F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-

【F.M.Letter No.111】


カテゴリー: 2017年01月28日
◇フード・マイレージ資料室 通信 No.111◇
 2017.1/28(土)[和暦 睦月朔日]発行
――――――――――――――――――――
◆ F.M.豆知識   低成長の中での格差拡大
◆ O. カレント  まさひこさん(桂政彦さん)
◆ ほんのさわり 祖田修「鳥獣害」
◆ 情報ひろば   ブログ更新、イベント情報等
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【新年のご挨拶】
 明けましておめでとうございます。和暦でも新しい年を迎えました。
 本年も皆さまのお役に立てる情報発信に努めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 本メルマガは、時の流れを体感するため和暦の朔日(新月の日)と十五日(ほぼ満月の日)に配信しています。今回は元旦の配信です。

【お知らせ】
 作者が個人的に運営しているウェブサイト「フード・マイレージ資料室」は以下のとおり移転しました。
 旧サイトは今月一杯で閲覧できなくなりますので、ブックマーク等に設定して頂いている方は変更をお願いします。
(旧)http://members3.jcom.home.ne.jp/foodmileage/fmtop.index.html
 →(新)http://food-mileage.jp/

 本メルマガやブログ(新・伏臥慢録)の内容も一括して掲載してあります。また、F.M.豆知識、オーシャン・カレント、ほんのさわりについては特集ページを設けました。
 http://food-mileage.jp/category/mm/

 さらに、皆さまと意見交換ができる「ひろば」のページもオープンしました。
 http://food-mileage.jp/category/forum/

 まだ工事中の部分も多々ありますが、旧サイトに引き続きよろしくお願いします。
 なお、本メルマガ自体の配信システムの変更はありません。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を毎回コツコツと紹介していきます。

-低成長の中で広がる格差-
 本メルマガでは、近年の社会経済情勢と食生活との関わりについて紹介してきました。今回は、改めて現在の日本の格差や貧困の状況について確認しておきたいと思います。
 日本では「格差」が広がっていると言われますが、その際によく用いられる指標が「相対的貧困率」です。

 これは、OECD(経済協力開発機構)の基準に基づき、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員の割合を示したもので、この数値が上昇すると格差が広がっていることを示しているとされます。
 なお、データには厚生労働省「国民生活基礎調査」が用いられることが多いようです。

 図66は、近年の日本における相対的貧困率の推移を現したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/66_hinkonritu.pdf

 これによると、世帯単位(全体)の相対的貧困率は1985年の12.0%から一貫して上昇しており、2014年には16.1%となっています。これはOECDの平均値(11.1%)を上回っています。
 さらに、子ども(17歳以下)の相対的貧困率(属する世帯の所得から計算)も1985年の10.9%からおおむね上昇傾向にあり、2014年には16.3%(OECDの平均値:13.3%)と、世帯全体の相対的貧困率を上回っています。
 なお、子どもがいる現役世帯の相対的貧困率は14.6%、そのうち大人が1人の世帯の相対的貧困率は50.8%と、特に高い水準となっています。

 図には、実質GDP成長率のグラフを併記してみました。
 これによると、経済成長率が鈍化(右肩下がりに推移)しているのと対照的に、相対的貧困率は上昇を続けていることが分かります。
 両者の因果関係を解明することは困難ですが、経済成長が停滞する中で格差が広がっていることは事実です。近年、「脱成長」という言葉がもてはやされていますが、経済成長を脱した(成長率が低下した)からといって格差が縮小したという事実はありません。
 むしろ一定の成長を確保しつつ(経済成長至上主義ということではなく)、同時に、その果実を格差是正のために再配分するための施策の必要性を、このグラフは示唆しているようです。

[出典、参考等]
 厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査の概況」
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/03.pdf
 内閣府「平成27年版 子ども・若者白書」
  http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h27honpen/b1_03_03.html
 「F.M.豆知識」のページ
  http://food-mileage.jp/category/mame/

◆ オーシャン・カレント -潮目を変える-
 食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方達や、トピックスを紹介していきます。

-まさひこさん(桂政彦さん)-
 本メルマガNo.44(2014.5/13配信)の本欄でも「共奏ファーム」主宰者等として紹介させて頂きましたが、今回は改めてホームページ制作支援会社・creativekei の代表として登場して頂きます。

 まさひこさんは大手の外資系IT企業をリタイアされた後、地元や各地での地域興し、自然農法による野菜等の生産(埼玉・東松山市の共奏ファーム)等に取り組んでこられ、現在は福祉関係の資格取得を目指して専門学校に通っておられる方です。
 「共奏キッチン♪」など様々なイベントや共奏ファームでの農作業体験等でご一緒させて頂く中で、その親しみやすいお人柄と瑞々しい感性、さらにエネルギッシュに実践されている姿には、かねて畏敬の念を抱いていました。

 さて、「フード・マイレージ資料室」の旧ウェブサイトは大手ケーブル通信会社の無料サービスを利用して開設・運用していたのですが、当該会社の方針により本年1月一杯でサービスが終了することとなりました。
 その通知を受け、昨年来、新しいサーバーへの移転(引っ越し)が迫られていたのですが、私自身にはIT関係の知識やスキルが乏しく、正直、途方に暮れる思いでした。
 その時に救いの手を差し伸べて下さったのが、まさひこさんでした。
当初の私の構想は、旧ウェブサイトの内容を単純に新サーバーに引っ越すという最低限のものでしたが、色々なアドバイスを得て、構成やデザインなど大幅にリニューアルできました。

 今回の新ウェブサイトの公開は、まさひこさんの力が無ければ実現できなかったことであり、また、今後の運営についても引き続きお世話になることとなります。
 ここに記してお礼申し上げるとともに、まさひこさんご自身の今後のますますの活躍に期待したいと思います。

[参考]
 ホームページ制作・creativekei
  https://www.facebook.com/creativekei/
 共奏ファーム
  https://ja-jp.facebook.com/kyosofarm/
 「オーシャン・カレント」のページ
  http://food-mileage.jp/category/pr/

◆ ほんのさわり
 食や農の分野について、考えるヒントとなるような本の「さわり」だけを紹介します。

-祖田修「鳥獣害-動物たちと、どう向き合うか」(2016.8、岩波新書)-
  https://www.iwanami.co.jp/book/?book_no=243841

 著者は1939年島根県に生まれ、京都大学大学院大農学研究科教授、福井県立大学学長等を歴任された農業経済学の分野における第一人者の方です。
 公務を退かれた後、京都府南部のある村に半移住し田畑を耕し始められた時に直面したのが「憎らしい鳥獣達」(シカ、イノシシ、サギ、アライグマ等)でした。研究者として現場をみてきたはずの鳥獣害の深刻さを、自ら痛切に体験されたそうです。

 本書では各地における鳥獣害の現状や先進的な取組事例が豊富に紹介されていますが、本書の特色は、宗教学や民俗学の成果も引用しつつ、鳥獣害問題の本質と意味、人間と動物のあり方等を考察していることです。

 著者は、動物と人間の「共棲の場所」の形成が必要と訴えられています。
 それは、(おこがましいことながら)高度な技術と力を持った人間の理性と叡智に基づき、自然をトータルに考慮に入れ、自覚的に構想され形成されなければならないものとのことです。
 そして「自然の管理」とは、実は「人間の自己管理」「人間の欲望管理」に他ならず、人間の「小欲知足」への道が重要であり、21世紀前半は「人間の真の英知が試される時」と規定されています。

 一方、鳥獣害というかたちで動物たちが再び姿を現していることは、ジビエ食の普及とも相まって、生産者と消費者の間に横たわるギャップ(消費者の食卓から生産者や動物の姿が見えにくくなっていること)を解消し、食の原点に立ち戻る(命を頂くという感謝の気持ちを育む)機会になるのではという期待も表明されています。

 さらには、東西の動物観の違いも考察されています。
 スケールが大きく、多くの示唆に富む好著です。

[参考]
 「ほんのさわり」のページ
  http://food-mileage.jp/category/br/

◆ 情報ひろば
  拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
 の開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
 注:今後、新しいウェブサイトの中で執筆していく予定です。
(旧)http://foodmileage1.blog.fc2.com/l
 →(新)http://food-mileage.jp/category/blog/

○ 共奏キッチン in フロマエ(東京・西日暮里) (01/13)
  http://food-mileage.jp/2017/01/13/
  http://foodmileage1.blog.fc2.com/blog-entry-592.html

○ 第7回ロータス寺市、「21世紀の豊かさ」シンポジウム (01/16)
  http://food-mileage.jp/2017/01/16/
  http://foodmileage1.blog.fc2.com/blog-entry-593.html

○ 熊本地震報告会~115日の益城生活で感じたこと~ (01/19)
  http://food-mileage.jp/2017/01/19/
  http://foodmileage1.blog.fc2.com/blog-entry-594.html

○ 映画『あん』上映会&ハンセン病体験者講演会 @東久留米 (01/24)
  http://food-mileage.jp/2017/01/24/
  http://foodmileage1.blog.fc2.com/blog-entry-595.html

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
  なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。

○ 共奏キッチン♪ @シェア奥沢72
 日時:1月30日(月)18:00~22:00
 場所:シェア奥沢(東京・世田谷区奥沢 2)
 主催:共奏キッチン
 (詳細、お問合せ等↓)
  https://www.facebook.com/events/365554623822864/

○ NPO設立10周年記念講演「東京が食べられなくなる日」
 日時:2月4日(土)13:30~16:00
 場所:生活クラブ館(小田急線経堂駅3分)
 主催:CSまちデザイン
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://cs-machi.com/?p=3086

○ うおこう寄席
 日時:2月11日(土)14:00~
 場所:魚浩(東京・高円寺北2-22-8)
 主催:松井つるみさん(魚浩)
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://www1.plala.or.jp/uokou/sub5.html

○ Uターン前 都内ラストライブ
 日時:2月11日(水)18:00~21:00
 場所:レストラン パペラ(東京・新宿区新宿2)
 主催:ばばらあやか
 (詳細、お問合せ等↓)
  http://ameblo.jp/tomatthy/entry-12237989645.html

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*今夜のコツコツ小咄。
「新年を迎えると思うと、心の底に溜まった泥が取り除かれるような気分だね」
「春節(浚渫)ですから」

 注:「コツコツ小咄」は、拙FBページにて土日祝を除く毎日、絶賛(?)投稿中です。
  新ウェブサイトにも掲載しています。
  http://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.112は、2月11日(土)[睦月十五日]の配信予定です。
  より有用な情報の発信に努めていきたいと改めて考えていますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
  http://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  http://food-mileage.jp/
 ブログ「新・伏臥慢録~フード・マイレージ資料室から~」
  http://food-mileage.jp/category/blog/
 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/

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最新号 2017/02/11
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