石平(せきへい)のチャイナウォッチ

石平(せきへい)のチャイナウォッチ No.043号


カテゴリー: 2009年05月11日
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2009.05.11 No.043号
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 〜誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考〜

石平(せきへい)のチャイナウォッチ

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毛沢東狂信の「カルト集団」である「烏有之郷」について
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去る4月27日に配信したメルマガでは、
中国における「毛沢東崇拝復活」の実態をリポートしたが、
その中で、「烏有之郷」という「左派の溜まり場」についての言及があった。

それが一体どういう人たちの集まりなのか、
という読者からの問い合わせもあったので、この号は多少紙幅を伸ばして、
この「毛沢東狂信カルト集団」の正体を見てみよう。

「烏有之郷」というのは烏託邦(訳注:ユートピアの音訳語)のことで、
中国の左派による政治結社である。
彼らは北京市内に「烏有之郷書社」という書店を持ち、
それを本拠地に活動を展開しているが、
彼らの開設する「烏有之郷」ウェブサイトはまた、
その情報発信の主陣地となっており、全国の左派たちの溜まり場でもある。

中国左派の常として、「烏有之郷」の政治主張の基本はすなわち、
トウ小平改革にたいする全面的な否定と、
毛沢東路線と毛沢東時代の諸制度への全面的回帰であるから、
毛沢東の旗印こそ、彼らの思想運動と政治運動の中軸であるとは言うまでもない。
そのために、彼らは熱狂的な「毛沢東信仰」を吹聴して
それを広く流布させるのに余念がないのである。

2009年3月16日、「烏有之郷」のウェブサイトに
掲載された一通の文章を見てみよう。
著者は崔士忠、タイトルは「毛主席は中華民族の共通信仰」である。

文章は冒頭からこう書く。

--引用はじめ--

「中国の数千年の歴史上、唯一毛主席だけは常に真理と正義と進歩の象徴であり、
知恵と力と慈悲の化身である。唯一毛主席だけは全人民の心と望みの代弁者であり、
中華民族の根本利益と労働者・農民たちの根本利益の守護神である。

唯一毛主席だけはわれら社会主義祖国のシンボルであり、
共産党主義理想のシンボルであり、献身と博愛精神のシンボルであり、
人民団結のシンボルであり、独立自由のシンボルであり、
潔白廉潔のシンボルであり、勇気と勝利のシンボルである。

そして唯一毛主席だけは、
われわれの進むべき方向性を示してくれる道標であり、
われわれの乗る「中国」という船の舵取りである。

だから、われわれは毛主席を信仰する。

毛主席を神として、天として、森羅万象の主宰として、
われわれ人民の永遠の指導者として崇拝して信仰する。

毛主席は農民に土地を与え、労働者に職場を与え、
知識人に創造力と理想の源をあたえ、若者たちに希望を与える。
毛主席はわれら民衆に主人公としての地位を与え、
わが民族に自立自存の尊厳を与え、われわれにすべてを与えている。
われわれは方向を見失うとき、毛主席はわれわれの北斗星となる。
われわれは心を失って深い煩悩に陥る時、
毛主席は仏様となってわれわれの魂を導く。
われわれは勝利を欲しがるとき、
毛主席は天下無敵の将軍となってわれわれを率いて敵を打ち破る。

われわれは平和と幸福と安らぎを望むとき、毛主席の指導下で、
人民にとっての極楽は直ちにこの世に実現してしまったのである。

だからわれわれは毛主席を崇拝して信仰する。
われわれは自分の心を豊かなものにするために、
自分の魂を堕落から救うために毛主席を信仰する。

病気に患われる時に、困難に直面する時に、何かに苦しめられる時に、
毛主席のお名前を唱えれば、われわれの心が落ち着き、
未来への希望を見出すのである。

そう、われわれは永遠に毛主席を信仰するのである。
毛主席を信仰することによって、
われわれは孤独の暗闇から脱出して卑怯と自信のなさから逃れる。

毛主席を信仰することによって、
われわれはいかなる困難をも打ち破れるほどの力と、
すべてを見通せるための知恵を身につけることができる。

毛主席を信仰することによって、
われわれはこの世のすべての悪を撲滅して、
人民による人民のための幸福な
社会主義中国を再建することが出来るのである。

9割以上の中国人民の心が毛主席への信仰に帰依した時、
われわれの社会主義祖国は、この地球上でもっとも素晴らしく、
もっとも幸せな天国になっていることを、われわれは固く信じているのである」

--引用おわり--


上述の文章の中の「毛主席」という固有名詞を、
たとえば「教祖様」という言葉と入れ替えれば、
それは直ちに、どこかのカルト教団の信者が
「教祖様」に奉るような賛辞となってしまうのだろうが、
実は「烏有之郷」という政治結社はある意味では、
正真正銘の「毛沢東教カルト教団」であると言っても良い。

『亜洲週刊』という中国語雑誌の2009年3月22日号の掲載記事が、
この「カルト教団」の狂信ぶりを克明な報告を行っているので、
その主な内容の一部を訳出してここで紹介しょう。

--引用はじめ--

「“烏有之郷”というのは中国の極左たちのユートピアである。
左派的思想傾向を持つ定年官僚、学者および読者たちはここに集まり、
「四人組の名誉回復」、「文化のための大革命に対する名誉回復」を叫び、
「毛沢東主義」によって中南海で政治を牛耳る「修正主義グループの粉砕」
まで主張しているのである。

書籍の印刷出版以外に、彼らは実にさまざまな活動を展開している。
烏有之郷の大講堂では毎週講座を開き、
メールマガジンをも発行し、ネット・サロンも設けている。
彼らはまた、宣伝チラシやDVDが不定期に発行している。

改革開放の進行過程でさまざまな問題が生じ、
社会の末端の人々のなかには改革開放で利益がなかったり、
利益が非常に少なかったりする人もいる。

社会的な矛盾が大きくなるにつれ、毛沢東への迷信をふたたび持つ人が増えた。
烏有之郷はそのような人々をマーケットにしている。 

聞くところによると、烏有之郷メンバーたちは、
毛沢東への忠誠心を示すためにいつも毛沢東のバッヂを胸につけ、
毛主席のことを毎日のように称える。
メンバー二人で話をするときは必ず「毛主席に誓って」と言い、
右手の手のひらを左胸におくような動作をするという。

(中略)

烏有之郷のメンバーたちが良く読む名文には
『全国人民に告ぐ』というものがある。

この文は冒頭から、

「中華民族にとってもっとも危険な時期が到来している!
 30年来の事実がすべてを物語っているのだ。
 修正主義統治グループが中国共産党の指導権を握って推し進めてきた『改革開放』は、
 すべてにおいて徹頭徹尾な資本主義路線の復活であり、
 すべてにおいて官僚的、そして買弁的な売国路線である」と述べている。

文はさらにこう書く。

「いわば『改革開放』が進む中で、
全国各民族人民はふたたび塗炭の苦しみの中に放り込まれ、
新たに半封建、半植民地的官僚買弁資本主義、
および帝国主義の三つの‘大山’に圧迫され搾取されている。

したがって、われわれ中国毛沢東主義共産党は全世界に向け宣言する。
中国人民は中国共産党の走資派反動統治グループに対して造反するのだ。
造反有理である」 

--引用おわり--

以上の引用文から分かるように、
現代中国に蔓延しとている毛沢東崇拝は、
「烏有之郷」のような狂信的な「カルト集団」を
作り出すまでに至っているのである。

そして、この「烏有之郷」に集まった
「カルト信者」としての左派たちは、
まさに毛沢東という「教祖様」を旗印に祭り上げながら、
「共産党内の反動統治グループ」、
すなわち現政権そのものにたいする宣戦布告をしているのだ。

中国の歴史上、狂信的なカルト教団が中核となる反乱によって
潰された王朝はいくつもあるが、歴史が再び繰り返してくることの兆候は、
現在の中国ではすでに見えてきたような気がするのである。


( 石 平 )


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□■オバマ政権が求める最大課題。"日米安保"の再検討!???

2010年に日米安保条約締結50周年を迎える。

かつてモンデール駐日大使は、

「尖閣諸島に中国が攻めてきても、アメリカは日本のために戦わない」

ということを言った。それがアメリカ側の本音だ。

中国は核大国である。
アメリカがいくら世界一の核大国だからといって、
中国に軍事攻撃を加えれば、自国が核攻撃されるリスクを伴う。
アメリカが他国のために、国益を損なうようなことをするはずもない。

アメリカにとって、ソ連崩壊後に一番の軍事的な脅成になっていたのは中国だが、
オバマ政権では米中関係が緊密化する。
軍事面でもアメリカと中国が提携したら、
日米同盟を結ぶ意味も、日本に米軍基地を置く意味もなくなる。
北朝鮮の核保有も警戒してはいるものの、
北朝鮮の脆弱な軍事力ならアメリカまで核ミサイルが飛んでくることはないからだ。

日本は用済みになる・・・。

日米同盟の、不要論が台頭してくるだろう。
日本はアメリカから見放され、日米安保条約は破棄されるかもしれない。

封じ込めた後は、日本はどういう状況に置かれるか。
まだ日本に経済力があるうちは、生かさず殺さずでアメリカは利用するだろう。

しかし、日本のお金を吸い取り日本経済が破綻したら…。

金の切れ目が縁の切れ目だ。日本はアメリカに捨てられる。

●日本は、今、何をすべきなのか?

アメリカは第二次世界大戦で蒋介石をバックアップして日本を叩いたあと、
蒋介石をポイ捨てして毛沢東と組んだ。

蒋介石が逃げこんだ台湾は今でも国際政治の迷子国家だ。
ベトナム戦争でも南ベトナムをあっさり見捨てた。
北から攻められた難民が数万人もさまよった。

主権国家は自在に同盟国を選べるのです。

オバマ政権で日本がアメリカから放り投げ出されたら?…。
日本は中国に支配されたらどうなるか?…

派遣難民どころではない。どうやって国を守るべきか?
遅まきながらも、真剣に学ぶべきときがきたのです。

●地政学とは何か? 何のための地政学か?

すべての軍事学はマッカーサーから禁断の学問とされた。

結果日本には軍事学部がないので地政学だけでなく
軍事が学べない環境である。

地図を広げて「ここを押さえなくてはならない」とか、
「ここを取られたら負けだ」という議論をしてこなかった。

実は日本だけでなく、欧米でも地政学という言葉はあまり使わない。

なぜならそれほど、効果的で危険な学問
とされている面があるからである。

地政学は国家の成功戦略であるからだ。
世界をコントロールする支配者は
この特殊に加工された地図を毎日みて考察しているのだ。

欧米でもこの地政学という言葉そのものがでることは少ないが、
エリートの中では地政学用語、または、地政学的思考で話をする。
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