知的財産と調査

新年明けましておめでとうございます


カテゴリー: 2017年01月09日
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平成29年1月9日

            知的財産と調査
                            第37号
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 新年明けましておめでとうございます。

 本メールマガジンでは、

 弁理士である著者が、知財に関するニュース、セミナーの情報、書籍の
 紹介の他、特許調査等で役立つ実務上のテクニックをお伝えします。

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■弁理士の角田 朗です。本号もよろしくお願いします。

第37号のメニューは以下になります。

■知財アナリスト講座終了
■重要度が増す不正競争防止法
■知財の新刊紹介
■知財に関するセミナー紹介
■編集後記
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■知財アナリスト講座終了
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昨年11月より受講していた、知的財産アナリスト講座(特許)ですが、1/4に
課題(実技試験)を提出し、合否を除いて全日程が終了しました。前回も書き
ましたが、全体として良い内容だったと思っています。

PatentMap EXZ等を用いて特許の分析を行って、感じたことを書いてみます。

分析ツールを使って、様々な会社の出願動向や、提携先等を探すのは洞察力が
必要な仕事と感じました。分析ツールの操作も、特許検索データベースに比べて
難しくと感じます。

それゆえ、特許分析は特許調査よりも難しいと言われる方が少なくありません。
一面ではそうかもしれません。

しかし、X軸、Y軸、グラフの種類等をどのようなものにするか選択し、マップ化
して考察する。
これは個人のスキルよりも、ツールの機能に依存する面が強いと感じました。

Excelでもパテントマップ作成ができない訳ではありませんが、軸やグラフの種類
を次々に切り替えて考察する。これはExcelでは不可能です。
すなわち、職場にそれなりの価格のツールを導入しなければ分析はできません。

弊所では開業から5年経過して、ようやくPatentMap EXZを導入しましたが、
特許事務所や中小企業にとっては、100万円以上するツールを導入するのは、
かなりハードルが高いでしょう。

そして本当に難しいのは、発明の技術的思想や請求項の記載を理解し、発明が
新規性・進歩性を満たすのか、製品が他社特許の権利範囲に属するのかという
法的、技術的な判断です。

明細書作成を身に付けるには10年かかるなどと言われます。これは、技術的思想
を理解でき、文章として表現できるようになるまで、長い年月が必要なためです。

無効資料調査や侵害予防調査は、技術内容に理解に加え、無効論や侵害論が
関係しますので、特許の分析よりも難易度が高いと感じています。
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■重要度が増す不正競争防止法
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最近、コメダ珈琲の店舗外観・内装をまねた和歌山の喫茶店店舗の使用差止を
認める仮処分決定がありました。わが国にはトレードドレスの制度はありませんが、
不正競争防止法第2条1項1号を根拠とする判断です。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1428023

そして、ご承知の通り営業秘密関係は、不正競争防止法第2条1項4号から10号に
規定があります。一昨年の法改正では10号が新設され、営業秘密侵害品の譲渡、
輸入等も不正競争行為となりました。

さらに、食品の原産地虚偽表示等は景品表示法の他、不正競争防止法第2条1項
14号でも規制されます。

不正競争防止法は第40条までの小さな法律です。かつては商標法等を補完する
法律という位置づけでした。しかし、不正競争防止法の注目度が俄然増しています。
時代の要請と合っているのでしょう。
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■知財の新刊紹介
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1.「競争力を高める電気系特許明細書の書き方」
https://www.amazon.co.jp/dp/4827112797/
電気分野は、いわゆるビジネス特許、現在の国際標準化とネットワークの普及に
関する対応する技術等、開発技術が目まぐるしく変わっていますが、広く強い権利
を取得できるよう出願人に提案するノウハウを公開したとのことです。

2.「営業秘密防衛Q&A-内部不正による情報漏洩リスクへの実践的アプローチ」
https://www.amazon.co.jp/dp/4818516090/
1月下旬発売の近刊です。大手法律事務所の弁護士さんによる執筆です。
ページ数も100ページ強なので、手軽に読めそうです

3.「Law&Technology 74号」
https://www.vplab.org/lt/LT74_index.pdf
特集は改正個人情報保護法ですが、特許権の譲渡とライセンサーの契約上の
地位の移転や最近の判例研究も採り上げられています。

4.「入門図解 特許・商標のしくみと手続き (すぐに役立つ)」
https://www.sanshusha.co.jp/np/com_soon.do
1月下旬発売の近刊です。特許異議の申立て、職務発明制度の見直し、地域団体
商標の登録主体の拡充、色彩・音などの商標登録など法改正に対応した一般向け
入門書です。

5.「初めての人のためのビジネス著作権法」
http://www.biz-book.jp/isbn/978-4-502-21071-6
ビジネス文書・プレゼンテーション資料などで他社の著作物を適法に利用するための
考え方を明らかにし、一問一答で構成されています。
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■知財に関するセミナー紹介
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1.第16回JIPA知財シンポジウム
https://www.jipa.or.jp/form/16sympo.html
1/31(火)開催です。第4次産業革命がこれからどのように進展するかを認識し、
今後のビジネス展開とそれに対応した知財制度・知財戦略のあり方を考えたい
とのことです。知財協の会員以外でも無料で参加できます。

2.グローバル知財戦略フォーラム
http://www.ip-forum2017.com/program/
2/13(月)、14(火)開催です。第4次産業革命時代に向けてイノベーション創出に
取り組む大企業、中小・ベンチャー企業、大学等研究機関等の事業戦略とその
ための知財戦略・人材育成等を採り上げるとのことです。

3.知的財産国際交流シンポジウム「IoT時代の日米欧のイノベーション力」
http://www.jiii.or.jp/ip-community/index.html
2/10(金)開催です。アメリカ・ドイツから知的財産の専門家を招いて、IoT時代の
日米欧のイノベーション力について、講演・パネルディスカッションがあります。

4.インフォプロのための著作権セミナー
http://www.infosta.or.jp/seminars/semi20170303/
3月開催、INFOSTA主催のセミナーです。著作権制度の概要や改正内容、
インフォプロが知っておくべきポイント、今後の動向などについて、わかりやすく
解説するとのことです。

5."非”特許文献の調査方法
http://www.tech-d.jp/chemical/seminar/show/2633
2/1(水)開催、自分が講師を務めるセミナーです。今回は4時間の研修のため、
事例を増やすなどして、非特許文献調査について、詳しく解説したいと思って
います。
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■編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2017年を迎えて、皆さんも計画や抱負があるのではないでしょうか。
弊所は昨年、子会社(株)IPRCを設立しました。今年はIPRCの経営を
軌道に乗せて行きたいと思っています。

具体的には、パテントマップ等分析系業務と、出願前調査等先行技術調査は、
法的な判断を伴わないためIPRCへ移管し、無効資料調査や侵害予防調査は
鑑定的な要素を含むため、角田特許事務所で行うことを考えています。

人の採用や新しいツールの導入も、身の丈を超えない範囲で拡充する予定です。

ご感想・ご意見等、ありましたら、いつでもご連絡下さい。

                              (角田)
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