フライフィッシング進化論 (世界最先端情報)

第6話「釣り具やのおやじに品定めを食らう」


カテゴリー: 2017年01月23日
『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
              By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
-----------------------------------------------------------

しょうぶです。


今号は、フライフィッシング物語第6話。


「釣り具やのおやじに品定めを食らう」


の巻きです。



前回までのフライフィッシング物語り、覚えてますか?

え?忘れた?

では、こちらから読んでください。


1話から5話まで連続して読めます。
http://ameblo.jp/flyfishing-japan/theme-10077508541.html

第一投でバスを釣っちゃったり、面白いですよ。





■管釣りで、少しは釣れるように・・。


栃木の管釣りで、見事なボウズ。
手も足もでない。


隣にきて釣り始めた人は、立て続けに釣りまくる。

ものの15分。


「か~~!何でこうも違うんだ?」

「いや、もう何から何まで違う」

「寒いから中でコーヒーでも飲もうなんて、何という余裕かましてるんだ・・」


キャストも段違いで上手いし、
フライも、見えないくらい小さい。

釣ったと思ったら、すぐ離す。


「ん~、ビクに入れなんだ?」

「そんなすぐ離して楽しいのかな?」


その頃は、キャッチ&リリース
という概念もよく分かっていなかったのです。



でも、ああいう風に釣ってみたい。
今のままじゃ、終われない。

くそ~、格好良く決めたい、いつか。



そうして、
また、キャストの練習に励んだのです。




冬場は、日が落ちるのが早い。


夕方日が落ちてから、近くの公園の街灯の下で、
バックキャストのループが確認できる位置取りをして、

いつものように、

怪訝そうに見る犬の散歩のおばちゃんを、
出来るだけ爽やかな愛想笑いでかわしながら、


キャスト練習に励んだのです。




そうなんです。
何となく出来ている感じはするんです。


でも、


実際に釣りに行き、
投げてみると、練習の時とは違い、

飛ばない・・、

ラインはこんがらがる・・、

リーダーにコブがいっぱいできる。

いつの間にか、フライは無くなっている。


それに気付かずに、ひたすら投げる。


釣れる訳がない・・。






そしてまた、
夕方、いつもの公園でキャスト練習。


そんな日々が続きました。



でも、

楽しかったのです。

キャスト練習も。

釣れない釣りも。



水辺に佇むだけで、ほっとするのです。
下手だけど、キャストするだけで、今までにはない心地よさを感じるのです。



一生ものだな。この遊び。
下手すりゃ、人生かけちゃうかもしれないな・・。


そんな予感が・・。


そして、概ね当たっていました。
今、こうしてフライフィッシングのメルマガを書いている訳ですから。


世界大会に、3回も出ちゃったりして、
DVDを制作して、

売ってるんですからね。

キャスティングのインストラクターの資格も取ったりで。



ほんと、
人生はわからない。





■フライキャスティングの魔力


それにしても、
フライキャスティングは、魔力のある運動です。


自分でキャストするのも、もちろんなんですが、


上手い人のキャスティングを見ていると、
それだけで、物凄く心地いい気分に浸れるんですよね。


そう思いませんか?



似たようなフォームで、
似たようなループなんですが、

その人のリズム感や投げ方の癖や、
手首の使い方や、ロッドの扱い方。


似ているんですが、一人一人違うんです。


ループの形状も、
似ているけど違う。


その人が、出ている。


その人でしか描けないループを描いている。


そして、気持ちよさそうにループがほどけて、
エメラルドグリーンの水面にふわっと音もなく着水する、

何とも心地いい静寂の瞬間。


心が、軽くなっていくのが分かる。




■釣具屋のおやじに品定めされる


そんなこんなで、
何となくは、今までより釣れるようにはなっていきました。

相変わらず、でかいマーカーと毛虫のようなフライでですが・・。



ある日、
買ってきた本の中で、


「毛バリを自分で作らないのは、フライフィッシングの楽しみを
半分放棄しているようなものだ」

と、書いてあるのを読み、


そうか、そうなんだ。


自分だけの毛ばりを巻いて、
それで釣れたら楽しいだろうな。


ということで早速、
タイイング道具一式を買いに行きました。




そのショップはとあるマンションの一室にありました。



外から覗くと、
お客は誰もいない。


こういう専門店は初めてなので、
何だか、緊張する。


恐る恐る中に入ると、


すぐさま、奥のカウンターに座っている、
店主らしき眼光の鋭い男に、睨まれる。


いらっしゃい、
とも何とも言わない。


いきなり、なんぼのもんじゃい的な、
品定め目線に心が折れそうになる。


「また、今度にしようかな?」


なんとも、敷居が高いのである。



店主の横に直立不動で立っている女の人が、
小さく、「いらっしゃいませ」


と、呟く。



その言葉に救われて、


せっかく来たんだからと、
店内を、そろそろと歩く。



すげ~、色んな道具や小物や、

本や、ロッドやウエアーやリールが、

所狭しと、鎮座している。

おお~、毛ばりが物凄い数ある。

きれいだな~。




その光景に圧倒され、目が眩むようだった。


店主の鋭い視線を背中で感じながらも、
心の中は、わくわく感でいっぱい。


面白れ~。


なんで、たかが一つの釣り方の為に、
これほどの品数があるんだろう?


ず~っと、ここにいて見ていたい高揚感があったが、
それはぜったい許さないような、店主おやじの眼光。


本を手に取ってページをめくるも、
その音に反応して、じろっと睨んでくる。


ろくに読めずに、すぐ戻す。

英語本なので、そもそもほぼ読めない。




「ロッドですか?」


店主にそう言われて、


「あ、まあ、はい。へへ・・」


と、反射的に返事。



「おいおい、毛鉤を巻く道具じゃなかったのかよ・・」


心の中で呟く。



でも、

キャスティング練習には高番手がいいって書いてあったな、


と、思い出す。



「やっぱりS○○Eですよ。飛びますよ。」


「これなんか、ミディアムファーストなアクションでして」


ロッドを持ち、天井に先っちょを押し付けクイックイッと曲げてみる。
おお~、そうやってアクションを確かめるんだ・・。

玄人っほいな~・・。


「これなら、フルラインも十分いけますしね」


「そ・・、そうなんですか・・。」


フルライン。

単語だけは知っていた。


フルのラインなんでしょ?
飛んでっちゃうってことでしょ?


でも、俺にも出来ちゃうのかな?このロッドで。フルライン。
魔法のような性能があるのかも知れない。


だんだんとその気になってきて、


まずは、8番ロッドか。


「ひひひ、これでカッコ良く決められるぞ」


従順ないいお客になっていました。



チ~ン、

「お買い上げありがとうございます」



来た時とは、


大幅に予定が狂ってしまったが、
本格的なロッドに、満足でした。


このロッド。


3年前まで、大活躍で。


初のフルラインもこいつで達成しましたし。


最後は、ティップが折れちゃって引退したんですけど、
長らくいい相棒でした。


何万回と曲げられ、
その度に見事な復元力を見せてくれました。



同時に買ったオレンジ色の3Mのラインも、
ボロボロになり黄土色になりました。






■バイスを買う。



一週間後、
熱にうなされた様に、またプロショップへ出向き、


毛鉤巻きたいんですけど、
バイスはどれがいいですか?



「ん~、そうですね、

これなんか、巻きやすいですよ。

ワンタッチで挟めますから」



と、リーガ○というのを、勧められました。


靴のメーカーが作ってんのかな?
とか、思いつつ、


「じゃこれで」


勧められるがまま、です。(笑)



あれ?でも、なんか先っちょが少し欠けているような・・


「カディスの巻き方教えますよ」


「あ、お願いします」


一通り、エルクヘアーカディスの巻き方を教えてもらい、

スレッドやウイップフィニッシャー、
スタッカーやシザースなども揃え、


「よし、これでバッチバチに決めるぞ」


てな感じです。


スタッカーって重いんだな、
この重さが本格的でいいな。



「タイイングは楽しいですよ。
このバイス、一生ものですから。これいいですよ」



「そうですか、でも、先っちょが少し欠けてる気が・・・」
「あの・・・」


「色々巻いてくださいね。基本はどれも同じなんでね」


「あ、はい・・・。問題ないのかな?気のせいか・・」



店主から放たれる大量の専門用語の連発と、
玄人っぽい余裕の態度や鋭い眼光に飲み込まれて、

成す術なし。



こちらは知識が圧倒的に足りない。
自分の意見など言えない訳です、こういう時って。


情けね~・・。トホホ。


たぶん、ど素人の私だからこれを勧めたのか?

と、勘ぐりたくなりましたが、


まあ、いいか。

ということで。





でも、このバイス。


今でも現役ですし、

確かに、先端の脇が少しだけ欠けていたんですが、
何の問題もなく、タイイング出来てます、未だに。

まあ、おやじさんの言った通りなので良しとします。(笑)


何千本のフライを巻いたか分かりません。



そんなこんなで、

短期間で、有名ロッドとバイスを手に入れ、
夢は膨らむ一方でした。



と、ここで一段落すればいいんですが、

その一週間後今度は、渓流用の4番がすぐに欲しくなり、
オー○スのロッドも買っちゃいまして。


もう、止まらない、止められない。


オー○スって、
速度違反のあれと関係あるのかな?


とか、思いつつ。



初めてのマイフライはエルクヘアーカディス。

スレッドにオリーブ色のダビング材を縒りつけて、
ボディーを作り、

ハックリングとかいうやつを、くるくるっと決めて、
スレッドをその間に通して。


スタッカーで、エルクヘアーをトントンと。


エルクヘアーをスレッドでぎゅっと絞め込んで、
ウイップフィニッシュを10回ぐらいして(←多くね?)

完成。


ボテッとしたグラマーなカディスがいっちょ上がり。
何故がボテッとなっちゃうんですね。


アンバランスな蛾のようなエルクヘアーカディス。

そいつを小さなフライボックスに忍ばせて。



ある晴れた初夏の日、


「よし、行くか」


本で読んだ、憧れの金峰山川へ向かったのでした。






つづく。




次回は、


「コーチマン目がけて岩魚がが急浮上してきた瞬間」


の巻きです。


お楽しみに。







■追伸

日本独自のニンフィングがあってもいいんじゃないの?
ジャパニーズニンフィングとか、サムライニンフィングとか。

テンカラとはまた違う考えでね。
融合するとか。

いつまでも、受け取るだけじゃダメなのよ。
少なくともやつらを超えようとする気概がないとね。これ、本音。

だからこそ、学ぶ訳で。

http://europiannymphing.flyfishing-japan.com/index.php?EuropianNymphingMethodLetter%2Fi







私に聞いてみたいことなどありましたら、お気軽に連絡してください。
http://www.flyfishing-japan.com/shop/index.php?contact


フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!)
http://www.flyfishing-japan.com/shop/



発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000274931.html

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