『天使の卵』などがありますよね。読んだのは確か高校生の頃でした。内容としては主人公と年上の女性との恋愛物です。年上の女性が好きな方、年下の男性が好きな方にはお勧めできる小説だと思います。
自分自身は恋愛物をあまり好んで読んでいなかったのですが、当時クラスメイトだった可愛い女の子に勧められたので信念とかこだわりとかをすばやく教室のゴミ箱に捨てて読んだ記憶があります。ちなみに彼女はのちにクラスの他の男子と付き合いました。呪いですよね。
シリーズ物なので結構な量がありましたが、内容はあんまり覚えてないですね。ただ読んだ口実で彼女に話しかけるのはとてもドキドキしたものです。いいですよ。ビバ青春ですね。
 
そんなわけで何かをする際に、周りの環境はかなり大事だと思うのです。今回で言えば『小説』が何かで、『環境』が彼女です。本を読む際にも出来る限り良い環境で読みたいですよね。
みなさんどこで本を読みますか?私は長距離移動するときの電車の中が一番集中できる気がします。湘南新宿ラインとかいいですよね。長いですから。あとコメダ珈琲でも好きです。最近は暇なのでコメダ珈琲に良く行きます。
甘いアイスコーヒー美味しいです。5時間くらいいます。どうしましょうか。僕どうしましょうか。でも家の家事から逃避して飲むアイスコーヒーは蜜の味がします。
 
コメダ珈琲のアイスコーヒーは先ほど美味しいと書きましたが、それは正確な表現ではないような気がします。いま実家にふらりと帰ってきて『仕事やめちゃった報告』をして、お母さんの淹れてくれた珈琲を飲んでいますが、やはりこれも美味しいです。
正直味とかあんまり分かりません。だったら家で珈琲を飲めばいいじゃないと思いますが、やはり珈琲が飲みたくなるとコメダ珈琲に行くのです。これもきっと『環境』のせいだと思います。
おもに喫煙席のソファが気持ちいいところが大きなポイントです。サービスで出てくる豆も癖になる味です。
余談ですが最近「ジョージア ヨーロピアン」のCMを見られた方いらっしゃいますか?
CMの内容としては有名な珈琲店で出された珈琲を飲んだ人たちが美味しい美味しいと飲むのですが、実は缶コーヒーだったってCMです。あの『美味しいですね。香りがフルーティーですよね』の人を観るとなんだか面白いような恥ずかしいような気分になります。
よろしかったら
http://www.cocacola.co.jp/press-center/press-release/news-20140403

『環境』を考えるとき、ヨーロッパで話題になった本があるのでご紹介します。
その一節にこのようなものがあります。『私が教会を訪れると二人の先客がいた。一人は青年で、一人は老婆だった。彼らの席は離れていた。
きっと知り合いではないのだろう。だが彼らは祭壇に向かい祈る。それも同じように手を体の正面で組みながら祈っていたのだ』(祈りが作る教会 p124)
これは色々と異なる二人が同じ行動をしているのはなぜなのか?という疑問を提示する一節で、結論から言えば祈るのは教会という環境がそうさせるのであって、また教会という環境を作るのもまた人々が祈るからだということになっています。
難しいように思えて、言っていることはかなり単純です。
コメダ珈琲に例えると、お店が珈琲を飲む場所を提供しているのと同時に、珈琲を飲むお客さんがその場を作っているとも言えるよねってことです。
トイレで色々したくなるのは、色々とトイレでしているからだよねってことです。
大丈夫です。分からなくても大丈夫です。シロノワールが美味しいってことだけ伝われば万事おーけーです。本当はこんな本ありませんから。お風呂で考えましたから

ただ

 『きっと珈琲を飲むという行為は、その場に蓄積していって、次の人の一杯に繋がっている。だからこの420円にはそれ以上の価値があるんだ』

うん。きっとそうだ。さあみんなでコメダ珈琲に行こう。
 
●まなき @haccyo18
今号から参加した新メンバー。
コラムと小説どちらも書ける。
最近はカフェで小説を読むのが日課。

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■5.小説「水に浮かぶドラゴン」てって

 プールに水が張ってある。
 
 果たして、この表現は正しいのだろうか。プールは、水が張ってあってこそのプールなのではないのだろうか。つまり、プールという言葉自体に水が張ってある状態を含めてあるのであれば、プーニに水が張ってあるという表現は腹痛が痛いのような過ちを犯していることになるだろう。折角、格好つけた始めの一文があわや没落の危機である。
しかし、いやしかし、そこで助け舟を漕ぎ出したのが、プール掃除という言葉である。プール掃除をしたことがある人間はおよそどのくらいいるのだろうか。ここから先、プール掃除未経験者はまだ見ぬプール掃除というものの情景に頭を巡らせながら、胸を膨らませながら聞いていてほしい。
そして、プール掃除をしたことがある人ならば気がついたであろう。そう、プール掃除を行うとき、プールに水は張っていないのだ。おぉ、プール掃除よ、その美化活動のおかげでプールという言葉のみでは水が張ってある状態を含まないことが証明されたではないか。
良かった。始めの一文の格好の良さは守られた。プールは、ただ水を溜めることが可能なスペースのことだったのだ。

 僕の教室の入り口上方には、五年一組のプレートが横向きに突き刺さっている。担任の先生が授業始まりのチャイムと同時に戻ってきて、起立礼着席の後、五時間目にプール掃除を行うということを話し始めた先生が、二言目からいきなりトチ狂ったと思ったら上手いことプール掃除の偉大さに繋げてきてややむかついた。

 というわけでいまからプール掃除をします。全員、体育着に着替えてプールに集合してください。
 ひと呼吸置いてから丁寧な口調で説明した後、先生は教室を出て行った。おそらく鍵をとりにいったのだろう。女子達は体育着を抱えて隣の空き教室にぞろぞろと向かう。僕の特技は早着替なので先生が指示を出し終えた瞬間には着替え終わっていた。
別にプール掃除が楽しみなわけではない、友達が驚くことが嬉しく、早着替えを披露しているのだ。そんなわけで一番にプールについた僕はそこにある水の張っていないプールを見てなんとなく違和感を感じた。去年は去年の五年生がやってくれたプール掃除。
今年は僕たちの番で、つまり去年は水の張ったプールばかり見ていた僕は、水の張っていないプールがなんだか不気味に見えた。少し、怖かった。

 お、早いな。

 先生が鍵の音を鳴らしながら近づいてきた。先生もプールを見る。

 教室ではああ言ったが、やっぱり、水が張ってないとプールとは言えないよなぁ。

 そう言った先生の声は、いつもより静かに聞こえた。
 
●てって @tete_LHF
一万字メルマガでは主に小説を担当。
一筆書きのように一行目から最後まで一気に書き上げる。
ラジオ「LHFポッド"TAKEOUT"」
http://left-hand-flemings.seesaa.net/
 
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■6.小説「月と道」市村

 月は満ちて、道は尽きていた。
 丸々と膨らんだ月は淡黄色い眩しさを携えて、暗闇の上に浮遊していた。周りに散らばるお星様たちは、そんなお月様に遠慮するかのようにその光を弱め、雲はそれらの邪魔にならないように慎重にその形を変え続けていた。
 桶田はこんなときでも、いやこんなときだからこそか、空を見つめてのその美しさを感じていた。
 目の前にある銃口から目をそらさずにはいられなかったからだ。
 現実とはときに鋭く自分に牙を向くものなのだと、桶田はこのとき実感していた。本当なら今ごろ、セブンイレブンで買ったカップラーメンを食べながら、一昨日録画したお笑い番組を観ている頃だろうに。
しかしながら選ばれた方の現実では、自分は男に銃を向けられている。両膝を地べたに着け、両手を頭の後ろで組み、口には布製のガムテープを貼られている。今自分が許されているのは呼吸と瞬きくらいのものだろう。そんなことを桶田は考えていた。人はなるほど状況に寄れば、一つの呼吸に尊さを感じ、一度の瞬きに有難さをも覚えるのだ。
時間を少し巻き戻す。それは桶田がセブンイレブンでカップラーメンを買った帰りのことだった。男が現れた、男は銃を持っていた、それをこちらに向けた。
時間をまた現在に戻す。桶田は今考えてみても、なぜ自分がこのような状況にいるのかを理解できていない。口のガムテープは男に「貼れ」と言われて自分で貼った。「どこにですか?」くらい聞こうかとも思ったが、それを実行には移せなかった。
目の前の銃がこちらを向いているからだった。銃が向けられた経験がある者なら、その強制力が分かるに違いない。自分の命の決定権を持った人差し指の前では、人は思考さえも縛られてしまうのだ。
助かりたい。それは確かに頭で思ってはいたものの、どこかでそれが叶わないことを桶田は悟っていた。どんな命乞いもこの男には効きもしないし、もちろん抵抗など試みようものなら、その瞬間に命が終わることが安易に想像できた。
そういう直感もあって、桶田が考えていたのは付き合っている彼女のことだった。付き合って4年になる彼女とは、この前の春から一緒のアパートに住んでいる。「今日は帰りが遅いから。なにか自分で買って食べておいて」。
眠い目を擦っていた桶田に彼女はそう言い、今日の朝出かけていった。まず思ったのは、ありがとうで、次に思ったのはごめんだった。
いつの日か、ふざけてこんなことを言ったことがある。「おまえが一人で生きていくなんて無理だろう。それが嫌なら先に死ね」彼女はそのとき「分かった」と言った。でも、先に死ぬのは。

そして、桶田はここで死んだ。

桶田を撃った男の名前は、椎名と言った。

●市村 @ichimura_LHF
一万字メルマガ編集長。
記事としてはコラム・小説・ネタ企画等、
一番幅広いジャンルで執筆。
ブログ「市村の感想」
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■7.小説「シクラメンのディエス」てって

 空を見ながら寝転んでいた。

 人によっては「寝転びながら空を見る」かもしれないが、僕は空を見ながら寝転んでいた。芝生がちくちくと首をくすぐり、気付くとアリが僕に登っているようなところで、僕は寝転んでいた。春が始まり、空気がくすぐったい。
そのくすぐったさが心地好くて、こうして外で寝転ぶことにしたのだった。冬から春へ、特に何か大きな変化があったわけではない、気温が少し上がっただけだろう。でも、こんなにもなにかが違うと感じるのだから、人間は繊細な生き物なのだと思う。

 あの、

 瞼で、空から目を隠していた僕に誰かが話しかけてきた。しかし、瞼は開かない。熱烈な心地好さが猛烈な眠気を産み出し、僕の脳はそれにやられてしまっていたからだ。仕方ない。無視をする形にはなってしまうが、仕方ない。春のうららかさ故だ、仕方ない。日頃の疲れも相俟っているのだ、仕方ない。仕方なぐっ

 目を開けろ!

 鼻をつままれた!? しかし、瞼は開かない。誰とも解らぬ人に突然鼻をつままれても開こうとしない瞼の重さに僕自身も驚愕していたが、開かないのだから仕方ない。
潰されたことでちょっと出た鼻水が指についたようで「つままれ」から僕の鼻は解放された。あぁ、驚いた。目を瞑っているときに鼻をつままれるとこんなにも驚くとは思わなかった。瞼は開かなかったが。

 ・・・では、そのまま聞いてください。

 ・・・え!? 先程から僕にコンタクトをとろうとしていた人が、なんとこの状態の僕に用件を伝えようとし始めてしまった。普通、寝てる人に話し始めるだろうか、そんなに大した用件じゃないのだろうか、大した用件でないのならば鼻をつまむことは無かったんじゃないだろうか。
瞼を閉じたまま話しを聞くことに多少の申し訳無さを感じてはいたが、開かないものは仕方ない。それに加え、眠気は聴覚も朦朧とさせるようでなに言ってるのかもよくわからない。ごめんなさい。

 ・・・というわけなんです。

 


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◆編集後記◆

つーわけで、第4号でございます。文学フリマ直前になってしまいましたが、一応出るにあたって何か書いておこうと、コラムを書かせていただきました。とりあえず「一万字メルマガ」として文学フリマに出ることになったので、次号は文学フリマを終えてみての感想を特集にしようかなと思います。
メンバーに関しては新しい仲間が増えました。今回から参加したまなきは、実は以前ぼくとてってと小説を書いていた仲間でもあって。これがまた僕ともてってとも違った文体の小説で、とても面白いのです。この文体の違いについて3人で話し合ってみるのも面白いかもしれませんねー。
これからも随時メンバーは増やしていきたいと思います。その中でまた新しい企画なんかもやっていけたらと思いますのでね。いやいや面白くなってきますね。
次号も是非よろしくお願いします!
編集長・市村

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