F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-

【F.M.Letter No.128】


カテゴリー: 2017年10月04日
◇フード・マイレージ資料室 通信 No.128◇
 2017年10月4日(水)[和暦 葉月十五日]発行
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◆ F.M.豆知識    移住希望地域ランキング
◆ O. カレント   山梨・上野原市西原(さいはら)地区
◆ ほんのさわり 山本紀夫『ジャガイモのきた道』
◆ 情報ひろば    ブログ更新、イベント情報等
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 カレンダーは10月に入りました。2017年もあと3ヶ月(!)。今日は中秋。ちなみに満月は6日(金)です。
 時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月の日)と十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は葉月十五日の配信です。前回の「田園回帰」の流れもあり、山梨県特集になりました。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるようなデータを、毎回一つずつ、コツコツと紹介していきます。

-移住希望地域ランキング-
 田舎暮らしやIJUターンをサポートする認定NPO法人 ふるさと回帰支援センター(東京・有楽町)は、毎年、同センターで開催する「ふるさと暮らし情報センター」の来場者 (個別相談、相談会・セミナー参加者等)を対象に、移住希望地域等についてのアンケートを実施しています。

 本年2月に公表された2016年の結果によると、移住希望地域の1位は前年2位だった山梨県でした。2位は長野県(前年1位)、3位が静岡県(前年4位)となっています。

 リンク先の図84は、この2016年の移住希望先ランキング1~10位の県の、2011年以降の順位の推移を示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/10/83_ijukibou.pdf

 これによると、山梨県は2011年には15位、2012年には13位でしたが、近年は急速に順位を上げており、移住先としての人気が高まっている様子がうかがえます。なお、長野県は一貫して人気があります(1位か2位)。
 この順位は、センターにおける移住相談会・セミナーの開催数だけではなく、外部でのセミナー等の取組みやセンターにおける相談員の配置状況によって変動しているとのことです。 

 また、本調査によると、移住相談件数は2011年の7,068件から2016年には26,426件へと3.7倍に増加しており、相談会・セミナーの開催数も同期間に65回から418回へと6.4倍に増加しているとのこと。
 さらに、センター利用者のうち20~40代の割合が2011年の51%から2016年には68%へと上昇しており、若い世代を中心に「田園回帰」志向が強くなっていることも明らかにされています。

[参考]
 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター「2016年移住希望地域ランキング」
  http://www.furusatokaiki.net/topics/131471/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
  http://food-mileage.jp/category/mame/

◆ オーシャン・カレント -潮目を変える-
 食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。

-山梨・上野原市西原(さいはら)地区-
 JR中央線で東京・高尾から3駅目が上野原。そこからバスで相模川水系鶴川を遡るように40分ほど北上したところに、上野原市西原(さいはら)地区があります。
 山に囲まれ平坦地は少ないため、昔から蕎麦、あわ、ひえなどの雑穀や、小麦やジャガイモを中心とする農業が営まれてきました。

 1950年代には約2,500人いた人口は現在は570人程度にまで減少しており、しかも65歳以上が半分を占めています。外形的には、典型的な中山間地の過疎地域です。
 しかし、近年は都会から移住する人も多く、地元の方達と力を合わせて様々な新しい活動(例えば「雑穀の村復活プロジェクト」、古民家を改修した民宿等) に取り組んでいるなど、活気のある地域です。
 毎年、JICAの研修生を受け入れるなど、国際交流にも力を入れています。

 様々な活動の拠点となっているのが、交流施設「羽置(はおき)の里・びりゅう館」。
 直売所やレストランを兼ね、蕎麦打ち体験もできます。ちなみに「羽置」とは平安時代におかれていた荘園(羽置庄)に由来し、鶴が羽を休めていたという言い伝えが残っています。
 また、「びりゅう」は集落を流れる鶴川の支流・美流沢から名付けられています。

 そのびりゅう館周辺で、今年も年1回の「西原ふるさと祭り」が開催されます。今年で26回目になるとのこと。
 10月7日(土)の17時から21時までは前夜祭、翌8日(日)10時から15時までが本祭りです。 
 歌謡ショー(冠二郎さん)のほか郷土芸能(三頭太鼓、古在家神楽舞、藤尾獅子舞)が披露され、ふるさとの味覚(手打ち蕎麦、五目飯、酒まんじゅう、焼きもろこし、せいだのたまじ、手づくりパンなど)を楽しむことができます。
 「ちびっこランド」の開設や福引大会も行われる予定です。

 地域の方達(地元の方と移住者)が力を合わせて今年も開催する「西原ふるさと祭り」に、遊びに来ませんか。 

[参考]
 西原ふるさと祭り
  http://www.hakken-uenohara.jp/entry.html?id=113302 
 びりゅう館
  http://biryukan.com/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-オーシャン・カレント」
  http://food-mileage.jp/category/pr/

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなるような本の「さわり」だけを紹介します。

-山本紀夫『ジャガイモのきた道』(2008.5、岩波新書)-
  https://www.iwanami.co.jp/book/b225922.html

 民族植物学を専門とする筆者(国立民族学博物館名誉教授)の「ジャガイモ愛」に溢れている本です。
 「イモ」については、日本人は「洗練されていない」等の良くないイメージを持っているだけではなく、ヨーロッパでは「悪魔の植物」「聖書に載っていない植物」として忌み嫌う国さえあるなど、二流の食べものといった偏見に満ちているとのこと。

 しかし、ジャガイモは世界中で広く栽培されている重要な作物(栽培面積は第4位)として、多くの地域の食料供給と人口を支えていることについて、原産地であるアンデス、導入されたアイルランドやヒマラヤ等の丹念な現地調査を通して明らかにしています。

 そのジャガイモと日本の関わりは、17世紀前半にオランダ船によってジャワ島から長崎に伝来したのが最初。
 その後、日本各地に広まっていくのですが、その普及に大きく貢献したのが、18世紀後半に甲州(山梨県)の代官を務めていた中井清太夫という人物でした。 
 清太夫は、天明の飢饉(1782~87)のおり、幕府に陳情して九州から種イモを取り寄せてジャガイモの栽培を奨励し、食糧の確保に尽力したのです。

 甲州の人々は、清太夫を偲んでジャガイモのことを「清太夫イモ」「セイダイモ」等と呼ぶようになりました。上野原市の龍泉寺には、清太夫を「芋大明神」として讃える碑が残されています。
 また、甲州以外の地域では、ジャガイモのことを「甲州イモ」とも称することもあったようです。

 現在の山梨県には「せいだのたまじ」という郷土料理があります。
 ネガタというジャガイモ(せいだ)の小ぶりのもの(たまじ)を甘辛い味噌で煮たもので、なかなか美味です。
 先に紹介した「びりゅう館」の定番メニューであり、さいはら祭りでも頂くことができると思います。

[参考]
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-ほんのさわり」
  http://food-mileage.jp/category/br/

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
○ 対話ラボと辿る 2017年上期[9/22]
  http://food-mileage.jp/2017/09/22/blog-41/

○ 森の食卓(東京・井の頭)[9/24]
  http://food-mileage.jp/2017/09/24/blog-42/

▼ 筆者が説明者となることを予定しているセミナー等です。
  参加を希望される方等がおられれば、主催者等にお問い合せ下さい。

○ 市民講座「何をどう食べる? みんなで考える『食』の未来」
 日時:(1日目)10月7日(土)10:00~12:00
  「フードロス 日本の食の現状と、いま私たちができること」  
  講師:近藤惠津子さん(NPO法人CSまちデザイン理事長)
(2日目)10月14日(土)
  「フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える
  中田が担当します。
(3日目)10月21日(土)
  「葉っぱも皮も、地元野菜をまるごと味わう試食会」  
  講師:酒井文子さん
  (食育・野菜料理コーディネーター、小金井市食育推進会議副会長)
 場所:小金井市公民館東分館(東京・小金井市東町1)
 主催:小金井市公民館
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.city.koganei.lg.jp/kosodatekyoiku/shisetsu/kominkan/kouzaannai/syokunomirai.html

○ フード・マイレージ-あなたの食が私たちの社会を変える
 日時:11月10日(金)19:00~21:00
 場所:番來舎(東京・目黒区駒場1)
 主催:番來舎
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/108282553198782/

○ 江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座総合コース(第7期、3日目)
 「フード・マイレージと地産地消」「グループワークショップ」
 日時:11月11 日(土)10:30~16:30[3日目]
 場所:JA 東京南新宿ビル(JR新宿駅南口より徒歩4分)
 主催:NPO法人江戸東京野菜コンシェルジュ協会
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.edo831.tokyo/kouza/2111

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○【立呑み屋ふろまえ】~寺田本家さんの蔵出し香取仕入れました!
 日時:10月6日(金)18:00~21:00
 場所:From a & e フロマエ(東京・荒川区西日暮里4)
 主催:From a & e フロマエ
 (詳細、お問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/events/848766051967969/ 

○ 西原ふるさと祭り
 日時:(前夜祭)10月7日(土)17:00~21:00
     (本祭) 10月8日(日)10:00~15:00
 場所:山梨・上野原市西原(さいはら)びりゅう館周辺
 主催:西原ふるさと祭り実行委員会
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://www.hakken-uenohara.jp/entry.html?id=113302
 (オーシャン・カレント欄もご覧下さい。)

○ シンポジウム「戦国近江の幕開け」
 日時:10月9日(月・祝)13:30~16:30
 場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・渋谷区代々木神園町3)
 主催:滋賀県教育委員会
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://www.pref.shiga.lg.jp/hodo/e-shinbun/ma07/20170724_1.html

○ 稲刈り・大豆収穫体験会 in 横田農場
 日時:10月14日(土)9:30東武東上線小川町駅前集合
 場所:横田農場(埼玉・小川町青山)
 主催:US.Peace ファーム
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://uspeace.jp/user_data/event.php#taikenkai

○ 週末農風交流会☆活動のこれまでとこれから
 日時:10月15日(日)15:00~19:00
 場所:From a & e フロマエ(東京・荒川区西日暮里4)
 主催:From a & e フロマエ
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/537153983282906/

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*今号のコツコツ小咄。
「秋の空には、人生を感じるね」
「えっ、どういうこと?」
「雲(苦も)あるさ」

「コツコツ小咄」は拙ウェブサイトにも掲載しています。
  http://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.129は、10月20日(金)[和暦 長月朔日]の配信予定です。
 より有用な情報の発信に努めていきたいと改めて考えていますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
  http://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  http://food-mileage.jp/
 ブログ「新・伏臥慢録~フード・マイレージ資料室から~」
  http://food-mileage.jp/category/blog/
 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/

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