飛鳥遊訪マガジン

飛鳥遊訪マガジン Vol.267


カテゴリー: 2017年05月05日
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  飛鳥遊訪マガジン Vol.267


                       2017.5.5
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┏○INDEX‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥┓

   1.お知らせ
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   2.咲読1             風人
   ────────────────────────────────────
   3.咲読2             風人
   ────────────────────────────────────
   4.飛鳥話             梅前さん
   ────────────────────────────────────
   5.飛鳥情報
   ────────────────────────────────────
   5.編集後記
   ────────────────────────────────────
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  GWを楽しくお過ごしですか? 天気もまずまずのようですので、旅行
 やイベントを楽しまれた方も多いのではないかと思います。
  両槻会事務局は、明日、6月3日実施の第61回定例会の下見を予定し
 ています。共催します帝塚山大の学生たちは、ぼちぼち緊張し始めている
 かも知れませんね。生憎、あまり天気予報が良くないのですが、楽しく行
 ってきます。お申込みいただいた皆さんには、その後、詳細案内を送付い
 たします。お待ちくださいね。


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 ●1.お知らせ                        ○o。
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  第61回定例会予定

 「帝塚山大学清水ゼミ生とのコラボ企画第4弾
              ― 飛鳥時空旅 古墳編 ― 」

  実施日  :6月3日(土)
  集合場所 :近鉄岡寺駅東口
  集合時間 :10:05
  コース概要:岡寺駅→五条野丸山古墳→植山古墳→小山田古墳
        →菖蒲池古墳→天武・持統陵→鬼の雪隠・俎古墳
        →欽明天皇陵→高松塚古墳→キトラ古墳→近鉄壺阪山駅
        約9km
  コースマップ 
https://drive.google.com/open?id=19IjBdEXp4TDhpoqR9QsDRdluIuw&usp=sharing
  五条野丸山古墳・植山古墳辺りのコースを変更しています。
  若干のアップダウンが有りますが、健脚向きというほどではありません。
 
  参加費  :1,500円
        (運営準備金不足のため、参加費を500円アップ致しま
        した。ご理解のほど、お願いいたします。)
  定員   :30名
  受付   :定員まで。


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 ●2.咲読1              風人         ○o。
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  第61回定例会に向けての咲読3回目です。今回は、予定を変更して、
 先日、下見に行った時の様子をお伝えしたいと思います。
  その折に撮りました写真を、両槻会フェイスブックに掲載しております。
 https://www.facebook.com/asukakaze210/

  お知らせのコーナーでも書きましたが、若干のコース変更を行うことに
 なりました。大変残念な事ではありますが、五条野丸山古墳の縦断はこの
 季節には無理でした。雑草が伸びて、地面が全く見えません。段差も有り
 ますので、取りやめることにしました。しかし、前方部までは回り込む予
 定です。
  また、植山古墳は、現在、全面的に立入禁止になっていました。あらゆ
 るルートが遮断されており、墳丘上まで行くことが出来ません。こちらも
 残念ですが、致し方のないことです。しかし、近くにある春日神社境内か
 らは、植山古墳の様子が分かりますので、そこから見学しながら説明を聞
 くことにします。

  さて、駅から植山古墳までは住宅地の中の小さなアップダウンを歩くの
 ですが、暫く進んだ(明日香村に入る)辺りから住宅地になる以前の地形
 を感じられるコースになります。菖蒲池古墳や小山田古墳が存在する丘陵
 の北側になるのですが、古い地形を残しています。こんなところにも、明
 日香村と橿原市の市村境界を知ることになります。
  現在、橿原市菖蒲町付近は、大きな住宅地になっているのですが、それ
 までの地形を見てみると、甘樫丘から派生する尾根や谷が複雑に絡まった
 様相を見せていました。今回は、残存する古い地形が残るルートをたどり、
 昔の地形のイメージを作れればと思っています。小山田古墳の現地説明会
 の時に、好奇心のまま私が歩いたコースで、とても面白かったので取り入
 れることにしました。
  また、甘樫丘公園の最南端の部分から、小山田古墳が乗る丘陵を眺めて
 みたいと思います。甘樫丘の南端部分は、公園敷地と私有地が混在してお
 り、園路は造られているのですが人の姿はほとんど見かけることはありま
 せん。観光客の多い北側とは、雰囲気が大きく違います。

  昼食場所は、カキツバタなども咲くところですので、定例会当日には楽
 しんでいただけるのではないでしょうか。私が行った時には、薄い紫の花
 が絨毯を敷いたように一面に咲いていました。よく見ると、スミレの群生
 でした。また、新緑の木々で園路は鮮やかな緑色の光に包まれており、自
 然に包まれる幸せを感じました。
  ただ、水生植物が咲くという事は水場(池)があり、虫も多く居るとい
 うことです。嫌だなぁ~って思われますよね。そこに下見の成果を感じて
 いただければと思うのですが、事務局で蚊取り線香を準備して行きます。
 また、皆さんも虫よけスプレーなどがありましたらご用意ください。事務
 局は、皆さんを虫から守ります! (笑)

  昼食後、小山田古墳からウォーキングを再開します。小山田古墳は、養
 護学校内になりますので、もちろん中には入れません。丘陵の南端を西に
 向かい、直近の発掘現場がどの辺りになるか確認しましょう。
  小さな谷を越えて、次は菖蒲池古墳です。小山田古墳との関連で再注目
 を浴びていますが、近年、橿原市教委の調査も行われており興味深い古墳
 です。被葬者が、小山田古墳=蘇我蝦夷、菖蒲池古墳=蘇我入鹿とすると
 面白いのですが、向きが若干ずれていることや双墓とすれば距離が空きす
 ぎていることなどを指摘する声もあります。
  この二つの古墳を、皆さんは、どうのように考えられますか? 小山田
 古墳を舒明天皇の初葬墓と考えますか? 両古墳を蘇我蝦夷・入鹿の墓と
 されますか? 説明は、学生の担当になりますが、彼等はどのように説明
 するでしょうね。私も楽しみです。(少し意地悪です。(笑) )

  さて、ここから暫くは、両槻会では王道と呼んでいる観光コースと重な
 ってきます。天武・持統天皇陵、鬼の雪隠・俎古墳、欽明天皇陵。この三
 つが続きます。この内、σ(^^)が欽明天皇陵を担当する以外は、学生が説
 明を行います。
  下見では観光客の中での説明になりますので、彼らは本番より緊張する
 かも知れませんね。(^^ゞ 鬼の雪隠・俎付近は、多数の方が連なっている
 ことも有りますし、最もやりにくい他グループと鉢合わせなどといったこ
 とも起こり得ます。そうなると説明や経験がない学生たちは大変でしょう
 ね。まっ、度胸付けには良い機会になるでしょうが。(^^ゞ 
  学生たちの持ち時間は、10分です。これをどう使えるかが、鍵になり
 ます。10分って、短いようで長いですし、長いようで短いのです。初め
 ての時は真っ白になるのが普通ですので、グダグダになる可能性も出てき
 ます。しかし、今の若者は、しっかりしているから大丈夫だと、σ(^^)は
 安心しているのですけど。

  さて、σ(^^)が担当する欽明天皇陵は、改めてご紹介することにします。
 今回は、欽明天皇陵の西端まで行きますので、次の高松塚古墳へは公園内
 を通らず、道路から直接古墳に向かうことにしました。
 高松塚古墳を考えるにはたくさんの視点が有りますので、どういう切り口
 で話すのか、予習から意識して掛からないと難しくなります。全部話せた
 としても、散漫になって、聞いている方が何を聞いたか分からなくなって
 しまうことがあります。実は、コース中でも難しいポイントになると私は
 思っています。

  文武天皇陵の北側の休憩所で、トイレ休憩を15分取ります。立ってい
 る時間が長くなりますので、ちょうど良い休憩になるでしょう。屋根が有
 りますので、雨天でも腰を下ろしていただけます。

  あっ! 忘れていました。高松塚古墳への道すがらの飲料水自販機を外
 すと、この先、暫く自販機がありません。お気を付けくださいね。

  今回は、ポイントではありませんので説明を省きますが、文武天皇陵の
 前を通ります。そこからは、長閑な檜前の野を歩きますが、参加者それぞ
 れに思うことも有ることでしょう。変貌した檜前は貴方にとってどのよう
 に映ることでしょうか。
  次の目的地は、四神の館です。既に見学された方もあることでしょうが、
 25分の見学時間を設けました。そして、キトラ古墳へ。担当は、ポイン
 ト説明の締めとして清水昭博先生が行われます。説明って、こうするのか
 って、学生達は学ぶことでしょう。いや! ほっとして、そんな気力も失
 っているかも知れませんね。(笑) 毎年、担当箇所を終えた順に、学生の
 顔が変わって行きます。参加の皆さんは、そんなところも見ていると面白
 いですよ。

  ともかく、このイベントは多くの方が来て下さらないと意味がありませ
 ん。意地悪な言い方ですが、学生がビビるほど来ていただく事を前提に企
 画しています。どうか、ご参加ください。日程調整のほど、よろしくお願
 いいたします。


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 ●3.咲読2              風人         ○o。
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  引き続き咲読の4回目を、お読みいただきます。4回目は、風人の担当
 ポイント欽明天皇陵について、書き進めたいと思います。また、この古墳
 は、被葬者を巡り五条野丸山古墳と比較が必要になります。そのよう事情
 も有って、両古墳を風人が担当することになりました。

  欽明天皇陵(檜隈坂合陵・ひのくまのさかあいのみささぎ)は、宮内庁
 により明日香村平田に在る平田梅山古墳に治定されています。
  これによってこの古墳の発掘調査は限定的なものに止められており、埋
 葬部などは不明なままになっています。

  墳形は、前方後円墳です。東から伸びる丘陵の西端に築造されており、
 墳丘南側に造出が設けられています。周濠を含める総長約190m、墳丘
 長140m、後円部径約75m、高さ約15m、墳頂径約10.5m、前
 方部幅約110m、前方部長約80m、高さ15.7m、くびれ部幅約70
 mであり、現在、明日香村内における最大規模の古墳になります。墳丘や
 造り出しには、葺石が確認されており、また、隣接する吉備姫王墓に猿石
 と呼ばれる石像物が置かれていますが、これは江戸時代に梅山古墳のすぐ
 南の田(小字池田)から掘り出されたもので、欽明天皇陵と関連するもの
 であるとする考えがあります。
  また、東に位置するカナヅカ古墳は、欽明天皇陵の兆域内に設けられた
 吉備姫王墓ではないかと考えられています。さらに、東端を天武持統天皇
 陵とする一直線に並ぶ古墳列は、飛鳥時代の王家の墓葬地だと考える見方
 あります。

  欽明天皇陵の考古学的調査は、平成9年11月に行われています。宮内
 庁が発掘調査を実施し、後に考古学者が墳丘に立ち入り調査をしています。
 この調査によると、墳丘は、葺石が施されていましたが、それも珍しい石
 の拭き方であったそうです。他の古墳では、石の長辺を墳丘に差し込むよ
 うに貼っていくそうなのですが、ここでは平坦面を表に出すような貼り方
 が用いられたようです。後代の石舞台古墳などはこの方法を採っていると
 されています。

  欽明天皇陵は、丘陵の南斜面をL字にカットして造成し、そこに古墳を
 築造しています。古墳が、丘陵により東・西・北方向から取り囲まれるよ
 うな形に造られました。

  なお、これらの欽明天皇陵の外観は、文久年間(1861~1864)
 に大きな改修工事が行われており、それに伴う改変が大きく影響していま
 す。周濠の広さや形体、また墳丘の姿も変わっているとする説(双円墳説)
 も有ります。

  さて、五条野丸山古墳と欽明天皇陵の被葬者論に話を進めましょう。被
 葬者の候補は、欽明天皇と蘇我稲目です。
  両者の没年を見てみると、欽明天皇は、治世の32年(569)4月の
 『日本書紀』の記述によると、「この月、天皇は大殿にお崩れになった。
 時に御年は若干。五月に、河内の古市に殯した。九月に、檜隈坂合陵に葬
 りたてまつった。」とあります。
  また、蘇我稲目は、『日本書紀』欽明天皇31年3月1日(570)、
 「三十一年の春三月の甲申の朔に、蘇我大臣稲目宿禰が薨じた。」と記さ
 れています。
  このように、両者の没年は近く、死亡時期から古墳を特定するのは難し
 いと思われます。

  現在、五条野丸山古墳を欽明陵とする説が有力とされるようなのですが、
 その根拠とされるのが『日本書紀』の推古天皇条の次の記述です。推古2
 0年(612)2月20日、「皇太夫人堅塩媛を檜隈大陵に改葬し、この
 日、軽の衢で誅を行った。」とあります。堅塩媛は欽明天皇の妃で、用明
 ・推古天皇の母となり、蘇我稲目の娘に当たる方です。五条野丸山古墳の
 石室内には、二つの石棺があり、蓋の形状から奥の物が、手前の物より新
 しいと考えられるそうです。軽という地名は、現在の橿原市大軽町と重な
 るものだとすれば、五条野丸山古墳の前方部を含める多くの面積を有する
 地名になります。
  このような事から、五条野丸山古墳は欽明天皇陵の可能性が高いとされ
 ています。

  しかし、『日本書紀』の推古28年(620)10月には、「砂礫を檜隈
 陵の上に葺いた。また陵域のまわりには土を積んで山とした。氏ごとに割
 り当てて大柱を土の山の上に建てしむ」と記述しています。また、「すな
 わち、御陵に葺石を敷き詰め、陵域の周りに土を山盛りして、氏ごとに割
 り当てて大きな柱をその土山に建てさせた。その折、倭漢坂上直が建てた
 柱が他よりはるかに高かったので、人々は坂上直を大柱直と名付けた。」
 とあります。
  五条野丸山古墳の周辺には、これに該当する地形は見えず、また葺石も
 発見されていません。では、欽明天皇陵の周辺ではどうでしょうか。葺石
 が施されていることは、先にも書きました。私は陵の西側の丘陵が、不自
 然であるように感じています。現在も鳥居のある拝所の直ぐ傍に丘陵が迫
 り、窮屈な感じがします。実は、この西の丘は発掘調査が行われており、
 造成されていることが分かっています。つまり、大柱の丘の可能性がある
 のではないでしょうか。

  猿石の存在も、欽明天皇陵が平田梅山古墳であるとする考えを補強して
 いるように思われます。『今昔物語集』巻31第35話元明天皇陵点定恵
 和尚語 第卅五には、「・・・然て、其の麓に、戌亥の方に広き所有り。其
 れを取りつ。軽寺の南也。此れ、元明天皇の檜前の陵也。石の鬼形共を廻
 □池辺陵の墓様に立て、微妙く造れる石など、外には勝れたり。」とあり
 ます。元明天皇は欽明天皇の誤りとされ、石の鬼形が猿石のことだとされ
 ます。

  「五条野丸山古墳は、大王の陵に相応しい威容を誇り、飛鳥時代の王達
 の祖先の墓として、誠に立派である。」このように聞くと、なかなか反論
 はできないのですが、大きさはともかく、新しい思想を受入れた終末期古
 墳への過渡期の古墳だと考えると見方も変わってくるように思います。私
 は、風水思想や終末期の古墳の築造方法を先進的に取り入れた古墳だと考
 え、プレ飛鳥時代の大王の墓に相応しい古墳であると思います。

  皆さんは、どのようにお考えでしょうか。


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 ●4.飛鳥悠遠             梅前さん        ○o。
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  「はやりすたり」2

  前回、流行には無縁に思える古代史の学説にも、その時代の空気感を反
 映した「はやりすたり」のようなものがある、と書きました。今回はその
 続きです。

  学説だけではなく、事件の解釈も、時代ごとに変わっていくようです。
  例えば「乙巳の変」。
  中大兄皇子が中臣鎌足とともに蘇我入鹿を誅殺した、あの事件です。

  皇国史観におおわれた戦前・戦中には、蘇我入鹿はまさに「大悪人」で
 した。彼とその父親が大王にしか許されない舞を舞わせたり、墓を造って
 陵と呼ばせたり、板蓋宮の目と鼻の先に武器庫を有する要塞を建てたりし
 たことが正式な歴史書である『日本書紀』にはっきりと書かれているので
 すから、「王権を傾けようとしていた」嫌疑から逃れようもありません。
  従って、入鹿を倒した中大兄と鎌足は、逆臣を滅ぼした、まさに「ヒー
 ロー」でした。特に中大兄は、その年若さもあいまって、より一層そのイ
 メージが強かったはずです。
  そうしたイメージは、皇国史観が取り払われた戦後になっても、かなり
 長い間、崩れることはありませんでした。義憤に燃え、自らの危険をもか
 えりみず逆臣である蘇我入鹿を討ち滅ぼした中大兄皇子は、その後母のあ
 とを受け素服称制したのち即位し、古代日本の礎を築き上げた、偉大な天
 皇であり続けていたのです。

  その風向きが変わったのは、いつのことだったのでしょう。
  前触れとして、実は入鹿のほうが天皇だったとか、いやいや聖徳太子と
 呼ばれる人こそが入鹿だったとかいう「トンデモ説」が流布されたように
 思います。
  いくらなんでもそれは……、という戸惑いのあとに、「軽皇子首謀説」
 が出されました。乙巳の変の黒幕は、そのあと即位した軽皇子、すなわち
 孝徳天皇だったという説です。
  「一番利益を得た人=真犯人」という、推理小説のセオリーにのっとっ
 て考えるなら、軽皇子は真犯人にもっともふさわしい人間と言えるでしょ
 う。なにしろ、事件のあと、前代未聞の「譲位」という手法をとって、姉
 から皇位をもぎとることに成功したのですから。
  この説から派生して、軽皇子は皇極すらも殺そうとしていた、中大兄と
 鎌足は単なる「鉄砲玉」にすぎなかった、いやいや本当の黒幕は軽皇子を
 操って倭国に新羅寄りの政権を打ち立てようとした留学生たちだった、な
 どなど、さまざまな説が出され、まさに百花繚乱といった様相を示してい
 ます。

  真相は永遠に解明されることはないのでしょうが、失意のうちに没した
 とされる孝徳が、実は事件の黒幕だったとするこの「視点の転換」は、思
 わぬ効果を生みました。各天皇のイメージ、つまりそれぞれに貼りつけら
 れていた「レッテル」の貼り換えです。
  持統は実は、「わが子かわいさ」だけではなかったのではないか。
  聖武が繰り返した遷都は、深い考えがあって行われたのではないか。
  などなど、これまでのイメージをくつがえす新説が出てきています。さ
 まざまな側面から光を当てることによって、古代の人々が立体的に浮かび
 上がってくるようで、古代史ファンとしては嬉しいかぎりです。

  私が今期待を寄せているのは舒明天皇です。
  推古のあとに即位し、蘇我の専横を許したとされる舒明ですが、初の遣
 唐使派遣や、百済大宮と大寺の造営などで指導力を発揮しています。そし
 て何より、彼は息長氏の流れをくむ「押坂王家」の長として、「上宮王家」
 の山背王をおさえて大王の位を手にした人です。八角墳に初めて葬られた
 のも彼です。大王の象徴とされる八角墳ですが、八角墳と息長氏の関係も
 気になるところです。
  近頃話題の「小山田古墳」が、舒明の初葬地である可能性があるとのこ
 と。今後さらに研究が進めば、舒明の実像が浮かび上がっていくことでし
 ょう。期待に胸ふくらませ、それを見守っていきたいと思います。


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 ●5.飛鳥情報                         ○o。
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  ●葛城市歴史博物館 春季企画展
  ―――――――――――――――――――――――
  「石光山古墳群と忍海」
    会 期: 6月18日(日)まで開催中
    時 間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
    場 所: 葛城市歴史博物館 特別展示室
    料 金: 一般200円、高校・大学生100円、小・中学生50円
         障害者の方とその介助者は無料(障害者手帳の提示が必要)
    詳 細: http://www.city.katsuragi.nara.jp/index.cfm/13,0,31,html

   ≪講演会≫
    開催日: 5月13日(土)
    内 容: 「石光山古墳群と忍海」
           神庭 滋氏(葛城市歴史博物館学芸員)

    開催日: 6月10日(土)
    内 容: 「葛城氏の地域開発戦略-忍海地域が果たした役割を考える-」
           青柳泰介氏(奈良県立橿原考古学研究所)

  ・・・・・・

    時 間: 14:00~
    場 所: 葛城市歴史博物館2階 あかねホール
    詳 細: http://www.city.katsuragi.nara.jp/index.cfm/13,0,31,136,html

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  ●近つ飛鳥博物館 春季特別展
  ―――――――――――――――――――――――
  「東国尾張とヤマト王権-考古学からみた狗奴国・尾張連氏-」
    会 期: 6月18日(日)まで開催中
    時 間: 10:00~17:00(入館は16:30まで)
    場 所: 近つ飛鳥博物館 特別展示室
    料 金: 一般650円、65歳以上・高校・大学生450円
         中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方 無料
    詳 細: http://www.chikatsu-asuka.jp/?s=exhibition/special2

   ≪ミニシンポジウム≫
    開催日: 5月7日(日)
    時 間: 13:00~16:00
    場 所: 近つ飛鳥博物館地階ホール
    基調講演1: 「尾張氏の登場とその後の地域社会」
            藤井 康隆 氏(名古屋市博物館主任学芸員)
    基調講演2: 「大和の豪族の支配基盤とその盛衰」
            市村 慎太郎(近つ飛鳥博物館総括学芸員)
    討 論:   進行 廣瀬 時習(近つ飛鳥博物館総括学芸員)

   ≪講演会≫
    開催日: 5月14日(日)
    内 容: 「2・3世紀の東海とヤマト王権の誕生」
           赤塚 次郎氏(特定非営利活動法人古代邇波の里
                  ・文化遺産ネットワーク理事長)

    開催日: 5月21日(日)
    内 容: 「文献からみたヤマト王権と尾張」
           仁藤 敦史氏(国立歴史民俗博物館教授)

    開催日: 6月4日(日)
    内 容: 「継体政権とその勢力基盤」
           福永 伸哉氏(大阪大学大学院教授)

    開催日: 6月11日(日)
    内 容: 「考古学からみた狗奴国と邪馬台国」
           白石 太一郎氏(近つ飛鳥博物館長)

  ・・・・・・

    時 間: 13:30~15:00
    場 所: 近つ飛鳥博物館地階ホール

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  ●奈良まほろば館 奈良学ナイトレッスン(要申込)
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   申込締切 5/12 17:00まで

    開催日: 5月24日(水)
    内 容: 「万葉集から読み解く、古代日本女性の恋と結婚
          -現代人に送るエール-」
    時 間: 19:00~20:30
    場 所: 奈良まほろば館2階(東京都中央区日本橋室町1-6-2)
    詳 細: http://www.mahoroba-kan.jp/course.html#1052

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  ●奈良学文化講座(要申込)
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   申込締切 5/12 郵送必着

    開催日: 6月23日(金)
    内 容: 「女帝たちの時代
          -国づくり、外交、祈り、文化の担い手として-」
    講 師: 吉村武彦(明治大学名誉教授)
         瀧浪貞子(京都女子大学名誉教授)
    時 間: 18:00~20:45
    場 所: よみうりホール(東京都千代田区有楽町1-11-1)
    詳 細: http://nara.jr-central.co.jp/naragaku/#cource

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  ●帝塚山大学 市民大学講座  
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    開催日: 5月13日(土)
    内 容: 「造形美から瓦をとらえる」
           戸花 亜利州氏(帝塚山大学文学部講師)

    開催日: 6月10日(土)
    内 容: 「家紋瓦の誕生と展開」
           金子 智 氏(東京都水道歴史館企画調査責任者)

    開催日: 6月24日(土)
    内 容: 「織豊系城郭と瓦」
           小谷 徳彦氏(甲賀市教育委員会歴史文化財課主査)
  ・・・・・・

    時 間: 14:00~15:30
    場 所: 帝塚山大学 奈良・東生駒キャンパス2号館2101教室
    詳 細: http://www.tezukayama-u.ac.jp/museum/lecture/

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  ●歴史に憩う橿原市博物館 春季特別展
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  「大海人皇子 天皇への道」
    会 期: 6月4日(日)まで開催中
    時 間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
    場 所: 歴史に憩う橿原市博物館 特別展示室
    料 金: 大人300円、高校・大学生200円、小・中学生100円
    詳 細: http://www.city.kashihara.nara.jp/hakubutsukan/29spring.html

   ≪講演会≫
    開催日: 5月13日(土)
    時 間: 10:30~12:00
    場 所: シルクの杜 教室3(橿原市川西町855-1。博物館東隣)
    内 容: 「飛鳥と吉野」
           池田 淳氏(吉野町教育委員会主幹)

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  ●万葉集を読む
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  「万葉集 巻4-3」
    開催日: 5月17日(水)
    内 容: 「大伴家をめぐる恋(693~702番歌)」
           吉原 啓 氏(万葉文化館主任技師)

    開催日: 6月21日(水)
    内 容: 「をとめたちの恋心(703~713番歌)」
           大谷 歩 氏(万葉文化館主任技師)

    開催日: 7月19日(水)
    内 容: 「大伴家持歌七首(714~722番歌)」
           井上 さやか氏(万葉文化館指導研究員)

  ・・・・・・

    時 間: 14:00~15:30(開場13:30)
    場 所: 奈良県立万葉文化館
    詳 細: http://www.manyo.jp/event/detail.html?id=180

  ―――――――――――――――――――――――
  ●歴史ミニ講座
  ―――――――――――――――――――――――
  「片岡地域の古代寺院」
    開催日: 5月21日(日)
    内 容: 「片岡王寺跡に関する研究」

    開催日: 6月18日(日)
    内 容: 「片岡王寺の寺域はどこまでか」

    開催日: 7月16日(日)
    内 容: 「記録に見る片岡王寺の伽藍」

  ・・・・・・

    講 師: 岡島 永昌氏(王寺町教育委員会学芸員)
    時 間: 11:30~12:00(開場11:00)
    場 所: 王寺町地域交流センター リーベルルーム
    詳 細: http://home.oji-kanko.kokosil.net/ja/rekisikouza

  ―――――――――――――――――――――――
  ●歴史リレー講座 大和の古都はじめ
  ―――――――――――――――――――――――
    開催日: 5月21日(日)
    内 容: 「太子道を往く-太子信仰の今と昔-」
           高田 良信氏(法隆寺 長老)
          ※高田良信氏死去のため、予定はお確かめください。

    開催日: 6月18日(日)
    内 容: 「聖徳太子の仏教と政治観-推古朝から奈良時代末期まで-」
           千田 稔 氏(奈良県立図書情報館長)

    開催日: 7月16日(日)
    内 容: 「春日の歴史と宝物-それに私の祖先と大和-」
           花山院 弘匡氏(春日大社宮司)

  ・・・・・・

    時 間: 13:30~15:00(開場12:15)
    場 所: 王寺町地域交流センター リーベルホール
    受講料: 500円(資料代含む)
    定 員: 各回270名
    詳 細: http://home.oji-kanko.kokosil.net/ja/rekisikouza

  ―――――――――――――――――――――――
  ●飛鳥資料館 春期特別展
  ―――――――――――――――――――――――
  「藤原京を掘る-藤原京の一等地・左京六条三坊の調査-」
    会 期: 7月2日(日)まで開催中
    時 間: 9:00~16:30(入館は16:00まで)
    場 所: 飛鳥資料館 特別展示室
    料 金: 一般270円、大学生130円
         高校生、18歳未満、65歳以上は無料(年齢のわかるものが必要)
    詳 細: https://www.nabunken.go.jp/asuka/kikaku/post-31.html

   ≪講演会≫
    開催日: 6月10日(土)
    内 容: 「藤原京の役所を探る」
           市 大樹 氏(大阪大学大学院 准教授)
    時 間: 13:30~
    場 所: 飛鳥資料館講堂

  ―――――――――――――――――――――――
  ●橿原考古学研究所附属博物館 春季特別展
  ―――――――――――――――――――――――
  「新作発見!弥生絵画-人・動物・風景」
    会 期: 6月18日(日)まで開催中
    時 間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
    場 所: 橿原考古学研究所付属博物館 特別展示室
    料 金: 一般800円、高校・大学生450円、小・中学生300円
    詳 細: http://www.kashikoken.jp/museum/top.html

  ―――――――――――――――――――――――
  ●桜井市立埋蔵文化財センター 発掘調査速報展
  ―――――――――――――――――――――――
  「50cm下の桜井」
    会 期: 10月1日(日)まで開催中
    時 間: 9:00~16:30(入館は16:00まで)
    場 所: 桜井市埋蔵文化財センター展示収蔵室
    料 金: 一般200円、小・中学生100円
    詳 細: http://www.sakurai-maibun.nara.jp/tenji/Sokuhou.html

 o〇━━
 ●6.編集後記              風人        ○o。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  諸事情で風人だらけの号になってしまいました。(^^ゞ 恥ずかしくて、
 出すのを止めようかと思いましたが、そういうわけにもいかないので、恥
 を偲んで出します! 原稿不足ですので、皆さん、送って下さいませ。
 飛鳥に行ってきたよって訪問記で結構ですので、よろしくお願いします。


┏┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┿┓
        発行:両槻会 http://asuka.huuryuu.com/       

             asukakaze2@gmail.com           
┗┿━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┿┛

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