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2/17 学校の先生のウソと史料の赤字


カテゴリー: 2018年02月17日
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■学校の先生のウソと史料の赤字

世の中にあふれるウソの多さにはうんざりしますが、それを信じちゃう人の多さには、哀しくなります。
毎度のことではありますが、2つのウソに驚かされました。

<Kさん>
去年の学校での授業中先生が"その年発見された遺跡や物品は出される可能性が高いよ"と言っていたのですが本当なのでしょうか?
それから私の学校では文教出版の史料集を使っているのですがあの赤い文字は(ノートから予測できなそうなら)覚えるべきですか?
先生の授業を受けているとどうも「何を根拠に赤文字なんだろう…」という疑問を持ちがちで…
長くなってすいません。
ずっと気になっていたので回答よろしくお願いします。
お体にきをつけて下さい。

<石黒>
お気遣いありがとうございます。
「その年発見された遺跡や物品は出される可能性が高いよ」というのは大嘘です。
説明する必要もないほどに。
残念ながらハッタリ先生というわけです。
文教出版の史料集というのは見たことがないのでわかりません。
直接持ってきてくださったらお答えできますが。

<Kさん>
回答ありがとうございます。そうなんですか。
うかつに信じなくて良かったです。
すいません、実教出版でした。
今日の塾に持って行きます。


これまたずいぶんな軽口を叩くセンセイがいたものです。
「その年発見されたもの」ってどれだけあると思ってるんですか?
新聞をチェックし始めたらびっくりするほどたくさんありますよ。
そしてそのほとんどが出題されません。
ごくまれにビッグな発見があって、それが出されるだけです。
そんなのチェックしてる暇があったら、英語をやった方がいいです。
日本史にしたって他に優先して覚えなきゃいけないものが、たくさんあるでしょう。
それにしても、そのセンセイご本人は、そうした最新発掘情報をチェックしてるんですかねえ?
かなりアヤシイ気がします。
もし、チェックしてるというなら、それをやる前に入試問題をチェックすべきなんじゃないでしょうか。
もし入試問題を見てるならそんなウソ言うわけありませんから。
生徒に勧める前に自分が範を示せって感じですね。

発見されたばかりのものは、評価が確定していないため、推測のまま出題するのはためらわれるんですよ。
それをネタに周辺事項を出題するならできなくはありませんが。
ってことは、普通に勉強していればいいってことです。

もっとも、僕自身は1月の直前講習で、特定の講座を受講した人向けに、「最近の話題」と称するプリントを配っています。
厳選した情報だけを載せたプリントです。
最新発掘情報が気になる人は、そのプリントに頼ってください。


そして、Kさんが持ってきた史料の本は、よくある史料文とその現代語訳が書かれている本でした。
史料文の一部が赤字になっているのですが、開いた瞬間に、「この赤字は覚えるところじゃないです」と即答しました。
理由は次の2つです。

(1)赤字の部分が平気で2行とか4行も続いていて覚えられない。
(2)実際に入試で空欄問題で出される所が赤字になっていない。

いや、これは実教出版の史料集だけの弱点ではありません。
山川出版の『日本史史料集』も、第一学習社の『新日本史史料集成』も同じです。

要するに赤シートで隠してチェックすることなど、出版社サイドは想定していないのですよ。
もちろん出題データを意識していないのは言うまでもありません。
ただ、歴史的に重要だと思われるフレーズを赤字にしているだけです。
念のため言いますが、「歴史的に重要」=「入試でよく出る」わけではありません。

「どうすればいいんですか?」と彼女が聞いてきたので、「史料問題集をやった方がいいです」と答えました。
実際にどこが空欄問題や下線(意味聞き)で出題されるか、体験しながら学習した方が早いからです。
でも後になって思いめぐらしたことがあります。
「どうして今まで気づかなかったんだろう?」と。
だって実際の入試問題を見れば、あんな赤字は覚えるべきところじゃないとわかるだろうし、そもそも、何行もある赤字なんて覚えられるわけないのに……と。

出版社側は決して騙しているわけではないと思いますが、誤解を招きやすい赤字設定じゃないでしょうか?
まあ大学入試対策のための書籍じゃないってことなんでしょうね。
(その後、第一学習社のWebサイトを見たら、史料集の紹介に「入試対策にも万全」とありました……。まあ入試って言ってもいろんな大学がありますからね。)
一方で「赤字や太字は覚えなきゃ」と勘違いする受験生も、どうかと思います。
教科書もそうですが「太字=入試で頻出」ってわけではないです。
世にあまたある詐欺事件の際に、「騙される方も悪い」と言われることがよくあります。
赤字や太字もなんだかそれに似ている気がしました。

そんな話を書いた後に自分の本を紹介するのもこそばゆいですが、『どこでも史料問題』(derutoko.com)でしたらポイントを突いた学習ができます。
http://www.derutoko.com/publish/dokodemosiryo.html
もっとも、彼女には勧めませんでした。
僕が面と向かってセールスするのが苦手なのと、本気で「真実の情報」を求めていない人には勧めても効果がないからです。
場所は予備校の中ですし、押し売りする気は毛頭ありませんから。
でるとこサイトを見て、その値段にふさわしい価値があると思われた方だけ、お使いください。
市販の多くの史料問題集とは穴埋め箇所が違ううえに、使い勝手も格段と違うはずです。


……あ、念のため付け足しますが、『読むだけ日本史』(学研)の赤字は出題率に合わせて設定してありますよ。
http://amzn.to/1okIxly


□■ 関連ブログ記事 ■□
史料の現代語訳でベストな参考書はどれ?
 http://www.derutoko.com/blog/20110504/000029
本当の出題率を知るための史料データ取得法
 http://www.derutoko.com/blog/20110509/000045
市販の史料集の弱点(2)
 http://www.derutoko.com/blog/20100528/000020
史料問題が弱いんですが……
 http://www.derutoko.com/blog/20051117/000032


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