現代の生活に古代の智恵を活かす

竜神さんの力を借りる秘法


カテゴリー: 2012年02月09日
読者の皆さん、お元気ですか。今回は、辰年なので、竜神さんのお話をしましょう。世界中に竜神さんがおられます。日本では、雨を降らせたり、事業を発展させたりするような恵みをもたらす竜もいますし、ドラゴンと呼ぶ西洋の竜は、人間を攻撃します。いずれも大きなお力を持っています。それならば敵に回すより恵みをもたらしてもらう方がいいと思います。ということで今回は「竜神さんの力を借りる秘法」を手短にお話ししましょう。

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「竜神さんの力を借りる秘法」

今年は、辰年だということで、探求会でも、曽根支部の例祭でも、竜神さんを扱ってきました。そして今回のメールマガジンでも扱わせていただきます。

○竜神さんというのはなに?
竜神をは「龍」と「竜」は、同じでしょうか、違うのでしょうか。答は、文字が異なるだけで、同じです。中国での本来の文字は「竜」で、それに威厳を持たせるために難しい文字にしたのです。現在の中国語では、繁体字で表記するときは「龍」、簡体字で表記するときは「竜」となります。日本では旧字体では「龍」、略字では「竜」です。つまり表記の差でしかないということです。

中国で皇帝のシンボルである竜は、古来神秘的な霊獣です。水中か地中に住むといいます。といいながら天空も飛ぶのです。私たちがよく目にする絵では、空を飛んでいます。西洋の竜はドラゴンと呼びます。それはやはり地中に住んでいるというのですが、翼がついているのです。そして人間と地上で戦っている絵をよく見ます。東洋の竜は、翼はありませんが、空を飛び、西洋のドラゴンは、翼があるのですが、あまり飛ばないようです。

十二支のうちの11は、実在の動物ですが、辰と表記する竜だけが空想上の動物だとされます。現在の中国では、帝の象徴である龍は社会主義国にふさわしくないので、辰の代わりにパンダが入っているという噂がありました。実際には変わっていませんでした。

南宋時代の博物誌『爾雅翼』には、竜の姿を「三停九似」、つまり首、腕の付け根、腰、尾の各部分の長さが等しく、角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼(幽霊)あるいは兎、身体は蛇、腹は蜃、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛にそれぞれ似ると言います。また口辺に長髯をたくわえ、喉下には一尺四方の逆鱗があり、顎下に宝珠を持っていて、秋になると淵の中に潜み、春には天に昇るとも言います。

そこには色のことは表記していません。ただ竜体を形作る動物が色鮮やかではないので、目立つ色ではないのだろうと想像するかもしれません。金、銀、紫、緑、橙、緋、紺、黄などいろいろの竜がいるように言われます。

恐竜も、茶色か汚れた緑とかではなく、私たちが知らないだけで、ビビッドピンクフストライプ柄かもしれません。中国では恐竜の化石を竜の骨だとして、薬として扱っていたようです。

恐竜の時代に十二支を決めたならば、辰も実在、、、、ということでしょうか。恐竜が絶滅した1億年前には、まだ人類もいませんし、他の11の動物もほとんどいません。しかし蛇はいました。

私もいろいろなお姿の竜を見ました。空海が一晩で掘ったという伝説の満濃池のそばの看板には赤い竜の絵が書いてありました。しかし池の底の方にいらっしゃったのは、宝珠を抱えた黒っぽい方でした。ある神社の池から緑の方が飛んできたり、小さな金竜がホバリングしていらっしゃったりしました。竜蛇神さんというのか、竜の頭に蛇の胴の方がある山のふもとの湧き水の所にいらっしゃいました。いずれ竜神さんになるのかもしれません。蛇の頭に竜の胴の方もいらっしゃいます。目の前に竜神さんのお顔があって、互いにきょとんとすることもあります。

中国の書籍にあるような寄せ集めの空想の動物ではなく、そうした姿の方が、いつごろからか人間の前に現れているのだと分かります。


○東洋の竜と西洋のドラゴン

西洋のドラゴンも竜によく似ています。トカゲや蛇に似ていて、空を飛ぶことができ、さまざまな色があるといいます。翼があるのに、地下の洞窟がすみかだといいます。

ドラゴンは、原始宗教での不死や特別な蛇を意味していたにもかかわらず、キリスト教では蛇が悪魔の象徴であり、翼をつけて、霊的存在を表し、同じく霊的存在である天使に敵対するものとなったのです。

ドラゴンは、古代ギリシャ語では、大蛇、クジラ、トカゲ、ワニなど水に住む大きな動物を指していました。ヨハネの黙示録で悪魔をドラゴンと呼ぶために西洋の竜が邪悪になったのかもしれません。

ドラゴンはお姫様を幽閉していて、英雄がドラゴンを殺してお姫様と結ばれる、という話がヨーロッパには多くあります。ユングは、そうした話は、男子が母親の支配を打破して自らの選んだ妻と結ばれる、という物語で、ドラゴンは、母親の元型だというのです。

ドラゴンが蛇に由来するならば、男性神であってもよいのですが、幽閉に山がふさわしいならば、日本の山の神は、口うるさい妻を言いますから、母親の元型でもいいのかもしれません。


○竜神さんのお力を借りる

原始宗教は、世界中のどこにもありました。そして日本神話では蛇神信仰がよく扱われます。八岐大蛇(やまたのおろち)も、蛇神信仰に由来するのかもしれません。

しかし中国からいろいろな文物とともに竜が入っていきました。古墳などに見られる四神の青竜もよく知られています。それは、水の神として民間信仰の対象となりました。

旱魃(かんばつ)が続くと、竜神に食べ物や生け贄を捧げ、祈りを捧げる雨乞いを行ってきました。二条城南の神泉苑で弘法大師が祈り、善女竜王を呼び、雨を降らせています。雨乞いは、現在でも必要に応じて行われています。あまり話題にはなりませんが。

日本にあった蛇神信仰と竜は融合し、八岐大蛇も竜の一種とされます。

私たちは、ふつうに暮らしていて薄気味悪く感じる蛇も神にたてまつります。蛇神信仰の先に竜神信仰が現れます。西洋でも、蛇はただならぬものです。アダムとイブをそそのかしたのも蛇です。また大蛇がドラゴンとされます。

竜やドラゴンは、ただならぬ力をお持ちだと理解できます。それらに私たちは、どのように関わることができるのでしょうか。

味方の竜や敵のドラゴンがいるように見えます。でもいずれも味方になってもらうこともできます。敵対することもできます。敵味方は、相手ではなく、自分に由来しています。自らの心象が、決しているのです。

竜、ドラゴンを味方にする二つのアプローチがあります。目前の竜、ドラゴンをに対して(見えないと言い張る人は多いかもしれませんが)自らの止揚によって、気にならないものとするか、味方の立場を選ぶかです。心象が自らに由来していることと同じく、敵味方を変化(へんげ)させる処方箋も自らに由来します。竜やドラゴンの大きな力を借りる方法は、竜、あるいはドラゴンを遣(つか)う、その者の如く思い、その者の如く振る舞うことです。

                  (中澤鳳徳)
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