バートランド・ラッセルの言葉366

n.1214 ラッセル『権力』(Power, 1938) 第9章 世論に対する力 n.12


カテゴリー: 2017年10月11日
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 「ラッセルの英語」では,英語の学習に参考になりそうな例文をラッセルの著作
  からご紹介していますが,「ラッセルの言葉366」では,日本語にした時の'内容'
  に注目して,ラッセルの発言をご紹介していきます。
  読者と一緒に育てていきたいと思っていますので,誤訳や不適切な訳等がありま
  したら,お知らせいただければ幸いです。

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 ラッセル『権力』(Power, 1938) 第9章 世論に対する力 n.12
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 第9章 世論に対する力(世論に対する影響力) n.12

 宣伝の問題における組織化と統合化の効果(影響)は,他の問題においてと同様,
革命を遅らせることであり,革命が起こればその革命を一そう烈しいものにすること
である(注:革命を阻止する組織的宣伝は,革命を起こそうとする人たちの抵抗を増
大させるとともに,革命後には反革命をつぶす力になる,ということ)。たった一つ
の教え(doctrine 原理原則)しか公式に認められてない場合には,人々がそれ以外
の教えについて考えたり,比較検討したりする習慣をまったく持たない(持たなくな
る)。(そうして)情熱的な反逆の大波のみが,そのような正統説(orthodoxy 通説)
を王座から追い払うことができる。このような反対(敵対)を心からのものかつ激し
いものにして成功をおさめるためには,政府の考え(注:governmental dogma 政府
によって公認された考え)のうちの真実なもの(正しいもの)さえも否定する必要が
あると思われるであろう。否定されない唯一のことは,直ちに何らかの正説を打ち樹
てることの重要性であろう。それこそ,勝利するには必要なことだと考えられるだろ
うからである。従って,合理主義の見地から言えば,全体主義国家における革命の可
能性は,必ずしも喜ぶべき理由にはならない。もっと望ましいことは,安心安全の感
覚がしだいに増し,それが熱意の減少を導き,怠惰であることへの除幕(開始)を与
えることである。これこそ,全体主義国家の統治者(支配者)における最大の長所
(美徳)である。ただし,唯一の例外として,全体主義国家が存在しないということ
を除いてであるが(注:with the sole exception of non-existence. 全体主義国家
がないのが一番よいが、全体主義国家が存在するという前提においては、~というこ
とが全体主義国家の

Chapter IX: Power Over Opinion, n.12

The effect of organization and unification, in the matter of propaganda as 
in other matters, is to delay revolution, but to make it more violent when 
it comes. When only one doctrine is officially allowed, men get no practice
 in thinking or in weighing alternatives ; only a great wave of passionate 
revolt can dethrone orthodoxy; and in order to make the opposition 
sufficiently whole-hearted and violent to achieve success, it will seem 
necessary to deny even what was true in governmental dogma. The only thing
 that will not be denied will be the importance of immediately establishing
 some orthodoxy, since this will be considered necessary for victory. From a
 rationalist standpoint, therefore, the likelihood of revolution in a 
totalitarian State is not necessarily a ground for rejoicing. What is more
 to be desired is a gradual increase in the sense of security, leading to a
 lessening of zeal, and giving an opening for laziness-the greatest of all 
virtues in the ruler of a totalitarian State, with the sole exception of 
non-existence.
 出典: Power, 1938.
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