F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-

【F.M.Letter No.130】


カテゴリー: 2017年11月03日
◇フード・マイレージ資料室 通信 No.130◇
 2017年11月3日(金)[和暦 長月十五日]発行
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◆ F.M.豆知識    地域における食事会等への参加意向等
◆ O. カレント   共奏キッチン♪
◆ ほんのさわり 伏木亨、山極寿一『いま食べることを問う』
◆ 情報ひろば    ブログ更新、イベント情報等
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 めっきりと秋めいてきました。各地からは紅葉の便りが届き始めています。
 時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月の日)と十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は長月十五日の配信です。地域における「共食」を取り上げました。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるようなデータの断片を、毎回一つずつ、コツコツと紹介していきます。

-地域における食事会等への参加意向等-

 農林水産省「食育に関する意識調査報告書」(平成28年3月)は、全国の20歳以上の3,000人(有効回収数率:59.7%)を対象に、調査員が個別面接することにより調査したものです。
 このなかには、地域における共食に関する項目も含まれています(リンク先の図85)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/11/85_kyoushoku.pdf

 地域や所属コミュニティ(職場等を含む。)で食事会等の機会があれば参加したいと思うか聞いたところ、「そう思う」(「とてもそう思う」と「そう思う」の合計) と回答した人は47.7%となっています。
 なお、男女別では男性42.9%に対して女性51.5%と、女性の方が高くなっています。

 また、実際に食事会等に参加した人に「どのようなことが良かったか」と聞いたところ(複数回答)、「コミュニケーションを図ることができた」(86.8%)、「楽しく食べることができた」(76.8%) が特に多く、「地域の状況を知ることができた」(38.2%)、「食の知識や興味を増やすことができた」(24.8%)等も多くなっています。

 一方、参加していない人に「今後、どういう条件であれば参加したいと思うか」と間いたとこ ろ、「友人や知人からの呼びかけ、誘いがあること」(50.0%)、「食事会等が参加しやすい 場所で開催されること」(49.0%)、「食事会等が参加しやすい時間に開催されること」 (46.0%)等を挙げる人が多くなっています。

 このように、地域における共食については、関心を持つ人が多く、また、実際に参加した方は多くのメリットを感じているという状況等が伺えるのです。

[出典等]
 農林水産省「食育に関する意識調査報告書」(平成28年3月)
  http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/ishiki/h28/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
  http://food-mileage.jp/category/mame/

◆ オーシャン・カレント -潮目を変える-
 食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。

-共奏キッチン♪-

 地域における「共食」を実現している取組みに「共奏キッチン♪」があります。
 主催しているのは、共に奏でるつながりを育むコミュニティ・共奏事ム局。代表はたかったー氏 (青柳彰一氏)です。

 2010年秋にスタートして以来、ほぼ月1回のペースで開催されており、現在の主会場は東京・自由が丘のシェア奥沢 (地域とのつながりを大切にするシェアスペース)です。
 また、多摩地方や四国・香川にも波及し、独自に開催されているとのこと。
地域での取組みとはいえ、その地域の住民等に限定されたものではありません。広域的に多様な多世代がにぎやかに集う、誰でも参加できるオープンなイベント(出入り自由)で、 毎回3割位は初参加の方だそうです。

 共奏キッチン♪の流れは次のようなものです。
 17時半頃から来られた人で会場づくりや料理の下ごしらえを始め、18時頃から「クッキングタイム(みんなでつくりま~す)」。20時頃からは「ごはんタイム(みんなでたベま~す)」。そして21時頃からが後半の「対話タイム(最近どうですか~と聞き合いましよう)」。
 最近こころに残った体験、取り組んでいることや関心のあること等をお互い自由に聞き合うという時間です。
終了は22時が目途です(きれいにみんなで後片付け)。

 主な食材は、たかったー氏が知合いの新規就農した農家等から調達。地元(世田谷)の農家の方が野菜を持参して下さるなど、参加者が持ち寄るものもあります。
 いずれも 素性の明かな「顔の見える」食材です。

 みんなで食事を作り、一緒に作る。それだけのことで初対面の人同士でもぐっと距離が近くなり、表面的ではない「対話」が実現します。
 たかったー氏は「言葉にはうまくできないけれど、大切にしたい、分かち合いたいなにかをシェアできる関係性が広がっていったら、今ある社会課題の多くは消えてしまうかも? 多様な個性はそのままに、やわらかな余白のある生き生きとした社会になるかも?」と話されます。

 次回は11月27日(月)に開催予定とのこと。 
 関心を持たれた方は、気軽な気持ちでのぞかれてみてはいかがでしょうか。

[参考]
 共奏キッチン♪ FBページ(次回日程や開催報告など)
  https://www.facebook.com/kyosokitchen 
 共奏キッチン♪のFBグループページ
  https://www.facebook.com/groups/216738481693888/ 
 次回の予定(11月27日(月))
  https://www.facebook.com/events/127222861324209/
 前回の模様(拙ブログより)
  http://food-mileage.jp/2017/10/26/blog-50/

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなるような本の「さわり」だけを紹介します。

-伏木亨、山極寿一 編著『いま食べることを問う』(2006.11、農山漁村文化協会)
 http://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_4540062670/

 本書は、伏木先生と山極先生が10人のゲスト(食文化、食育、農業政策等の専門家)と対談した内容等を収録したもので、「食」について非常に幅広く、かつ興味深い(目からウロコ的な)多くの論点が提示されています。

 伏木先生(栄養科学)は、生命を維持するためのものであった食は、今や楽しみや快感のためのものに変わったとしています。
 つまり、CM等の情報に影響を受けてゲーム化し、分かりやすい味のものばかりが氾濫している現状に対して、
「真の(上品で上質な)おいしさを感じることが本当の食文化」であるとし、さらに「生産者等とのつながり(関係性)を教えることが本当に必要な食育ではないか」と指摘されています。

 また、山極先生(霊長類学)によると、食べものとはサルにとっては争って奪いあうものであり、類人猿(ゴリラやチンパンジー)も分け合うことはほとんどしないそうです。
 しかし人間にとっての食とは、サルや類人猿にはないコミュニケーションの道具であり、「言葉を発明するずっと以前から人間と人間とを結びつけ、和解・共存させる手段だった」とのこと。
 つまり、人間は「共食」することによって人間になったというのです。

 そして「食事は身体を通して交換されるコミュニケーションであるがゆえに、言葉よりあいまいで優しく、しかも影響力が強い」とし、「言葉によるコミュニケーションが低下する現代にあって、食事は文化や世代の壁を平和に乗り越える手段として利用できるのではないか」と期待を寄せられています。
 さらに、より開かれた地域における「食の共同性」を創造していく必要性を強調されているのです。

 そのための具体策と可能性の一端を、先に紹介した「共奏キッチン♪」に見出すことができるのではないかと、私は考えています。

[参考]
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-ほんのさわり」
  http://food-mileage.jp/category/br/

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
○ 太田道灌ゆかりの地・越生をめぐる。[10/22]
 http://food-mileage.jp/2017/10/22/blog-48/
○ 都会と産地をつなぐ “なみへい”と“フロマエ”[10/23]
 http://food-mileage.jp/2017/10/23/blog-49/
○ 共奏キッチン♪@シェア奥沢78[10/26]
 http://food-mileage.jp/2017/10/26/blog-50/
○ 飯田泰之先生「経済学っぽい思考の技術」@明治大[10/27]
 http://food-mileage.jp/2017/10/27/blog-51/
○ 冨澤太郎さんが目指す循環的農林業[10/29]
 http://food-mileage.jp/2017/10/29/blog-52/
○ 福島・国見の秋×MIDOLINO_(武蔵野市)[11/1]
 http://food-mileage.jp/2017/11/01/blog-53/

▼ 筆者が説明者となることを予定しているセミナー等です。
  参加を希望される方等がおられれば、主催者等にお問い合せ下さい。

○ フード・マイレージ-あなたの食が私たちの社会を変える
 日時:11月10日(金)19:00~21:00
 場所:番來舎(東京・目黒区駒場1)
 主催:番來舎
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/108282553198782/

○ 江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座総合コース(第7期、3日目)
「フード・マイレージと地産地消」「グループワークショップ」
 日時:11月11 日(土)10:30~16:30[3日目]
 場所:JA 東京南新宿ビル(JR新宿駅南口より徒歩4分)
 主催:NPO法人江戸東京野菜コンシェルジュ協会
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.edo831.tokyo/kouza/2111

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ さよなら原発・市川市民のつどい2017「日本と再生」上映会
 日時:11月4日(土)10:50~17:15(2回上映)
 場所:(千葉・市川市鬼高1)
 主催:さよなら原発・市川市民のつどい実行委員会
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://www.palsystem-chiba.coop/wp/wp-content/uploads/2017/10/29a91f3b78e284c0efe3543d30824c75.pdf

○ そばの収穫&小麦の種まき(10/29予定だったものが延期)
 日時:11月5日(日)08:25 JR中央線上野原駅集合
 場所:山梨・上野原市西原(さいはら)地区
 主催:しごと塾さいはら
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/297131897437010/

○ 南牧村の伝統食を復活させ移住者を増やす
 日時:11月16日(木)9:30
 場所:がんばれ!子供村(東京・豊島区雑司が谷3)
 主催:ECOM エコ・コミュニケーションセンター
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/1704718999601368/

○ ぴたらファーム収穫祭
 日時:10月19日(日)11:30~15:00
 場所:ぴたらファーム(山梨・北杜市白州町横手)
 主催:ぴたらファーム
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/2020509428202794/

○ サトイモ掘って芋煮会しよう! 
 日時:10月19日(日)11:00~15:00
 場所:篠宮農園(東京・東久留米市)
 主催:増田純代さんほか
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/176591522898134/

○ 共奏キッチン♪@自由が丘シェア奥沢79
 日時:11月27日(月)18:30~21:00
 場所:シェア奥沢(東京・世田谷区奥沢2)
 主催:共奏キッチン
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/127222861324209/

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*今号のコツコツ小咄。
「ハロウィン盛り上がりの背景には、近年の通貨情勢があると考えられます」
「えっ、どういうことですか?」
「仮装(仮想)が幅を利かせていますから」

「コツコツ小咄」は拙ウェブサイトにも掲載しています。
  http://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.131は、11月18日(土)[和暦 神無月朔日]の配信予定です。
 より有用な情報の発信に努めていきたいと改めて考えていますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
  http://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  http://food-mileage.jp/
 ブログ「新・伏臥慢録~フード・マイレージ資料室から~」
  http://food-mileage.jp/category/blog/
 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/

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