田中優の“持続する志”

田中優の “持 続 す る 志”第50号  インフルエンザの来た道 ~世界の人々が平等になれないから、永遠に終わらない


カテゴリー: 2009年05月23日

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  田 中 優 の “持 続 す る 志”

   優さんメルマガ 第50号☆彡 2009.5.23

    http://tanakayu.blogspot.com/

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□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□


インフルエンザの来た道
〜世界の人々が平等になれないから、永遠に終わらない


 新型インフルエンザは感染性は高いが、弱毒性だとわかってき
た。その結果、いまや自宅で寝ていれば回復するものと言われる
ようになった。少し前までの、飛行機の近い席に座っていただけ
で隔離された時期とは様変わりだ。よかった、致死率が高くなく
て。

 しかし世界で流行しているインフルエンザはこれだけではない。
たとえばWHO(世界保健機構)の2009年5月19日発表の数字を
見てみよう。鳥インフルエンザウイルスH5N1による感染者、死亡
者数は、インドネシアを筆頭に424人の感染者と261人の死亡者
(致死率61.5%)となっている。まだヒトからヒトに感染するの
かどうかはわかっていないが、致死率60%以上となっている。怖
いウイルスは今回のものではないところにあるのだ。
http://www.keiyukai-group.com/infjoho/infjoho.htm

 神戸大のチームが05〜07年にかけてインドネシアの研究所
と共同で4州の豚、計402頭の感染状況を調べた結果では、なん
と全体の1割を超える52頭からH5N1型ウイルスが見つかった。
うち1頭から分離されたウイルスは鳥にも人にも感染するタイプ
とみられている。鳥のインフルエンザウイルスが豚に感染を繰り
返すうちに、人にも感染するタイプに変化したようだ。
http://www.asahi.com/science/update/0503/TKY200905030162.html
 しかし感染者・死者数の最も多いインドネシアは、鳥インフル
エンザ・ウィルスのワクチン製造用の検体を、WHOをはじめ先
進国側に提出することを拒否している。
 「なぜこんなひどいことを」と思うかもしれない。しかしイン
ドネシア保健省(日本の厚生労働省)大臣、シチ・ファディラ・
スパリ女史の意見を聞いてみよう。

 「ワクチンを作る技術は、先進国しか持っていないわ。私たち
(途上国)が、ウィルスのサンプル(検体)を提供しても、先進
国の製薬会社で先進国の人たちのためにワクチンが作られるだけ
で、私たち貧しい途上国にはまわってこないじゃない。
 WHOが、後でただ(無料)でワクチンをくれるわけでもない
し、かといって私たちで買おうにも、ワクチンが高額すぎてとて
も買えないわ。
 だから、絶対WHOにワクチン製造用のウィルスの検体などあ
げたりしないわ。先進国にある製薬会社が、金儲けをするだけじ
ゃないの。それに協力する気なんかさらさらないわ」と。
http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65254930.html

 よく考えてみてほしい。途上国では、一生涯に医者の顔を拝む
ことができる人は、よくて全体の半分程度しかいない。もっと貧
しい国では、8割の人たちが一生医者にかかれない。しかも医薬
品は高いカネが払える先進国に向けて作られ、途上国の会社が安
くコピー薬を作れば、訴訟を受けてつぶされる。インドネシア保
健省大臣の言っていることは至極もっともな話なのだ。
 その貧しい国の中でインフルエンザが発見される。ということ
は、貧困でない人にまで感染したということの証明なのだ。何万
人貧困な人がインフルエンザで死のうが発見されない。発見され
るのは医師にかかれる豊かな人が発症したときになるのだ。しか
もウイルスは人体で強度を増し、感染して薬物に対する耐性が強
くなる。これは日本が中国で、細菌兵器の人体実験をしていた際
にも同じことをした。「丸太」と呼んだ中国の人に感染させ、人
体で細菌兵器に使う病原菌の強度を高くしていたのだ。これが自
然に進行する。貧しい途上国の中で。

 しかしその状態は保険制度のないアメリカでも同じだ。大手企
業に勤めていなければ保険は高くて持てない。多くの貧しいアメ
リカ人は、途上国同然の状態に置かれているのだ。

 しかも今回の新型インフルエンザが発生したのはメキシコ・ベ
ラクルス州、ラグロリアとみられている。ここにはアメリカの多
国籍企業「スミスフィールド・フード社」の、養豚場がある。A
P通信によれば、「ここでは1万頭の豚が狭く、不潔な場所に押
し込められ、薬のシャワーで毎日浴びせられている。豚の排泄物
は豚舎の下から流れ出て、自動的にプールに貯められる。ここか
らものすごい悪臭と、大量のハエが発生し、地域の住民を悩ませ
ている。豚舎の周囲には、腐った豚の死骸が転がっている。これ
らは、あらゆる疫病の発祥源となっている」そうだ。周囲の住民
は、数ヶ月前から呼吸器官の病気や変死が発生していると訴えて
きた。WHOは、以前から「新しい疫病の発生は不可避である」
と警告してきた。EUとFAOも「伝統的な小規模の養豚業から
巨大な工場型への移行は、疫病の発生と流行の危険性を増す」と。
 スミスフィールド社は『フォーチュン』誌の上位500社に入
る世界最大の多国籍養豚会社だが、すべての豚にはワクチンを施
しているから「ここで起こったことは、不幸な偶然にすぎない」
とのべている。

 すごい偶然だ。養豚場はスミスフィールド社の『合理化』のお
かげで、米国や他の国の9割の養豚場がつぶれた。スミスフィー
ルド社の価格のほうが、はるかに安いからだ。ワクチンのほうが、
清潔な養豚場を作るより安上がりなのだ。その地のブタから新型
インフルエンザが発生した。しかし「わが社の責任ではない」と
言うのだ。
 この場に養豚場があるのはNAFTA(ナフタ=北米自由貿易
協定)のおかげだ。カナダ、アメリカ、メキシコ間の関税をなく
して自由貿易ができるようにし、それぞれの国単独では環境規制
ができないようにした。要は多国籍企業は好きな場所で規制に縛
られずに好き勝手なことができる協定だ。NAFTAとは、「な
んでもアメリカ企業の自由に貿易させる協定」なのだ。もしメキ
シコ政府がスミスフィールド社を規制したとしよう。スミスフィ
ールド社は即座にメキシコ政府を訴えられる。「自由な貿易を一
方的に妨げた」と。以前に公害物質を規制しようとしたカナダ政
府が、規制を受けたアメリカ企業に訴えられ、NAFTAで敗訴
している。企業の自由な貿易が、健康や国家の規制に優先するの
だ。

 今回のブタインフルエンザへの対策が遅れたのには理由が二つ
ある。
 ひとつはメキシコが貧しいことだ。NAFTAでいじめられる
前から、メキシコは世界銀行・IMFからの『構造調整プログラ
ム』を受けていた。要は「お前の国は借金がたくさんあるんだか
ら言うことを聞け! 輸出して借金返せ、福祉や教育に使うカネ
があるなら借金返せ」という政策の押しつけだ。そのせいで貧富
の格差は激しく、多くの人たちは医者にかかれない。
 もうひとつはアメリカ側の不まじめな対応だ。感染源が明らか
になるためだろう。アメリカはブタインフルエンザ検体の検査を
サボタージュした。そのためメキシコ側はカナダの施設に検査を
依頼せざるを得なかった。しかも感染が確認されてからも、「こ
こまで騒ぐのは大げさだ」とテレビの取材に答えていた。
 その結果、世界に感染した。企業とそれと結託した政府によっ
て、今後目くらましのさまざまなニュースが、おそらく出される
ことだろう。「実は発生源はここではなかった」「実は別のウイ
ルスが原因だった」と。

 この再発を防ぐには、飼い方を変えるしかない。先週、鹿児島
の「えこふぁーむ」に行ってきた。ここでは伐採後の山や、耕作
放棄地にブタが放し飼いで飼われている。元気に走り回りながら
あたりの草を食べている。人が行くと走ってきてお出迎えする。
人が近づくとちょっと逃げ、すぐに好奇心に負けて再度近づいて
くる。本当にかわいいブタたちだ。
 ブタさんたちが耕運した後の森はもともとの樹種で植林され、
耕作放棄地は畑に戻される。こうしたブタたちは健康で、まだ一
頭もガンにすら侵されたことがない。これはとても珍しいことだ。
というのは、今のブタの半数近くはガンになっており、その部位
を取り除いて販売されているのだから。
 ドイツ、オーストリアが鳥インフルエンザ防止のために、ケー
ジ飼い(すし詰めにかごに詰めて飼うこと)を禁止した。平飼い
(土の上でそのまま飼うこと)しか許されなくなった。おそらく
これが唯一の解決策だ。相手は機械ではないのだから、命あるも
のとして彼らが持つ免疫力を生かして育てるしか解決策はないの
だ。

 今は海外に出なければ大丈夫と思っているかもしれないが、こ
れは遅かれ早かれ定着する。しかも今の日本に発生しないという
保証もない。日本での飼育方法も、決してほめられる形ではない
のだから。
 そしてインフルエンザを再発させないためには、貧しい国の人
たちが病院にアクセスできるようになって早期発見できるように
なり、安く販売するために命を無視した生産を巨大企業に許した
りしない制度が必要だ。ただちにNAFTAを廃止し、世界銀行
やIMFの『構造調整プログラム』をやめさせるべきだ。解決す
るには畜産と農業と林業を複合させ、命あるものを土の上に戻し
て育てるしかない。

 ―『それは無理だ』、とあなたも思ったでしょ? だからイン
フルエンザは、今後もたくさんの人の命を奪う。次は抵抗力の低
い、あなたの子どもや親かもしれない。



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□◆ 5月の講演会予定  □■□◆◇◆◇■□■

5月
24日(日)市ヶ谷健保会館(東京都渋谷区)
25日(月)北星学園講堂(札幌市中央区)
26日(火)北海道環境サポートセンター(札幌市)
     佐藤水産本店文化ホール(札幌市)   
27日(水)長野戸倉上山田温泉「圓山荘」(長野県千曲市)
31日(日)平泉文化遺産センター(岩手県西磐井郡平泉町)


※定員に達していたり、非公開のイベントもございますので
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□◆ 6月の講演会予定  □■□◆◇◆◇■□■

6月
 3日(水)ラフレさいたま(埼玉県さいたま市)
 6日(土)武蔵大学50周年記念ホール(東京都練馬区)
12日(金)〜13日(土)
     国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
14日(日)群馬県立県民健康科学大学(群馬県前橋市) 
20日(土)別府市 中央公民館(大分県別府市)
21日(日)大分コンパルホール(大分県大分市)
22日(月)Naked Loft (東京都新宿区)
23日(火)総評会館(東京都千代田区)
27日(土)山梨県甲府市
28日(日)石川県能美市
29日(月)信頼資本財団(東京都千代田区)

※<連絡>6月の講演会主催者の方々は、おはやめに講演
詳細をお知らせくださいませ。


◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□


最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

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ることができました。本当にありがとうございます。50号を記
念して、ちょっと長い文章をお届けしました。そしてこれから
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