ラーコモラボ通信

[LClab-078]ラーコモラボ通信第77号「図書館総合展フォーラム『書店の棚・図書館の棚』参加レポート」(南雲知也)


カテゴリー: 2018年01月31日
2011-08-26創刊
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  ◆ ラーコモラボ通信 ◆
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                    ◆ 第78号 ◆

   -曲がり角を迎えている図書館における今後の学習環境を考える-

               2018-1-31発行  ‡No.078‡  376部発行

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  ◇ 目次 ◇
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●イベントレポート「第19回図書館総合展 フォーラム『書店の棚・図書館の棚』参加レポート」(南雲知也)

○イベントカレンダー

○編集後記

○奥付

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  ○ レポート ○ 
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●イベントレポート「第19回図書館総合展 フォーラム『書店の棚・図書館の棚』参加レポート」
 (南雲知也:株式会社ブレインテック)


 第19回図書館総合展で「書店の棚・図書館の棚」というフォーラムが開かれた。

 このフォーラムは出版社、書店、図書館の協力体制をつくり読書人口を増やしていく事を目的とし、そのきっかけ作りとして書店の陳列と図書館の配架を見比べてみる事から始めようというもの。

 文藝春秋の松井社長から図書館に対して文庫本の貸出し中止要請が出たことは記憶に新しく、果たして三者の協力関係を気づけるのか?それはどのような形での協力なのか?といった所が気になりフォーラムへ参加することにした。

 まず、鈴木裕美子氏(横浜市中央図書館)によって以下のような横浜市中央図書館の配架の事例が報告された。

 横浜市中央図書館では、日本の多くの公共図書館で使われている日本十進分類法を用いて主題別に部門を分け、それぞれに専門コーナーを設けている。専門コーナーとは楽譜や外国語本などコレクションしたものを一まとめにしたコーナー、ビジネス資料や情報科学をテーマにした、分類の枠を超えて再編集したコーナー、そして企画展示コーナーである。企画展示では、例えば昔の雑誌に掲載れた記事を紹介すると言ったストックを活かした展示ができるのが図書館の強みだ。

 続いて、草彅主税氏(株式会社有隣堂)から有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店で行われた企画コーナー「歴女の本棚」について報告があった。

 選書は時代小説作家や歴史学者に加えTwitterで見つけた歴女にお願いした。刀鍛冶の作ったハサミや城のジオラマなど歴史に関連のある雑貨も併せて商品展開を行った。近隣の店舗でも連携してチラシを配り、イベントとしてビブリオバトル、トークショーを実施し誘客を図った。歴史上の人物の人気投票と同時に属性アンケートを実施したところ半数近くが初来店である事が分かった。

 事例報告の後は、下中美都氏(株式会社平凡社)を交えての意見交換がなされた。そのなかでは、企画棚、編集棚が本との出会いという点で読者を魅了する一方で、本の探しやすさを損ねてしまった事例が紹介された。文庫コーナーを作家の五十音順ではなくテイストの似た作家を寄せた事例や、細かくコーナー分けをしすぎた結果別置だらけになった事例が挙げられ、施設の規模や蔵書の幅、利用のされ方を考量する必要性が説かれた。
新しい本との出会いを演出する事と、目的の資料に辿り着けるようにする事とのバランスが大切だと思うと共に、検索が当たり前の時代でのバランス感覚が求められていると感じた。

 棚に入れる新刊の基準や除籍・返本に関する話題では、図書館では情報の鮮度や回転数を目安にして、改版された資料や利用の少ない資料から書庫に送られるとの説明があった。一方、書店では返本は仕入れの失敗であり、マーケーティングに基づく意志ある選書・仕入れが大切であるとの説明があった。

 また、企画やフェアなどコンテンツ作りは大事であるが、それ以前にお客様を呼び込むための宣伝や広報活動の重要性が語られた。書店では当然のことであるように思うが、図書館での広報活動の重要性が改めて説かれたことが印象的であった。

 フォーラムも終盤に差し掛かり、司会の成瀬雅人氏(株式会社原書房)から書店と図書館のタイアップが広がって欲しいという思いが告げられた。そして図書館と書店の両方で幅広く展開されている「科学道100冊」についての説明があり、企画を実施した図書館では反響が大きく貸出冊数が伸びている事が紹介された。だが、意外なことにパネリスト達の反応は芳しくなく、皆が皆同一の企画展でよいのか?自分たちで考えて選書や仕入れをした方が良いのではという感想が漏れた。
こういった食い違いが出るのは、出版社は国内全体での売上に目をやり、書店や図書館は各店・各館それぞれの売上や貸出数に意識が向いているからだろうか?などと考えた。

 最後に成瀬氏から売上や貸出数などはさておき担当者として選書して棚を作る行為は楽しいか?という質問が投げかけられ、これには一同楽しいという賛同をもってフォーラムは閉じられた。

 このフォーラムは来年続編が開催されることが発表されている。今回は時間の制限もあり協力体制という所まで話題は及ばず物足りなさも感じだが、今後どのように議論が発展していくか気に掛けていこうと思っている。


☆寄稿者紹介☆ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
南雲知也(なぐも・ともや)株式会社ブレインテックに勤務。図書管理システムのサポート担当として日々全国の図書館を回る。おもちゃの販売業を経て図書館業界に加入。図書館理解のために会社に図書館を作った頃から、徐々に図書館の魅力に取り憑かれる日々を送る。

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  ○ イベントカレンダー ○ 
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*ラーニングコモンズに限らず、大学図書館にかかわるイベントを広くACADEMICRESOUCEGUIDEイベントカレンダーを中心にお届けします。
(□は新しく追加されたイベントです。)

■2018-02-02(Fri):
専門図書館協議会 2018年新春講演会・賀詞交歓会(関西地区)「『情報便利屋』となるために-利用者が満足するサービスを目指して」(村橋勝子)
(於・大阪府/大阪府立男女共同参画・青少年センター ドーンセンター)
http://www.jsla.or.jp/h30-shinnen-kansai/

□2018-02-03(Sat):
GLAMtech vol.6「GithubとFlickrでつくる収蔵資料ページ」
(於・東京都/筑波大学 東京キャンパス)
https://glamtech006.peatix.com/

■2018-02-09(Fri):
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会近畿部会 第143回例会「シンプルで使いやすいデジタル・データ公開への取組み」
(於・福井県/福井県文書館)
http://jsai.jp/iinkai/kinki/kinki-top.html

□2018-02-09(Fri):
デジタルアーカイブ学会 第4回定例研究会
(於・東京都/東京大学 本郷キャンパス)
http://digitalarchivejapan.org/reikai

■2018-02-12(Mon)~2018-02-13(Tue):
図書館問題研究会 第44回研究集会 in瀬戸内「住民とともに、つくり、育てる図書館とは」
(於・岡山県/瀬戸内市民図書館もみわ広場)
http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/blog/2017/10/27/kenkyu/

■2018-02-15(Thu):
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 情報資源利用研究センター(IRC)設立20周年記念セミナー「人文情報学の現在」
(於・東京都/東京外国語大学)
https://irc.aa.tufs.ac.jp/event/irc-dh2017.html

■2018-02-21(Wed)~2018-02-23(Fri):
2018 Japan IT Week 関西
(於・大阪府/インテックス大阪)
http://www.japan-it.jp/kansai/

□2018-02-22(Thu):
文字情報技術促進協議会 年次特別講演「文字と情報処理の変遷とこれから-知っておくべき自然言語処理と漢字の世界」
(於・東京都/TKP品川カンファレンスセンター)
https://citpc.jp/seminars.html

□2018-02-22(Thu):
信州 知の連携フォーラム(第2回)「コンテンツの再価値化-地域の文化資産を繋ぎなおし、読み解きなおす」
(於・長野県/信州大学附属図書館中央図書館)
http://www.shinshu-u.ac.jp/institution/library/news/2018/01/2222.html

□2018-02-24(Sat)~2018-02-25(Sun)
日本図書館研究会第59回(2017年度)研究大会シンポジウム「図書館員は専門性をいかに維持・確保するのか-各館種の現状と課題」
(於・大阪府/神戸学院大学ポートアイランドキャンパス)
http://www.nal-lib.jp/events/taikai/2017/invit.html

□2018-03-01(Thu):
国立国会図書館支部図書館制度創設70周年記念国際シンポジウム「イノベーションと公共部門の役割」
(於・東京都/国立国会図書館 東京本館)
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20180301symposium.html

□2018-03-03(Sat):
人文系データベース協議会 第23回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」
(於・大阪府/大阪府立大学)
http://www.jinbun-db.com/news/23th-symposium-announce

□2018-03-03(Sat)~2018-03-05(Mon):
2017年度 国際ワークショップ「日本の古地図ポータルサイト」
(於・京都府/立命館大学 衣笠キャンパス)
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/GISDAY/2018/workshop.html

□2018-03-09(Fri)~2018-03-10(Sat):
デジタルアーカイブ学会 第2回研究大会「産業化するアーカイブ」
(於・東京都/東京大学 本郷キャンパス)
http://digitalarchivejapan.org/kenkyutaikai

(ACADEMICRESOUCEGUIDE:http://www.arg.ne.jp/)

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  ○ 情報コーナー ○ 
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※今回は休載します。


【随時更新】カレントアウェアネス・ポータル
「大学図書館」がタグ付けされた記事一覧
http://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/37

【随時更新】CiNii論文検索
キーワード「ラーニングコモンズ」の結果一覧
http://goo.gl/WT5CbH


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*ラーコモラボ通信では、皆さまからの寄稿・情報提供をお待ちしています。
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  ○ 編集後記 (ふじたまさえ) ○
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 今回も、図書館総合展の話題をお届けしました。南雲知也さん、ご寄稿ありがとうございました!

 図書館と書店のそれぞれの立場からの状況を対比することによって共通する部分、違う部分がよくわかりました。

 時季的に動きが少ないので、ニュースは今回はお休みしましたが、次号にまとめて紹介したいと思います。

 次号もお楽しみに。

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ラーコモラボ通信[LClab-078]2018年01月31日(月刊)
【発行者】ラーニングコモンズラボラトリ
【編集者】ラーニングコモンズラボラトリ
【発行地】〒231-0012
    神奈川県横浜市中区相生町3-61さくらWORKS<関内>408
      アカデミック・リソース・ガイド株式会社内
【E-Mail】LCLabHQ@googlegroups.com
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