ITCPA通信

KCP(決算継続計画)策定のススメ


カテゴリー: 2012年04月01日
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.67 ━2012.04.01━



日本IT会計士連盟公式メルマガ 【ITCPA通信】 毎月1日・15日発行

▼ KCP(決算継続計画)策定のススメ

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おはようございます。

日本IT会計士連盟(ITCPA)専務理事の、五島伸二です。

諸事情により2日連続のメルマガ発信となってしまいました。申し訳ありま
せん。
昨日のメルマガでお知らせした月に一度のITCPA勉強会ですが、毎回いろいろ
な業種の方が参加して下さり大変盛り上がっています。知識を深めるだけで
なく、参加者との交流の機会にもなりますので、まだ参加されていない方は
ぜひ一度ご参加ください。お待ちしています。


さて、今回はKCP(決算継続計画)について考えてみたいと思います。

なお、文中の意見は筆者個人の私見であることを予めご了承ください。

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■ KCPとは?
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KCP(Kessan Continuity Plan - 決算継続計画)とは、地震や火災等が原因で
決算作業が継続できなくなるリスクに予め備えるため、平常時において
緊急時の対応を計画することをいいます(KCPは筆者の造語で、一般的な用語
ではありません)。

BCP (Business Continuity Plan - 事業継続計画)が災害等の緊急事態発生
に対する事業全体の継続を確保するための事前の計画であるとすると、KCPは
決算や開示に焦点を当てた継続計画といえます。

昨年の東日本大震災はまだ記憶に新しいですが、それに加えて最近では
首都圏直下型地震発生の可能性が話題になっています。そういった大震災
だけではなく、火災や停電、パンデミック(感染症の流行)、情報システムの
障害等、決算を阻害するさまざまなリスクが存在します。 それらに備えて、
予め対応計画を策定し、対応手順を組み立てておくのがKCPということになり
ます。


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■ KCP策定の手順
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KCPの策定手順はBCPのそれとほぼ同じです。
まずは、どういったリスクが決算継続を阻害するかを想定し、それが顕在化
する頻度や影響範囲、重要度を推定することからスタートします。
その上で、優先的に復旧すべき業務範囲を明確にし、具体的な復旧プロセスを
検討して、それらを手順書の形でとりまとめます。

具体的な手順は、勘定科目ごとや対象業務ごとなど、自社の決算手続きに
合った区分で取りまとめます。

例えば、平常時は取引単位、部門ごとに自動仕訳で売上計上していても、
緊急時には全社の合計金額を手作業で集計して伝票起票するといったように、
緊急時の処理を具体的に想定し、元になるデータや作業する要員が確保できる
かを各区分ごとに個別に検討します。

決算プロセスが情報システムに大きく依存している会社であれば、在庫シス
テム、販売システム、会計システムといったようなシステムの区分ごとに取り
まとめるのもよいでしょう。

そういった検討を通して、緊急事態が発生した時に、単体決算を締め、連結
決算を締めて、決算短信や有価証券報告書(四半期報告書)、内部統制報告書
まで含めて、開示責任を果たすために最低限どんな経営資源(データ、要員、
設備・・・)が確保されていればよいかを予め計画します。


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■ 緊急時に備える重要ポイント
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筆者は、ある会社のKCP策定にコンサルタントとして関与したことがあります。
そこで感じたことは、緊急時を想定した対応という意味では「人」の問題が
一番重要なんだということです。

例えば、災害等を想定した情報システムの対応は、震災等の影響もあり随分
進んできています。しかし、いくら決算数字の元となるデータが確保されて
いても、災害時に決算を継続する人がいなければ、文字通り決算は継続でき
ません。 

その意味で、日ごろから業務プロセスの標準化を進め、業務マニュアルの
整備や研修、ジョブローテーションの実施によって決算プロセスから属人的な
要素を出来る限り排除するという地道な業務改善の積み重ねが重要で、
それがあって初めて的確な緊急時対応を検討することが可能になると実感
しました。


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■ KCPの重要性
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さて、実際に災害が起きて決算継続が危うくなった状況においては、じっくり
緊急時対応の手順書を読んでいる暇はありません。
それでは、KCPを策定して緊急時対応の手順を検討することなど意味がない
ように思われますが、そういうことではありません。

KCPの意義は、計画を策定し緊急時の手順を予め想定すること自体にあります。
すなわち、KCP策定を通して、緊急事態発生に対する決算プロセスの脆弱性を
浮き彫りにし、事前にそれに備えることに重要な意味があるのです。


読者の中には週明けの明日から本決算スタートという方もいらっしゃると
思います。まだまだ寒い日が続きますが、お体に気をつけてこの決算を
乗り切ってくだい。そして、決算が一段落したら、貴社のKCP策定を検討する
ことをぜひお勧めします。


本日も【ITCPA通信】をお読みいただき、ありがとうございました。

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発行人:特定非営利活動法人 日本IT会計士連盟  代表理事 坂尾栄治
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