バートランド・ラッセルの言葉366

n.1308 ラッセル『権力』第14章 競争 n.8


カテゴリー: 2018年02月06日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
  からご紹介していますが,「ラッセルの言葉366」では,日本語にした時の'内容'
  に注目して,ラッセルの発言をご紹介していきます。
  読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありま
  したら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『権力』(Power, 1938) 第14章 競争 n.8
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 第14章 競争,n.8

 自由主義者が(少なくとも)理論上は自由にしておきたいと思っている,(政治)
宜伝における競争は,武装した(軍備を持った)国家間の競争と結びつくようになっ
てきている。あなた(がた)がファシズム(全体主義)を説くならば,その最も重要
な効果(effect 結果)は,ドイツとイタリアを強化することである。(また)あな
た(がた)が,仮に共産主義を説いても,共産主義をもたらしそうもないけれども,ロ
シアが次期の戦争で勝利するのを助ける(ことになる)かも知れない(注:本書は第
二次世界大戦直前の1938年に出版されたことに注意)。もしあなた(がた)が民主主
義の重要性を強く主張するとすれば,チェコスロヴァキア防衛のためにフランスと軍
事同盟を結ぶという政策に支持を与えていることに気づくであろう(注:これで "You
 あなた(がた)"というのは、英国民あるいは第二次世界大戦時の連合国側の国民で
あることがわかる。/ lend support to ~を支持する)。ロシアとイタリアとドイツ
が,次々と(政治)宣伝の自由の原則を放棄したことは驚くべきことではない。とい
うのは,これらの国々の現政府が(政権獲得)以前にこの原則を採用したことが自分
たちの先任者(前政権)を駆逐することを可能にしたのであり,そうして、その原則
を継続させたならば,彼らの政策実行を全く不可能にしてしまったであろう。今日の
世界は,18,19世紀の世界とは非常に異なっているので,(政治)宜伝における自由
競争を支持する自由主義者の論拠(議論)は,それが妥当なものであり続ける限り,
注意深く現代の用語(言葉)で述べ直す必要がある。私としては,それらの論拠は大
いに妥当性を保持していると信じているが,併せて,理解するのが重要であるところ
の(種々の)制約の対象となる、と信じている。

Chapter 14: Competition, n.8

Competition in propaganda, which Liberals, in theory, would leave free, has 
become connected with the competition between armed States. If you preach 
Fascism, your most important effect is to strengthen Germany and Italy; 
if you preach Communism, you are not likely to bring it about, but you may 
help Russia to win the next war; if you urge the importance of democracy, 
you will find yourself lending support to the policy of a military alliance 
with France for the defence of Czechoslovakia. That Russia, Italy, and 
Germany should have successively abandoned the principle of freedom in 
propaganda, is not surprising, for the previous adoption of this principle
 enabled the present goverrments of those countries to overthrow their 
predecessors, and its continuance would have made the carrying out of their
 own policy totally impossible. The world at present is so different from 
that of the eighteenth and nineteenth centuries that the Liberal arguments
 for free competition in propaganda, in so far as they remain valid, need to
 be carefully re-stated in modern terms. I believe that they retain a large
 measure of validity, but that they are subject to limitations which it is
 important to realize. 
 出典: Power, 1938.
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